「仮面、ライダー……!?」
「この人が……仮面ライダーなの?」
突如現れた謎の仮面の戦士……仮面ライダー。
自分達の前に現れた新緑の仮面ライダーにジェイナス――一登と優奈は驚きの声を上げた。
最初に出くわした怪人・ショッカーライダーの一人によれば『この世から消えた』と語っていた。
あの言葉通りなら、仮面ライダーはもういないはずだ。
だがしかし、目の前に立つ男は変身を遂げ、自分達と同じ"仮面ライダー"になったのだ。
一方、青年・筑波洋が変身した"仮面ライダー"はブラックバロンと相対する。
まず先に動き出したブラックバロンがバナスピアーを構え、一気に距離を詰めてくる。
「くらえ!」
「なんのっ!」
繰り出されたバナスピアーを避け、お返しと言わんばかりに鉄拳を繰り出す。
放たれた拳はブラックバロンの鎧へと突き刺さり、軽く吹っ飛ばした。
地面に尻もちを突きながらもブラックバロンは立ち上がると、再びバナスピアーを振り回して立ち向かう。
「ええい! 仮面ライダーめ! 俺だって仮面ライダーになったのだ! 侮るなよ!」
「侮るつもりはない! だが、仮面ライダーを名乗るならもっとふさわしい人達がいる!」
振り下ろされるバナスピアーを捌かれ、逆にパンチやキックがブラックバロンを捉えていく。
仮面ライダーが繰り出す一撃をすべて受けて痺れを切らしたブラックバロンはベルト……戦極ドライバーに備え付けられたカッティングブレードを操作した。
【バナナ・スパーキング!】
「串刺しになってしまぇ!」
ブラックバロンの持つバナスピアーが地面に突き刺すと、いくつものバナナ型のオーラが出現。
仮面ライダーを突き刺さんとする勢いで迫るが、その前にトルネードの横部に備え付けられたレバーを押した。
「セイリングジャンプ! とぅ!」
ブラックバロンを繰り出した突きによる一撃『バナナビクトリー』を飛び上がることで華麗に避け、仮面ライダーは大空へと舞い上がった。
マフラーを靡かせながら大空を飛び回るその姿にジェイナスは驚きの声を上げる。
「そ、空を飛んでる!?」
「そうだ、俺はスカイライダー……大空を自由に飛ぶ仮面ライダーだ!」
ジェイナス――優奈の言葉に反応して、大空を飛ぶ仮面ライダー――『スカイライダー』は高らかに名乗り上げた。
空中へと舞い上がったスカイライダーは上空からの急降下によるパンチを繰り出した。
「スカイパンチ!」
「ぐあああああああ!?」
ブラックバロンはパンチを受けて再び吹っ飛んでしまう。
地面へと倒れ込んだものの、すれ違いざまにバナスピアーを振るい、斬りつけようとする。
だが、振るった刃先にスカイライダーの姿はなく、代わりにバナスピアーが重くなってしまう。
よく見れば、自分が持つバナスピアーの上にスカイライダーが飛び乗っていたのだ。
「槍渡り陽炎の術……お前の槍術は俺が封じた!」
「ぐぅ……!?」
自分の得物を封じられ、ブラックバロンに唸り声をあげるしかない。
あれほど苦戦を強いられた相手をこうも圧倒するスカイライダーにジェイナスは茫然と見ている事しかできなかった。
「すごい、俺達でも苦戦を強いられていたのに……」
「あれが、本物の仮面ライダー……」
スカイライダーの実力に驚かせるジェイナス――一登と優奈。
彼がいるならば、【死と隣り合わせで自分達が戦っている意味はあるのだろうか】と思うほどだ。
あの人がいるなら、自分達が命がけて戦う必要はないのでは……と。
だが、ブラックバロンが見せた"変貌"にすぐにその考えを改めさせた。
「へっ、流石仮面ライダー……その強さは今でも健在のようだな。だが、お前も忘れている事があるぞ」
「何、どういうことだ!?」
「今の俺にはお前の知らないライダーの力が使えるってことだ! ――アームズチェンジ!」
スカイライダーにバナスピアーを封じられたまま余裕綽々の態度でブラックバロンが叫ぶと、ブラックバロンの体から人影が飛び出す。
姿こそはブラックバロンと同じだが、上から纏っているものは
【ファイト・オブ・ハンマー!】
「マンゴーパニッシャー!」
「なに!? ぐぅ!?」
もう一人のブラックバロンから振り落としたメイス・マンゴーパニッシャーがスカイライダーに炸裂。
軽く吹っ飛ばされながらも態勢を立て直して着地したスカイライダーが見ると、そこには異なる鎧を纏った二人のブラックバロンが立っていた。
バナナの鎧を纏った騎士の姿のブラックバロン・バナナアームズ。
マンゴーの鎧を纏った拳闘士の姿のブラックバロン・マンゴーアームズ。
全く異なる武装と鎧を纏った二人のブラックバロンを見て、スカライダーは驚きの声を上げる。
「ドロリンゴの分身能力か! だが、その姿は一体……!」
「はっはっは、驚いたか! 元々バロンはお前と違って複数の形態を使い分けて戦うライダーだ! 俺の能力と合わせて使えば、こういうこともできるのだ!」
ブラックバロンはそれぞれの得物であるバナスピアーとマンゴーパニッシャーを握りしめ、スカイライダーに襲い掛かる。
スカイライダーは応戦するも、ブラックバロンによる鋭い突きと重い叩きつけが苦しめていく。
「くぅ、こうも仮面ライダーの力に苦しめられるとは!」
「くたばれ、仮面ライダー! 弱い奴が消え、強い奴だけが生き残る! 俺が強者になる!」
ブラックバロン・バナナアームズとブラックバロン・マンゴーアームズ。
あらゆる局面に対応する万能形態とあらゆる物を粉砕する剛力形態にスカイライダーは苦戦を強いられ始める。
それを見ていたジェイナスは少しだけ俯きながら迷った後、顔を上げる。
「優奈……いけるか」
「一登君……大丈夫、いけるよ」
「「――フュージョンチェンジ!」」
【ACCELE×MACH】
【RIDER FUSION】
【BLAZING ROAD】
ドライバーのライドクリスタルを取り出して入れ替えたジェイナスはワイルドハートからブレイジングロードに姿を変え、足を踏み出した。
一気にトップスピードまでの速度に到達すると、ブラックバロン達二体へ目掛けて炎を纏った回し蹴りを繰り出した。
「「ハッ!!」」
「「ぐあっ!?」」
「なっ……君達は!?」
ジェイナスの一撃を受けたブラックバロン達は吹っ飛び、スカイライダーは驚きの声を上げる。
仕切り直しと言わんばかりにスカイライダーはジェイナスの隣に並び立つと、彼らに話しかけてきた。
「ありがとう、助かった」
「「えっ、あっ、どういたしまして?」」
「男女の声? 二人で一人なんてまた変な感じだけど……ま、いいか」
しどろもどろに答えるジェイナスの男女の声に、不思議そうに首を傾げるスカイライダー。
その間にも態勢を立て直したブラックバロン達が迫り、ジェイナスとスカイライダーは応戦する。
マンゴーアームズのバロンをジェイナスが、バナナアームズのバロンをスカライダーが対応する中、ジェイナスはスカイライダーへと質問を投げかけた。
「俺達、あなたの登場で迷っていたんです。俺達はこのまま戦いに身を投じてもいいのかって」
「俺の登場に?」
「だって、仮面ライダーはもう昔に歴史の中で消えたって言っていたから、他の仮面ライダーに出会うの初めてで……」
「アナタ達仮面ライダーがいるなら俺と優奈は戦わなくてもいいんじゃないか、俺達はいらないじゃないかと思った。思ってしまったんだ」
ジェイナスはライドキャリバーで、スカイライダーは徒手空拳で二人のブラックバロンを対応する。
スカイライダーは繰り出される突きを回避して、迷う思いを孕んだ言葉を聞きとろうとする。
振り下ろされるマンゴーパニッシャーをライドキャリバーで受け止めたジェイナスは一登と優奈の声で吐露した。
「でも、違ったんだ。俺達が戦う理由はこんな奴らから俺達が知る人を守りたかったからなんだ」
「学校を、クラスメイトを、先生を……なにより、この学校に一緒に通っている彼を守りたい」
「だから俺は、俺と優奈はまだ戦う。たとえ弱くても、愚かでも、知っている誰かを守る事をやめることはできない!」
「たとえ、相手が誰であっても、同じ仮面ライダーであっても!」
一登と優奈が言い放った決意を宿した言葉。
それは決して揺るぎない一つの強さ……ジェイナスの意思を聞いたスカイライダーは仮面越しにニヤリと笑う。
迷いを振り払った彼らジェイナスに対し、スカイライダーは返答した。
「それでいいんじゃないか?」
「「えっ?」」
「いい理由じゃないか。かつての俺達よりずっとすごいものだよ。きっとその強さが君達を強くする」
スカイライダーの言葉を聞いて、ジェイナスは目を丸くする。
二人のブラックバロンの猛攻に耐えしのぎながら、ジェイナスとスカイライダーは背中を合わせる。
襲い掛かる隙を虎視眈々と狙うブラックバロンを注意しながら、スカイライダーとジェイナスは言葉を交わす。
「いいか、おそらくドロリンゴはバロンのクリスタルを体内に入れて力を引き出している。アイツからクリスタルを取り除けば幾分か弱体化するだろう」
「ライドクリスタルがアイツを強くしている、ってことなのか?」
「ああ、そうじゃなければ分裂しているのに強さがそのままなのは解せないからな」
かつてドロリンゴと交戦した経験から導き出した答えをスカイライダーはジェイナスに伝える。
短い言葉を交わした二人の仮面ライダーの姿を見据えたブラックバロン達は戦極ドライバーを操作し、必殺の一撃を繰り出す準備をする。
【バナナ・バナナオーレ!】
【マンゴー・スカッシュ!】
「受けやがれ、仮面ライダー!!」
二人のブラックバロンは振り回し、それぞれバナナとマンゴーのエネルギーオーラを纏った一撃を繰り出そうとする。
それに対してジェイナスはライドキャリバーに青いライドクリスタルを装填し、スカイライダーは飛び上がって大の字に広げた後に高速で回転しはじめる。
【KNIGHT・MATERIA-RIDE】
「「キャリバーソードラッシュ! はぁ!!」」
「スカイフライングソーサー!」
ジェイナスの斬撃・キャリバーソードラッシュと、スカイライダーの繰り出した必殺キック『スカイフライングソーサー』。
二人の必殺技がブラックバロンが繰り出した『バナナビクトリー』と『パニッシュマッシュ』とぶつかり合った。
暫しの間、両者の必殺技がぶつかり合い、余波で出来上がったエネルギーをバチリバチリと火花で辺りを焦がしていく。
このままスカイライダーもろとも押し切ってやる……そう思ったブラックバロンだったが、そこへ新たなる『乱入者』が視界に入る。
「ハァァァァ!!」
「な、なにぃ!?」
自分達の必殺技とぶつかり合うジェイナスとスカイライダーの間をすり抜けて現れたのは、一人の仮面ライダー。
紺色のボディに銀色のアーマー、蝙蝠を模した仮面から覗くのは青い眼光。
まるで騎士の風体をした仮面ライダーの名は手に持った剣を持って、ブラックバロン達へ斬り付けた。
――仮面ライダーナイト。
自分自身の願いを叶えるためにライダーバトルへと身を投じた鏡の騎士。
ナイトによる一撃を受けて、ブラックバロンはよろめく。
自分の攻撃を仕掛けてきたナイトへ反撃を仕掛けようとバナスピアーを振るおうとする。
だが、突如腕が鈍り始める……それどころか、バナナアームズのブラックバロンの体が一時的に硬直をする。
何が起きたのかわからないとブラックバロンは動揺した。
「な、なにが起きた!? か、体が言う事を聞かない!?」
「はぁ……お前いい加減出てきたらどうだ? あの二人の力量はもうわかったはずだが?」
『――ああ、俺の力を相応しいか試すためにコイツを利用していたが、ここまでのようだな』
ナイトの口にした言葉に反応するように、ブラックバロンの体から光があふれだし、やがて光は一人の仮面ライダーとなる。
現れたのは、ブラックバロンと酷似した姿を持った赤と黄色の仮面ライダーだった。
――仮面ライダーバロン
戦極の時代に生れ落ち、自分の誇りと強さのために戦い抜いた孤高の騎士。
バロンはジェイナスの方向へ一瞥すると、ふんと鼻を鳴らしてナイトと共に姿を消す。
入れ替わるように現れた黄色のライドクリスタルことバロンクリスタルがジェイナスの手元にやってきた。
ジェイナスはまじまじとバロンクリスタルとナイトクリスタルを見つめると、二人の声が発せられた。
『お前たちにかける言葉はない……だがな、俺を手に入れた勝利だ。負けたら許さんぞ』
『俺はあるぞ。お前達が信じるものをあるようように、俺にも信じるものはある。力を貸すのはそれが理由だ』
ぶっきらぼう言い放ったナイトとバロンの言葉に聞き入れるジェイナス。
スカイライダーの方を見ると、スカイライダーは静かに頷いて肩に手を置く。
「君達も飛べるはずだ。俺と同じように、この大空を」
つまるところ、新たなるライドクリスタルを手に入れたという事なのだとジェイナスは悟った。
「……俺達に力を?」
「使えってことね」
ジェイナス――一登と優奈は心の中で頷きあうと、ドライバーのライドクリスタルを射出。
代わりに二つの新しいライドクリスタルであるナイトクリスタルとバロンクリスタルをそれぞれ装填した。
「ナイトさん!」
【KNIGHT】
「バロン!」
【BARON】
「「フュージョンチェンジ!」」
【KNIGHT×BARON】
【RIDER FUSION】
新たなる組み合わせを表す電子音声を発すると、ジェイナスの姿が新たなる姿へと変わっていく。
紺と黄色で彩られたアンダースーツに銀色のアーマーボディ、背中には蝙蝠の翼を模した二対のマント。
兜を模したマスクから覗く黄金色の眼光が光り、その手には突撃槍・ランサードスピアーが握られている。
運命に抗い、どんなバトルにも戦いぬく不屈の心を騎士の姿の名前は……。
【LANCERD PALADIN】
――仮面ライダージェイナス・ランサードパラディン。
新たに手に入れたジェイナスの第3形態。
中世の騎士を思わせるその姿にスカイライダーやブラックバロンが驚いている。
ジェイナスはランサードスピアーを構え、ブラックバロンへと迫っていく。
「新しい姿になったところでぇ!」
ブラックバロン・バナナアームズは迫ってくるジェイナスへとバナスピアーを振り下ろす。
だが、咄嗟にランサードスピアーで防ぎ、そのままブラックバロンの首を掴む。
「なっ!?」
「「ここじゃ被害が出る! 場所を移す!」」
そう言いながらジェイナスの瞳が光った。
するとブラックバロンの背後に出現するのは、楕円上の鏡のエフェクト。
召喚されたであろう鏡にジェイナスはブラックバロンと共に突っ込み、そのまま姿を消した。
何が起きたのか、とスカイライダーが周囲を見渡すと、遥か上空にて鏡が出現し、そこからジェイナスとブラックバロンが出てくる姿が見えた。
その光景を見たスカイライダーはジェイナス・ランサードパラディンの能力を察した。
「まさか、あの鏡の入り口を自在に扱えるのか!?」
――ジェイナス・ランサードパラディンの能力は『飛行能力』と『ミラークラック』。
ナイトとバロン、境界を越えて渡り歩く仮面ライダーの力が融合し、"ミラークラック"と呼ばれる鏡の入り口を召喚することができる。
さらには背中のマント・アーマードウィングを広げることで飛行能力により、場所を選ばない戦いを繰り広げる事が可能。
万能の聖騎士はどんな相手にも屈しない。
一方で、地上に取り残されたブラックバロン・マンゴーアームズはジェイナスを撃ち落とそうと再び必殺技を繰り出そうとする。
だがスカイライダーに組み付かれて阻まれてしまう。
「お前の相手は俺だ!!」
「ぐぅ、離せ!」
「セイリングジャンプ!」
スカイライダーはブラックバロンを担いだまま、セイリングジャンプを発動して飛び上がった。
大空へと飛び上がったスカイライダーが向かっている場所では、ジェイナス・ランサードパラディンが背中のアーマードウィングを広げ、空中戦を繰り広げていた。
「「はぁぁぁぁあ!!」」
「くぅ、飛べるのがお前だけだと思うなぁ!アームズチェンジ!」
【スイカアームズ・大玉ビックバン!】
ブラックバロンは巨大な鎧・スイカアームズを呼び出し、ブラックバロン・スイカアームズへと変貌。
飛行形態・ジャイロモードに変わって銃撃をし始める。
ジェイナスはそれらをかいくぐりながら、ランサードスピアーを大きく振り下ろした。
一撃、二撃、三撃と着実に攻撃を与えていき、やがてスイカアームズの射撃武装であるガトリング砲を刺し貫く。
「ぐぅ!? 何故だ、何故同じ仮面ライダーなのに!?」
「それは、同じじゃないからじゃないか?」
「あなたが本当にバロンさんへ変身できていなかったからよ!」
ジェイナスは抉り取るようにランサードスピアーを引き抜き、ブラックバロンの疑問に答えた。
地上よりはるかに高い上空にいる今、もう攻撃するすべは殆どない……反撃するなら今だ。
そう思ったジェイナスはランサードスピアーを上へと掲げ、周囲にミラークラックを複数召喚させた。
その中の一つのミラークラックに入ると、なんと他のミラークラック全部からジェイナスが出現。
まるでナイトの分身能力・トリックベントのように分身を生み出したジェイナス達は一斉の攻撃を図る。
「「「「はぁ!!!」」」」
ジェイナス達は猛スピードで距離を詰め、スイカアームズへ鋭い斬撃を叩き込む。
的確な一撃がスイカアームズの関節部を破壊し、やがてスイカアームズは大爆発。
爆炎の中からブラックバロンが放り出されてしまうと、元の一体に戻ったジェイナスは必殺の一撃を決めるべくドライバーのスイッチを押す。
【RIDER FINISH】
「「ソニックビクトリー!」」
ジェイナスがランサードスピアーを構えると、背中にあるアーマードウィングが体全体を包み込み、ドリル状の形となる。
同時にバナナ型のエネルギーオーラが出現し、それらがブラックバロン目掛けて飛んでいく。
それを見たスカイライダーは好機と見て、こちらも自身の必殺技を繰り出す。
「今だ、竹とんぼシュート!」
スカイライダーは担いだ相手を勢い良くして投げ飛ばす技『竹とんぼシュート』によってブラックバロンを投げ飛ばす。
やがて二人のブラックバロンがぶつかって重なった所へ、ジェイナスが放ったバナナのエネルギーオーラが突き刺さる。
そして、ドリル状になったジェイナスが螺旋回転しながら、ブラックバロン達を貫いた。
「そんな、そんな馬鹿なァァァ!?」
ジェイナス・ランサードパラディンの必殺技『ソニックビクトリー』の一撃を受けたブラックバロンは大爆発。
爆炎の中から浮かぶドロリンゴの幻影を見届けて、ジェイナスは大空を舞う。
「なんとか、倒せた……危なかったな」
「ね、ねぇ一登君!見て!」
「な、なんだよ優奈。敵を倒したあと……」
優奈の慌てる声に気づき、渋々と意識を彼女と同じ視線へと向ける。
――そこに広がっていたのは、視界一面に広がる大空と東京の街並み。
今まで見たこともない光景に、一登は優奈と共に驚いていた。
「「これって……」」
「いいだろ? 大空を自由に飛ぶのって」
ジェイナスが振り向くとそこにいたのは、スカイライダーの姿。
共に並び飛ぶ形になると、彼はジェイナスの二人に言葉を投げかけた。
「君達がいるなら、この先の戦いは大丈夫だな」
「この先の戦い……」
「これからも戦いは続いていくってことですか?」
「ああ、クリスタルを巡る戦いはこれからも激しさを増すだろう。だけど君なら、君達なら大丈夫だと俺は信じている」
「「筑波、さん……」」
スカイライダー……筑波洋が投げかける言葉に、ジェイナスは真摯に受け止める。
ここからの戦いに続いていくが、きっと乗り越えられると信じている。
その言葉を聞いて、初めて勇気と自信をつけられた二人は、高校へと戻るその少しの間だけ初めての空を飛ぶ体験を楽しんでいた。