今回は某星の戦士のゲームを裏テーマにしたゲームを嗜むという話。
実は作者の夢の中で楽しくゲームする一登と優奈の二人が出てきたので、勢いに任して作ったものです。
もしかしてこのゲーム、結構面白いんじゃないですかね?イイと思います!(某サークライさんの名言より)
それは、とある日の事。
「ねぇ、一登くん。これって?」
「ああ、これか。ゲーム機だよ。確かおやっさんが何かの懸賞で当てたとかいってたな」
それは一登の部屋にて見つけたとある一本のゲームカセットが入ったケース。
『星の子ポロンのエアスライダー』……そう銘打たれたゲームには桃色のまるっこい主人公キャラクターが五芒星らしい星型のマシンに乗って駆け抜けるというパッケージイラストが描かれていた。
「これ、ニュースで見たことある。幻夢コーポレーションが出していたっていう
「ああ。優奈がやってくるちょうど前におやっさんが手に入れてな。あの時再会してのゴタゴタがあったからすっかり忘れていた」
優奈がNew Amigoへ来る少し前に手に入れたという、そのZwitchと呼ばれるゲーム機をとりだした一登。
見た目は分割されたゲームコントローラーに本体となる液晶画面部分を合体させたような形のゲーム機であり、コントローラー部分は二つに取り外し可能のようだ。
とにもかくにも、一登が持っていたそのゲーム機とゲームソフトを見て優奈は提案してみる。
「このゲーム、やってみない?」
優奈が口にした言葉を聞いて、一登は呆気にとられる。
日本が誇る大企業の元育ったお硬そうなイメージのお嬢様から出てきた意外な提案に特に断る理由もなく、一登はその提案を聞き受けることにした。
閑話休題
Zwitchにゲームカードをセットし、さっそく起動する。
いくつものアプリケーションが表示され、その中の1つである該当のゲームを選択する。
星の子ポロンという愛らしいキャラクターが星型マシンと共にステージコースを走りだす所からオープニング映像が流れだした。
そして『ドン!』とタイトル画面に映った後、一登と優奈はチラリとたがいに見やる。
「これが今のゲームなんだな」
「かわいらしいね、このポロンって子」
一登は目まぐるしく発展と進化を遂げた今のゲームに驚き、優奈は画面に映っているポロンを可愛さを感じる。
2人は笑みを浮かべながら今時のゲームをこの時点で楽しんでいると、次の選択画面が映る。
メインとなるレースゲーム『エアスライダー』、次にマシンを育てて決戦に挑む『マシントライアル』、物語仕立てのゲームモード『ストーリーモード』など色々と盛りだくさんだった。
特に気になるのは、人気モードと名高いマシントライアルであり、一登と優奈の二人はとりあえずこのゲームを遊ぶことにした。
「えっと、とりあえずコントローラーの赤っぽい方は優奈に渡して……っと」
「一登君は青いっぽい方のコントローラーだね」
「合体にして一人用にも、分け合って二人用にも使える仕様になってるなんてな」
ゲーム本体の左右についているコントローラーの多様性に驚きつつも、一登は優奈と共に次のゲーム場面に進む。
今度は『ライダー』と呼ばれるキャラクター達が何人も映し出されており、いわゆるキャラの選択画面と呼ばれるものだ。
はじめたてのゲームゆえに、最初に表示されているのは4~5人くらいで選べるキャラクターはパッケージのメインに映っていたポロンの他にも、ライバルキャラという触れ込みの騎士っぽいキャラ・バルディーンや、竜の顔が特徴的な王様キャラ・ドドド竜王がいる模様。
とりあえず一登と優奈は手始めということで二人ともポロンをプレイヤーキャラに選んで、ゲームプレイをはじめることにした。
ちなみに一登のポロンは白、優奈のポロンは赤である。
【GAME-START!】
何処かの【ゲーマーなドライバーの音声】を彷彿とさせる猛々しい男性ボイスと共にマシントライアルが開始。
まずマシントライアルの舞台となるオープンフィールドがあるが、そこにマシンを強化できる強化アイテムが散らばっている。
いくつもの効果の違う強化アイテムを時間内にて自分好みに育て、最終決戦で戦うのが大まかな流れだ。
……と、そんなこんなでまず最初に動きを見せたのは優奈だった。
自前の生真面目さが幸いしたのか強化アイテムをゲットし、着実に育てている様子。
操作している赤ポロンが乗っているのは、『ブロロンスクーター』というスクーター型の一輪バイクのマシンだ。
「えっと、これで小回りと素早さが高くなった感じだからレース勝負には向けるかも」
自分がとりたい強化アイテムをちゃんと選びながら、優奈の操作する赤ポロンは少しずつ強化されていく。
現状、レース勝負に強いパラメーターとなっており、正道な試合には向いているだろう。
その一方で、一登はというと……。
「おっしゃ、アイテム一気にゲット!」
序盤は強化アイテムを収集しながら発生したイベントで出てきた破壊オブジェクトを壊し、一気に強化している様子だった。
一登の操作する白ポロンが乗っているマシンは、『イーヴィルスター』という悪魔の翼を形づくったマシンであり、元から攻撃能力が高い部類にマシンでもある。
今回のゲームでは攻撃力を高める強化アイテムを有してとっていたために、高い攻撃力を誇るステータスに仕上がった様子だ。
制限時間は中盤。
NPC達が操作するライバル達の妨害を回避したり、逆にこちらから攻撃して蹴散らすという遊び方をしながら、二人の操作するポロンらはとあるイベントに遭遇した。
【BATTLE・START!】
ゲーム内アナウンスと共にゲームフィールド上に出てきたのは、大きな虹色の翼を持った巨大な鳥型のイベントボス。
……一登と優奈は知る由もないが、この鳥型のボスは別アクションジャンルのシリーズ作『星の子ポロン ドリーミングラビリンス』にて登場する『レインボルス』というボスキャラクターであり、高い飛行能力と高い戦闘能力を秘めた名ボスと言われている。
事実、他のライバルキャラ達を蹴散らしながら、二人に迫る。
「おっ、鳥みたいなのが来た!?」
「一登くん、いったん逃げよ!? やりすごそ!」
「いや、俺はいくぞ!きっと倒せばアイテムを大量ゲットになるにちがいない!」
強力な攻撃をしてくるレインボルスを危険視した優奈は引き下がろうとするのに対し、一登は目の前にいる強敵に心躍っているのか、そのまま突っ込んでいく。
距離が狭まっていく白ポロン……だが、そこへ見計らったかのようにレインボルスが大きく羽ばたく。
「なっ!?」
レインボルスが羽ばたかせた両翼が白ポロンに直撃し、そのままダメージを大きく受けてしまう。
画面端に表示されたケージが最大値から半分を切り、ボロボロのエフェクト演出が表示される。
さらに狙ったかのようにレインボルスが狙いを定め、踏みつけようとする。
「やっべっ……!?」
突如訪れた危機に一登は思わず声を漏らすが時すでに遅し。
ポロンの身の丈を軽く超える巨大な体躯を持つレインボルスの踏み付けが今そこに迫ろうとしていた……。
「てりゃああああ!」
白ポロンを踏みつぶそうとしたその直前、優奈の叫びと共に赤ポロンの駆るブロロンスクーターがレインボルスの頭部に直撃。
どうやらフィールド内にあった高所の建物に登ってそこから急降下突撃をしたようだ。
しかも直撃した頭部の箇所が弱点だったのか痛そうな表情を浮かべるレインボルス……その前に、赤ポロン――もとい、それを操作している優奈が呆れた声を出す。
「もう、無茶するんだから!」
「サンキュ、助かった!」
助けに入ったことに感謝した一登は素早くコントローラーを操作し、白ポロンを走らせる。
一旦助走をつけながら近くのジャンプ台オブジェクトから飛び上がり、高く滑空したままレインボルスへと突貫。
狙うは弱点である頭……鋭い紫の閃光を描きながら、白ポロンのイーヴィルスターがそれを捉えた。
「おっりゃあああ!」
直撃。
白ポロンを乗せたイーヴィルスターはレインボルスの頭部へ体当たりし、それを受けたレインボルスは地面へと倒れこむ。
やられたことにより【BATTLE・FINISH!】なるゲームアナウンスが鳴り響き、そこへ強化アイテムが多くドロップした。
強敵であるレインボルスを倒し、一登と優奈は互いに視線を交わし、笑みを浮かべる。
「やったよ一登君!鳥さん倒したよ!」
「ああっ、強化アイテムもいっぱいだ! 優奈のおかげだな!」
はじめてのボス撃退に優奈は一登へ嬉しそうに抱き着き、それに対しはしゃぎながら抱擁を返す一登。
……本来なら互いの成長した体にドギマギするところだが、今回指摘するのは野暮なものだ。
少しだけ喜びに浸った後に一登らが操作するポロン達はドロップした強化アイテムをとろうとした。
その時であった。
——刺々しい緑の巨体なマシンが、全てをかっさらって行ったのは。
一登と優奈が必死こいて集めていた強化アイテムも、ポロンの乗っているマシンの耐久値も、ばらまかれたアイテムもすべて。
「「……はっ!?」」
一瞬の出来事で驚いた一登と優奈が画面をよく見ると、そこには巨大なマシンに乗ったキャラがいた。
NPCが操作していたライバルキャラのひとり……桃色の体色とSDチックな両目が特徴的な一頭身のキャラ・マイティと、彼が乗っている刺々しい巨大なマシンーーハーキュリーと呼ばれるゲーム内でも人気と攻撃力の高い伝説的マシンが映っていた。
……なお。
本来なら同社とはいえ別ゲームである『マイティアクションシリーズ』の主人公であるマイティがなぜ星の子ポロンのアクションレースゲームに登場しているのかについての疑問だが。
それは、マイティシリーズを生み出した【とある
この話には全く関係のない話なのでこの場で割愛させていただく。
マイティin伝説のマシンの呆然とする一登と優奈。
しばしの間、静寂が包み込む……。
画面内ではポツンと取り残されたポロン達が映る中、ふいに唐突に誰かが笑いを噴き出した。
「「ふっ……ふっ、あはははははは!」」
それは、一登と優奈のものであった。
どうやら唐突の出来事に呆気にとられ、そして呆気にとられるほど熱中して"楽しんでいた自分達"が面白くてつい笑いをたえきれなかったようだ。
「マシン、壊されちゃったね。一登くん」
「貯えていた強化アイテムもめっちゃ落ちたな」
「制限時間内にいいの見つかるかな」
「なんとかなるさ、優奈。こんな面白いゲームだからさ」
互いに笑いあいながら一登と優奈は再びコントローラーを握る手に力を入れる。
ゲーム内で表示されている制限時間はごくわずか、それでもこれも楽しく遊んでいくためにポロン達を動かすのであった。
数十分後……。
「おーい、一登。いきなりで悪いが邪魔しにきたぞ」
断りを入れて一登の元へ上がってきたのは吾郷。
勝手知ったるかのようにやってきた彼は、遠慮がなしにガチャリとドアを開けると……。
「ちょっ、一登くんそれは卑怯だよ! 回転しながら花火撃つなんて!」
「悪いが勝利はオレが頂いて……わーっ!? またマイティかー!?」
そこには、Zwitchに食い掛る勢いで熱中している二人の様子。
まさかゲームを遊んでいるという2人の意外な一面を目撃した吾郷はポツリと呟いた。
「……そこは近くにキャプチャーした能力が定積だ」
――吾郷改、幻夢コーポレーション製ゲームは目がないほどの幻夢ファンであった。