橋本「という事で以下の事に気をつけて下さいね。ここまでは理解しましたか?」
冬樹「ふむ、なるほど。」
僕は今、VTuberのイロハを叩き込まれてる。なんなら身バレ防止に防音付きのマンションまで用意してくれるらしい。なんだここ、ホワイトかよ。てかここまでするV会社がいただろうか。
あ、ちなみに僕の担当兼マネージャーは橋本さんに、橋本桂花さんになりました。
橋本「それでは名前の方ですが、どうしましょうかね…」
冬樹「う〜ん…、どしよ…」
名前って結構重要だよね。これでイメージが決まるかもしれんしな。
橋本「自分の名前はゆっくり考えましょうk「決まりましたー。」え?」
あっやべ、被った。大丈夫かな?こういうの結構気にする人とかいるからなー。
橋本「えっと、早いですね…、ちなみにその名前は?」
冬樹「んまぁ、結構直感で考えたんですけどね、『鎌倉 シロ』とかどうですか?」
橋本「おぉっ、いいですね!」
冬樹「あらま、もうOKサインですか?」
橋本「何か不安な点でもあるんですか?」
冬樹「いや、こんな簡単に決まっていいのかなー?って。」
橋本「案外そんなもんですよ。名前は。」
冬樹「そうですか。じゃあ次は設定、ですかね?」
橋本「そうですね。何かいい設定とかあります?」
冬樹「う〜ん、ちょっと時間ください。」
10分後…
冬樹「いよし、出来ました。」
橋本「拝見させていただきます。」
『鎌倉 シロ(かまくら しろ)
ある日、災害で起きたゆきなだれに流され、次に目が覚めるとそこは家並に大きいかまくらの中だった。家に帰る方法を探しながらインターネットでSOSを発している。だが誰も助けに来ないのでかまくらに住むことにした18歳の男の子。』
冬樹「まぁ、こんな感じですかね。」
橋本「す、すごいですね…、こんな短時間で。」
冬樹「まぁ大雑把っちゃ大雑把ですね。」
橋本「いえ、これでいきましょう!」
冬樹「えっ」
橋本「多少は変えたりしますが、原型は崩さずそのままに設定を書きますので、明日には出来ます!」
冬樹「すごいですね。」
橋本「いえいえ、君が凄いと思いますが。」
冬樹「ありがとうございます。」
褒められて素直に嬉しいな。
冬樹「ところで僕以外に他に採用試験受けた人とかいるんですか?」
橋本「いますよ、2人。2人とも既に設定も決まっています。あ、ここにその2人の資料置いておきますねー?」
冬樹「あっはい。」
橋本「ふふ、これから忙しくなりそうです!あ、今日はこれで終わりとなります。その資料は持ち帰って構いませんので気をつけて帰って下さいね。」
冬樹「は、はい。お疲れ様です。」
僕は橋本さんが出ていくのを見届けて、資料を1目見る。
そこには、『山田 兎美(やまだ うさみ)』と『帝 帝一(みかど ていいち)』という名前があった。
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