ダンジョンに最弱の敵がいるのは間違っているだろうか?   作:マスタード

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みなさん楽しんでいただけるようで私も嬉しい次第です!

それでは続きをお楽しみ下さい!


最弱と【ステイタス 】

「じゃあベル君、いつものように服を脱いで寝っ転がって〜」

 

「わかりました」

 

ベルは部屋の奥にあるベッドへ向かい、冒険者用のライトアーマーを外してインナーも脱ぐ。

 

「おお?」

 

サンズが思わず声をあげる。

 

「ははは、やっぱり驚くよね〜」

 

ヘスティアが苦笑する。

 

上半身裸体になったベルの背中には黒の文字群がびっしりと刻まれていたのだ。

 

「はいはい、寝た寝た」

 

神様に促されベルはベッドに身を沈める。

 

サンズが見守る中、ヘスティアとベルはいつものように会話する。

 

「そういえば死にかけたって言ってたけど、一体何があったんだい?」

 

「ちょっと長くなるんですけど・・・」

 

ベルはミノタウロスに襲われ、【 ロキ・ファミリア】のアイズ・ヴァレンシュタインに救われた事を話す。

 

その話を聞きながらヘスティアが針を取り出す。

 

そしてその針を己の指先に刺し、滲み出るその血を、そっとベルの背へと滴り落とす。

 

皮膚に落下した赤い滴は比喩抜きで波紋を広げ、ベルの背中へ染み込んでいく。

 

「出会いを求めて下の階層って・・・君もほとほとダンジョンに夢を抱いてるよなぁ。あんな物騒な場所に君が思っているような真っ白サラサラな生娘みたいな子、いるわけないじゃないか」

 

「き、生娘・・・!い、いえでもっ、別に決まりきってるってわけでもないでもないでしょう!?エルフなんて自分が認めた人じゃないと手も触れないなんて聞きますよ!」

 

「怒鳴るな怒鳴るな。まぁエルフみたいな種族もいれば、アマゾネスみたいに強い子孫を残すためだけに屈強な男へ体を許す種族もいるんだ、君の過度な期待は身を滅ぼすだけだとボクは思うな」

 

「・・・ううっ」

 

さらりと重いことを告げられ枕に埋没するベルを尻目に、神様血を落とした場所を中心に指でなぞり始め、左端からゆっくりと刻印を施していく。

今、ベルの背中に刻まれているのが【ステイタス 】。

神達が扱う【 神聖文字】を、神血を媒介にして刻むことで対象の能力を引き上げる、神達のみに許された力。

 

この力によって神達は下界の者達に持ち上げられる。

 

「それに、アイズ・ヴァレンシュタイン、だっけ?そんな美しくてべらぼうに強いんだったら他の男どもがほっとかないよ。その娘だって、お気に入りの男の1人や2人囲っているに決まっているさ」

 

「そ、そんなぁ・・・」

 

「ふんっ。いいかい、ベル君?そんな一時の迷いなんて捨てて、もっと身の周りを注意してよく確かめてみるんだ。君を優しく包み込んでくれる、包容力に富んだ素晴らしい相手が100%確実にいるはずだよ」

 

ヘスティアの言葉にベルは涙になる。

 

「ま、ロキの【ファミリア 】に入っている時点で、ヴァレン何某とかいう女とは婚約できっこないんだけどね」

 

「・・・」

 

さらりと止めを刺されるベル。

 

落ち込むベルに何故か不機嫌なヘスティアを見てサンズはニヤニヤしている。

 

「はいっ、終わり!まぁそんな女のことなんて忘れて、すぐ近くに転がっている出会いってやつを探してみなよ」

 

「・・・酷いよ神様」

 

ベルの言葉は無視してヘスティアがベルに紙を渡す。

 

「ほら、君の新しい【ステイタス 】」

 

 

ベル・クラネル

 

Lv.1

 

力 : I 77 → I 82 耐久 : I 13 器用 I 93 → I 96

敏捷 : H 148 → H 172 魔力 : I 0

 

《 魔法》

 

【 】

 

《 スキル》

 

【 】

 

 

 

 

 

「おぉ、これが【ステイタス 】か」

 

 

サンズがマジマジと眺める。するとベルは焦ったように紙を隠す。

 

「わぁっと!【ステイタス】って安易に見せたらだめじゃ…」

 

「そうなのか?」

 

「同じ【ファミリア】だったとしてもね。まぁサンズ君はわからないだろうし、何より邪悪な思惑もないから…」

 

「さっき会ったばっかなのにえらく信用してくれるんだな。次からはうっかりベル君の裸を見ないよう気を付けるぜ」

 

「どんなうっかりですかそれ…」

 

「じゃ、サンズ君もこっち来て寝た寝た」

 

サンズもベルと同じように服を脱いで寝る。

 

あれ?とベルが呟く。

 

(ここ、スキルの欄消した跡のような・・・)

 

 

 

 

 

 

「…はい、終わったよ」

 

神様はなんだか微妙な顔をして紙を渡してくる。なんだその不審者を見るような目は。

 

「あ、ああ。ありがとう」

 

 

 

サンズ

 

Lv.1

 

力 : I 1 耐久 : I 1 器用 : A 888

敏捷 : A 846 魔力 : S 966

 

《 魔法》

 

【 ボーンランス 】

 

・骨の槍

 

・青と白がある

 

・無詠唱

 

【 ブラスター 】

 

・キャノンを撃つブラスターの召喚

 

・無詠唱

 

【 グラビティ・コントロール 】

 

・重力の方向操作

 

・対象は二つ以上は適用されない

 

・本来の重力と同じ向きの場合、通常の2倍の重力になる

 

・無詠唱

 

《 スキル》

 

【 近道 】

 

・短距離を瞬間移動できる

 

・他人にも適用できる

 

【 お見通し 】

 

・勘が鋭い

 

・相手の動きもある程度予測できる

【魔法頼り】

・習得できる魔法の上限解放

・力が上昇しない

 

 

 

 

「うーん。俺、この文字読めないからベル君読んでくれ。」

 

「読めないって何ですか…。ってか【ステイタス】は安易に人に見せちゃダメだって…あぁもういいや」

 

ベルは諦めたように紙を受けとる。

 

「えーっと…って、えええ?!?!」

 

紙に視線を向けたベルは叫び声を上げる。

 

「こ、これって本当ですか?」

 

ベルが恐る恐るヘスティアに尋ねる。

 

「・・・ボクに間違いは無いよ」

 

「でもっ!こんな…!…えぇ…。」

 

「なんかおかしいことでもあったのか?」

 

ベルがありえないという表情でこっちを見る。

 

「通常、【ステイタス】っていうのは初期値はかなり低いはずなんです。でも、サンズさんくらいの【ステイタス】は一般的な冒険者よりも高いんです」

 

それに、とベルは続ける。

 

「…僕よりも強い」

 

そしてベルは少し、いや、かなり落ち込む。

 

 

【 ファミリア 】に入ったばかりの後輩に抜かれたのだから仕方ないと言えば仕方ない。

 

ヘスティアも驚きを通り越して警戒している。

 

「サンズくん。君はいったい何者なんだい?」

 

「何者って…ただの最弱の男だよ」

 

 

 

 

 




サンズ以外のキャラも出したいですね・・・

今後もお楽しみ下さい!

追加で登場して欲しいキャラクターは?

  • パピルス
  • アンダイン
  • フリスク&キャラ
  • ガスター
  • アズリエル
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