ダンジョンに最弱の敵がいるのは間違っているだろうか? 作:マスタード
サンズ戦ムズすぎませんか?
あと不死身のアンダインも・・・
「ベル?なんでそんなに疲れてるんだ?」
「え?」
ダンジョンを出た後、ベルは【 ステイタス】の更新と今晩シルがいる店に行く旨を伝えに言ったのだが・・・
ベルはやけに疲れていた。
「いや、実は神様が何故か怒ってて・・・」
「なんで?」
「それが分かったら苦労しないよ・・・」
ふーん。なんとなく分かったが、まぁ色々大変なんだな。
そんなこんなで今朝の店を探しているとようやく見覚えのある店カフェテラスを見つける。
酒場、『豊饒の女主人』。
すげぇ名前だな、と思いつつ入り口からベルと中を覗く。
おう、店員がみんな女なんだな。
店の名前の由来をなんとなく察した。
ふとベルを見るとなんだかガチガチに緊張している。
ははぁ。女ばかりだからか。そんなに緊張すんなよな。緊張してない俺がバカみたいだ。
「ベルさんっ」
「・・・」
いつの間に現れたのか、シルがベルの隣に立っていた。
おい、今のは油断していたとはいえ俺も気づかなかったぞ。
「・・・やってきました」
「はい、いらっしゃいませ」
シルは開けっ放しになっている入り口をくぐり、澄んだ声を張り上げる。
「お客様二名入りまーす!」
俺はびくびくしたベルの後ろに続く。
「では、こちらにどうぞ」
「は、はい・・・」
案内されたのはカウンター席のちょうど角にあたる席だった。
あそこだとカウンターの内側にいる女将さんと向き合う感じなので、シルが気を使ってくれたのだろう。
ベルの席はそうなのだろう。
「あれっ?なんで俺はここ?」
ベルの隣に座ろうとすると耳の長い女の店員(エルフだったか?)に腕を引かれ、無理やり違う席に座らせられる。
「お客様に対して失礼なのは承知ですが、シルとあの冒険者の方を二人にさせてあげて頂けませんか?」
ああ、そういう事か。
「なるほど。わかった、俺も野暮なことは聞かないぜ。その代わり料理に期待するぞ」
「話が早くて助かります。もちろん、楽しみにしておいて下さい」
しばらくして出された料理はパスタ。もちろんケチャップふんだんに使ったやつだぜ。
ベルはというといつの間にか大食漢だという設定にされていたようで、大盛りパスタが置かれていた。
うん。ドンマイ。
ベルから目を離し、店の中をぐるりと見渡す。本当に人間って思ったよりモンスターと変わらないものだったんだと今更ながらに思う。
こうしてガヤガヤと騒いでいる様子はグリルビーズにいた奴らと何も変わらない。誰もが時間を忘れ、楽しんでいる。
まぁ、そんなこと偉そうに言っている俺も今は人間だがな。
「予約されていた団体様入りまーす!」
「ん?」
ぞろぞろと団体が入店してくる。ってあれ?なんか見た事あるような奴がいるぞ?特にあの金髪の女。
あ、【ロキ・ファミリア 】の奴らか。
まぁ、だからといって何も無いがな。
「よっしゃあ、ダンジョン遠征みんなごくろうさん!今日は宴や!飲めぇ!」
一人の女が立って音頭をとる。
それから【ロキ・ファミリア 】の奴らは騒ぎ出した。
宴会一色になった【ロキ・ファミリア 】を見て、周りの奴らも思い出したように自分達の酒をあおり始める。
「あの方々はうちの店のお得意様なんです」
【 ロキ・ファミリア】を見ていた俺に料理を持ってきたエルフの店員がそう教えてくれる。
「へぇー・・・って俺これ頼んでないが?」
「シルと彼女を見守っている私達からのお詫びです。私達の都合で席を替えて頂いたので」
「なるほど。ありがたくいただくぜ」
この女は気難しいと思ったのだがそうでもなさそうだな。
とか思っていると酒が回った【ロキ・ファミリア 】の一人の男が大声で話し出した。
「そうだ、アイズ!お前あの時の話を聞かせてやれよ!」
「あの話・・・?」
おいおい。声が大きいぜ。
「あれだって、帰る途中で何匹か逃したミノタウロス!最後の1匹、お前が5階層で始末しただろ!?そんで、ほれ、あん時いたトマト野郎の!」
トマト野郎?なんだそれ?
話を聞いているとどうやらあの時のミノタウロスが他の誰かを襲っていて、そいつがビビりまくってたらしい。
「それでそいつ、あのくっせー牛の血を浴びて・・・真っ赤なトマトになっちまったんだよ!くくくっ、ひーっ、腹痛てぇ」
そんな笑ってやるなよ。・・・ん?
ふとベルを見たのだがなんだか小刻みに震えている。あ、ちょ、もしや・・・
その間も男は笑いながら話を続ける。ふーん。こいつはどうしたことやら。
「雑魚じゃあ、アイズ・ヴァレンシュタインには釣り合わねえ」
その言葉でベルが椅子を飛ばして走り出す。そしてそのまま外へ行ってしまった。
「ベルさん!?」
「あぁン?食い逃げか?」
「うっわ、ミア母ちゃんとこでやらかすなんて・・・怖いもん知らずやなぁ」
何を呑気に・・・
いや、まぁ間違ったことは言ってなかったし、本人が居るとか知らないもんな。
それにあの男の声色から察するに強い弱いに固執して、その上で弱い奴が許せねぇって感じだな。
まぁそれはそれだ
それよりよ・・・
お会計誰がすんの?
残念ながら俺は一文無しだった。
いやぁ、テスト近いのに勉強を後回しにしてしまった・・・
まぁそんな事は置いておいて。
次回もお楽しみに!
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