ダンジョンに最弱の敵がいるのは間違っているだろうか? 作:マスタード
「ああ、お前だけで行ってこい」
「そんなぁー」
サンズの無慈悲な言葉に僕は嘆く。いや、サンズは何も悪くないんだけども。
行くしかないかあ、『豊穣の女主人』に・・・
「よう、ベル君は謝りに来たか?」
「貴方はこの間の・・・えぇ来ましたよ」
サンズがカウンター席に座り、エルフの店員リューに話しかける。
ベルが豊穣の女主人に謝りに行ったあと、サンズも訪れたのだった。
「来た時は青い顔してましたが」
「へへっ、想像できるなぁ。あ、なんかケチャップ使った料理頼む」
「ケチャップ・・・?わかりました」
リューが厨房に行っている間にサンズは周りの会話に耳を傾ける。
「そういえばもうすぐで『怪物祭だな』」
「あー・・・もうそんな時期か。今年はどんなモンスターなのかなぁ?」
(怪物祭?)
サンズは聞き覚えの無い言葉に困惑しているとリューがナポリタンを片手に戻ってくる。
「お待たせ致しました・・・あ、そういえばお名前伺っていませんでしたね」
「え、あぁ俺の事はサンズって呼んでくれ。そんなことより、『怪物祭』ってなんのことか教えてくれるか?」
「にゃんだオミャーはそんにゃことも知らんにゃ?」
キャットピープルの店員アーニャが話に割り込んでくる。
「えーと、お前さんはだれかな?」
「アーニャはアーニャにゃ」
「そっか。俺はサンズ、よろしく。それで怪物祭の話なんだけど」
「怪物祭はダンジョンからモンスターを連れて来て闘技場で闘うのがメインのお祭りにゃ。毎年の恒例行事にゃ」
「へぇ。お前さん達も行くのか?」
「私達はお仕事があるので・・・」
「残念だけど無理にゃー。ミャー達とデートは出来んのにゃ」
冗談を言うアーニャだが少し残念そうな表情を浮かべる。
対してリューはそこまで残念そうでは無い。
「貴方は行かれるのですか?」
リューの問いにサンズは首を横に振る。
「いやぁ、俺はそういう人が集まるのは苦手でね」
(・・・でも少し気になるな)
否定しつつもサンズは少し覗いてみるのもありだと思い始めたのだった。
「・・・?」
私は暗闇の中で目を覚ます。
最初は何も見えなかったのだが、すぐに目が慣れて見覚えのない場所だと気づく。
「やぁ、随分と寝てたね」
「っ?!」
聞き覚えのある声に私は振り向く。
そこにいたのは忘れもしない人間・・・
キャラだ。
でも・・・。
なんでキャラの身体が別にあるのだろう。
キャラは死んでいて、タマシイだけの存在のはずだ。
私に憑依しているのがやっとのはず。
私の困惑を見抜いたのかキャラが笑う。
「なんで?って顔してるね。色々と分からないんだろうけど・・・正直私にもわからない」
そしてキャラは私の後ろを指さす。
「そいつは全て知っているだろうけど」
そこには白衣姿の男がいた。
男はニヤリと笑う。
「初めまして。私のことはガスター・・・とでも呼んでくれたまえ」
私は何故だか身体の震えが止まらなかった。
怖い怖い怖い。
それが男に対して抱いた感情だった。
「それで・・・」
キャラは何も無いかのごとく口を開く。
「色々と知りたい事があるのだが?」
キャラの問いに男はニヤニヤするのみ。
「・・・知りたいか?」
その時私は異変に気づく。
私たちを何かが囲んでいた。
「・・・モンスターか?」
キャラは目付きを鋭くする。
「ご名答。まずは君たちの実力を見せてもらおう。私を再び見つけることができたならその時は私の知りうることを全て話そう」
男の身体が空気に溶けるように薄れていく。
「ダンジョンの外でまた会おう」
そう言って男は消えた。
「・・・これだからモンスターは・・・いや、今はアイツも人間のようだな」
キャラはナイフを構える。
「おいフリスク、ぼさっとしていたら置いてくぞ」
成功した。
全て成功した。
もちろん全ての世界線の記憶も植え付けた。
しかし、サンズにはまだ植え付けていない。
・・・フリスクとキャラがまだサンズに出会わなければいいが・・・
遅れて申し訳ないです。
ダンまちってヒロインとめっちゃイチャイチャしますよね?ってことでサンズにヒロインを与えるとしたら?
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フリスク
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ダンまちの登場人物