マブラヴオルタネイティブ~~怪獣達の逆襲~~   作:ユウキ003

4 / 21
え~。単刀直入に申しますと、びっくりしてます。
何でかって言うと、評価だったりお気に入り件数の増加
スピードがヤバかったり。しかもチラッとランキング
見たら自分の作品が載ってるし!
たった3話投稿しただけでこれってどういうことなんだろう?

やっぱり怪獣って人気あるのか?

ちなみに今回はほぼオリジナルです。
本当はもう少し書こうか迷ったんですが、区切りが
良いので分割しました。


第4話 白き冬

突如として現れた怪獣、バラゴン、ガーディー、

バランの活躍によって京都防衛戦を生き抜いた

唯依達。更に、それ以降も襲いかかるBETA

に対して、バラゴンとガーディーは率先して

戦場に現れるようになった。

 

 

しかし、彼等と人間の奮闘を嘲笑うように、

BETAはジリジリと人類の戦線を押し込み、

今や京都を超え関東一帯へと迫りつつ

あったのだ。

 

そんな中でも、唯依達は懸命に戦った。

ほぼ全ての防衛戦にかり出され、そんな中

で、バラゴンやガーディーと共に戦った。

時にはバランとも。

 

更に言えば、彼女達はBETAとの積極的な

接近戦を避ける事で、これまで死傷者を

出さずに何とか生き残ってきた。

 

BETAにおいて、遠距離攻撃能力を持つ

のは光線属種の、光線級と重光線級の

2種のみ。あとは精々要塞級の衝角だ。

 

彼女達はBETAの突撃級や要撃級、戦車級など

がガーディーやバラゴンに近づかないように、

戦闘では光線級の射界に入らないように

最大限注意をしながら中距離からの援護に

力を注いだ。

更に、光線属種も戦術機などより怪獣を

警戒しているのか、バラゴン達が現れると、

光線級の射撃ももっぱらそっちに集中する為、

それが唯依達の生存の一助になっていたりする。

 

そうやって、奇跡的に生き残り続けてきた唯依達。

彼女達の家族や、彼女達自身にとってそれ

は喜ばしい事だ。

だが、怪獣を疑う者、その存在を危険視する

者、更には戦いで家族を失った者達からは、

軽蔑や嫉妬を込めて、獣に媚びを売る女たち、

と言った類いの陰口を叩かれていた。

 

しかし、それでも怪獣たちによって前線の

後退が帝国軍などの予想よりも緩やかな事は

事実であり、怪獣達の存在を肯定し、密かに

崇め始める人間達もいた。

 

と、ここで少し話を戻すが、芹沢は頻繁に

怪獣、バラゴンやガーディーと接触していた

唯依達の元へと、彼もまた、何度も足を運んでいた。

 

そんなあるとき、11月のある日の事だった。

 

 

「そうだ。君たちに、これを」

いつものように話を聞き終えた時、芹沢が

持ってきていた鞄の中から、奇妙な形の、

平べったい石のような物を取り出した。

 

「これは?」

「バラゴンやガーディーと言った護国聖獣の

 調査中に発見したものだ。用途などは一切

 不明の出土品だが、この国で最も彼等と

 ゆかりのある君たちが持っている方が

 意味があるんじゃないかと思ってね」

そう言って2個、不思議な形の石を渡す芹沢。

「博士。どうしてこれを私達に?」

不思議な石を受け取りながら首をかしげる志摩子。

 

ちなみに、今ではお互いため口でOKな

間柄だ。芹沢は、5人からもっぱら博士と

呼ばれている。

「今言ったように、現在この国で最も

 彼等と交流、この場合、縁と言った方が

 良いだろうが、それがあるのが君たちだ。

 だからこそ、私が持っているよりも

 君たちに託した方が良いだろうと判断

 した」

「しかし、良いのですか?これはモナーク

 が保管するべき物のはずでは?」

そう言って首をかしげる上総。

 

「構わない。既に上層部から許可を貰って

 いる。それに、上もそんな石ころが

 外に漏れた所でどうでも良い、と

 考えている程度だ。気にせず皆で

 持っていてくれ」

「博士がそう言うなら」

 

と言う事で、話し合いの結果、安芸と和泉

がこれを持つ事になった。

 

だが、話はそれだけではなかった。

 

「それと、これからはしばらく君たちと

 会えなくなるだろう」

「え?」

芹沢の言葉に疑問符を浮かべる唯依。

 

「戦線の後退に伴って、仙台に移動に

 なった。明日にでも、あちらに向かう

 つもりだ」

「そう、ですか」

安芸は、どこか悲しそうに顔を伏せた。

 

他の4人も、どこか悲しそうだったり、

悔しそうな表情を浮かべていた。

 

戦線の後退。それはつまり、帝国が

押されていると言う事に他ならない。

そして更に悪い事が2つあった。

 

それは、戦線の後退を理由にアメリカが

一方的に日米安保を破棄。在日米軍は帝国

よりの撤退を開始している。

これはつまり、帝国でBETAと戦う戦力が

減ったと言う事に他ならない。

 

もう一つ。それは日本海の佐渡島に、

BETAの巣窟、『ハイヴ』の建設が

始まってしまったことだ。

 

BETAは、ハイヴより出現し侵攻してくる。

これまでBETAが出現し、日本に向かって

来たのは、朝鮮半島にある20番目の

ハイヴ、『鉄原(チョルウォン)ハイヴ』からだ。

 

しかし国内にハイヴが出来た、と言う事は、

それだけBETAの攻撃が増加する可能性がある。

 

自分達の防衛能力の低下と。

敵の攻撃能力の増加。

はっきり言って、悪い事ずくめだ。

その悪い事ばかりを思いだし、彼女達は

静かに歯がみする。

 

すると、その時、立ち上がった芹沢が

真ん中に居た唯依に手を差し出した。

 

「今はお互い、別々の場所で生きる事に

 なるが。『必ずまた』、どこかで会おう」

 

「博士」

 

唯依は、それが彼なりの励ましと知って、

静かに彼の手を取った。

「えぇ。必ず、またどこかで」

そして2人は握手を交わし、芹沢は

他の4人にも挨拶をすると、部屋を後にした。

 

 

そして……。

「生き残ろう。みんな」

唯依は、周りの4人に呼びかける。

「折角、『死の8分』を乗り越えたん

 だから。こんな所で、死ねない」

 

「あぁ。そうだなっ!生き残ってやる!」

唯依の言葉に同意するように、パシッと

手を打ち付け合う安芸。

 

「うん。そうだね。生き残ろう。みんなで」

志摩子も、そう言って笑みを浮かべる。

 

「戦って、勝って、生き残る。皆で」

和泉も、戦いの中で命を落とした恋人の

写真が入ったペンダントを抱きしめながら、

静かに頷く。

 

「そうですわね。諦めずに、最後まで、

 共に戦いましょう。仲間と共に。

 そして……。バラゴンやガーディー達

 と共に」

笑みを浮かべる上総の一言に、他の4人も

頷く。

 

 

彼女達は、決心する。戦う事を。そして、

生き残る事を。

 

 

しかし、BETAはそんな彼女達の決意を

嘲笑うかのように、襲いかかって来た。

 

12月。冬。曇天の空の下、戦場で戦う

男と女たち。

 

そして、彼等と共に戦うバラゴンとガーディー。

 

だが、BETAはまるで、それを嘲笑うかの

ように、京都防衛戦以上の物量でもって、

襲いかかって来た。

 

序盤と中盤こそ、バラゴンとガーディーの

おかげで優勢、拮抗と言う形だった。

 

だが、2匹にも体力の限界がある。

次第に押され、2匹の体に戦車級が

纏わり付き、要撃級の一撃が彼等の体に

撃ち込まれる。

 

悲鳴にも似た咆哮を上げながら、2匹は

必死に戦った。

 

「やめろぉぉぉぉぉっ!」

と、そこに後方での補給を終えて戻ってきた

安芸たちの射撃が繰り出される。

2匹の傍に居た要撃級の群れに銃弾の雨が

降り注ぐが、BETAはそんなことお構いなしに

2匹へと群がる。

 

「各機!バラゴンとガーディーを援護っ!

 彼等からBETAを引き離せっ!」

「「「「「了解っ!」」」」」

彼女達は、佳織の指示に従ってBETAを

撃ちまくる。

更に撃たれて数が減ったチャンスを生かし、

バラゴンは転がって。ガーディーはその場

で回転し、取り付いていた戦車級を

弾き飛ばした。

 

「このぉっ!」

飛ばされ、倒れながらも起き上がった戦車級を

志摩子や和泉の瑞鶴の突撃砲が撃ち抜く。

 

これで2匹は自由になった。しかし、彼等も

限界が近いのか、バラゴンは蹲り、ガーディー

もその場に四つん這いになって動かなく

なってしまった。

 

その事で、唯依達の中に絶望が顔を覗かせ

始めた。だが……。

「総員傾注っ!BETAはまだ居るっ!だがっ!

 後は精々1万程度だっ!ならば、あとは

 我々で倒すだけだっ!バラゴンとガーディー

 の戦いを無駄にするなっ!各自っ!彼等を

 護りつつ、残存BETAを殲滅せよっ!

 撃ちまくれぇっ!」

「「「「「了解っ!!!!」」」」」

 

佳織の、部隊を鼓舞する指示に応じて、

少女達も覚悟を決め、引き金を引く。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

咆哮のような叫びを上げながら、撃ちまくる志摩子。

 

「バラゴン達には、近づけさせないっ!」

彼等を護ろうと群がってくる戦車級を撃ち抜く和泉。

 

「こいつらに、近づくなぁぁぁぁぁぁっ!」

接近してくる要撃級を撃ち抜く安芸。

 

「そこぉっ!」

上総の正確な狙撃が、遠方の光線属種を撃ち抜く。

 

 

そして、彼女達は、これまで護られてきた恩

を返すように、バラゴンとガーディーを

護った。近づいてくる戦車級の群れを、

一歩も引かずに撃ち殺していく。

 

そして、そんな彼女達の背中を、静かに

見つめるバラゴンとガーディー。

 

 

そして、約15分にも及ぶ戦いで、彼女達は

向かってくる要撃級と戦車級の混成BETA群

の殆どを退けた。あとは精々50匹程度の

戦車級だけだ。

だが……。

 

『ビーッビーッ!』

 

その時、戦術機のシステムが、彼女達に

光線属種から狙われている事を告げる。

 

今、彼女達を狙っているのは、通常の

光線級以上の高威力レーザーを放ってくる、

重光線級だ。戦艦の耐熱装甲板ですら

10秒程度で蒸発させてしまう。

それが唯依達を狙っていたのだ。まともに

喰らえば、塵一つ残さず消えてしまう

だろう。

 

そして、上総の瑞鶴のカメラアイが、遠方

の山からこちらを狙う重光線級を捕えた。

その数、2匹。恐らくは最後の生き残り

だろう。重光線級のレーザーのインターバル

は36秒。しかし、こちらからの攻撃は届きそう

になく、更に重光線級の防御力は高く、

突撃砲の120ミリクラスの破壊力を持つ

攻撃をぶつけなければならない。そして、

今からでは有効射程に近づきぶち込むのは

難しい。

 

「くっ!?総員退避っ!」

咄嗟に指示を出す佳織。

だが、まるでそれを阻止するかのように、

残った最後の戦車級が群がってくる。

 

「このぉっ!バラゴン達には、近づけさせないっ!」

安芸が戦車級を、2匹に近づけまいと倒していく。

「私だってぇっ!」

更に和泉も、安芸と同じように戦車級を倒していく。

 

数は多くなかった。故にすぐに倒しきる事が

出来た。

だが、掛かった時間は数十秒。そして、

重光線級にとって、その数十秒で、十分なのだ。

 

その攻撃を放つには。

 

直後、その巨体から放たれたレーザーが、

安芸と和泉の瑞鶴へと向かっていく。

誰もが、2人の死を予見してしまう。

 

志摩子が硬く目をつぶり、上総がギュッと

歯を食いしばる。

 

 

だが……。

 

『『ドォォォォォォォォンッ!!!』』

 

レーザーは、確かに命中した。

 

だが……。

 

当ったのは、安芸と和泉の瑞鶴を護るように

立つ、ガーディーとバラゴンに、だった。

 

「え?」

 

ポツリと、安芸の口から疑問符が漏れる。

「ば、ガーディー?お前、何やって……」

武器を持たない安芸の瑞鶴の左手が、

目の前のガーディーの背中に伸びる。

 

「バラゴン、どうして?」

訳が分からず、和泉も呟く事しか出来なかった。

 

そこに再びレーザーを放とうとする重光線級。

しかしそれは、唯依達とは別部隊の攻撃に

よってその2匹が倒された事によって事なきを

得た。

 

そして、BETAを全て退けた事もあって、

無線には作戦終了を告げる喜びと安堵の声が

満ちている。

 

だが……。

 

『『ズズゥゥゥゥゥンッ!!』』

 

バラゴンとガーディーは、地面に倒れて

しまった。

「ッ!?バラゴンっ!」

「ガーディー!」

 

和泉と安芸の瑞鶴は、それぞれバラゴンと

ガーディーに駆け寄り、更に周囲に唯依や

上総、佳織達の瑞鶴が集まる。

 

「しっかりしろガーディー!ガーディー!」

「バラゴン起きてっ!バラゴンっ!」

安芸と和泉は、悲痛な声で必死に2匹に

呼びかける。

 

すると、2匹とも目を開け、目の前の瑞鶴を、

延いてはその中に居る安芸と和泉に目を向ける。

そして、2匹は小さく喉を鳴らす。

 

まるで、2人の無事を喜ぶかのように。

 

と、その時、曇天の空から白い雪が降り始める。

 

「雪……?」

 

ポツリと空を見上げながら唯依が呟く。

 

と、その時。バラゴンとガーディーの体が

光を放ちながら、静かに、粒子となって周囲に

霧散していく。

 

「ッ!!!」

 

和泉は、それを見て、理解してしまう。

 

彼等の『死』を。その『消滅』を。

 

「だ、ダメっ。ダメッ!死んじゃダメッ!」

 

咄嗟に、和泉の瑞鶴が武器を投げ捨て、両手

でバラゴンを抱きしめた。

まるで、彼等を逝かせまいとするかのように。

ここに留めようとするかのように。

 

「……ざけるな。ふざけるなよっ!

 なんで、なんでだよっ!」

 

安芸は、その目に涙を溜めながら、声を

荒らげる。

 

「私、私ら、まだ、まだお前達に、

 何にも恩返し出来てないのにっ!」

 

これまで、彼女達は何度も何度も、彼等に、

バラゴンとガーディーによって、命を

救われてきた。

 

そしてその恩は、まだまだ返しきれていない。

 

「死ぬなよガーディー!死ぬなっ!

 私達は、まだ、まだ何も返せて無いんだっ!

 それをっ!それをぉっ!」

 

溢れる涙で、安芸の視界が歪む。彼女は

それを必死に拭う。

 

と、その時。ガーディーが静かに、安芸の

瑞鶴の手を舐めた。

そして、彼女に向かって、静かに、優しい

声色で鳴くガーディー。

それはまるで、『良いんだよ』と、優しく

語りかけているようであった。

 

そして、同じようにバラゴンも、和泉に

向かって、小さく喉を鳴らす。

 

その行動に、安芸や和泉だけではない。

これまで彼等によって護られ、生きてきた

少女達は、静かに涙を流す。志摩子も、

唯依も、上総も。更には、佳織までも。

 

 

そして、バラゴンとガーディーの肉体は、

やがて粒子となって、消滅してしまった。

光の粒子が、周囲へと広がっていく。

 

誰もが、声を漏らす事無く、ただ、涙を

流しながらそれを見送る。

彼女達はただ、それしか出来なかった。

 

「あ、あぁ、あっ」

安芸の表情が、次第に歪んでいく。

止めどない涙が、その瞳を満たす。

 

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

そして、彼女はただ、やるせなさを

慟哭に変えて、コクピットの中で叫び

ながら、大粒の涙を流す事しか出来なかった。

 

「バラゴン」

 

そして和泉も、ただ、涙を流しながら、

これまでずっと、自分達を護ってくれた

彼の名を、呟く事しか出来なかった。

 

「バラゴン、ガーディー。う、うぅっ」

志摩子もまた、ただ、涙を流す事しか

出来なかった。

 

「…………」

皆が嗚咽を漏らす中、上総はただ1人、

涙を流しながらも、彼等の居た場所を、

ただジッと、見つめ続けていた。

 

例え異なる種族であろうと、人と怪獣で

あろうと、自分達を守り、共に戦った

彼等の死に、少女達は涙を流す。

 

そして、彼女達の涙を現すかのように、

降りしきる雪が、瑞鶴のカメラアイに

触れて溶け、その顔を伝って地に落ちる。

 

まるで、戦術機までもが、衛士たちと

共に、戦友の死を悼んでいるかのように。

 

 

 

 

 

 

だが、前線より遙か後方。唯依達の基地の、

安芸と和泉のロッカーに収められたあの

不思議な石に、どこからともなく降り注いだ

光の粒子が収められ、ただ、一度だけ石は輝く。

 

しかし、今の唯依達に、それを知る由は無い。

 

今はただ、少女達は戦友の死に、涙を流す事

しか出来ないのだった。

 

     第4話 END

 




って事で、バラゴンとガーディーは(一旦)退場です。
我ながら急展開ですが、楽しんで頂ければ幸いです。
ちなみに、モスラなどの他のゴジラ怪獣や様々な
ウルトラ怪獣も出す予定です。(ウルトラマンは今の所登場予定はありません)

そして次回は、横浜が舞台となります。お楽しみに。

感想や評価、お待ちしてます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。