【本編完結】ただ、幼馴染とえっちがしたい   作:酉柄レイム

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第108話 お約束的なアレ。

「よう春乃。聖さんがお酒飲むって時点で嫌な予感はしてたけど、まさかここまでとは思ってなかった」

「なんとなく日葵が間違えて飲んでもうて、光莉がそれ見てかわいいー! みたいなんは予想しとったんやけど」

「まさか俺たちと日葵以外が間違えて飲むとは……」

 

 俺と春乃で食器を片付けながら、テーブルの方を見る。薫とゆりちゃんは二人でいちゃいちゃしていて、お酒がちょっと入ってるだけだからまだそれだけですんでいるが、千里と光莉がやばい。千里は聖さんの隣に座ってたから思い切り飲んだし、光莉は千里とは逆側で聖さんの隣に座ってたから、光莉もがっつり飲んだ。

 

 結果、光莉は日葵のひっつき虫になり、千里は体を赤くして隙あらば脱ごうとするいやらし爆弾えちちちモードになってしまった。脱ごうとするたび聖さんが止めているが、あれはもうとんでもなくやばい。

 

「ってか、薫ちゃんとゆりちゃんは多分酒蒸しであぁなってるやんな?」

「俺が見てた限りじゃ間違ってお酒飲んでたわけじゃないしな……ん-。酒蒸しであぁなるって聞いたことないから、大丈夫だと思ってたわ」

「まだ中学生やからなぁ」

 

 ほんとに。まだ可愛らしい感じになってるだけだからよかったけど、これで倒れられたりしたら聖さんにも申し訳ない。聖さんだってお酒の管理はちゃんとしてたし、ただバカ二人が聖さんを挟んでたからあぁなっただけで。クソ、俺もバカをちゃんと見ときゃよかった。バカなんだからバカやらかすに決まってるじゃん。聖さんも申し訳なさそうによだれ垂らしながら千里に服着させてるし。どこが申し訳なさそうなんだよ。

 光莉はいつも日葵にやりたいことを、お酒が入ってるからって合法的にやりたい放題してる感じだ。多分あれ素面だし。ちょっと顔が赤いけど、気色の悪い笑いが隠しきれていない。日葵は騙されてよしよししてるけど。俺にもしてくれ?

 

「マジでこういう時、春乃がしっかりしてくれてるから助かるわ。俺もしっかりしてるけど」

「恭弥くんって周り見てミスするかどうか決めてるとこあるよな。他がしてなかったらするし、してたらせえへんし」

「全員ミスったらとんでもないことになるだろ」

「私がおるやん? 日葵もおるし」

「男手はあった方がいいだろ?」

 

 もしほんとに誰かが倒れたりしたら運ばなきゃいけないし、そういう時に力仕事できるやつがいた方がいい。俺たちの場合俺か光莉か……多分春乃もできるな。じゃあ俺いらねぇじゃん。お酒飲んでこようかな?

 

「いつも悪いなぁ。周り見てしっかりしてくれて」

「悪いと思うなら慎んでくれへん?」

「慎み持てるような人間だと思うなよ。なめてんのか?」

「慎み持ってないことを誇りにしとんちゃうぞ」

「他に誇れることなんてないからなぁ」

「悲しい人間……」

 

 そうだと思うなら「そんなことないよ」とか言ってくれ。ほんとに俺がそれ以外誇りにできないみたいじゃん。ほら、カッコいいとか頭がいいとかさ。俺いいとこいっぱいあるじゃん。それ以上に悪いところ目立つじゃん。だから褒めてくれねぇんだよカス。省みろ。いやでーす!

 

 はぁ。

 

「でも恭弥くんって根っこの根っこは優しいやん。身内にだけは優しいみたいな。悪いとこばっかやなくて、ちゃんとええとこも知ってるで」

「そのほかにいいところを言ってみろ」

「かっこええやろ、運動できるやろ、頭ええやろ、おもろいやろ、妹想いやろ、友だちとかも大切にしてくれるやろ、初心でかわいいやろ」

「照れるからやめてくれ」

「言うてくれ言うたりやめてくれ言うたり、忙しいなぁ」

「そんなストレートに言ってくるとは思わないだろ!!」

「だってほんまのことやもん」

 

 最後の食器を片付けて、春乃は歯を見せて笑い、頬にピースを添えた。かわいい。そして見え隠れするイケメン。こんなストレートに褒めてくれる人、俺が女の子だったらイチコロだった。よかった俺男で。ちなみに千里ならもう堕ちてる。

 春乃がかわいくてカッコよかったのがむかついたので、ふん! と鼻を鳴らしてふんぞりかえってテーブルに向かう。後ろで春乃が「かわええなぁ」と言ってきたが、あのイケメンのいうことをいちいち聞いていると脳が破壊されるからあえて聞こえないフリをした。

 

「あ、恭弥。ありがとね、片付けてもらっちゃって。春乃もありがと!」

「あら、もう帰ってきたの? 私と日葵の時間を邪魔する気? 悪いけどそれは神に対する冒涜と同じことよ」

「あれ、光莉もう酔いがさめたの? さっきまでふにゃふにゃだったのに……」

「ふにゃふにゃぁあ」

「おいデカ乳クソキショ女。人に迷惑かけることしかできねぇなら今すぐ親御さんに謝ってこい」

「男なら女の子のことは嘘でも可愛いって言いなさい」

「お前は猫被ってない時が一番可愛いぞ」

「…………」

「牛が照れとるわ」

「牛???」

 

 さっきの仕返しに本心を伝えると、酒とは関係なく顔を真っ赤にして黙りこくった。光莉ってマジで乙女だよなぁ。俺も初心だからそんなところまで似るのかと恐れおののいてるけど、多分初心と乙女って違う意味だから大丈夫だろう。もはや何が大丈夫なのか何に恐れおののいてるのかもわからんが。

 春乃に牛と呼ばれた光莉は、日葵に嘘がバレたことを理解したのかそっと離れて、日葵に敬礼してから俺の方に逃げてきた。嘘ついてたことがバレたから怒られると思ったんだろう。こいつマジでクズだな。いつもは日葵のそばにいるくせに。

 

「ふふ。別に怒ってないよー。甘えてくれる光莉可愛かったし」

「勝ち誇った顔で俺を見てんじゃねぇよクズ。日葵に捨てられちまえ」

「そうなったらあんたが拾ってくれるんでしょ? おい、何本当に不思議そうな顔してんのよ」

「いや、日葵が光莉を捨てるわけないじゃんって思って……」

「そうだよ光莉。捨てるって思ってたんだ。悲しいな……」

「あーあ。光莉が日葵泣かした」

「涙全部飲んであげるわね」

「シンプルにこわ」

 

 舌を出してはぁはぁ言い出した光莉にスマホを向けると、すぐに舌を引っ込めて恥ずかしそうに俺を見てきた。いや、恥ずかしいなら最初からすんなよ。あと安心したぜ。舌出してるのが恥ずかしい行為だって認識はあったんだな。

 見たらダメな千里は置いといて、薫とゆりちゃんを見る。同じ椅子に、というか薫の膝の上にゆりちゃんが向かい合うようにして座って、すりすり体を寄せてにこにこしていた。人間サイズの犬みたいな感じで大変愛らしいが、薫がゆりちゃんと光莉を交互に見て心配そうな顔をしているのは気のせいだろうか。薫がゆりちゃんに対して何かしらの将来性を感じている気がしてならない。それも悪い方向の。

 

「ゆりちゃんは私になれる可能性があるわね」

「でもゆりちゃんって根っこからええ子やし、ええ子な光莉って考えたらめっちゃかわいない?」

「確かに!」

「え? 確かにって日葵、今の私はかわいくないってこと?」

「ん-ん。可愛いよ?」

「見なさい恭弥。これが妊娠よ」

「どっちが?」

「どっちがって、聞くこと間違えてるやろ」

 

 つい。だって、千里と薫なら流石に妊娠する方はわかるけど、どっちも女の子だからどっちかなって思って。何? どっちも? へぇ。

 

 バカな話は置いといて、どうしようかと首を傾げる。このまま風呂に入りたかったが、お酒を飲んだ後にお風呂ってどうなんだろうと思ってしまった。聖さんは慣れてるし、千里以外は大丈夫だろうけど、千里が危なそう。まさかこんな酒に弱いとは思ってなかった。弱いっていうより、慣れてない?

 今考えたら酒に弱い千里って最高の獲物じゃん。大学に行って新歓コンパで飲まされて眠らされてそのままお持ち帰られるタイプの人間じゃん。俺が守らなきゃ。

 

「んー、つってもこのままここにいても仕方ねぇし、水着持ってまた戻ってくるわ」

「ほい。待ってるで」

「あ、そっか、一緒にお風呂入るんだ……」

「いやらしいこと考えるんじゃないわよ」

「考えるくらいは許してくれ」

「正面切ってそれを言える度胸、買うわ」

 

 光莉とハイタッチをかまし、聖さんにお世話されている千里のところへ行く。見たところまだぽやぽやしていてむにゃむにゃしており、聖さんの表情がとてつもなくだらしなくなっていた。可愛くて仕方ないんですね。わかりますよ。俺も薫がこうなってたら聖さんみたいになる自信ありますもん。

 

「おい千里。一旦部屋戻って水着取りに行くぞ」

「あ。きょうやだ」

 

 舌ったらずに言いながら俺を見て、へにゃりと笑う千里。はぁーあ。抱きしめてキスしてもいいってことでしょうか。いいってことですね。俺は頭がいいからわかるんだ。これでキスしちゃだめって言うなら日本の法律と教育が間違ってる。

 

「水着だね。いいよー。いこ」

「ん? あれ。普通に話は通じるんですね」

「えぇ。いつもより二倍可愛くなるだけよ」

「は? ものすごすぎません?」

「ものすごすぎるから気を付けてね」

 

 俺ものすごい千里と一緒にいて精神保てる自信ねぇよ……。今も「ん、ごめんね。ふらつくからぎゅってしててもいい?」って俺の腕掴んでくるし。そのままもたれかかってきてぽやーってしてるし。掴んでる手で優しくにぎにぎしてくるし。なんだこいつ。俺を殺そうとしてんのか? 受けて立とうじゃねぇか。こちとら伊達にお前と親友やってねぇんだよ。ブチ犯して、違う。ブチ犯してやろうじゃねぇか。

 

「じゃあ、骨は拾ってくれ」

「もう諦めてるんや……」

 

 えへへー、と笑う千里を連れて、俺は部屋を出た。どうしよう。自分たちの部屋についた瞬間セックス始まったりしないかな……。

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