【本編完結】ただ、幼馴染とえっちがしたい   作:酉柄レイム

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第111話 お風呂上り

「いやぁ、何事もなかったいいお風呂だった!!!!!!!!!!」

「え? ナニのボロンがあったいやらしいお風呂だった?」

「光莉。もうちょっと慎みもたなあかんで」

「あいつに言いなさいよ」

「慎みっていうなら岸さんもだよ。あんな水着着て、僕が男の子だったら危ないところだったよ? あれ?」

「恭弥にあんなことされたからメスになっちゃったわね……」

 

 誤解を生むような言い方はやめろ。俺はただ千里を引きずり出して顔を至近距離に近づけて10分耐久レースしただけだろ。むしろ俺の方が危なかったわ。マジで千里を本気のメスにするところだった。まつげ長いし目くりくりしてるしいい匂いするし唇ぷるぷるだし、どう考えても女の子だろあいつ。

 

「慎みっていうのはあぁいうのを言うんだよ。見ろ。日葵が薫の髪を乾かしてあげている素晴らしいこの世の美を」

「その隣で姉さんがゆりちゃんを殺してるけど」

「さっき千里の真似して愛を囁いたらしいで」

「あら。脈ありってことじゃない。よかったわね千里」

「多分あの子、顔がよければ誰に愛を囁かれてもあぁなるよ」

 

 そんなことないだろ。ゆりちゃんだっていくら顔がよくても人は選ぶ。例えばクズが相手だったら靡かないだろうし……靡いてるわ。俺たちで靡くなら誰にでも靡くじゃん。はーあ、尻軽尻軽。薫の兄貴としてなんとしてでも守ってやらないと。

 実際、どうなんだろう。今は薫が隣にいるからなんとか無事でやっていけてる感があるけど、高校生になって薫が隣にいなくなったら、ゆりちゃん大丈夫なのか? もし顔がよくて性格が悪い男に引っかかったら、薫がブチギレて結果俺もブチギレて、日葵もブチギレて千里もブチギレてノリで全員ブチギレて、結果男が死ぬことになってしまう。

 

「ゆりちゃんも俺たちの高校にこねぇかなぁ」

「その方が絶対ええよな。っていうかゆりちゃんのことやからもう私らのとこに進路決めてんちゃう?」

「顔がいい人が確実にいるってわかってるからね。同じ料金なら可愛い風俗嬢がいる店に行くに決まってるし」

「あんたそんな例えしかできないから下品なのよこのゴミゲボ野郎。お母さんのケツの穴から生まれてきたの?」

「ナンバーワンで下品じゃねぇか」

 

 男でもあんまりゲボって言わねぇぞ。言うとしたら俺か千里くらいだ。つまりまともな人間は言わない。あれ? 俺と千里と光莉しか言わないって、いつもの三人じゃん。最悪。また俺たちが異常者であることが証明されてしまった。これは日葵にずっと一緒にいてもらって介護してもらうしかない。げへへ。

 

「というか、ねぇ恭弥。なんで日葵の髪がもう乾いてるの? 私がしゃぶりつくすつもりだったのに」

「お前に任せたら一生乾かねぇからだろ。薫も日葵の髪乾かしたがってたし、いいじゃねぇか。美しい姉妹愛にドブが混ざらなくてもさ」

「まぁ、薫ちゃんが相手なら仕方ないわね。今私のことドブって言った?」

「そういや千里って髪の乾かし方まで女の子みたいやったな。男の子って恭弥くんみたいにぐわーってイメージやったけど」

「春乃春乃。さっき恭弥が私のことドブって言ってなかった?」

「あの、無意識にメス晒してるって気づかされたら普通に傷つくからやめてくれない?」

「千里千里。さっき私がドブって言われたの。信じられる?」

 

 ドブがちょこまかと動き回っているのを無視して、日葵のところに向かう。ゆりちゃんが菩薩のような笑みを浮かべているのが気になるところだが、もう色んな事がありすぎて仏になっていてもおかしくないから気にしないことにした。よくあることだよな。色んなことがありすぎて仏になるって。

 

「兄貴。近寄らないで」

「おいよく見ろ薫。もう俺下半身モロ出ししてねぇだろ」

「お兄ちゃんのおっきっきって衝撃的だもの。仕方ないわ」

「恭弥、なんで後ろ向いたの?」

「気にしないでくれ」

 

 別に聖さんが『お兄ちゃんのおっきっき』って言ったから、それが琴線に触れたわけじゃない。後ろ向いたら光莉と春乃と目が合って、すべてを察せられたことも別に気にしてない。千里は複雑そうな顔をしていた。まぁお前からしたら姉だもんな。でも考えてみろ。お前にとっては薫が「お兄ちゃんのおっきっき」って言ったのと同じことだぞ。

 アイコンタクトでそのことを伝えてやると、千里も後ろを向いた。想像でそうなるって相当だぜあいつ。

 

「ふぅ、収まった。おいおいよかったな薫。日葵に髪乾かしてもらってよ」

「話しかけないで」

「す、薫ちゃん! 恭弥が泣いちゃうからだめだよ!」

「悪かったよ……素敵な女の子ばかりで興奮してしまった俺を許してくれ」

「恭弥くん。正直だったらいいってわけじゃないのよ」

 

 正直なのが俺のいいところなんです。

 

 でも、感触としては悪くない。日葵は照れてるし、聖さんはあらあらうふふってしてるし、ゆりちゃんは菩薩のような笑みで「わかります」って頷いてるし。後ろの三人の女の子も見てみると、全員照れて、一人がはっとして中指を立ててきた。お前が勝手に自分のこと女の子だと勘違いしただけだろ。お前そろそろほんとに危ないぞ。

 

 ただ、機嫌を直してほしい薫だけむすっとしていた。なんだろう。もしかして薫の水着姿を褒めなかったからかな!!!!???

 

「薫! 水着めちゃくちゃ似合ってたぞ! 一生掴んで離したくないくらいだったぜ!」

 

 薫が恐怖の表情を浮かべて逃げ出してしまった。ベッドの上に乗って脅えた表情で俺を見ている。なんで?

 

「恭弥くん。妹が兄の臨戦態勢を見せられて、しかもその後に水着姿を褒められる恐怖がわかる?」

「でも俺ら兄妹ですよ。恐怖感じるところなんて何もなくないですか? 漫画やアニメじゃないんですし」

「ん-。薫ちゃんって恭弥のそういうところ見たことなかったから、戸惑ってるんじゃない? や、私も見たことなかったんだけど」

「あー」

 

 確かに。妹の前で男なんて出さないし、出そうとも思わない。そうか。俺が俺じゃないみたいな感じしたから怖がってるのか。可愛いやつめ。じゃあ俺の萎えたあそこを見せれば……なんだろう。絶縁される未来が見えた。俺は自分で考えて行動しない方がいいんだろうか。

 

 どうやって薫の警戒を解こうかと考えていると、ふと俺の肩に柔らかく女の子らしい手が乗った。千里の手だ。

 

「恭弥。ここは僕に任せて」

「お前が服を着たら話だけは聞いてやる」

 

 千里の方を見ると、既に上を脱いでいてなにやらおっぱじめる気満々だった。ゆりちゃんは死んだ。

 こいつ、薫がベッドの上にいるっていう状況だけみて興奮しやがったな? やはり俺は薫の兄としてこいつを殺さなくてはならないらしい。もう日葵がロープで縛りあげて準備万端だから、あとは俺が手を下すだけだ。あと日葵、どこからロープ取り出したの? 何に使う気だったの?

 

「助けて姉さん! 可愛い弟が目の前で殺されようとしてる!」

「いつものことじゃない」

「いつものことだけど! なんかこう、朝日さんと夏野さんとじゃガチ度が違うんだよ! 朝日さんは殺し慣れてるから結果死なないけど、夏野さんは殺し慣れてないから殺されるかもしれないんだ!」

「手を下すのは俺だぞ」

「じゃあ安心か」

 

 やれやれ。千里は死んだ。

 

 流れるように死人が二人出たところで、日葵についてきてもらい、「ほら、恭弥もごめんなさいしてるから。ね?」と日葵に言ってもらい、薫と仲直りが完了した。まるで喧嘩した生徒同士を仲直りさせる先生のような手腕。惚れ直したぜ。今度から日葵先生って呼ばせてくれ。ついでに間違えてお母さんって呼ばせてくれ。かくなるうえはママって呼ばせてくれ。

 

「ごめん兄貴。なんか、兄貴に近づいたら妊娠しちゃうって思って……」

「そんなわけないじゃないか。まったく、薫ちゃんは可愛いなぁ」

「あーあ。薫が妊娠とか言うから変態のゴミクズが復活しちゃったじゃん。光莉。掃除しといてくれ」

「もうしたわよ」

 

 やれやれ。千里はいなくなった。

 

 今回光莉は千里に対して何も思うところがなかったはずなのにノリで殺してしまうとは、やはり以心伝心。俺と光莉は似た者同士。俺に嫌なことがあれば光莉も嫌な気持ちになるし、俺が嬉しい気持ちになったら光莉も嬉しい気持ちになる。俺が死んだら光莉も死ぬ。つまり光莉は俺を殺せない。

 

「やーいやーい! 乳デカお化けー!」

 

 やれやれ。俺は殺された。

 

「なんでいきなりそんなこと言うたん?」

「いや、論理的思考能力の下……」

「恭弥、あんまりそういうこと言うのよくないよ」

「はい! ごめんなさい!」

「こんなやつが論理的思考能力あると思う?」

「俺男だしなぁ」

「いきなり男女差をひけらかす嫌みったらしい男になるんじゃないわよ」

 

 この集団見たら男の方が論理的思考能力があるってあんまり言えないしな。全員何かしらの天才だし。日葵は可愛さの天才、光莉は暴力の天才、春乃はシンプルに天才、俺は大天才。千里も可愛さの天才、薫も可愛さの天才、聖さんはえっちの天才、ゆりちゃんは即身仏の天才。

 

 論理の欠片しかねぇじゃねぇか。

 

「おっしゃ! 全員お風呂あがって色々終わったから、ゲームしよか!」

「ゲーム?」

「色々持ってきてん。せっかくやしみんなで遊びたいなぁ思て」

 

 言って、春乃は自分の荷物からいくつかのボードゲームを取り出した。可愛いかよ。あれだよな。遊びたがる女の子ってとてつもなく可愛いよな。

 

「仕方ない。僕が『強さ』ってやつを見せてあげよう」

「私の足を舐めた人から助けてあげるわ」

「二人ほど競技を勘違いしてる人がいますね……」

 

 人と遊び慣れてないんだな。可哀そうに。俺は武器として持った鉄の棒を手に、悲しそうに肩を落とした。

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