【本編完結】ただ、幼馴染とえっちがしたい   作:酉柄レイム

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第122話 参加メンバー

 なんかすごいものを見たような気がした。力と力、技と技のぶつかり合い。まるで光莉とロメリアさんが世界の中心にいるかのような感覚。いつも殺されてるから強い強いとは思っていたが、あんな少年漫画の主人公みたいな動きするとは思ってなかった。ロメリアさんもロメリアさんだし。なんなんだあの二人? 化け物じゃね?

 

「悔しい!!」

「惜しかったなぁ」

 

 ほんとに、光莉に勝ってしまったロメリアさんもかなりの化け物だ。光莉は腕を振り下ろすだけで海を割るくらいの力なのに、それを上回る技を持っている。オカマさんは強いって思ってたけどここまで強いとは思っていなかった。

 最後は一瞬だった。光莉とロメリアさんが交差して、悔しそうに光莉が膝をついた瞬間にバルーンが割れる音。ロメリアさんが「楽しかったわよ」という一言を置いて、第二競技はロメリアさんの一人勝ちで幕を閉じた。

 

「自信あったのに! 何あの人! 強すぎでしょ!」

「光莉もすっごく強かったよ? カッコよかった!」

「さぁくよくよしてても仕方ないわ。次いきましょう」

「お前ほど慰めがいのないやつはいないよな」

「慰めてもらった覚えもないわよ」

 

 そりゃ慰めてないし……。

 

 あれだけちゃんと戦って負けたなら、そりゃ悔しさはあるだろうけど清々しさもあると思う。めちゃくちゃ楽しそうな顔してたし。俺たちと一緒にいるときとはまた違う楽しそうな笑顔だった。俺も熱くなっちゃったし。光莉が斧を持って、春乃がレイピアを持って戦うところを想像しちゃったし。絶対似合うよな。光莉なら斧を棒切れみたいに振り回してくれるだろう。一振りで地面を叩き割ったり威圧で吹き飛ばしたり。春乃は華麗に受け流して一突きで仕留める。

 ちなみに日葵は笑顔だけで全員殺せる。日葵の笑顔に勝てる相手なんていない。千里は安全なところから指示を出す。俺は逃げ回ってなんやかんや生き残る。

 

 よし。俺たちがファンタジーな世界に行っても生き延びることができそうだな。

 

「……ちょっと気に入らないわね」

「何が?」

 

 日葵に褒めてもらって大人しくなった光莉が、またむすっとし始めた。その視線の先にはロメリアさんがいて、光莉につられて目が合ってしまいまたウインクされてしまう。本気で狙われてんじゃん俺。

 

「ほら、ロメリアさんが二回連続競技に出てたじゃない? それならこっちも出ちゃっていいんじゃないかなって」

「つっても春乃は絶対必要だし………………千里と日葵はかわいい」

「戦力にならないならならないって言ってくれないか」

「私運動はちょっとできるもん!」

「夏野さん。恭弥と朝日さんと岸さんと比べて、まだ自分の方が上だと言える自信があるならどうぞ言っていいよ」

「応援してるね!」

「なんか申し訳ねぇな……」

 

 確かに運動能力だけで言ったら俺と光莉と春乃だろうが、せっかくだし千里と日葵も楽しんでもらいたい。勝ちに行くっていうよりは楽しむことを目的にしたいし……光莉がロメリアさんと戦って少し熱くなってるから、ここは冷静になってもらえるよう説得しよう。

 

「光莉。どうせペアチケット貰っても仕方ねぇから、みんなで楽しむってのが一番じゃね?」

「何が仕方ないのよ。ペアチケット貰ったら私と日葵が頂くから何も仕方なくないわ」

「なんか頑張る気なくすわ」

「ついてきたかったら自腹でついてきてもいいわよ」

「行きたいけど、みんなを置いていくくらいなら行かなくてもいいかなぁ」

「なんかやる気なくなってきたわね。恭弥、千里。適当に死んできなさい」

「やる気とともに俺たちの命まで失おうとするな」

 

 本当に現金なやつだなこいつは。何か報酬がないと頑張れないのか? 悲しいやつめ。せっかく楽しもうとしてるのに台無しじゃねぇか。

 ただ、ペアチケットどうこうは抜きにして、どうせやるなら勝ちたいっていうのもまぁわかる。今のところロメリアさんとは一敗一分けだし、ここで勝っておかなきゃ負け越しで終わりだ。俺は負けてないけどね???

 

「ん-、ほなどうしよか。なんとなくなんやけど、光莉より千里のがええ気するねんな」

「は? 私がメスに負けるとでも思うの?」

「や、ほら。使うのって水鉄砲やん? 光莉って近接武器ならめっちゃ強いやろうけど、なんか遠距離になると途端にあかんようなる気すんねん」

 

 わかる。力にものを言わせたパワーオブパワーなら最強だけど、銃とかだと全部外してそう。最終的には「殴った方が早いわ」って銃で殴ってそうだし。しかも多分光莉の場合本当にそっちの方が強いしな。

 その点、千里は運動能力がずば抜けて高くなくても頭が回るし、何よりサポートが人一倍うまい。そして人の嫌がることをすることもうまい。チーム戦なら絶対仲間にほしい人材ではある。

 

「水鉄砲だとしてもそれで殴れば勝ちでしょ。バカね」

「パワーバカがいますね」

「開幕と同時にあんたにパワーを見せつけてやるわ」

「光莉。私と一緒に応援しよ?」

「はぁい!」

 

 両手を上げてにこにこする光莉がちょっと可愛かったので千里を殴って正気を取り戻し、いきなり殴られて困惑する千里に「綺麗だよ」と言って怖がらせることで『殴られた』という事実を頭から吹き飛ばしてやった。痛みと困惑を恐怖で上書きすることなんて、俺にとっちゃ造作もないことだ。

 

 なにはともあれ、うちのチームの出場者は決まった。俺、千里、春乃。俺と春乃が相手を蹴散らす役で、千里がゲームメイカー。俺と春乃がやられない限り倒されることはない最強の布陣。

 

「そういや水鉄砲って小学生以来触ってねぇな」

「あ、懐かしい! よく薫ちゃんも一緒に遊んでたよね」

「懐かしいわね」

「おい。日葵と一緒にいたいがあまり記憶に割り込んでくるな」

 

 俺と日葵の記憶に侵入してきた無礼者を蹴りだして、ゆっくり思い出に浸る。

 

 小学生の頃。すでに『俺』として完成されていた俺は、当時から頭が回って運動もできて、神童と呼ばれることを期待していた。実際は呼ばれていなかった。

 薫もやはり俺と同じ遺伝子だからか、頭もいいし運動もできる。だからなのか、水鉄砲を先に三回当てられた方の負け! というルールで遊んでも、俺か薫が勝つだけで日葵が勝ったことは一度もなかった。流石にダメだろうと思って俺と薫が同時に気を遣い、兄妹の戦いが勃発しても「仲間外れにしないでー!」ってへそ曲げてたな。可愛すぎる。俺の妻になってほしい。

 

 そんなことを思い出してたら、なんとなくまたあの三人で競技に参加してみたくなった。薫はそもそもチームにいないから無理だけど。惜しいことしたなぁ。千里なんか放っておいて、薫をチームに入れればよかった。千里と薫の頭の回転はどっこいどっこいどころか薫の方が頭回るだろうし。ちょっと天然だけど。

 

『さーて! 休憩時間は終わり、いよいよ最後の競技! 水鉄砲デスマッチは、トーナメント形式で行います!』

『こちらをご覧ください!』

 

 今からでもどうにかして千里を追い出せないかと頭を悩ませていると、第三競技の説明が始まった。ステージにお兄さんとお姉さんがあがっていて、注目が集まったと同時にお兄さんがパネルを取り出す。

 

 そこにはトーナメント表が書かれていた。俺が、俺たちが気になったのは4番チームのみ。順当にいけば決勝で当たる。というか順当にいくだろう。だから決勝までの戦いは全部スキップでもいい。どうせ勝つ戦いなんてみんなみたくないだろうし。

 

「トーナメント形式やったら人の交代もありなんかな?」

「確かに」

『なお、一戦ごとに参加するメンバーを変更してもいいですよ! ただし、ルールがあります!』

『このデスマッチでは、ゼッケンに向かって水鉄砲を撃ちます! ゼッケンは水に濡れるとスケスケになるので、それが死亡判定! 死亡したメンバーは、もうデスマッチに参加することはできません!』

「つまり、初戦で二人やられたら同じチーム内から参加してなかった二人と元々参加してた一人で次の試合に出れるけど、そこで二人やられたらもう一人で決勝行くしかない、みたいな状況になるってことか」

 

 つかスケスケって。運営がそんなこと言ったせいで光莉が「日葵。一番最初の試合一緒に行きましょう」って言ってるし。あれ絶対日葵のゼッケンを濡らすつもりだろ。もしかしたら開幕と同時に光莉が日葵を撃つかもしれない。そうなったら流石の日葵も怒るだろうから、日葵と光莉を一緒にしたらだめだ。光莉だけ『日葵を濡らすゲーム』っていう一人だけ違うゲームし始めそうだし。

 

『もちろんですが、元々参加していた三人がやられちゃったから、見ていた二人が途中参加みたいなことはなしです! 三人やられちゃったらそこで負け! これ覚えておいてくださいね!』

「光莉は不参加だな」

「水鉄砲握って殴りかかって不正行為って言われたらしょうもないもんな」

「なによ。ダメって言うの?」

 

 ダメでしょ。不満そうな光莉をよそに、ロメリアさんのチームの戦いが始まった。もうロメリアさんチームの勝ちで終わった。

 

 ……何があったの?

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