【本編完結】ただ、幼馴染とえっちがしたい   作:酉柄レイム

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第123話 バカの戦

『さぁ第四試合! クイズ大会では全問正解、デスマッチでは見事バトル漫画のような立ち回りを見せた5番チームと、一切いいところのない2番チーム!』

『そもそも4番チームと5番チーム以外いいところないですけどね!』

「さて、乳だけデカい役立たずが参加してるのはなんでだろうな」

「本命メンバーの温存作戦よ。話聞いてなかったの?」

「だからってザコと一緒にやるのもなぁ」

「ごめんね? 私も力不足だと思ったんだけど……」

「日葵はザコじゃないよー! チッ、光莉のせいで日葵がちょっと傷ついちまったじゃねぇか。死んで詫びろ」

「何? 私のせいで日葵が? 死んで詫びるわ」

「わー! 待って!」

 

 一回戦第四試合。つまり俺たちの出番。ベストメンバーである千里と春乃は今までの競技に参加してなかったから、一回戦から見せる事ないだろうということで俺、日葵、光莉の三人で挑むことになっている。

 正直、嫌な予感しかしない。日葵は俺や春乃までとは行かないけど運動神経いいしそこそこ戦えるだろうが、乳デカマウンテンゴリラは違う。何かやらかす気がしてならない。もし日葵がやられようもんなら水鉄砲で殴打して相手を殺すまである。

 

 俺がやらなきゃいけないのは日葵を守りながら相手を蹴散らすこと。光莉は自分の身は自分で守れるだろうし。というより光莉よりも光莉に殺されるかもしれない相手を守る戦いだ。

 

「そういえば2番チームってあのチャラい集団じゃない? 白い壁あるから見えなくて助かったわ。あんなの直視したらゲボ風呂に浸かるのと一緒だもの」

「光莉きたない」

「さっき恭弥にゲボ風呂って言わないと犯すぞって言われたの。信じて」

「じゃあ言わないでしょ」

「流石に『ゲボ風呂って言え!!』って言いながら犯されたくないわよ」

「俺の性癖をなんだと思ってんだ」

 

 えっちなことしてる時に「ゲボ風呂って言え!!」って言うのもおかしいし、そもそもゲボ風呂って言わないと犯すっていうのもおかしいし。なんでそれを言うことを強制するんだよ。どうせならもっといやらしいこと言ってもらうわ。

 ……いや、こいつ自ら嬌声あげるくらいだから言ってもらわなくても大丈夫か。「おっぱい揉む?」くらいは平気で言ってくるし。なんだこいつ。男子高校生の夢かよ。おっぱいデカくてえっちな発言いっぱいしてくるパーソナルスペース狭い女の子? 結婚してくれ。

 

『さて、準備はよろしいでしょうか!』

『みなさんに支給されるのはライフルとピストル! うまく組み合わせて戦ってください!』

「ライフルのが殴りやすそうね」

「相手のゼッケン濡らせば勝ちなんだからピストルだろ。ライフルは機動力が落ちる」

「私もピストルかなぁ。重いものもって移動するの疲れそうだし」

『よーい、スタート!』

 

 ルールは簡単。白い板で仕切られた砂浜上のステージで戦う。ゼッケンを濡らされればアウトなのがミソで、例えば顔を濡らされてもアウトにならないし、ゼッケン以外ならどこを濡らされてもいい。だから板から顔だけだして、相手を狙うってのもいい。

 

「さ、行くわよ恭弥」

「はいよ。日葵は後ろからついてきてくれ」

「え?」

 

 困惑する日葵を連れて、俺と光莉は左右に散開する。日葵は言った通り俺についてきてくれているが、何をすればいいのかわからないって表情だ。日葵が何かする必要もなく終わらせるのが俺たちの作戦……作戦というより、以心伝心に任せた強行なんだけども。

 

 いくら砂浜の上と言っても、走れば多少は音が聞こえる。つまり俺たちの位置は相手に筒抜け。待ち伏せされて水鉄砲で一撃、みたいなこともありえるだろう。ただ、こっちはこっちで相手のいる場所が大体把握できる。スタートと同時に走り出して、相手が走ってきてるから待伏せしようってなったなら、相手はスタート位置からほとんど動いていないはずだ。あとはもう反射神経の勝負。見つけた瞬間ぶっ放す。

 

「一」

「二ィ!!」

「うわっ、どっから出てきやがったんだ!?」

「うわっ、どっから出て、おっぱいでかっ!?」

 

 前方の板の向こうに気配を感じて、瞬時に加速して気配の方に一発。チャラい男のゼッケンが濡れ、向こうの方でも光莉がチャラ男を倒していた。なんか殴った音も聞こえた気がするけど気のせいだろう。っていうかあいつ、ライフル持ちながら俺と同じ速度で相手倒してんの? もしかして戦場で生まれた方ですか?

 

『予想通りと言えば予想通り! これで2番チームは残り一人です!』

『チャンバラで少年漫画ぶりの活躍を見せた化け物と、クイズを一瞬で正解していった化け物のツートップ! これは下半身にしか脳がついていない猿もたまりません!』

 

 俺たちのことを化け物って言ったり、チャラ男のことを下半身にしか脳がついていない猿って言ったり口ワリィなあのお姉さん。どっちも合ってるから文句言いづらいし。まだ俺たちは化け物じゃないって小さい声で言えるくらいだ。俺たちは化け物っていうか、その、なんだろう。やっぱり化け物じゃないのは俺だけで、光莉は化け物だ。だっておかしいもんあの戦闘力。地球代表かよ。

 

 二人を蹴散らした後は、一旦合流する。勢いで行ってもいいが、せっかくなら遊びたいし。それに、勢いだけでいくと万が一がある。ここは安全確実に、三人で仕留めるべきだ。

 

「さて、どうするか」

「もう勝ちは決まったようなものよね。多分あそこの角の板の裏にいるし」

「やっぱあそこか。光莉が言うなら間違いねぇな」

「二人ともなんでわかるの……?」

「「勘」」

 

 と、俺がチャラ男倒した時にチャラ男が一瞬見てた方向がそっちだったから。まったく、知能が足りねぇバカは狩りやすいから助かるぜ。今なんか最終的に負ける敵キャラみたいなこと考えちゃったけどノーカンで。その場合ロメリアさんが主人公になっちゃうから。誰が見たいんだよロメリアさんが主人公の物語。ちょっと面白そうじゃねぇか。

 

「でも角って外側から回り込めないのよね」

「一番外に設置されてる板の外側には出られないからな」

「じゃあ正面から行くしかないってこと?」

「その上相手もくる方向を一点に絞れるからめんどくさい」

「ふーん」

 

 光莉が鼻歌を歌いながら、チャラ男がいるであろう板の方へ歩いて行く。そして腰を落とすと、弓を引くように腕を引き絞り始めた。慌ててその光莉の腕をとって、板を壊そうとしているバカの暴挙を必死で止める。

 

「お前何壊そうとしてんの?」

「板を壊しちゃダメって言われなかったから」

「お前は机を破壊しちゃいけませんよって学校で習ったのか? 習わなかっただろ? それを常識って言うんだよ」

「常識の範疇に収まる女、面白いと思う?」

「じゃあ私面白くないんだ……」

「日葵は結構常識の範疇にいないわよ」

 

 同意しかけたところを寸でで踏みとどまり、「日葵は常識人だぞ」とフォローを入れておく。脳内まっピンクだったりド天然だったりそこからくる暴走があったりと俺たちと一緒にいたせいか非常識行動が目立つが、まだ日葵は常識の範疇だ。比較対象が俺たちだからってわけじゃ決してない。決して。

 

「板壊しちゃダメならどうするのよ」

「俺に考えがある」

「なになに?」

 

 可愛らしく首を傾げる日葵にノックアウトされながら、光莉の屍を踏み越えてチャラ男の正面に出る。あまりにも自然に出てきたからか、チャラ男はぽかんとした表情を一瞬浮かべ、その間に一発ゼッケンに向かって発砲。あっけなく勝利。

 

「ほんとは考えなんてない」

『決着! 5番チームの勝利!!』

『最後のはなんだったんですかね。チャラ男も警戒してたはずなんですが』

 

 簡単な話。2番チームのメンバーを確認していた俺は、残りの一人が一度俺と光莉と千里が蹴散らした男だってわかってたからだ。あの日葵と薫とゆりちゃんをナンパしてたやつ。あの時の恐怖からか、俺と目が合った瞬間めっちゃ固まってたし。いや、あの時はひどいことをしたもんだ。

 

「私何もしてない……」

「日葵はいてくれるだけでいいのよー! ちゅっちゅっ」

「ちゅっちゅって言いながら舌出してんじゃねぇよ淫乱女。ねぶり回してやろうか?」

「あんたって私に対するセクハラに躊躇ないわよね」

「光莉は私に対するセクハラに躊躇ないよね」

「恭弥。私の愛はセクハラって思われてたみたい」

「犯罪者ってよくそういう思い込みするよな」

 

 ストーカー行為を愛って言ったりさ。恐ろしいぜ。一回危なそうな大人が千里をストーカーしてたことを思い出す。気にしないようにしてたけどある時からデカい車でついてくるようになったから、流石に危ないと思ってそいつの前で千里を抱きしめて、激昂して降りてきたところをぶちしばいて一件落着。思い込みの激しいやつは怖いぜほんと。

 

 ……俺、千里の前だとヒーローみたいな大活躍してね? なんで日葵の前でそれができないの?

 

「お疲れー! 心配はしてへんかったけど、流石やな!」

「バカに相応しい強行策だったね。見苦しい」

「俺ちょっとそこの岩陰で千里ブチ犯してくるわ」

「このローション使っていいわよ」

「なんでそんなの持ってるの……?」

「多分日葵と使うためやで。そろそろ親友別の子にした方がええんちゃう?」

「夏野さん。よければ僕を君の親友にしてくれないか。さもないと僕がブチ犯される」

「犯さねぇよ。冗談だ冗談。ハァハァ」

「僕に近寄るな」

 

 数分後。気づいたら俺をめちゃくちゃ警戒する千里が出来上がってしまった。なんでだ? 俺に数分前の記憶がないことは確かなんだけど……。

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