【本編完結】ただ、幼馴染とえっちがしたい   作:酉柄レイム

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第128話 誕生日おめでとう!

「日葵のォォオオオオオオ!!!!! 17歳の誕生日にィィィイイイイイイ!!!! かんっ、パァァァァァァアアアアアアアイ!!!!!!!!」

 

 ハイテンションで乾杯の音頭をとる光莉。空間が裂けたような感覚があったが気のせいだろう。

 

 全員海での汚れを落とし、食材を買いに行って、「流石に日葵ちゃんの誕生日にセックスするのもなぁ」とやってきた両親を軽蔑し、日葵の誕生日会が始まった。料理を作ったのは俺と母さん。「恭弥と台所に立てるなんて、なんか私感動しちゃうわ。成長したのね」と予想外のタイミングで俺を泣かしにきやがった母さんは、今父さんの隣でうっとりと父さんを見つめている。息子の前で女の顔してんじゃねぇよ。

 

「おめでとう日葵! 誕生日プレゼントあげてるの今のとこ私だけかな?」

「みんな用意してくれてるのかな……? ちょっと申し訳ない気もする……」

「野郎ども!! ちゃんと日葵へのプレゼント持ってきたでしょうね!!!!???」

「隊長! 持ってきていないものは如何様にいたしましょう!」

「恭弥を殺せ!!」

「なんでだよ」

 

 千里が敬礼しながらノリノリで光莉に聞くと、どうやら誰かが日葵へのプレゼントを持ってきていなかったら俺が殺されるらしかった。多分あいつ俺を殺したいだけだ。日葵といちゃいちゃしたいから俺という存在は邪魔なんだろう。だったら最初なんで協力してくれたんだって話になるが、あいつは人に希望を持たせてそれを奪うことが何より幸福な極悪人。微塵も不思議な話じゃない。

 

「はい日葵ちゃん。誕生日プレゼント」

「ありがとうございます! これは……?」

「媚薬よ」

「母さん。たった今から俺は薫を連れて家を出ることにした」

「待って! お香タイプなの!」

「錠剤でもなんでも媚薬はアウトだアウト!! 日葵はまだ未成年だぞ!!」

「兄貴。成人してても誕生日プレゼントに媚薬はどうかと思う」

「薫の言う通りだ!!」

「成人してたらセーフって思ってたあたり、恭弥のおかしさが顔を覗かせたね」

「まともなフリしてても無理なのよあいつ」

 

 うるせぇ外野二名を無視して日葵から優しくピンクの箱に入った媚薬を取り上げ、父さんに「マジで頼むわ」と処分しておいてくれと媚薬を渡す。まさか聖さんに渡すわけにもいかないし、ここは父さんになんとかしてもらうしかない。

 

「任せろ!」

 

 そう言って頼もしく自分の胸を叩き、父さんは箱から媚薬を取り出して、おしゃれなろうそくのようになっている媚薬に火をつけた。

 

「何やってんだクソ親父テメェ!!」

「恭弥落ち着いて! 親は殴っちゃダメだって!」

「あかん消せ消せ! 恭弥くんのお母さんが持ってきた媚薬やったら本物の可能性しかあらへん!」

「このままじゃ千里が恭弥においしく頂かれちゃうわ!!」

「ふらふら……」

「ちょ、ゆり、大丈夫?」

「ふーっ!」

「おい親父!! 誕生日ケーキの前に媚薬の火を日葵が消しちゃったじゃねぇか!!」

「同じろうそくじゃん」

「全部の神経がねぇのかテメェは!!」

「なら喋れてないだろ」

「わかってんだよんなこと!!!!!!」

 

 父さんの胸倉を掴んでがくがく揺らすが、父さんは「いや、その、面白いかと思って」と訳の分からない言い訳をぼそぼそ呟いている。面白いからってなんでも許されると思ってんじゃねぇぞこのクソ親父。未成年だらけのここで媚薬って、捕まっても文句言えねぇからな? てかこの媚薬合法なのか? 怪しいやつじゃねぇよな?

 

「こら恭弥! お父さんにそんなことしちゃだめでしょ!」

「諸悪の根源がよく俺に れたな! つか内股になってんじゃねぇよ誰よりも媚薬効いてんじゃねぇか!!」

「何ッ、恭弥。俺と母さんは別室に行ってくる」

「みんな楽しんでね……」

「ウオアアアアアアアアア!!!!!」

「恭弥が壊れた!!」

「薫ちゃんも白目になってる!!」

 

 阿鼻叫喚の空気を作り出し、両親は部屋から出て行った。もう絶縁ものだ。この旅行終わったら荷物まとめて薫を連れて出て行こう。薫もゆりちゃんにすりすりされながら放心状態になってるし。あれ? ゆりちゃん媚薬効いてね?

 

「ちょ、ゆりちゃん大丈夫か?」

「だいじょうぶでふ」

「いつも通りなのか媚薬が効いてるのかわからないわね……」

 

 結構いつも通りな気もするけど、これでゆりちゃんに何かあったらゆりちゃんのご両親になんて説明すりゃいいんだ……? 俺の母さんが媚薬持ってきて、それに父さんが火をつけて、母さんに火がついて、父さんにも火が付きました??? 絶対後半二ついらねぇな。ゆりちゃんのご両親に怒りの火がつきそうだ。

 

「でもこのお香、普通のお香っぽいわね。お母さんなりの冗談だったんじゃない?」

「うん。なんとなく、恭弥のお母さんがお父さんと二人きりになりたくてやっちゃったみたいな感じする」

「それはそれできついんだけど」

「兄貴。家探しとこ」

「え、ご両親のもとを離れてもお兄様とは一緒にいたいってコト……? かわゆ……私はしぬ……」

「あ、いつも通りや」

「なんだ……」

「千里はなんで残念がってんだ?」

 

 こいつ、薫に媚薬効いてないかなって期待してやがったな? 疑いの目を向けると、千里は下手な口笛を吹くかと思いきやボイスパーカッションをしてごまかした。むしろムカつくから逆効果だぞそれ。仕方ないからセッションしてやるけど。

 

「じゃあ次は私から。最近あなたたちの高校の近くにスイーツバイキングできたの知ってる?」

「あ、知ってます! 行きたいなーって思ってました!」

「そこの無料利用権12回分。ひと月に1回行けば一年間楽しめるわよ」

「ほわぁああ……」

「嬉しすぎて日葵がアホになっててかわいい」

「聖さん聖さん。これって団体でもいけるん?」

「もちろん。5人までオッケーだったはずよ」

「やった! じゃあみんなでいけるね!」

 

 スイーツバイキング。確か話してたなぁ。ちらっと店の周り見たことあるけど、女の子ばっかで男は入りづらい感じだったのを覚えている。あんなところに日葵と光莉、春乃と千里を連れて入ったらめちゃくちゃなハーレム野郎じゃん。千里も男だけど女の子にしか見えないし。

 

 まぁ日葵と行けるなら気にしなくていいか!!

 

「ありがとうございます聖さん!」

「いいえ。いっぱい楽しんできてね」

「薫。俺は聖さんが俺の母親だったらなぁって思ってたけど、男侍らせてたからそんなことはなかったわ」

「私も途中までそう思ってたけど、どちらかというと侍らせる方がきついからそんなことはなかったね」

「何も悪いことをしていないうちの姉をこき下ろす理由を教えてもらおうか」

「もう言ったぞ」

「反論はありません」

 

 男を侍らせる母親と、普通のお香を媚薬だと言って渡す母親。どっちが嫌かって言われれば前者だ。なんかいやらしい血が自分に流れてると思ったら恥ずかしいし。あれ、そういえば千里も聖さんと同じ遺伝子なんだよな……。

 

「スイーツバイキングかぁ。太っちゃうわね」

「でも光莉ってお胸以外あんまりお肉つかないよね。羨ましい……」

「……」

「お腹にお肉がつかない代わりに、お胸にもお肉がつかない岸さんが嘆いています」

「ボケコラゴミカス。殺されたいんか?」

 

 春乃の修羅を見た千里は俺の背中に隠れて、「恭弥、岸さんを褒めてあげてくれ」と援護射撃を求めてきたので、「春乃はそのまんまでめちゃくちゃ綺麗だぞ」と言うと、「……うへへ。にやけてまう」と言って頬をムニムニしだした。は? かわゆさ大魔神大暴れ中。

 

「実際そうよね。春乃っておっぱいないの気にしてるけど、むしろない方が春乃らしいっていうか、シュッてしててカッコいいっていうか」

「うん! 全然ないわけじゃないし、私はカッコよくて綺麗で好きだよ、春乃」

「私と日葵、結婚します」

「おい絶壁小便女。私の日葵に手を出すなら胸を育ててからにしなさい」

「シュッてしててカッコいいって思ってる人に対して使う言葉じゃねぇな……」

 

 日葵に手を出された瞬間に敵とみなすって見境なさすぎだろ。春乃らしいとかカッコいいとか散々褒めてたのに絶壁小便女て。ひどすぎねぇか?

 ……いや、まぁ、なんとなくこの中で一番小さい気はするけど、絶壁とまではいかないだろう。実際に見たことないからわかんないけどね?

 

「それじゃあ私からというより私たちから。最近日葵ねーさんがパジャマ欲しいって言ってたから」

「私と薫ちゃんでお金出しあって買いました!!!!!! すみません!!!!!」

「え! ありがとー!!!」

 

 ゆりちゃんはなんで謝ったんだろう。私みたいなものがプレゼントを用意していてすみませんみたいな? どんだけへりくだってるんだ……。

 薫とゆりちゃんが渡したパジャマは綺麗に包装されていてあんまり見えないが、日葵がにっこにこですぐに包装を開けてその姿を見せた。

 

 襟が丸くなっている、落ち着いた雰囲気の紺色のパジャマ。生地は薄そうで、短パンっぽいから恐らく夏用。は? お揃いのパジャマ着て寝たいから今すぐ買ったところ教えてくれ。

 

「薫ちゃん。ゆりちゃん。それどこで買ったの?」

 

 先を越すんじゃねぇよド変態が。お前はオレンジが似合ってんだから紺はやめとけ。俺は紺が似合うから紺を買う。

 

「かわいい! 今日からこれ着て寝るね!」

「うん。絶対似合うし可愛いから」

「私が買ったパジャマを日葵様が着て寝る……?」

「そらパジャマやから着て寝るやろ」

「あ、春乃様からのつっこみ」

 

 倒れかけたゆりちゃんを薫が慣れた手つきで受け止めて、安全に椅子へ座らせていた。介護士かよ。

 

 ……さて、あとは俺と千里と光莉だけ。父さんもあげてないけど、この旅行がプレゼントみたいなもんだしノーカンだろう。やばい。緊張する。

 そんな俺の緊張を察したのか、千里が小さく笑って「次は僕だね」と立ち上がった。

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