仕方ないよね。風先輩の先輩だもん。
1話
幸せとは脆く、すぐに消え去ってしまうものだ。
そんな話を聞いたことはないだろうか。
事実、それはよくマンガや小説に出てくる言葉で俺も聞いたことはあった。
けれど、そんなものは結局他人事で
それが事実だったって気づいたときには
もう、すべてが手遅れだったんだ。
「両親が亡くなったらしいわ」
「事故ですって」
「買い物の帰り道にトラックがぶつかったそうよ。即死ですって」
「まぁ、可哀想に。彼、まだ小学6年生よ」
「引き取ってあげたいけど、お金が無いのよ」
「私は子供がまだ.....」
「私も.....」
今まで当たり前のように家族と過ごしていた。
だからその日もいつもの日常が来ることを疑わなかった。
あまりに突然の出来事。
当時小6の自分が受け止めるにはまだ、幼すぎた。
現実を受け止めるのに1週間。家で待っていても両親を帰ってこず、そこでやっと現実を実感した。
そこからはもう、ひたすらに泣いた。
何で俺がこんな目に逢わなければならない。
親戚はおらず、周りに頼れる人もいない。
あるのはいつの間にか手元にあったら両親の保険金。
ただ生きるのが辛かった。
だから思った。
死のうと。
当時から頭は悪くなく、運動も出来る方だった。
だからこそ考えついてしまった。
誰もが習う歴史。
300年前の西暦2015年、突然発生したウイルスにより神樹様に守られた四国以外の土地は人が住めなくなったというもの。
しかし誰もが興味を持つのではないか。
外の世界は、四国以外の世界はどうなってるんだろう?
もちろん、死ぬのは怖いから確認出来ないが。
だからせめて四国の外の景色を見てから死のう。
自殺は怖いから、ウイルスで勝手に死ねるし都合がいい。
そう思ってからは早かった。
なけなしのお小遣いと食べ物をカバンに詰め込んで、自転車に飛び乗った。
もう何も考えなくていいようにともかく先へ先へと。
幸い、家は高知県のはじっこで2日ほどでそこについた。
景色が続いてるように見えて、けれど違和感があるところ。
本能がこれ以上進んでは駄目だと叫んでいるこの場所。
これが神樹様の壁だと誰かに言われずとも分かった。
一歩近く。 足が震える。
一歩近く。 走馬灯なんかが見えてきて、死を実感する。
それでも一歩ずつ進んだ。
そして、
一瞬だけ見えたのはマグマのような燃え尽きている世界。
全身が燃えるように暑く、叫ぼうとも熱で声は出ず、服は燃え始め...
最後に見たのは慌てたように羽ばたいてきた青いカラスだった。
この日、俺は世界の真相を知った。
短くてすみません。慣れてきたら長くなってくるかも。