アサルトリリィ Abnormal Transition   作:0IN

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第10話

 

梨璃「ふぅ・・・。」

 

 

梨璃はカフェテリアで疲れたような表情で俯いていた。

 

 

夢結「お疲れのようね、梨璃。」

 

梨璃「そ、そんなことないです!全然!!」

 

夢結「梨璃さん楓さーん!」

 

 

そこに二水がやって来た。

その後ろに蓮夜も着いてくる。

 

 

二水「あっ夢結様ごきげんよう。」

 

夢結「ごきげんよう。」

 

楓「どこに行ってらしたの?そしてどうして黒鉄さんとご一緒にいたのですか?」

 

蓮夜「途中で二水さんにあってな。それでなんだか梨璃さんが困っているらしいから様子を見に来たんだよ。」

 

二水「どうです?これ。」

 

 

二水はそう言うと手に持っていたタブレット型端末を梨璃達に見せる。

 

 

梨璃「なにそれ?まな板?」

 

蓮夜「まな板って・・・。」

 

楓「タブレット型端末ですわ。」

 

梨璃「へー。初めて見ました。」

 

蓮夜「昔は結構流通してたらしいけどな?」

 

楓「ええ、その程度のもの、昔は誰でも持っていたといいますわ。」

 

二水「見て下さい。それ!」

 

 

二水は端末の電源を入れる。

そうすると梨璃のホログラムと彼女のプロフィールが空中と彼女の周りに投影される。

 

 

梨璃「え・・・?は!?な、何これ!?」

 

楓「梨璃さんの極秘情報が!」

 

二水「人類の英知です!」

 

梨璃「みみ、見ないでください!!」

 

 

梨璃は2人を止めようとするがひらりと躱されてしまう。

 

 

夢結(・・・6月19日?)

 

 

ふと夢結プロフィールを見た時に梨璃の誕生日が目に付いた。

そして壁に掛かっているカレンダーを見てみると、

 

 

夢結「・・・!?」

 

 

そこには6月18日と書いてあった。

 

 

夢結(明日が梨璃の誕生日・・・?)

 

 

それから彼女は知り合いにプレゼントのことを聞いて周り。最後に訪れたのは、

 

 

 

 

 

蓮夜「そして俺の来たって訳か・・・それで何にするかある程度は決めたのか?」

 

夢結「ええ、梨璃がラムネが好きだと聞いて、ラムネにしようと思うのだけれど・・・清涼飲料水のはずなのに固形物だったりして悩んでるのよ。」

 

蓮夜「そういう事か・・・」

 

 

彼は端末を起動させホログラムを展開し彼女に画像を見せる。

 

 

蓮夜「ラムネって言うのはお前が知っている清涼飲料水みたいな液体のタイプとこっちの飴みたいな形の固形タイプの2つがあるんだよ。聞いた話だと梨璃さんはどっちも好きなみたいだからどっちでもいいと思うが・・・。それよりも・・・なんで最初に聞いたのが百由なんだ?あいつが一番こういう話題に向いてないだろう。」

 

夢結「ええ、私も相談してみてヒュージの眼球と言われて後悔したわ。」

 

蓮夜「まあ、こういうのは何が相手が好きかっていうのも確かにあるが、一番はやっぱり気持ちだろう。」

 

夢結「・・・気持ちね。」

 

蓮夜「憧れの人からの自分へのプレゼントっていうのはなんだって嬉しいと思うが、お前にはそういう事はなかったのか?」

 

夢結「・・・あるわ。」

 

蓮夜「それなら自分自身がそういう人から貰ったら嬉しいものとかでいいと思うぞ?」

 

夢結「ええ、ありがとう。参考になったわ。」

 

蓮夜「どういたしまして、それじゃ俺も準備するかな。」

 

夢結「準備とは何をする気なの?」

 

蓮夜「それは見てからのお楽しみ。俺もこれからやることできたからあとは自分で考えてみな。」

 

夢結「ええ、わかったわ。」

 

 

 

 

 

次の日

 

 

梨璃「黒鉄さん!」

 

蓮夜「梨璃さんどうかしたのか?」

 

 

梨璃が彼の部屋を訪れていた。

 

 

梨璃「お姉様がどこにいるかしりませんか?」

 

蓮夜「夢結がいないのか?」

 

梨璃「はい、朝から探しているのですがどこにもいないんです!」

 

 

彼はすぐにPCを起動させ何かを調べ始める。

 

 

蓮夜「どうやら学院外に出ているらしいな。」

 

梨璃「どうしてわかったんですか?」

 

蓮夜「ああ、これを見てみな。」

 

 

そう言うと彼は画面を梨璃に見せる。

そこには夢結が外出届けを出していると書いてあった。

 

 

蓮夜「この学院はセキュリティとかが結構厳しいからな外に出る時には外出届けを出さないと行けないんだろ?」

 

梨璃「はい、だけどどうしてわかったんですか?」

 

蓮夜「それは朝から探していないって言っていたからな。もしかしてと思って調べてみたらあったってわけだ。」

 

梨璃「そうなんですか。ありがとうございます。」

 

蓮夜「ああ、気にするな。それで今日は楓さん達と一緒じゃないみたいだが・・・。」

 

梨璃「楓さんと二水ちゃんと手分けして探しているんです。それでもしかしたら黒鉄さんが知っているかと思い。」

 

蓮夜「それなら楓さん達を見つけて伝えてあげな。外出してるんじゃどうしようもないし。これは待つしかないってね。」

 

梨璃「はい、ありがとうございました。」

 

 

梨璃は部屋から出て行く。

 

 

 

 

数時間後

 

梅「あ、夢結。」

 

鶴紗「・・・どうも。」

 

夢結「・・・ここは学院の敷地ではないでしょう。何をしているの?」

 

梅「この先に猫の集会所があるから、後輩を案内してたんだよ。」

 

鶴紗「・・・おかげで仲間に入れてもらえたかもしれない。」

 

夢結「・・・仲がよろしくて結構ね。」

 

梅「あれ?校則違反とか言わないのか?」

 

夢結「私の役目ではないでしょう。というか、今日はそんな気力が・・・。」

 

梅「寂しがってたぞ。梨璃。」

 

夢結「え・・・?」

 

梅「誕生日なのに夢結が朝からずっといないんだもんな。おまけに今日もレギオンの欠員埋まらなかったみたいだし。あ、でもあれだろ、夢結はラムネを探しに行ってたんだろ?」

 

夢結「いいえ?・・・違うわよ?」

 

梅「え?違うのか?よりにもよって誕生日にシルトをほったらかしてまで、他にすることあんのか?」

 

夢結「梨璃へのプレゼントを探しに行っていたわ。」

 

梅「ありゃ?ラムネじゃないのか?」

 

夢結「ええ、ほかのものに変更したのよ。」

 

梅「そうなのか。なら早くプレゼントしに行ってやれよな!」

 

 

そうして彼女達は学院への帰えって行く。

その時鶴紗が、

 

 

鶴紗「・・・んっ・・・。これ・・・。」

 

梅「どうした?」

 

 

彼女はゴミ箱の中を覗いており2人もつられて覗き込むとそこにはラムネ瓶があった。

その隣には蔦だらけになり灯りのついていない自販機があり、

 

 

梅「ん・・・んん?」

 

 

梅が自販機に100円を入れると灯りがつく。

 

 

梅「節電モードか・・・。」

 

 

そして蓋を開け中身を取り出すと、

 

梅「ラムネ・・・。」

 

夢結「本当ね・・・何本か購入して行きましょうか?」

 

梅「そうだな?」

 

 

ラムネを何本か購入してから彼女達はまた歩き出した。

 

 

 

 

 

梨璃「うわぁ・・・。」

 

 

梨璃の前にはリボンを付けたラムネがあった。

 

 

ミリアム「ほほう。これが噂のラムネか。」

 

梨璃「お姉様が・・・わたしのために・・・!?」

 

夢結「ええ、だけどそれだけじゃないわ。」

 

梨璃「え・・・?」

 

 

そう言うと彼女は懐から1つのケースを取り出し梨璃に渡す。

 

梨璃がケースを開けるとそこには、クローバーの形をしたペンダントが入っていた。

 

 

夢結「私がお姉様から貰った時嬉しかったから・・・。」

 

 

梨璃は涙を流し夢結に抱きつく。

 

 

梨璃「ありがとうございます。わたしすごく嬉しいです。」

 

 

それを優しく抱きとめて彼女の頭を撫でる。

 

 

夢結「それは良かったわ。」

 

梨璃「夢結様はわたしにとって最高のお姉様です!」

 

夢結「断じてノーだわ・・・。あなたがそこまで喜ぶことを、わたしがひとりでできると思わないもの。このペンダントだって彼に相談した結果思い付いたものですし・・・。」

 

梨璃「そんなの・・・出来ます!出来ています!じゃ、じゃあ、もういっこいいですか!?」

 

夢結「・・・ええ。」

 

梨璃「このペンダントをわたしに付けて貰えませんか?」

 

夢結「ええ、いいわよ。」

 

 

夢結は梨璃からペンダントを受け取り彼女の首に付けてあげる。

すると梨璃はまた夢結に抱きつき。

 

 

梨璃「やっぱり夢結様はわたしの最高のお姉様です!」

 

夢結「・・・。やっぱり・・・私のほうが貰ってばかりね・・・。」

 

 

夢結も梨璃のことを抱きしめ、

 

 

梨璃「お、お姉様・・・!?」

 

夢結「梨璃、お誕生日おめでとう。」

 

梨璃「ふわっ・・・!!」

 

 

楓「は、破廉恥ですわおふたりとも!!」

 

 

タブレットのシャッターを連打しながら二水が、

 

二水「ごごご号外です!!」

 

 

梨璃「はあ〜〜〜・・・。」

 

夢結に抱きしめられ梨璃が幸せそうにしていると、どんどん夢結の抱きしめる力が強くなる。

 

 

梨璃「お・・・お姉様・・・う、嬉しいんですけど・・・あの・・・くっ、苦しいです。」

 

 

だが夢結にはその声が聞こえていないのか力がどんどんと強くなる。

 

 

二水「なんて熱い抱擁です!?」

 

梨璃「お姉様・・・?わたし、どうすれば〜・・・?」

 

ミリアム「わしが聞きたいのじゃ。」

 

楓「夢結様がハグひとつするのも不慣れなことはよく分かりましたから、梨璃さんも少しは抵抗なさい!!」

 

 

梨璃の顔がどんどんと赤くなっていき

 

 

梨璃「はわわわわわわ。」

 

 

梨璃が苦しさのあまり目を回した。

 

 

夢結「梨璃!?」

 

梅「あっはははははははは・・・!」

 

 

その光景に梅が大笑いする。

 

 

夢結「楽しそうね・・・梅。」

 

梅「ははは・・・こんな楽しいもの見せられたら楽しいに決まってるだろ!」

 

夢結「私に出来るのはこのくらいだから・・・。」

 

梅「ははは・・・そ、そんなことないぞ、夢結。」

 

夢結「・・・?」

 

梅「さっき鶴紗と決めた。・・・今さらだけど、梅と鶴紗も、梨璃のレギオンを入れてくれ。」

 

鶴紗「あいにく個性派だが。」

 

 

回復した梨璃が、

 

 

梨璃「あ・・・あのー・・・だから、わたしのじゃなくてお姉様のレギオンで・・・。えっ!?」

 

二水「そ、それじゃあこれで9人揃っちゃいますよ!?レギオン完成です!?」

 

神琳「あらあら、これは嬉しいですね♪」

 

雨嘉「おめでとう、梨璃。」

 

ミリアム「なんじゃ騒々しい日じゃのう。」

 

梅「梅は誰のことも大好きだけど、梨璃のために一生懸命な夢結のことはもっと大好きになったぞ。梨璃!」

 

梨璃「はっ、はい!?」

 

梅「まっ、今日の私らは夢結からの梨璃への誕生日プレゼントみたいなもんだ。」

 

鶴紗「遠慮するな。受け取れ。」

 

梨璃「梅様、鶴紗さん・・・。こちらこそよろしくお願いします!」

 

夢結「これは・・・汗かいた甲斐もあると言うものね・・・。」

 

楓「それはそうと!おふたりはいつまでくっついてますの!?」

 

蓮夜「まあ、いいんじゃないか?今日くらいは?」

 

 

声の方を向くと、そこに蓮夜がいた。

彼は大きめの箱が入った袋を持っており、

 

蓮夜「すまん少し遅れた・・・いや、ちょうどよかったか?」

 

梨璃「あ、黒鉄さん聞いてください!梅様と鶴紗さんがレギオンに入ってくださったんです!」

 

蓮夜「おお、つまり9人揃ったってことだな!」

 

梨璃「はい!レギオンの完成です!」

 

蓮夜「それは良かったな。・・・そうだ梨璃さんはこの前のお話覚えているか?」

 

梨璃「レギオンに入ることを考えるというかことですよね?・・・!もしかして。」

 

蓮夜「ああ、今更かもしれないが俺も梨璃さんのレギオンに入れてくれないか?」

 

梨璃「ぜひ、こちらこそよろしくお願いします。」

 

蓮夜「それじゃこれは梨璃さんの誕生日プレゼント兼レギオン結成記念ということで!」

 

 

彼が持っていた箱をテーブルに降ろし、箱を開けると、

そこにはワンホールのショートケーキが入っていた。

それには「誕生日おめでとう」と書いたチョコプレートが乗っておりそのまわりに満遍なくイチゴが盛り付けられていた。

 

 

梨璃「わぁ〜。」

 

蓮夜「ああ、梨璃さん遅くなったが、お誕生日おめでとう。」

 

梨璃「ありがとうございます。」

 

 

ケーキを取り分けてみんなで食べていると、

 

 

梨璃「美味しいですね!これどこで売っていたんですか!・・・あれ?そういえば黒鉄さん今日学院にいたような・・・。」

 

楓「そうですわね。それでしたらこのケーキはどうやって購入したのでしょうか?」

 

夢結「・・・。」

 

蓮夜「え?これ買った訳じゃないぞ?」

 

夢結・蓮夜以外『えっ!?』

 

夢結「やっぱりね・・・。」

 

梨璃「お姉様どういうことですか?」

 

夢結「このケーキは彼の自作よ・・・。」

 

蓮夜「いや〜これ作るのに時間かかっちまってな・・・来るのが遅くなっちまったんだ。」

 

夢結・蓮夜以外『・・・。』

 

蓮夜「どうした?」

 

 

彼が心配そうに彼女達を見ていると、

 

 

夢結・蓮夜以外『ぇぇえええええ!?』

 

蓮夜「!?」

 

夢結「そうなるでしょうね・・・。」

 

梨璃「これ黒鉄さんがお作りになったんですか!」

 

蓮夜「ああ、そうだが。」

 

楓・二水「「なんてだか女として負けた気がします・・・。」」

 

蓮夜「何いってんだ?」

 

神琳「お上手なんですね。」

 

蓮夜「趣味でやってたらいつの間にか上手くなってたんだよ。」

 

雨嘉「す、凄い・・・。」

 

ミリアム「本当になんでも出来るのう・・・。」

 

梅「すごく美味しいぞ!」

 

蓮夜「ああ、ありがとな。」

 

鶴紗「モグモグ・・・。」

 

 

このあともしばらく騒ぎ続け梨璃の誕生日は無事に終わった。

 

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