アサルトリリィ Abnormal Transition   作:0IN

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ラスバレ1章㉕

蓮夜「まずは・・・。」

 

 

彼は地面に倒れ込むように体勢を低くしながらグラン・エプレへと駆け寄る。

彼の右腕は後腰にある柄を握っており、左手はホルスターへと手を伸ばしていた。

 

 

蓮夜「分断から始めますか、」

 

 

彼は鞘から剣を抜くと右肩を背後に捻じるようにし刀身を隠すとその動きに合わせるように左肩を前に出しその手に握られた拳銃を彼女達へと撃ち放つ。

拳銃から打ち出された弾丸は正確に彼女の足へと飛んでいきその全てが関節に命中するコースになっていた。

 

だが彼女達はそれを余裕を持ってそれを躱す。

その動きには無駄が少ないその動きからどれほどの修練を積んできたかが伺える。

 

 

叶星「・・・すごく正確ね。」

 

 

みんなが少し大きく躱している中危なげなく最小限の動きで避けた定盛は弾丸が通り過ぎたことを確認するとすぐに彼のいる方へと視線を向けた。

 

 

定盛「・・・いきなり危な!?」

 

 

そんな彼女の目の前に鈍い光を放つ刃が迫る。

それは先程まで少し離れた位置にいた彼でありその右腕には彼女へと襲いかかろうとする刃が握られていた。

 

 

蓮夜「・・・。」

 

 

彼は彼女達が回避のために視線を弾丸へと向けていた隙に1番誰との距離も離れた定盛へと接近していたのだ。

そんな彼に反応が遅れた彼女は慌ててCHARMを上げようとするがそれは彼の刃は既に目の前であり間に合わない。

 

彼女に刃が触れる寸前彼は急に側転の要領で彼女の右側方へと位置を入れ替えた。

 

その行動に疑問を持った定盛は不審に思っていると彼女の目の前を弾丸が通り過ぎる。

定盛は右側に身体を向けながら後方を確認するとそこには射撃形態のCHARMを構えた叶星の姿がありその銃口からは微かに煙が上がっていた。

 

 

蓮夜「やっぱり、いい連携してるな。」

 

高嶺「ありがとうございます。」

 

 

彼の声を聞いた定盛が慌てて前方へ視線を向けるのそこには彼の姿があり、その背後にはCHARMを彼に向けて振るう高嶺の姿があった。

彼女のCHARMは彼の胴体へと吸い込まれて行くがそれを彼は背負うように背中に剣を添わせるようにCHARMとの間に遮るように置くことで防ぐ。

彼女の不意打ちを防いだ彼だが完全には勢いを殺しきれなかったようで彼の身体は前方へと浮いた。

 

それを確認した定盛はCHARMを横薙ぎに振るい彼へと追撃を加えようとする。

彼女の後方から叶星が駆け寄ってきており彼を左右から挟み込むように紅巴と灯莉も駆け出してくる。

 

彼は一瞬見渡すと身体を捻りながら右足を折り畳むと左足を振り上げる。

彼の身体は振り上げた勢いで少し上方へと浮き彼を狙ったCHARMの上を通り過ぎる。

この時に右腕で定盛のCHARMに足を乗せるとその勢いに身を任せるように身体を回転させる。

それにより反転した視界の中で彼は両手の武器を手放すと銃剣を取り出し自身の側頭部へと持ち上げた。

そこに左右から紅巴と灯莉が挟撃を加えてくるが、彼は銃剣の刀身と銃身の隙間で挟み込むように2人のCHARMを絡め取るように2人の身体を引き寄せる。

いきなりのことに2人は身体が前に倒れそうになるがそれを上体を起こすことで踏ん張りすぐに体制を整え用途するがその時腹部を軽い衝撃が襲った。

 

その衝撃に2人は自身の腹部へと視線を向けるとそこにはうっすらと光る何かが付いており彼の銃口が淡く輝いていた。

 

 

蓮夜「はい、アウトね。」

 

灯莉「うっそ〜!?」

 

定盛「ちょっと!なんですぐにやられてるのよ!?」

 

紅巴「ご、ごめんなさい!」

 

 

彼がそう呟きながら身体を一回転させて地面へと降りると背後へと視線を向けることなく射撃することで迫ってきていた高嶺を後退させると自身も左側方へと跳び距離をとった。

 

 

叶星「今ので責めきれないなんて・・・。」

 

蓮夜「上手く行ってよかったよ。」

 

高嶺「・・・これが夢結さんが言っていたことですか、」

 

 

彼が距離を取り体制を整えなおしている間に叶星と高嶺、定盛の3人は合流する。

 

 

叶星「どうしようか?」

 

定盛「紅巴も灯莉もやられましたしマズイのではないですか?」

 

叶星「そうね。・・・彼の動きを予想出来れば、」

 

高嶺「・・・でも彼の戦い方はかなり不規則よ。」

 

叶星「そうなのよね。目の前にいるのに不意打ちを成立させるなんて、今まで経験したこと・・・。」

 

 

悩むような表情をしながら話す叶星の言葉が詰まる。

何かを思い出したような表情をした彼女は1度後ろへと視線を向けると薄く微笑む。

 

 

叶星「高嶺ちゃん、姫歌ちゃん・・・。」

 

定盛「は、はい!」

 

高嶺「・・・何か思いついたのかしら?」

 

叶星「・・・ええ、」

 

 

そう呟くと彼女は2人に聞こえる程度の小さな声で言葉を紡ぐ。

 

それを聞いた2人は頷くと高嶺は後方に下がり、叶星と定盛は彼へと駆け出した。

 

 

蓮夜「ここまでは上手く言ったが・・・。」

 

 

彼は彼女達の様子を見ながら思考に耽る。

先程までは上手くいっていたが、これからは何か対策をされるはずだ。

それに対して対応策を練らなくては自身は人数差で押し切られてしまうと理解ている彼は彼女達の取り得る策とそれに対する打開策を模索する。

 

 

蓮夜「・・・特に厄介なのはアイツだよな。」

 

 

そう言いながら彼が手に持つ銃剣を構え直していると、叶星と定盛の2人が接近してきた。

それを確認した彼は左右の銃剣をそれぞれ2人に向けて撃つがそれはことごとく躱されるかいなされて距離を詰められてしまう。

それを確認した彼はすぐさま牽制しながら後退することで距離を取ろうとするが、

 

 

蓮夜「ッ!?」

 

 

彼が首を傾けた瞬間、耳元を1発の銃弾が通り過ぎる。

その弾道の先には射撃形態のCHARMを持った高嶺と音羽の姿があり、その銃口からは絶えず銃弾が打ち出されていた。

 

 

蓮夜「そう来たか!」

 

 

彼は銃弾を危なげなく避ける。

しかし避ける動作により後退が出来なくなった彼へと叶星達が迫る。

叶星達が目に映った彼はすぐさま銃剣で迎撃しようとするが彼へと銃弾が迫り来るため彼はそれを防御を余儀なくされ迎撃が一瞬遅れる。

 

その隙を狙うかのように叶星の鋭い一撃が彼へと迫るがそれを彼は半身になるようにして避け彼女の身体を射線に入れるように動くと彼女の脇から定盛が迫る。

それにより回避を余儀なくされた彼は定盛の懐に潜る形で回避をするがそこにサイドステップで距離を取った叶星の射撃が打ち込まれた。

それと同時に定盛は彼の回避スペースを無くすように、叶星の射線に被らないコースでCHARMを横薙ぎに振るう。

 

躱せば弾丸が、躱さなければ刃と言う2択を迫られた彼は膝から力を抜くことで身体を後方へと沈ませ、上体を仰け反らせた勢いで腕と足を折り畳むようにバク転をする。

それにより弾丸と刃の軌道から抜け出した彼は銃弾が通り過ぎると畳んだ身体をバネにし上を通り過ぎようとするCHARMの腹を蹴り上げた。

それにより体制を崩した貞盛へと彼は腕の力で飛び上がりながら銃剣を振るう。

その刃が彼女の身体を捉える寸前、彼の身体は突如現れた高嶺によって武器ごと吹き飛ばされる。

彼が身体を捻じることで体勢を整え着地する頃には、彼の目の前に叶星がおり、彼女のCHARMにより左手の銃剣が腕ごと後方へと弾かれる。

そこへと迫ってきた高嶺に対して彼は右手の銃剣を振るおうとするがそこに音羽が銃剣へと射撃することで右の銃剣も弾かれてしまった。

 

 

高嶺「これで終わりです!」

 

 

完全に守りを失った彼へと高嶺の一撃が迫る。

彼の左右には叶星と定盛がおり退路を絶たれたことを確認した彼は銃剣から手を離した。

それを見て勝利を確信した定盛がCHARMを下ろそうとした時、

 

 

轟音とともに高嶺が弾き飛ばされた。

驚愕により固まってしまった彼女が彼へと視線を向けると、そこには左手を突き出した彼の姿があった。

 

彼の手には先程まで握られていた銃剣はなく、その代わりに重厚な刃とナックルガードを持った双剣が握られていた。

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