アサルトリリィ Abnormal Transition   作:0IN

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ラスバレ1章㉗

彼は距離を取ると右腰から拳銃を取り出し音羽へと向ける。

それを見ていた彼女はただ彼を睨むだけで動こうとしない。

その右手には先程彼の攻撃を逸らしたであろう短剣が握られておりその半透明の刀身は陽の光を浴びて輝いていた。

 

 

蓮夜「見た感じ、マギの擬似的物質化現象の派生か?」

 

音羽「・・・。」

 

蓮夜「・・・無言は制定と取るぞ?」

 

音羽「・・・お好きに、」

 

蓮夜「・・・だから武器を奪われた時すぐに手を話せたのか、武器を作れるなら無理に死守する必要もないからな。」

 

音羽「・・・。」

 

 

彼は拳銃を彼女に向けながら声をかけるが、彼女は無表情のまま受け流す。

彼が動かないことがわかった彼女は短剣を左手に持ち変えると右手を自身の前に出した。突き出した掌から霧状の光が漏れだしそれは弓の形になると霧散しする。

その手には先程彼女が持っていた大弓と同じ形の半透明の弓が握られており、それを静かに彼へと向けた。

 

 

蓮夜「・・・お前が弓を使うのは何となく想像出来たがそのレアスキルには驚きだな。・・・それと、」

 

 

お互いに狙いを定め会う中、彼は前へと重心を傾け体勢を低くしながら左手の剣を上へと上げる。

彼女はそれを見るとすぐに短剣を上へと投げ、弓を射った。

しかし彼女の弾丸は彼の頭上を通り過ぎ後方へと飛んでいく。

それを見ることなく彼は剣を回すしながら変形させ、その勢いのまま銃剣の銃身を背後に向けると発砲した。

 

 

定盛「ちょっと音羽!!何するの・・・ッ!」

 

 

2人が発砲した先・・・彼の背後には定盛の姿があり彼女は自身のCHARMを盾にして2人の弾丸を受け止めていた。

 

 

蓮夜「・・・バレバレだから、」

音羽「・・・不注意すぎ、」

 

 

2人の声が重なる。

音羽は彼が背後から迫り来る定盛を狙っている事を把握すると彼女を狙って弓を射ったのだ。

そのいきなりの自体に定盛は慌てながら自身のCHARMをで防御する。

そして、彼女が音羽文句を言おうとしたその数瞬後彼の弾丸が音羽の射撃を防いでいたCHARMへとぶつかったのだ。

それにより体勢を崩すが直撃を免れた定盛が後ろに倒れる中、その背後から2つの影が彼へと迫る。

 

彼は音羽へと向けていた拳銃を背後に向けると背後を確認することなく発砲しながら右足を軸として身体を回転させる。

回転の勢いを乗せて左手ての銃剣を振るうと甲高い金属音を響かせながら弾かれた。

その反動で背後に飛びながら前方を確認すると目の前には彼と同じようにCHARMを弾かれた叶星の姿とその横から彼へと迫る高嶺の姿があった。至近距離まで近づいた彼女は戦斧を振り下ろすが、それは身体を回転させた彼が弾かれた銃剣を勢いのままに自身の前に戻して盾にした。

空中にいるため踏ん張りの効かず後方に飛ばさせるが、彼は冷静に体勢を整えると地面へと着地する。

着地した瞬間、高嶺へと拳銃を撃つことで牽制すると、拳銃を空中に置くように手を離し腰後の柄へと手を伸ばす。

そのまま刀身を半分ほど抜き出すと左足を前に出すことで半身になりながら踏みしめた左足で後ろへ飛んだ。

 

高嶺と距離を取った彼の背後て軽い金属音が鳴る。

彼が背後を見るとそこ何は音羽がおり、彼女の左手に握られた短剣が彼へと突き立てられていた。

しかしその短剣は彼の剣に遮られており、そのまま彼身体が彼女にぶつかる。

刀身に抑えられ奇襲を防がれた音羽へと、いつの間にか彼の左手に握られていた短剣が遅いかかるが、それは弓で逸らすことで防ぐ。

無理な体勢で防いでしまったためバランスを崩した音羽だが、彼女はその崩れた重心を利用し左足を軸にして回転しながら短剣で切りかかる。

それを彼は左手甲の側面で逸らすと彼女の左手首を掴み投げる。

投げられたことで距離を取れた音羽が後ろに下がろうとすると既に目の前には彼の姿があり、彼の両手に短剣が握られていた。

それを見た彼女は前に出ながら弓を彼に向けて投げる。

それを身体を逸らすことで躱した彼に彼女の右手が迫る。

彼女の右手からは光が盛れ出しておりそれを見た、彼は左手の短剣が光を切り裂くと手から漏れていた光は消えるが、次は彼女の右袖の中で何かが輝いた。

その光は先程のものとは違い鈍いものであり、その変化に警戒した彼はバックステップを踏む。

彼の身体が後ろへと動いたその瞬間、彼女の袖からナイフが飛び出す。

それを振り切っていた右手甲を盾にして防ぐと彼の視界から彼女が消えた。

突然の出来事であるが彼は冷静な表情で上へと跳ぶ。

視界の広がった彼が下を確認すると先程まで彼がいた場所の後ろに短剣を振り抜いた音羽の姿があり、彼女は感情の見えない瞳で彼を見つめている。

 

 

音羽「やっぱり捕まらない・・・」

 

蓮夜「・・・」

 

 

呼吸の乱れ初めた彼女は一言呟くと身体の力を抜き前に倒れる。

それを見ていた彼は左手のナイフを離すと辺りを確認する。

彼が辺りを見渡していると彼女は地面に接する寸前で左手を地面に付け押した。その反動で音無く身体を回転させた彼女の手には小さめの弓が握られており、それは空中という不安定な場所である中でも確実に彼のことを狙っている。

 

 

音羽「・・・フッ!」

 

 

彼がこちらを見ていないと認識した彼女は息を殺しながら弓を射った。完全に気配を消しながら射った一弾は音も無く彼へと迫る。

しかし、弾丸が彼を穿つ直前、彼の身体が横へと移動した。足場のない空中で回避した彼を見つめる彼女は回転の勢いを利用し立ち上がると彼の動いた方向と逆の方向に駆け出す。

 

 

 

 

 

定盛「酷い目にあったわ。」

 

 

3人に置いてかれた定盛は立ち上がると周りを見渡す。

彼女の目には少し離れた位置に音羽の姿があり彼女が遠ざかっていることがわかった。

 

 

定盛「音羽には助けられたけど、もう少し優しく出来ないのかしら、」

 

 

そう言いながら自身のCHARMを拾い上げると彼女は音羽の方へと駆け出す。

そんな彼女の方へと叶星達が駆け寄ってくる。

 

 

定盛「叶星様!あの人は、」

 

叶星「姫歌ちゃん、上!!」

 

 

2人を見つけた彼女が叶星達に声をかけると返って来たのは叶星の叫び声だった。

その必死な表情を見た彼女が上を向こうとすると、彼女に影が落ちる。

急な事態に慌てて上を確認するとそこには剣を振り下ろそうとする彼の姿がありそれを見た彼女は咄嗟に横へ躱す。

間一髪で躱すことの出来た彼女が彼へとCHARMを向けようとすると、彼は既に振り下ろす体勢から横薙に剣の軌道を変えており、それを見た彼女はバックステップで躱す。

 

彼女が距離を取ろうとしていると考えた彼はコートの裏から短剣を2本取り出し彼女へと投げる。

それは無理な体勢だったからか彼女の足元に刺さるにとどまってしまい、それを隙と見た彼女は一気に彼へと近づこうとする。

 

彼に狙いをバレないためワザと下がりながら後ろに傾けていた重心を、無理やり倒れるような前傾姿勢になることで身体の進む向きを前に向ける。

 

それにより彼女が距離を離すと考えた彼が拳銃をホルスターから抜こうとしており、彼の動きが一瞬遅れた。

その一瞬を気にする為に距離を詰めようと彼女が駆け出したその時、彼が薄らと笑い左手を背後へと動かした。

 

 

定盛「きゃっ!?」

 

 

それが見えていない彼女が1歩前に出ようとすると突如足が引っ張られる。

それにより前のめりに倒れてしまった彼女は後方へと引きずられていく。

 

 

定盛「ちょっと!?なんなのよ!!」

 

 

目を白黒させながら引っ張られる足を確認した彼女は自身の足首に糸状の何かが絡みついていることがわかった。

その糸の両端は彼が先程投げた短剣と繋がっており、短剣そのものも自身の後方にある短剣に繋がっている。

 

彼女が遠ざかることを確認した彼はすぐに叶星達へと視線を向け直すと拳銃を握りながら2人へと接近した。

 

彼の接近に気づいた2人は左右に別れ彼を挟み撃つ。

2人の緻密な連携に右手の剣1本しか近接武器がない彼は防戦一方になるが、それでも彼は2人の攻撃を冷静に捌き続ける。

 

 

高嶺「・・・ッ!」

 

 

なかなか崩れない彼に焦りを感じたのか高嶺は攻勢を強めそれを見た叶星もテンポを上げていく。

 

 

蓮夜「これは・・・キツイ、」

 

 

嵐のような剣撃に表情を歪めた彼は2人の連携を崩すために叶星の攻撃を銃身で受け止めると、そこまま彼女の足を払い転ばせる。

叶星が止まってしまったため、リズムが崩れてしまった高嶺は大振りの一撃で彼から距離を取ろうとするがこれを逆手に取られCHARMを弾き飛ばされる。

武器を失った彼女はすぐに下がろうとするがそれを彼は許さない。彼は右手に握る剣を彼女に投げる。

それを見た高嶺は身体を逸らすことで躱すことに成功するが、それにより足の止まってしまった彼女に彼は拳銃を向けた。

 

 

蓮夜「・・・これであと3人!」

 

高嶺「・・・姫歌!」

 

定盛「高嶺様、これを!」

 

 

彼が引き金に引こうとした瞬間、高嶺が右手を横に伸ばし、その手が伸び切ったタイミングで寸分たがわず彼女の手にCHARMが戻ってくる。

彼が横目にCHARMの飛んできた方向を確認するとそこにはCHARMを投げたであろう定盛の姿があり彼女の足元には砕けた短剣とそれを壊したであろうCHARMが地面に突き刺さっていた。

彼女は握ったものを確認することなく彼へと振るう。

 

だが今振るい始めた彼女では引き金を引こうとしている彼には間に合わない。

それを理解している彼は焦ることなく引き金を引くが、

 

 

蓮夜「・・・ッ!」

 

 

拳銃からは弾丸が射出されなかった。

彼は先程の衝撃で銃身が歪んだかと目を向けると拳銃の銃口が焼けただれておりそれにより銃口が塞がっていた。

 

 

 

音羽「・・・。」

 

 

拳銃が使えないことを把握した彼はすぐにそれを盾にしようとするが音羽の放った一弾により弾かれてしまい、その手から拳銃が無くなり。

 

 

叶星「これで終わりよ。」

 

 

背後から聞こえるその声が彼の敗北を示した。

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