アサルトリリィ Abnormal Transition   作:0IN

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ラスバレ1章㉘

蓮夜「やっぱりダメだったか・・・。」

 

 

彼はそう呟くと両手を上げて降参の意を示す。

そんな彼の表情には疲労の色が濃く出ており、一度大きなため息を吐くとその場に座り込んだ。

 

 

叶星「流石に、1人相手に負けちゃったらね?」

 

高嶺「けれどこちらは2人も落とされてしまったのだから、負けたと言ってもいいのではないのかしら?」

 

 

彼の様子を見た2人もCHARMを下ろすと、こちらも疲労が大きいのか息を荒くしている。

 

 

蓮夜「もう少し行けると思ったんだが、まだまだか・・・戦い方の見直しが必要かな?」

 

叶星「アレでまだまだなの?」

 

蓮夜「いや・・・今の装備だとあれが限界なんだが・・・。」

 

高嶺「今の装備だと?」

 

蓮夜「ちょっと元々の戦い方が問題でな。・・・既存のCHARMじゃ合わないんだよ。・・・一応工廠科だから結構好き勝手にCHARMの改造やら試作が出来るんだが、なかなか納得行く物が出来ないのが現状だな。」

 

高嶺「貴方、アーセナルだったのね。」

 

叶星「確かにさっきも試作しているって言っていたけれど・・・。」

 

蓮夜「・・・以外か?」

 

叶星「いいえ、そうじゃないの。ただ・・・。」

 

蓮夜「どうかしたか?」

 

叶星「貴方、戦い方にCHARMが合わないって言ったじゃない?それが気になってね?」

 

蓮夜「あぁ、それ?・・・簡単に言うとここ来るまで1人でヒュージ狩りしてたんだよ。」

 

叶星「・・・え?」

 

蓮夜「・・・そん時はCHARMなんてなかったから、色々調べて武器を作って、元々レアスキルとかは使えたからそれを利用した騙し討ちメインでな。・・・今考えるとよく独学であそこまで行けたよ。」

 

高嶺「それはおかしいわ。基本的にヒュージにはCHARM以外効果がないはずよ。」

 

叶星「それにどうしてそんな危険なことをしたの?」

 

蓮夜「2年前に甲州撤退戦があっただろう?・・・その時に鎌倉付近にケーブが発生したのは知ってるよな?」

 

叶星「ええ、民間人にも被害が出・・・!!」

 

蓮夜「そう、俺の両親は・・・それで自暴自棄になってな?確かに危険なことをした自覚はあるが・・・あの時はそんなこと考えてすらいなかったから、」

 

高嶺「ごめんなさい。」

 

蓮夜「大丈夫、もう過ぎたことだから、」

 

 

3人の雰囲気が暗くなる中、彼等へと近づいてくる足音が聞こえた。

それに気づいた3人が足音のする方を見るとそこには定盛達と合流した夢結達の姿があり、彼女達は彼や音羽が落とした武器を回収しながらこちらへと歩み寄ってくる。

 

 

夢結「お疲れ様。」

 

蓮夜「マジで今回のはキツかったよ。」

 

 

彼はこちらへと労いの言葉をかけながら手を差し伸べした夢結の手を取ると軽口を叩きながら立ち上がる。

 

 

夢結「いきなりでごめんなさいね。」

 

蓮夜「いや、大丈夫だよ。それに色々気づくこともあったしいい勉強になった。」

 

夢結「そう、それは良かったわ。」

 

 

彼の返事に彼女は微笑みながら返す。

その横では紅巴が申し訳なさそうな顔をしながら叶星達の前に立っていた。

 

 

紅巴「叶星様、高嶺様、申し訳ございません。」

 

灯莉「ごめんなさ〜い。」

 

叶星「大丈夫よ2人とも、」

 

高嶺「ええ、アレは彼が一枚上手だっただけよ。」

 

紅巴「は、はい・・・。」

 

叶星「そう落ち込まないの、人間誰だって失敗するものよ。もしそう思うなら今日の事を次に活かせばいいのよ。」

 

紅巴「はい!!」

 

灯莉「そうそう、とっきーは考えすぎなんだよ〜。少しはのんびりしないと〜ボクみたいに〜。」

 

高嶺「・・・貴方は少し考えた方がいいと思うわ。」

 

灯莉「??」

 

 

ため息を吐く高嶺に首を傾げる灯莉とその様子を見て笑う叶星達は少し離れた場所に音羽と定盛を見つける。

2人は何か揉めているようで、それを不思議に思った灯莉は2人へと駆け寄った。

 

 

定盛「だから、やめなさいって言ってるでしょう!?」

 

音羽「・・・だけど1番楽、」

 

定盛「楽とかの問題じゃないのよ!」

 

灯莉「2人とも〜、何してるの?」

 

音羽「・・・姫歌の足に付いたコレを取ろうとしてる。」

 

 

灯莉は音羽が定盛の左足首を指さしたため、そこを見るとそこには糸状の何かが絡まっておりその両端には短剣が結ばれていた。

 

 

灯莉「取ればいいんじゃないの〜?」

 

定盛「それはわかっているわよ!けど、音羽がなんて言ったと思う?」

 

灯莉「わからな〜い!」

 

定盛「切ればいいって言ったのよ!危ないじゃない!」

 

音羽「けど・・・1番手っ取り早い。・・・それに切るのには自信がある。」

 

定盛「その言葉が1番信用ならないのよ!」

 

蓮夜「短剣を切り離せば消えるぞ。」

 

 

堂々巡り始めた2人の声が彼は2人に声をかけた。

それを聞いた音羽は彼の言う通り短剣付近の糸を切ると霧散するように消えていきものの数秒で消えてしまう。

 

 

蓮夜「ごめんな、先にそっちの対処すれば良かった。」

 

定盛「い、いえ・・・。お気遣いありがとうございます。」

 

蓮夜「いいよ。元々俺がやったことだし・・・それより怪我はなかった?」

 

定盛「はい、大丈夫です!」

 

蓮夜「なら、良かった。」

 

 

彼はそう言うと端末を取り出し何かを確認し、端末をしまうと梨璃へと歩み寄って行った。

 

 

蓮夜「梨璃さん、もうそろそろ時間だけど、」

 

梨璃「も、もうそんな時間ですか!?」

 

 

彼の言葉に焦りながら自身の端末を確認する。

 

 

梨璃「本当だ!?・・・皆さん!」

 

夢結「梨璃、どうしたの?」

 

叶星「梨璃さん?」

 

梨璃「もうそろそろヘルヴォルの皆さんとの待ち合わせの時間です。」

 

叶星「そうなの!?急がなくちゃ!」

 

 

梨璃の言葉を聞いた両レギオンのメンバーは急いで準備を整えると待ち合わせ場所である駅へと移動を初めた。

 

 

蓮夜「そうだ、夢結。」

 

夢結「どうしたのかしら?」

 

 

駅への道中、彼は何かを思い出すと夢結へと声をかける。

それに不思議そうに彼女が返事を返すと彼は自身の端末の画面を見せる。

 

 

蓮夜「百由から連絡で、アレが完成したってさ。」

 

夢結「そうなの?ずいぶん早かったわね。」

 

蓮夜「急ピッチでやったからな。俺もそうだけど夢結も合わないんだろう?」

 

夢結「まぁ、そうね。」

 

蓮夜「今最終調整してるから学院に帰ったら終わってるはずだから、」

 

夢結「わかったわ。・・・ありがとうね。」

 

蓮夜「俺も百由も好きでやってるんだから大丈夫だよ。」

 

夢結「気持ちは受け取っておくわ。それで貴方の方はどうなのかしら?」

 

蓮夜「俺の方も完成した。今は百由に最終調整任せてるんだよ。」

 

夢結「それは良かったわ。」

 

梨璃「お二人共何をなさっているのですか?もう時間がないですよ!」

 

 

2人が話し込んでいると前から梨璃の声が聞こえる。

それに気づいた2人が彼女の方を向くと前を歩く彼女達と距離が離れており2人が遅れていることに気づいた梨璃が手を振っていた。

 

 

夢結「今行くわ!・・・行きましょうか。」

 

蓮夜「そうだな。」

 

 

2人は一度頷き合うと彼女達へと駆け寄って行った。

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