アサルトリリィ Abnormal Transition 作:0IN
梨璃「・・・うん?」
彼女達に支給されたレギオン用の控え室に来た梨璃の目に入ったものは、
『一柳隊』
梨璃「ひとつやなぎ・・・たい・・・?」
楓「一柳隊がどうかしまして?」
二水「ええ、一柳隊ですよね?」
ミリアム「うむ。一柳隊じゃな。」
神琳「たしか一柳隊だったかと。」
雨嘉「わたしも一柳隊だと思ってた。」
梨璃「・・・わたしたち『白井隊』では?」
鶴紗「どっちでもいい。だから一柳隊でいい。」
梅「もう一柳隊で覚えちゃったよ。」
蓮夜「梨璃さん以外はそう思ってたらしいぞ?」
夢結「じゃあ一柳隊で問題ないわね。」
梨璃「え?・・・ええ!?」
彼女達のレギオンの名前は「一柳隊」に決定した。
梨璃「で、でも、これじゃわたしがリーダーみたいじゃないですか!」
楓「私はちい〜っとも構いませんが?」
ミリアム「梨璃の働きで出来たようなもんじゃからの。」
蓮夜「だな、夢結に作るように言われたとしてもこのメンバーを集めたのは梨璃さんなんだからリーダーになるのは必然だ。」
梨璃「ええ・・・?」
梅「ま、梨璃はリリィとしてもまだちょっと頼りないけどな。」
蓮夜「その点は問題ないだろう?」
夢結「ええ、もちろん、梨璃に足りないところは私が補います。責任を持って。」
梨璃「よかった〜。ですよね〜。」
夢結はどこからか取り出したCHARMを梨璃に向ける。
夢結「つまり、いつでも私が見張っているということよ!」
梨璃「ひぃっ!」
夢結「たるんでいたら私が責任を持って突っつくから、覚悟なさい。」
梨璃「は、はいっ・・・!」
梅「ははは、これなら大丈夫そうだな。」
楓「くっ・・・なんてうらやましい・・・。」
蓮夜「何が羨ましいんだよ・・・。」
鶴紗「リーダーをつっつきたいのか。」
雨嘉「百合ケ丘のレギオンて、どこもこんななの・・・。」
神琳「そうでもないと言いたいところだけど、けっこう自由よね。」
蓮夜「いや、これ・・・その域超えてるだろ・・・。」
二水「と、ともかくこうしてレギオンが完成した今なら、ノインヴェルト戦術だって可能なんですよ!」
ミリアム「理論の上ではそうじゃな。」
梨璃「それって、これだよね・・・?」
二水「?なんですか?」
楓「ノインヴェルト戦術に使う特殊弾ですわね。」
二水「わっ!実物は初めて見ました!」
梅「それな、ムチャクチャ高いらしいぞ。」
梨璃「そ、そうなんですか!?」
夢結「ノインヴェルトとは9つの世界という意味よ。
マギスフィアを9つの世界に模した9本のCHARMを通して成長させ、ヒュージに向け放つの。それはどんなヒュージも一撃で倒すわ。」
雨嘉「出来るかな、わたしたちに?」
神琳「今はまだ難しいかと・・・。何よりもチームワークが必要な技ですから・・・。」
楓「ま、目標は高く、と申しますわ。」
梨璃「はあ・・・。そうですよね。」
二水「ですがこのレギオンには10人いますのでミスがあってもカバーができますから9人でやる時よりも難易度は下がるはずです!」
蓮夜「それなんだが・・・俺ノインヴェルトには参加できそうにないからカバーはできそうにないんだよ・・・。」
二水「えっ!?どうしてですか?」
蓮夜「俺がしばらくCHARMを持ってなかったの時期があるだろ?その理由が俺がCHARMを使うとすぐに壊れるからなんだ。」
神琳「壊れるとは?」
蓮夜「俺がマギの出力が高すぎてCHARMが耐えきれないらしいんだ。だから改造したこのCHARMができるまでギアを使ってたんだ。」
楓「つまりマギの保有量が多いということでしょうか?」
蓮夜「そうじゃなくて勢いだな。保有量は平均的なリリィよりも高い程度なんだが・・・そうだな・・・ホースで植物に水やりする時にホースの先端を潰して細めると行き良い強くなるだろ?それと同じなんだよ。」
ミリアム「つまりCHARMが黒鉄さんのマギを送り込む行き良いに間に合わず詰まってしまうということかの?」
蓮夜「そういうことだ、このCHARMに変えてある程度解消はされたがやっぱり大きな負担をかけるノインヴェルトとかをすると耐えきれず壊れる可能性が高いんだ。」
楓「そうなのですか・・・。」
蓮夜「済まない・・・だからノインヴェルトをする時は俺がヒュージを抑えておくからみんなでやってくれ。」
梨璃「分かりました。」
蓮夜「おっとそうだ忘れるところだった。」
彼はそう言うと、背中に背負っていたケースを降ろし中身を彼女達に渡した。
梨璃「えっと・・・これは?」
蓮夜「ギアだよ。なんかあった時ようにと思ってな、みんなにも渡しておこうと思ったんだ。」
彼女達が渡せれたものを見ると筒状のものにグリップのようなものが刺さっており、その上部にはもう1つグリップをさせそうな穴があった。
蓮夜「これはリボルバーみたいになっていてな。上の穴に何もついてないグリップを刺し込むと中にある刀身が装着される仕組みになっているんだよ。真ん中のは現在装着している刀身を保持して置くためのものな。」
実演しながら彼女達に説明をしていく。
蓮夜「グリップに撃鉄みたいなものがあるだろ?それで刀身を外せてトリガーを引きながら撃鉄を引くと5秒後またはなにかに接触した時に爆発するようになってる。刀身自体もマギを流すだけで戦闘用の大きさに変わるから扱いもそこまで難しくはないと思うぞ?」
彼女達は各々に刀身を着脱してみたり大きくしてみたりしている。
蓮夜「まあ、緊急時用の予備だと思って置いてくれ。」
梨璃「ありがとうございます。」
ミリアム「使ってみると本当に単純な仕掛けじゃのう。
・・・量産性と使いやすさを重視している訳じゃな。」
神琳「ありがたく使わして貰いますね。」
蓮夜「今渡したのは一番扱いやすいブレードタイプだが他にもシールドタイプやウィップタイプ、あとはグリップを使わないでただ投げて使う補助タイプとかもあるからなにか欲しいのがあったら言ってくれ。」
二水「それでしたら、何かヒュージの攻撃を防げるものはありますか?」
神琳「私も、黒鉄さんがこの前に使っていた拘束用のものが欲しいですね。」
蓮夜「それならウォールとソーンだな・・・えっと、これだ。」
2人にそれぞれ緑色の金属板と杭状のものを渡す。
蓮夜「ウォールはマギ流すとすぐ、ソーンは何かに打ち込んでからマギ反応が通り過ぎると発動するから気をつけて使ってくれよ。」
神琳「はい、注意して使いますね。」
二水「ありがとうございます。」
梅「それにしても、ヒュージに対抗出来るCHARM以外の武器か・・・『死神』のアレみたいだな・・・。」
楓「死神・・・とは?」
梅「ああ、みんな甲州撤退戦は知ってるよな?」
梨璃「・・・はい・・・。」
二水「はい!・・・そうだ梨璃さんは・・・。」
梨璃「大丈夫だよ。」
梅「話を続けるぞ。その時に戦っていたのは表向きにはリリィだけになっているんだが本当はリリィ以外にも戦っていたのやつがいるんだ。」
夢結「ちょっと梅!それは・・・。」
梅「同じレギオンなんだからいいじゃないか。それでその時に戦っていた存在が死神と言われているんだ。
正体不明、黒い服装で大きな鎌を使ってヒュージを倒しまくっていたから死神って言われているんだ。
本当はあの戦いで倒されたヒュージの総数の半分ぐらいは死神が1人で倒したんだよ・・・。
その死神が使っていた鎌がな変形しなかったみたいだからCHARMじゃないんじゃって言われていてな?これもCHARMではないだろ?だから思い出してな。」
蓮夜「そうなのか・・・だけどギアじゃそういうのを作るのは無理だぞ?まずギアの性質上長時間使えないし、そもそも俺がギアを完成させたのは甲州撤退戦のあとだからな・・・多分本当に旧式のCHARMかまた別の何かじゃないか?」
梅「そうだよな!ただ何となく似てるかなと思ったから言ってみただけだぞ!」
蓮夜「そんなのが作れていたら俺は苦労してないよ・・・。」
そう言って彼が項垂れていると、
楓「そうでしたわ!以前の戦いの時にレアスキルのことを後で仰ると言われていましたがまだ聞いてませんわね。」
蓮夜「そうだったな。俺のレアスキルは『アルターエゴ』って言って5つの能力が複合されたスキルなんだよ。」
梅「5つもか!それはすごいな!」
楓「その能力とはどのようなものなのでしょうか?」
蓮夜「能力は、物体を浮遊させる、傷を癒す炎を生み出す、自身を3倍速まで加速する、精神に干渉する、味方の能力を向上されるの5つだな。」
楓「百由様の仰っていたインチキスキルとはそのことだったのですわね・・・。本当に反則もいいところですわ!」
蓮夜「だけど一種類ずつしか使えないんだよ。」
梨璃「それでも凄いです!」
蓮夜「ありがとうな。それでこの前夢結に使ったのは精神干渉で本来は幻覚を見せるものなんだけど、少し応用して一時的に平常な状態に精神を戻したんだよ。それで出来た隙を梨璃さんについて貰ったってわけ。」
楓「そうだったのですか納得しましたわ。」
それからしばらく会話が続くが夢結が会話に参加していないことに気がつき夢結の方を見てみると、
蓮夜「夢結、電話なんか出してどうしたんだ?」
夢結「あなた達、今から行くわよ。」
梨璃「は、はい・・・って行くってどちらに?」
その問いに夢結は、
夢結「ノインヴェルト戦術の見学によ。」
夢結はそう返した。