アサルトリリィ Abnormal Transition   作:0IN

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ラスバレ1章㉟

梨璃「・・・えっ?」

 

蓮夜「そうだが?」

 

ミリアム「このまま泊まる流れだと思ったんじゃが・・・。」

 

蓮夜「・・・いやみんな忘れてない?」

 

梨璃「忘れてるって何がですか?」

 

 

彼の言葉に疑問を持った面々は彼の言葉の意図を考える。

今合宿にて彼は彼女達と共に行動する予定だったのだからこのままここに泊まっても何も問題ないだろう。

なのに彼は学院に戻ると言う。

 

 

雨嘉「工廠科の方で用事があるんですか?」

 

蓮夜「やることはあるが急ぎではないぞ。」

 

ミリアム「なら、百由様が何かやらかしたのかのう?」

 

百由「ちょっと!それは失礼じゃないかしら!?」

 

蓮夜「今回は違うぞ。」

 

楓「普段ならそれが正解ですのね・・・。」

 

 

彼女達は思い当たる節を次々と確認していくが、彼は首を縦に振らない。

 

 

蓮夜「・・・マジで分からないのか?」

 

梨璃「え・・・あっ、はい、」

 

 

そんな彼女達に驚愕と呆れの混ざった表情を向ける彼に梨璃は顔を俯かしてしまう。

 

 

夢結「・・・貴方達、」

 

二水「夢結様はわかったのですか?」

 

夢結「ええ、・・・そもそも一般的な常識よ?」

 

神琳「常識・・・ですか?」

 

鶴紗「・・・わかった。」

 

梨璃「鶴紗さんわかったの!教えて!」

 

鶴紗「・・・教えるも何も本当に常識的なものだぞ?」

 

楓「常識と言われましても、もう少し具体的にしてもらいませんと、」

 

鶴紗「・・・黒鉄さんと私の違い。」

 

神琳「私達と彼の・・・あぁ、たしかにそうですね。」

 

 

鶴紗の出したヒントに神琳は納得いったように頷いているが、他の面々は腑に落ちないのか首を傾げる。

 

 

結梨「ねぇ、神琳?・・・何が違うの?」

 

神琳「結梨さんに分かり易く例えるなら彼だけ制服が違うことでしょうか?」

 

結梨「雨嘉も違うよ?」

 

神琳「雨嘉さんの違うとは別にあるでしょう?・・・もしも彼が着ていたら警察の方にお世話になるのではないでしょうか?」

 

結梨「・・・?」

 

二水「黒鉄さんが来てたら捕まる・・・あっ!そういう事ですか!」

 

 

神琳の言葉に引っかかる所があったのか二水は思考に耽ける。数秒悩み続けていると何か思いついたのか顔を上げた。

 

 

梨璃「二水ちゃんもわかったの!」

 

二水「はい!性別ですよ性別!」

 

雨嘉「・・・あっ!」

 

ミリアム「そういえばそうじゃったの・・・。」

 

楓「すっかり、忘れてましたわ。」

 

蓮夜「・・・それはそれで酷くないか?」

 

 

二水の一言に納得いった表情になる彼女達だが、その反応に彼は項垂れる。

 

 

蓮夜「そういうことで、男の俺がこのメンツの中に入るの不味いだろう。・・・下手すると社会的に死ぬぞ。」

 

梨璃「あはは、・・・たしかにそうですね。」

 

蓮夜「だから俺は帰る、ここはそこまで学院から離れてないからすぐに来れるし毎日必ずここに来るから、それでいいかな?」

 

梨璃「は、はい。それで問題ないです。」

 

蓮夜「それじゃあ改めて帰らして貰うよ。欲しいものがあったら連絡してくれこっち来る時に持ってくるから、」

 

梨璃「はい、ありがとうございます。」

 

夢結「・・・気をつけなさいよ。」

 

蓮夜「わかってるって、また明日な。」

 

 

その後一通りの挨拶を終えると彼は天葉の消えた方へと歩いて行った。

 

 

 

 

少し暗くなり始めた森の中、彼は学院への帰路に着いていた。

 

 

蓮夜「・・・。」

 

 

草木が風の揺れる音のみが響く森の中、彼は辺りを見回す。

 

 

蓮夜「いるのはわかってるから出てこいよ。」

 

天葉「・・・本当に鋭いわね。」

 

 

ただ木々のみが映る景色の中、彼はある1点に目を向けると一言呟いた。

彼の視線の先、そこには何の変哲もない大きめの木が一本生えているだけだったが、そこから声が聞こえ人影が現れる。

 

 

蓮夜「そもそも隠れる気なかっだろ?」

 

天葉「そうね。・・・少しいいかしら?」

 

蓮夜「いいぞ、」

 

 

彼の返事を聞いた彼女は彼の横まで来ると2人はそのまま歩き始める。

 

 

蓮夜「今回の作戦・・・アールヴヘイムも参加するんだろう?」

 

天葉「ええ、ただ直接じゃなくて作戦区域の周囲防衛よ。」

 

蓮夜「だと思ったよ。・・・じゃなきゃ楠美さんの誘いを断って百由の手伝いなんてするわけないからな。・・・おおよそ他レギオンの確認ってところだろう?」

 

天葉「そうよ。別行動でしょうけど、ある程度は把握しておかないとね。・・・それで、まだなのかしら?」

 

 

彼の質問に笑いながら返していた彼女であったが彼の質問が終わった途端彼女の雰囲気が変わる。

先程とは違う真剣な眼差しに彼の纏う空気が重くなる。

 

 

蓮夜「・・・今は無理だ。」

 

天葉「いつなら大丈夫なのかしら?」

 

蓮夜「・・・今回の件が終わったらすぐに、」

 

天葉「そう、わかったわ。」

 

 

彼女は彼の言葉を聞くと張り詰めた空気が霧散しいつもの空気に戻る。

 

 

蓮夜「これが本当の目的だったか、」

 

天葉「あら?目的は彼女達の様子見よ?・・・これはついでね。」

 

蓮夜「そうか、すまないな。」

 

天葉「いいのよ。そっちにも事情があるのでしょう?」

 

蓮夜「・・・ああ、」

 

天葉「なら待つしかないでしょう。でもちゃんと説明はしてもらうからね。」

 

蓮夜「わかってるって、」

 

天葉「それじゃあさっさと帰るわよ。楠美が待ってるわ!!」

 

 

彼女は満足してように笑みを浮かべると帰路を駆けて行く。それを見た彼は1度空を見上げると頭を振り彼女のあとを追っていった。

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