アサルトリリィ Abnormal Transition   作:0IN

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先週は投稿予約を間違えてしまい1日遅れの投稿に待ってしまい申し訳ありません。


ラスバレ1章㊵

その大剣は圧倒的な重圧感を放っていた。

2mはあるだろう漆黒の刀身は日の光を鈍く反射し、12cmという現実からかけ離れた見厚の刀身からその規格外の重量もわかるだろう。実際に彼女の足元には亀裂が出来ている。

 

その刃以外にも手を引くものがあり、その分厚い刀身を挟むように取り付けられた2つの砲身と峰につけられた銃身と3つの銃身がつけられており、そしてなりよりその刀身の本来の長さだろうか、

 

先程刀身の長さは2mと述べたがそれは柄からの長さであり、本来の刀身は柄よりも後方まで伸びていた。

その長さはおおよそ3.5m、決して人が扱えるわけのなさそうなそれを1人の少女が振るう。

 

 

夢結「はぁぁぁ!!」

 

 

彼女の気迫の籠った一撃で再び轟音が鳴り響く。その刃の標的である特型は当たる寸前に回避するが、地面に大剣がぶつかるとめくれ上がり礫となって特型を襲う。

しかし特型は礫に怯むことなく彼女へと迫る。

接近とともに再生させた刃を振り抜く特型の一撃をその重鈍そうな大剣を持っていると思えない軽やかな身のこなしで回避した彼女は特型へと砲身を向けると引き金を引く。

それと同時に砲身にマギが収縮していき2つの砲弾となって放たれた。

至近距離での砲撃に回避の余裕のない特型は自身の碗部を盾して防ぐが、その砲撃の威力は凄まじく碗部を粉砕され胴体にもヒビが入る。

傷口から青い液体を溢れさせながら体勢を崩す特型に彼女は追撃を加えようとするが特型翼から霧を噴出したためそれを警戒して後方に下がる。

 

 

梨璃「お姉様、大丈夫ですか!」

 

夢結「ええ、大丈夫よ。」

 

 

 

彼女が特型と距離を取るとそこに梨璃が近寄って来てた。

彼女は特型から目を離さないまま射撃牽制をしながら返答する。

 

 

夢結「それにしても・・・厄介ね。」

 

二水「そうですね、特にあの再生能力をどうにかしないと・・・。」

 

夢結「・・・。」

 

 

梨璃のあとを着いてきた二水は既に再生を終えている特型を見てそう呟く。それを聞いた夢結は無言のまま特型を見据える。

 

お互い決め手に欠けていることを理解してか、夢結と特型は睨み合い動かない。

 

そんな中彼女の背後から弾丸の雨が特型へと降りそそぐ。

特型がそちらに意識が向いており上方を見ていることを確認した彼女は倒れ込むように視線を低くして特型へと迫り身体全体を捻りながら振り上げの一撃を加える。

 

意識外からの一撃に対応の遅れた特型の腹部は大きく切り裂かれる。脇から肩口にかけて大きな残痕が刻まれそこからは止めとまなく紫色の液体が吹き出る。

それを見た彼女は振り上げた大剣の勢いに身を任せ身体を回転させながら砲撃を地面に打ち込み反動で飛ぶ。

そりにより特型の胸部に残痕が刻まれ砲撃で起こった衝撃も相まり前方へと倒れ込む。

 

 

夢結「・・・はぁぁぁ!!」

 

 

特型へと背面を向けている彼女は空を蹴ることで身体を反転させると再び砲撃、その砲撃の反動で勢いの増した彼女の一撃が体勢を崩し無防備になった特型へと襲いかかる。

 

その一撃を受けた特型は頭部から地面へと落ちていきそこを中心に10m程のクレーターができあがった。

クレーターが紫色の水溜まりになったことを確認すると、彼女は梨璃達の元へと下がる。

 

 

夢結「・・・決め手がかけるわね。」

 

梨璃「なら全員で攻撃すれば!」

 

ミリアム「・・・無理じゃな。」

 

叶星「どうしてなのかしら?」

 

 

夢結が決め手のないことに首を傾げていると、梨璃が全員で攻撃することを提案する。しかし、それはミリアムの一言で止められてしまった。

 

 

ミリアム「夢結様・・・そのCHARMは『黒薔薇』であっているかのう?」

 

夢結「ええ、そうよ。」

 

ミリアム「百由様が設計しているのを見たのじゃ。」

 

夢結「つまり、スペックもわかるという事ね。」

 

ミリアム「正直リリィが持てるのか疑問じゃったが・・・存外いけるのう。」

 

梨璃「そんなにすごいの?」

 

ミリアム「重量軽減込で総重量500kg・・・ホッキョクグマくらいと言えばわかりやすいと思うが、」

 

梨璃「・・・えっ?」

 

ミリアム「確か複合板にして術式を重ねた結果、作成にも整備にも通常のCHARMの数倍かかるとあの百由様が珍しく嘆いておったのう。」

 

二水「そ、そうなのですか・・・。」

 

ミリアム「じゃが、それだけあってバカげた火力になっておるが・・・それでもダメとなるとやはり、」

 

夢結「・・・ノインヴェルト戦術しかないわね。」

 

 

夢結はそう言いながら自身の懐に手を伸ばしノインヴェルト戦術用特殊弾を取り出す。

 

 

夢結「私が特型を惹き付けるからその間にフィニッシュショットを決めなさい。」

 

梨璃「わかりました、早く倒して楓さん達を探しましょう!」

 

夢結「なら行くわよ、梅!」

 

梅「おう!」

 

 

梨璃の返事を聞いた夢結は自身のCHARMに特型弾を装填し梅へと放つ。

それを受け取った梅を確認すると夢結は再び特型へと接近していく。

 

 

梅「ワンワン!」

 

 

迫る彼女を確認した特型が刃を振り下ろす。

 

マギスフィアが梅から雨嘉へと渡る。

 

 

雨嘉「・・・鶴紗!」

 

 

刃を躱した彼女の一撃が特型へと迫る。

 

雨嘉から鶴紗へ、

 

 

鶴紗「次行くぞ、神琳!!」

 

 

彼女の一撃をもう一方の刃で防ぐ。

 

鶴紗から神琳へ、

 

 

神琳「よろしくお願いしますね、結梨さん!」

 

 

特型の翼から霧が噴出される。

 

神琳から結梨へ、

 

 

結梨「うん、行くよ、グロッピ!」

 

 

地面を砲撃して霧を吹き飛ばす。

 

結梨からミリアムへ、

 

 

ミリアム「任されたのじゃ、二水!」

 

 

霧が晴れた瞬間2本の刃が彼女に迫るがそれをCHARMを盾にして受け止める。

 

ミリアムから二水へ、

 

 

二水「・・・梨璃さん、お願いします!」

 

 

剣先を蹴ることでCHARMを上方へと振り上げ特型の刃を弾く。

 

二水から梨璃へ、

 

 

梨璃「はい、フィニッシュショット行きます!」

 

 

青から始まり、黄色、緑、赤、オレンジ、躑躅、紫、水色と色を変え梨璃の元へとたどり着いたマギスフィアは一瞬桃色になった後、膨張しながら虹色に変わる。

 

梨璃が特型へとCHARMを構えた瞬間、特型の身体が網状の光に囚われる。

その網のからは糸が繋がっており、その糸の先には後退する夢結のCHARMに繋がっていた。

 

彼女が夢結の後退したのを確認し引き金を引こうとしたその時、

 

 

一葉「・・・恋花様!?」

 

 

一葉の悲鳴じみた叫び声が響き渡る。

それに反応して彼女達が一葉の視線を追うと・・・そこには、

 

 

二水「楓さんッ!」

 

叶星「紅巴ちゃん!!」

 

 

特型が出している霧と同じく青白い、そして不気味な雰囲気を内包する霧に包まれた3人の姿があった。

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