アサルトリリィ Abnormal Transition   作:0IN

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ラスバレ1章㊹

蓮夜「・・・ああ、だから早急に撤退してくれ、」

 

 

流れるように移り変わる景色の中、彼は誰かに連絡を取りながら木々の間を駆け抜ける。

 

 

蓮夜「全力で排除に来るだろうから、今度こそダメだろうから、」

 

 

そんな彼を追う3レギオンのメンバーは忙しなく周囲を見渡しながら彼に置いていかれないように走る。

 

 

蓮夜「ああ、手筈通りそこで・・・それじゃ待っててくれ、」

 

 

彼は通話を終えたのか端末をしまうと背後にいる彼女達へと視線を向ける。

貫かれるかなような鋭い視線に彼女達が身体をこわばらせる速度を落とすが、彼の視線は一瞬であったためすぐに彼に追いついた。

 

 

夢結「・・・蓮夜、」

 

蓮夜「わかってる・・・。」

 

 

夢結の言葉に彼は頷くと足を止め周囲を見渡し始めた。

それを見た夢結は自身のCHARMを構え直し彼の周囲を警戒する。

 

夢結「どうかしら?」

 

蓮夜「・・・大丈夫そうだ。」

 

音羽「こっちも反応はない。」

 

茜「・・・警戒しておきますね。」

 

蓮夜「2人とも頼む・・・。皆、悪いがこれに入ってくれないか?」

 

 

音羽と茜に軽く指示を出すと彼はいつの間にか持っていた球体を上へと投げる。

手から離れ数秒経つと球体が歪みそこを起点として空間に人ひとりが通れる程の歪みが発生する。

 

 

一葉「これはケイブ!?」

 

叶星「まだ特型が!!」

 

 

その光景にヘルヴォル、グラン・エプレ両レギオンが神経を尖らせるが、逆に一柳隊のメンバーは安堵の表情を見せた。

 

 

二水「やっと落ち着けます。」

 

鶴紗「さっさと入るぞ。」

 

神琳「そうですね、ここでは精神を疲弊させてしまいますし。」

 

定盛「反応薄くない!?これ非常事態なのよ!!」

 

 

一柳隊の面々が臆することなく歪みの中に入っていくのを見た定盛が狼狽しているとそこに梨璃が駆け寄る。

 

 

梨璃「みなさん、大丈夫ですよ。危険なものでは無いので!」

 

一葉「・・・そう言われましても、」

 

高嶺「警戒しないで、と言われる方が無理でしょうね。」

 

雨嘉「・・・まぁ、そうなるのかな?」

 

ミリアム「わしらが慣れ過ぎただけじゃろう。」

 

瑤「・・・慣れとかの問題?」

 

灯莉「わ〜い!なにこれ、面白そう!!」

 

叶星「ちょっと、灯莉ちゃん!?」

 

 

2レギオンが梨璃達の言葉に疑問の目を向けていると、興味津々だった灯莉が楽しそうに歪みの中に入っていく。

それを見た叶星が慌てて彼女を追って行くと高嶺達も恐る恐る歪みの中に入って行く。

 

 

藍「らんも行く!」

 

一葉「藍まで!?」

 

千香瑠「あらあら・・・。」

 

瑤「・・・行くしかないかな、」

 

一葉「・・・お二人まで、」

 

 

楽しそうな灯莉の姿を見た藍も彼女達の後を追い中に入って行ってしまったため困った表情をしながら千香瑠と瑤も中に入っていく。それを見た一葉は諦めたような表情をしながらしぶしぶと歪みの中へと消えて行った。

 

 

蓮夜「各レギオンに別れた方がいいだろうから、2人は自分のエリアに連れて行ってあげてくれ。」

 

音羽「元からそのつもり・・・、」

 

茜「軽く説明しておきますね。」

 

蓮夜「ああ、それじゃ、3人とも彼女達のこと頼む。」

 

梨璃「わかりました!」

 

音羽「・・・了解、」

 

茜「任せてください。」

 

 

3人は返事をすると歪みの中に入っていく。彼女達が入るとすぐに歪みが消え森の中には彼と夢結だけが取り残された。

 

 

蓮夜「それじゃ、僕達も行こうか、」

 

夢結「そうね、急ぎましょう。」

 

 

2人は頷き合うと再び森の奥へと消えて行った。

 

 

 

灯莉「わ〜〜、何これ☆」

 

瑤「・・・これは、」

 

高嶺「どうなっているのかしら?」

 

 

歪みの奥に広がる光景、それは現実とは掛け離れた光景であった。

彼女の立つ足場を囲うように聳え立つ円形の壁には色や形の違う無数の扉が並んでおりその数は優に100を超えている。

しかしその扉に続く足場は存在しておらず無数の箱状の物体が目まぐるしく上下左右に移動を繰り返していた。

足場から下を覗くとそこには先程と同じ光景以外に変化はなくただ先の見えない暗闇が続いている。

 

 

 

雨嘉「・・・ここ、どこなんだろう?」

 

鶴紗「見覚えはないけど多分いつもの施設の中だろ。」

 

二水「私たち結構見て回っているんですけど、まだ知らない場所あったんですね。」

 

ミリアム「中央棟じゃな。」

 

梨璃「そうですよ!」

 

神琳「やはり、そうでしたか。」

 

二水「わかるんですか?」

 

梨璃「うん、ここにはよく来るから。」

 

神琳「はい、構造が前に見せていただいた地図と一致しますのでもしやと、」

 

ミリアム「百由とちょっとあってのう・・・。」

 

 

一柳隊の面々も初めての場所に困惑しているとこの場所のわかる3人がそれに答える。

どうしてわかるのか疑問に思った二水が3人に問いかけるとそれぞれ答えるが、ミリアムだけどこか遠い目をし始めたため距離を離す。

 

 

茜「確かにここが1番迷わないからな。」

 

音羽「これが南区なら地獄・・・。」

 

定盛「そもそもここがどこか分からないけど、地獄って・・・。」

 

音羽「・・・下手すると、死人が続出する場所?」

 

茜「防衛設備でもないのに存在だけで防衛できるからな〜。」

 

瑤「南はダメなんだ・・・。」

 

千香瑠「そもそもどちらが南なのか分かりませんが・・・。」

 

一葉「私には全て危険が見えるのは気のせいでしょうか?」

 

ミリアム「・・・危険表示がなければ基本的に安全じゃぞ。」

 

梅「・・・百由か?」

 

ミリアム「入るなと言われておったのに入るから・・・何回死にかけたことか、あの扉だけは絶対に入らないことをおすすめするのう。」

 

 

会話に反応したミリアムが遠い目をしたままある場所を指指す。

そこには深い黄色をした重々しい扉があり、それには扉いっぱいに赤いハザードマークが描かれていた。

 

 

茜「・・・逆に死ななかったの?」

 

音羽「最低でも腕1本は持っていかれるはずだけど、」

 

ミリアム「開けた瞬間まずいとわかっての、すぐに閉めたんじゃ。その後すぐに黒鉄さんが来たからどうにかなったんじゃが、それでも吐き気と頭痛で酷い目にあったわい。」

 

茜「あそこ秒間100回変化する100桁のパスワードが何重にもかかってるはずなのに・・・。」

 

ミリアム「・・・百由様曰く、勘とのことじゃ。」

 

音羽「あの人・・・本当に人間?」

 

ミリアム「最近ワシにもわからんのじゃよ、・・・あの時もワシの隣で平然としておったからのう。」

 

音羽「・・・ドンマイ?」

 

 

彼女からどんどんとドス黒い何かが溢れ出す中他の面々は物珍しそうに辺りを見渡す。

そんな中梨璃と茜が中央に設置されているコンソールを操作していることに気づいた一葉と叶星は2人の様子が気になり彼女達へと近寄った。

 

 

一葉「茜、何をしているのですか?」

 

叶星「これコンソール端末よね?」

 

梨璃「道の準備ですよ。」

 

茜「梨璃さん、音羽の分はアタシがやるから先輩のエリアへの通路だけ通して。」

 

梨璃「はい、わかりました。」

 

 

一葉達の質問に答えながらも2人は黙々と作業を続ける。

それに気づいた他の面々も梨璃達の元へと向かうと辺り一帯に小さいが鈍い音が響く。

それに気づいた高嶺が音の発生源へと目を向けると、そこには宙に浮かんでいた箱状の物体が集まっており、壁に備わっている扉への道を作り出していた。

 

 

高嶺「・・・。」

 

鶴紗「そういう感じか・・・。」

 

梅「面白い仕掛けを作るな!」

 

梨璃「出来ました。」

 

茜「こっちももうすぐ終わる。・・・音羽、道できるから案内しろよ!」

 

音羽「・・・以外に早かった、叶星様達、こっち来てください。」

 

 

2人がコンソールから手を離す頃には3本の道ができており、それぞれ別の扉へと繋がる。茜の声を聞いた音羽は3本の道のうちの1つの前に立つと振り返り グラン・エプレ のメンバーを呼んだ。

それを見た茜も彼女とは別の道の前に立つと一葉達を呼び始めたため叶星と一葉はお互いに顔を見合わせると、それぞれのレギオンメンバーを促し2人の元へと歩き始めた。

 

 

梨璃「私たちも行きましょうか。」

 

二水「一緒ではないのですか?」

 

梨璃「・・・それぞれで話し合った方が良さそうなので、」

 

神琳「確かにそうですね、ここは1度自身達だけで話し合った方が都合がいいでしょう。」

 

鶴紗「なら早く行こう、・・・正直疲れた。」

 

 

何か躊躇いのある二水の背中を押すように鶴紗は最後に残った道へと歩いていく。

それを見た梨璃は他の面々を連れて扉へと歩いていくのであった。

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