アサルトリリィ Abnormal Transition   作:0IN

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ラスバレ1章㊽

二水「・・・ここは、」

 

神琳「会議室・・・でしょうか?」

 

 

先程まで訓練室にいた梨璃達一柳隊の面々は、とある部屋へと来ていた。

その部屋には中央に球状の水晶体が存在し、それを円形のテーブルで囲うよう構造になっており、床や壁に使われた木材や優しい光を放つ照明が、落ち着いた雰囲気をかもちだしていた。

 

 

二水「梨璃さんはここのことをご存知なのですか?」

 

梨璃「私も初めてだよ。・・・だけど、」

 

神琳「何か心当たりがおありなのでしょうか?」

 

梨璃「多分だけど、ここは資料室もなんだと思うんだ。」

 

鶴紗「資料室?・・・ここがか?」

 

 

梨璃の言葉に鶴紗が疑問の声をあげると、彼女はテーブルへと近寄り手を置いた。

すると彼女の手を中心にテーブルが光出し水晶体が回転を開始した。

 

 

楓「な、なんですの!?」

 

梨璃「・・・やっぱり。」

 

 

徐々にその速度をあげる水晶体は、その形を解き螺旋を描きながら宙を舞う。

 

 

ミリアム「・・・これは、」

 

雨嘉「・・・ディスプレイ端末?」

 

 

初めは乱れていた螺旋だが、徐々に安定した螺旋を描き出し、それと共に螺旋の周囲に結晶で出来た板が生み出された。その結晶板には様々な文字体が映し出されるが文字化けしており内容は読み取ることが出来ない。

 

 

梨璃「ここの施設はね、全部情報体認証式みたいなんだ。」

 

雨嘉「・・・情報体認証?」

 

梨璃「わたしも聞いただけでよく分からないんだ。」

 

梅「・・・蓮夜がよく言うアレじゃないカ?」

 

二水「アレ・・・ですか?」

 

梅「あいつが能力を使う時に情報を見てから改変する・・・みたいに言ってただろう?」

 

二水「はい・・・確かにそのようなに言っていましたね。」

 

神琳「・・・視覚内にあるモノの情報を読み取り操作する力だったはずですね。」

 

梅「だからその情報体?を確認する仕組みを作ったんじゃないカ?」

 

梨璃「多分それであっていると思います。」

 

 

梨璃は彼女達の会話を聞きながら淡々と操作を続ける。すると文字化けして読めずにいた部分が読めるようになり、書かれているモノの全貌が明らかとなっていく。

そこには計画書やレポートなどの資料が数多映し出されていた。

 

 

二水「これは・・・何かの実験資料でしょうか?」

 

ミリアム「CHARMについての実験資料もあるのう。」

 

雨嘉「これは医療関係かな?」

 

神琳「・・・これは!?」

 

 

映し出された資料を各々が読んでいると、神琳が大きな声をあげる。

普段では考えられない彼女の声に皆が顔を向けると、そこには1人の少女の写真と、その人物のものであろうカルテが映し出されていた。

 

 

あかあかあ識別名称 AM-001

 

あかあか・生年月日 □月■■日

あかあか・年齢「●●歳」

あかあか・性別「女」

あかあか・血液型「A」

あかあか・スキラー値「55~115%」

あかあか・試験開始日 ○○○○年□□月■日

あかあか・特異体質『再生』

 

あかあかあかあかあかあかあかあかあかあかあ

 

 

ひと目で分かるほどに、一般的に用いられるものとは違うのだ。

まず目の行く場所はこの少女の名前がない事であり、本来名前が書いてある場所には「AM-001」と書かれてあり、これと識別名称という文字から彼女は真っ当な扱いを受けていなかったことがわかる。

そして後半に書いてある「試験開始日」と「特異体質」の2つから彼女は何かしらの実験受けていたのだろう。

 

 

楓「・・・これはタダのカルテではありませんね。」

 

神琳「ええ、この文章からしてこの女性は何かしらの人体実験を受けていたんでしょう。」

 

ミリアム「・・・この日付じゃと・・・ヒュージが出現してから数年後のことかのう?」

 

二水「はい!今から役50年ほど前ですから間違いないと思います。」

 

鶴紗「・・・。」

 

雨嘉「鶴紗、どうしたの?」

 

鶴紗「再生・・・これって、」

 

梨璃「皆さん、コレ次のページがありますよ。」

 

 

 

読めば読むほど不信感を煽る文章に楓達が眉間に皺を寄せていると無言のまま画面を見続ける鶴紗に気づいた雨嘉は彼女に声をかける。

声をかけるが反応のない鶴紗の姿に不安を覚えた雨嘉が彼女へと手を伸ばすと、梨璃がこの文章に続きがあることに気づき声をあげた。

 

 

鶴紗「梨璃、続きを見せてくれ、」

 

梨璃「う、うん・・・わかった。」

 

 

少し食い気味に梨璃へ迫る鶴紗に、違和感を覚えながら彼女は画面を操作する。

すると画面内の映像が変わり、先程とは別の文章が姿を現した。

 

 

 

あか

あかあか・試験内容① ○○○○の效果検証。

あかあか識別名称「AM-001」に○○レベル

あかあかの○○を与えた状況からの身体の

あかあか○○時間を測定。

あかあか・試験結果

あかあか結果① 識別名称「AM-001」の○○

あかあかを○○した後、約○時間後に完治。

あかあか結果② 識別名称「AM-001」の○○

あかあかの30%を○○した後、約○○時間後

あかあかに完治。

あかあか上記の結果より識別名称「AM-001」

あかあかは部位により完治時間が異なり○○

あかあかなどの○○に関わる○○では、それ

あかあか以外の○○とは約2倍の時間がかかる

あかあかと考えられる。

 

あかあかあかあかあかあかあかあかあかあかあ

 

 

次に映し出された文章、それは虫食い状になっており肝心な部分は読むことが出来ないが、読める部分だけでも不穏な空気を滲み出していた。

 

 

二水「見えない部分がありますね。」

 

楓「情報規制でしょうか?」

 

神琳「それほどまでに隠さないといけない情報か、」

 

梅「・・・よっぽど見せられないことが書いてあるかだナ。」

 

 

虫食いの文章を前に彼女達は考察を深めていくが決してその真相にたどり着くことが出来ない。

ある程度までは考えが纏まるが、ある一定の状態になると初めに戻ってしまうのだ。

それからもまるで無限ループにでも陥っているかのごとく永遠と続く思考、しかし彼女達はこのことに気づかない。

言葉が飛び交う中、1人だけ静かに考え込んでいる者がいた。

 

 

鶴紗「・・・やっぱり、そうか。」

 

 

ただ1人言葉を発していなかった鶴紗は何かを確信したのか顔を上げる。

そして他の面々の不自然な行動に訝しげに思い声をかけようとすると、

 

 

梨璃「画面が!?」

 

 

突如目の前の画面が消え結晶体へと分解される。

いきなりの自体に彼女達が困惑する中も結晶体は動き続け本来の形である球体へと姿を戻す。

 

 

???「もうこっちに着いてたんですね。」

 

 

それと同時に聞こえた声に反応し、声の方へと視線を向けると、

 

 

茜「音羽がゆっくりしてたから待たせちゃったじゃん!」

 

音羽「・・・しっかりと説明していただけ、」

 

 

 

そこには茜と音羽、そして彼女達が所属する2レギオンの姿があった。


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