アサルトリリィ Abnormal Transition 作:0IN
天葉「・・・どういうこと、もしかして・・・でも、」
叶星「天葉さん、どうしたのかしら?・・・彼女、制服を見た感じ百合ケ丘の人よね。」
美鈴「そうだよ、君達は初めましてだね?・・・僕は川添 美鈴、一応百合ケ丘の1年生・・・なのかな?」
一葉「・・・一応?」
夢結「はぁ、お姉様それは最終的な学年ですよね?一応ですけれど貴方は3年ですよ?・・・それと少々お巫山戯がすぎるかと、」
美鈴「でも僕は3年どころか2年にも上がれてないからね。1年が適切じゃないかな?それに第一印象は大事だよ、しっかりと印象付けさせないと、」
動揺する天葉達を置いてけぼりにし挨拶を始める美鈴、それを見た夢結はため息を吐きながら彼女の言葉を訂正すると共に苦言を述べるが、彼女は気にする様子もなく流していく。
蓮夜「姐さん・・・最初から飛ばすのは流石にやめて貰えませんか?・・・現に混乱している人がいますし、」
美鈴「いやぁ、天葉達の反応が見たくてついね?・・・夢結達は別として君は驚いてくれなかったし、」
蓮夜「知ってるのにどうやって驚けって言うんですか・・・。」
翻弄される夢結の姿を見た彼は美鈴へと声をかけるが、やはり彼女は気にする様子もなく会話を続けていく。
それに彼は諦めの表情を見せながら彼女へと近寄ると彼女の後ろ襟を掴んで夢結の元へと向かうと椅子を作り出し座らせる。
蓮夜「・・・少し場の空気が乱れましたが気を取り直して続きと行きましょう、彼女自身が述べましたが改めて、彼女の名前は 川添 美鈴 ・・・元百合ケ丘のリリィであり夢結のシュッツエンゲルでもあります。」
高嶺「・・・元?、それにシュッツエンゲルは契の中で上の学年の名称ではなかったかしら?けれど彼女は今1年って言いましたよね?」
恋花「それに3年どころか2年にも上がれてないって、言ってたけどどういうこと?」
依奈「・・・亡くなられているからよ。」
瑤「・・・亡くなっている?」
依奈「ええ・・・あの人は初代アールヴヘイムのメンバーとして甲州撤退戦に参加したの、その時に亡くなられているのよ。」
瑤「・・・!?」
恋花「どういうこと!?・・・でも今目の前にいるじゃない??」
依奈「だから私達も混乱しているの・・・死んだはずの人が目の前にいることに、だって埋葬の時にちゃんと遺体も確認しているのよ!?なのにこうやって目の前にいるなってありえないわ!!」
高松「・・・簡単じゃろう、」
依奈「・・・理事長代行?」
高松「・・・元々彼女はそちらだったというだけのこと、違うかね?」
理解不能な状況に混沌とした空気が漂う中、高松は小さくしかしはっきりと皆に聞こえる声で呟く。
それにより部屋が静寂に包まれると彼はゆっくりと蓮夜へと向き直り自身の考えを問いかける。
蓮夜「・・・現状そう考えるのが妥当でしょうね。」
高松「なんじゃ、違うのか?」
蓮夜「元々こちら側・・・というのは正しいのですが彼女の生死に関しては私は何も関わっていません。・・・確かに死体の偽装程度なら簡単に出来ますが死者の蘇生は専門外ですから、」
しかし彼の予想は外れていたようで蓮夜は彼の問いに答えていく。
蓮夜「皆さんの認識通り川添 美鈴と呼ばれる人間は甲州撤退戦にて死亡しています。物理的な死因はヒュージによる腹部の裂傷による失血多量と神経節及び脊髄の損傷による身体の機能不全・・・。」
高松「それで彼女は・・・。」
蓮夜「もちろん川添 美鈴本人ですよ。彼女は私の作った模造品でもなく、しっかりと個を確立されている個人です。」
高松「確か君は先程死者の蘇生と言っておったな?」
蓮夜「はい、」
高松「・・・それが彼女の力なのか?」
蓮夜「いいえ、能力・・・と言うよりは副次効果ですね。姐さん簡単な説明をお願いします。」
美鈴「・・・という事だから夢結、これ解いてくれないかな?」
彼はそう言うと美鈴へと視線を向ける。そこには隣に座る美鈴を冷たい表情で見る夢結と白色の鎖で椅子に固定されるように縛られた美鈴の姿があった。その鎖は夢結の手元から伸びておりまるで生き物のように蠢く。
そのような状態に流石の彼女も余裕が無いのか冷や汗を流している。
夢結「・・・真面目にしてくださいよ。」
美鈴「わかったって・・・見ないうちにかなり暴力的になったよね、昔はお淑やかで可愛かったのに・・・。」
夢結「・・・お姉様?」
美鈴「わかった、わかったから!!」
鎖が解けると彼女は元気よく立ち上がり、自身の状態と能力の簡単な説明を行った。
高松「自身の複製のう、だからか?」
蓮夜「何か引っかかる点でも?」
高松「あぁ、一時期彼女がガーデン内の複数箇所で同時刻に見られる現象があってのう。・・・あの時はレアスキルの練習かと思ったのじゃが、しっかりと個々に行動をしていたらしくて不思議に思っていたのじゃ。」
蓮夜・夢結「「・・・。」」
高松「結局は同一人物が複数人いるわけがないと言う結論が出てその話はお開きとなったのじゃが、やっと謎が解けたわい。」
蓮夜「・・・姐さん。」
美鈴「な、何かな?」
高松待つの発言を期に再び部屋全体に冷たい風が吹く。
しかしそれは先程の日ではなくまるで暴風のように荒れ狂い刃のように彼女達の肌へと突き刺さった。
その発生源は先程と同じく蓮夜、そしていつの間にかその横に並び立つ夢結であり2人の目は鋭く美鈴を捉えていた。
蓮夜「日常から使用していることは知っていましたが・・・認識可能個体は1人のみにしているって言ってましたよね?」
美鈴「あ、あの時は色々用事が立て込んでてこうでもしないとま、」
高松「・・・確か5箇所では別々のレポート内容を同学年の生徒に相談しており、1箇所はシルトと一緒に花見をしていると報告があったのう。」
美鈴「・・・。」
彼女もどうにか弁解しようとするが高松の追撃によりそれも叶わず2人は彼女へと歩より始めた。
美鈴「・・・ちょっと用事を思い出したから失礼させ!!」
蓮夜「・・・先程、用事はないと仰っていましたよね?」
自身の危機的状況に彼女はすぐにその場を離れようとするが彼女の首元には複数の刃がまるで首輪のように円を描きながら添わされており身動きを封じられていた。
夢結「理事長代行、それはもしかしてお姉様が高等部1年の時の春ではありませんか?」
高松「あ、あぁ、そうじゃが、」
夢結「お姉様、あの時提出レポートは全て終わっているからと言って誘われましたよね?・・・私の記憶が正しければ最終提出日当日だったはずですが?」
美鈴「それとは違って、」
夢結「それ以外にレポートはなかったはずですが?」
彼に続き夢結の冷たい眼差しに美鈴が表情を青くしていると彼女の足を這い上がるように先程の鎖が彼女を縛り上げる。
夢結「・・・少しお外でお話をしましょうか?・・・蓮夜、少し席を外すことになるけれどいいかしら?」
蓮夜「どうぞ、こっちは説明を続けているからゆっくりと話をするといい。」
夢結「感謝するわ・・・それではお姉様、行きましょう。」
夢結は彼へと断りを入れると廊下へと歩いていく。
その手にはそれぞれ美鈴を縛る鎖と彼女の首を添えられていた刃・・・直剣が1本握られておりその表情は背中により見ることは出来ないが黒く濁った気配だけが滲み出していた。
夢結「わざわざ能力を使ってまで何をやっているんですか!?リスクはわかっているはずでしょう!!」
美鈴「いや、前から君と約束していたし、いきなり中止にするのも、」
夢結「問答無用!! 」
美鈴「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ!!!」
2人が廊下へと姿を消ししばらくすると外から夢結の怒声と美鈴の断末魔が部屋へと響き渡った。
蓮夜「・・・少々内容がズレてしまいましたが再開しましょう。」
彼はそれを気にすることなく会話を再開した。