アサルトリリィ Abnormal Transition   作:0IN

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ラスバレ1章59

茜「・・・そんな感じで先輩はG.E.H.E.N.A.の事になるとああなることがあるんですよ。」

 

一葉「・・・そうですか、」

 

 

夢結が説明を終えた頃、一葉達は茜に連れられてとある部屋へと来ていた。

そこは床一面大理石で出来ており古びた石柱が並びことから遺跡が連想される風景となっておりその中央には同じく大理石で出来た円柱状の椅子が並んでおりそのそれぞれに小さなテーブルが置いてある。

 

そんな、まず現代では見れないであろう風景の中、一葉、千香瑠、恋花の3人は茜の話しを聞きながら各々考える表情を見せた。

 

 

恋花「これは流石に笑えないね。」

 

一葉「・・・そもそも初めから笑えるものなんてありませんよ。」

 

千香瑠「・・・この話が真実なら彼が豹変したことが納得行きますね。」

 

一葉「・・・はい、」

 

 

各々が様々な思考の元、表情を二転三転させる中、一葉だけは普段と変わらない表情を見せていた。

 

 

一葉「・・・茜、この話は真実なのですね。」

 

茜「もちろん・・・こんな場面で嘘を言えると思いますか?」

 

一葉「・・・いいえ、貴方が嘘をつかない事はよく知っています。・・・ですが、やはり信じられなくて、」

 

茜「まあ、そうですよね。うちは基本的にまともな方ですから、」

 

千香瑠「茜ちゃん、まともとは何を指しているのですか?」

 

茜「そのまんまの意味ですよ。エレンズゲはG.E.H.E.N.A.派の中でも比較的にまともなんです。基本的なリリィへの待遇や研究関連・・・あとは捨て駒を使わないとかですかね?」

 

恋花「捨て駒って・・・流石に言い過ぎじゃない?」

 

茜「そうでもないですよ?・・・だって強化リリィは基本捨て駒や道具として使うために研究されたものですから、」

 

 

質問を飛ばす事に飛び出すG.E.H.E.N.A.の負の側面、

それを聞いた一葉達は思い当たる節があるのか顔を青くしながらも茜へと質問を繰り返す。

 

 

一葉「確かに強化リリィは危険な任務が多いと聞きますがそれは一般リリィも変わりませんし、それに強化手術も志願した人が、」

 

茜「・・・それも表向きですがね。」

 

一葉「・・・えっ?」

 

 

淀み始めた雰囲気を変えようと一葉が自身の見解を述べるが途中で茜によって遮られてしまう。

その声は普段の明るいものとは打って変わり、静かで冷たいものであり、そんな彼女が初めて見せる側面に一葉は言葉も忘れ固まってしまった。

 

 

茜「借金返済のため、治療のため、大切な人を救うため、恐怖から助かるため、色々とありますよ?・・・まあ、借金とかは自業自得ですし治療は致し方ない気もしますけど残り2つはどうなんですかね?」

 

一葉「ど、どうって言われましても、」

 

茜「・・・多分ですけど、一柳隊の鶴紗さんとかは後者ですよ。」

 

千香瑠「なぜそう思うのですか?」

 

茜「だって強化手術を受けたのに反G.E.H.E.N.A.派の百合ケ丘にいるんですよ。普通に考えておかしいでしょう?・・・ヒュージと戦いたいだけならそのままG.E.H.E.N.A.派のガーデンに入れば言い訳ですし、」

 

一葉「・・・確かにそうですが、」

 

茜「それにアタシも、そう言うのを見てきましたから、」

 

千香瑠「・・・先程のことでしょうか?」

 

茜「はい、アタシも先輩と音羽の手伝いでよく暴れましたからね。・・・何回更地にしたっけな?」

 

 

冷たい雰囲気がなりを潜め普段と変わらない雰囲気に戻ったが、物騒な発言を始める茜に、一葉達は表情を引き攣らせながら、なんとか流れを変えようと考える。

 

 

一葉「茜、一つ気になったことが、」

 

茜「なんですか?」

 

一葉「今までの会話から貴方がG.E.H.E.N.A.を好んでいないことはわかりました。・・・なら、どうしてエレンズゲに入学したのですか?そもそもリリィになる気がないと黒鉄さんも言っていましたし、」

 

茜「・・・見解を広げるためですかね?」

 

一葉「・・・見解、ですか、」

 

茜「はい、色々見てきましたがアタシはそれが全てではないと思うんです。・・・確かに裏はあんな感じですけど、ちゃんとした『人』もいるんじゃないかって、」

 

一葉「・・・。」

 

茜「・・・だからアタシは比較的にまともであったここに入ったんですよ。そして一葉達に出会った、・・・アタシも驚きましたよ。理念通り力が全て感がありますけど、しっかりと『人』としての心を持つ人がいるんだって、」

 

一葉「・・・茜、」

 

茜「だからこれからもアタシは見ていく気です。・・・何せ時間は要らないくらいありますからね。」

 

千香瑠「茜ちゃんは強いのですね。」

 

 

茜のただ真っ直ぐな瞳に、千香瑠は強い意志を感じた。

彼女は無意識にそれを口に出すと茜は笑い始める。

 

 

茜「アタシは全然強くありませんよ、」

 

千香瑠「いいえ、貴方は強い心を持っていますよ。」

 

茜「アタシなんかまだまだ、先輩と音羽はアタシよりも『力』も、『意志』も、『技術』も上ですから、アタシが2人とやり合っても瞬殺されるのが落ちですよ。何せアタシが3人の中で1番死にやすいですから、」

 

恋花「茜が1番弱いの!?・・・蓮夜はなんとなく強いのは分かってたけど音羽も?」

 

茜「はい、全力で戦ったら多分かすり傷も与えられないんじゃないですかね?先輩には『範囲、威力共に驚異的だが的が大き過ぎるから当てやすい』て言われますし、音羽にも『攻撃に転用できる部位が人よりも多いけど動きが遅いから当たらない』って言われてますから、」

 

恋花「大き過ぎる的って、・・・そもそも茜のレアスキル的に近づくことも難しいのに、てか硬すぎて傷負わないしすぐ治るからどうしようもないし・・・。」

 

一葉「それにあの攻撃レンジと範囲で当たらないのですか?」

 

茜「・・・言っておきますけど、能力使ったアタシはもっと酷いんですよ。」

 

藍「・・・一葉、茜!見て見て!!」

 

 

彼女の発言に唖然としていると外から元気な声が聞こえる。

それを聞いた彼女達が声のした方を向くとそこには白く小さい何かを抱える藍とその後ろを着いてくる瑤の姿があった。

 

 

茜「終わりにしましょうか。

 

千香瑠「そうですね、2人も戻って来ましたし、

 

一葉「・・・藍に聞かせなくて良かったですね。

 

茜「後で瑤様には伝えておいてください、

 

恋花「まっかせなさーい!

 

 

2人に聞こえない程の小さな声で話しを閉めると彼女達は藍達の元へと向かった。

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