アサルトリリィ Abnormal Transition   作:0IN

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ラスバレ1章61

蓮夜「ヘルヴォルの皆さん、先程は申し訳ございません。」

 

一葉「い、いいえ、事情は茜から聞きましたから・・・お気にならないでください。」

 

蓮夜「ありがとうございます。」

 

 

各々のレギオンで別れていた面々は、先程の部屋に集まっていた。

 

 

蓮夜「先程の内容に戻りますが、私は各レギオンに本標的への接触避けて欲しいのです。」

 

一葉「・・・ですが、」

 

蓮夜「それは皆さんの身を案じてのことなのですよ。」

 

一葉「私達も多くの戦闘を経験していますからその点は心配ないと思いますが、」

 

蓮夜「確かに表ではそうでしょうね。・・・しかし今回の標的は裏の存在・・・それも災害に分類される存在です。そもそも人では相手になりません。」

 

一葉「・・・ですが、私達はリリィ、一般兵器が効かないヒュージに対抗出来る存在です。」

 

蓮夜「次元が違うのですよ。・・・そもそもの話、異能者・獣には現行兵器も問題なく通じはします。」

 

一葉「それなら!」

 

蓮夜「ですが、殺すことは出来ません。」

 

一葉「えっ?」

 

 

現行兵器が通用する。

それはリリィの力が通用するということだ。

それなのにどうして彼は少女達を戦わせたくないのか、一葉は疑問に思いながらも彼に声をかける。

 

するとすぐに答えが帰ってきた・・・理解不能な形で、

 

 

蓮夜「私達異能者は因果律に鑑賞して能力を行使します。・・・これは世界の理における絶対的な命令権、それを自身の持ち得る権限を振るうことでその力をこの世に権限させる。それは無意識下でも発揮されます。・・・例えば、生存本能ですね。」

 

一葉「・・・。」

 

蓮夜「生存本能とは誰もが持つ無意識的な行動理念です。誰もが死を恐れて行動します。それは本能で動く生物程強く働きます。・・・そして本能のまま動き続ける『獣』はその生存本能が高く自身の死にすら何らかの方法で干渉します。・・・私は拒死性と呼んでおり、それ事が本当の脅威なのです。」

 

一葉「つまり撃破できないということですか?」

 

蓮夜「ええ、例え傷を負わせられても、同じく因果律への干渉が可能な異能者出なければ拒死性を上書きすることが出来ず半永久的に戦闘を行うことになります。・・・そして『獣』の体力は無尽蔵、意味は分かりますね。」

 

一葉「最初は優勢だとしても長期戦になり、いずれ負ける。」

 

蓮夜「そういうことです。」

 

 

彼の言葉が理解できると、そのあまりにも理不尽な内容に項垂れる。

確かに勝てる訳が無い、

それもそうだ、彼女達には負けがあるが、『獣』には負けがないのだ。例え有利な状況に持ち込んでも倒しきれずいずれ押し潰されてしまう。

それを理不尽以外になんと言えるだろうか?

 

 

蓮夜「それに能力にもよりますが基本的に異能者は殺傷能力が高い、・・・私達の中でも最も殺傷能力の低い姐さん・・・美鈴様でも世界を相手取って戦えますから、茜に至っては条件次第で天体の破壊も可能です。」

 

茜「アタシだけじゃなくて先輩もでしょう。」

 

蓮夜「私のは条件がかなり厳しいから論外だ。」

 

 

天体の破壊・・・つまりそれは地球を破壊出来るということ、そして殺傷能力の低い人でも世界を相手取れるということはここにいる数人だけで世界に勝てるということだ。

 

群を潰す圧倒的な個、それが彼らの本日なのだろう。

それを知らなかった少女達はあまりにも無力だった。

決して勝てない相手、そんな存在がいるはずがないと思っていた一葉の自信()にヒビが入る。

 

 

叶星「流石に盛りすぎじゃないのかしら?」

 

蓮夜「本当ですよ?・・・そうですね。」

 

 

一葉が俯き動くなってしまい、どう声を掛ければいいか分からないヘルヴォルが視線を右往左往させる中、叶星は彼へと質問を投げかける。

その返答に悩む表情を見せた彼は何かを閃いたのか顔を投げると茜達へと視線を向けた。

 

 

蓮夜「夢結達の中で2人、模擬戦をしてくれないか?姐さん以外で、」

 

美鈴「なんで僕は除外なのさ?」

 

蓮夜「貴方の戦い見たら普通の人は即SAN値直葬だからですよ。」

 

美鈴「・・・解せないね。」

 

蓮夜「・・・そうだな、茜、夢結頼めないかな?」

 

 

彼女の苦言を無視しながら彼は室内を見渡すと、模擬戦に茜と夢結を指名した。

 

 

茜「アタシ達ですか?」

 

夢結「・・・構わないけれど、どうして私と茜さんナノかしら?」

 

蓮夜「音羽だと私以外は一方的になってしまうし、私は説明のためにここにいなくては行けない。そして姐さんは先程言った通り、つまり消去方だ。」

 

夢結「わかったわ、茜さんお願い出来るかしら?」

 

茜「大丈夫ですよ!でもアタシも手を抜きませんから、」

 

 

彼の説明を聞き了承した2人はお互いに声をかける。

その声は普段通りに聞こえたが、しかしその声の裏に何か知っては行けない何かがあると感じとれた。

 

 

蓮夜「訓練室で準備を頼む。・・・それでは彼女達の準備が終わるまで少々お待ちください。」

 

高嶺「今の流れ的にもしかしてですけど、」

 

蓮夜「模擬戦ですよ、・・・異能ありの、」

 

定森「・・・すみません、音羽が一方的とはどのような意味ですか?」

 

蓮夜「それはですね。」

 

 

部屋を出ていく2人を見送ると彼はディスプレイを操作し始める。

そして生まれる静寂の中、定森が出した質問に彼は少し考えるとすぐに答えを返す。

 

 

蓮夜「音羽が出てしまうと一瞬で終わってしまうからですよ。例え彼女達が2人がかりでもね。」

 

 

彼は音羽へと視線を向けると共に意味深な言葉を放った。

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