アサルトリリィ Abnormal Transition 作:0IN
天葉「結構時間が経ってるけれどどうかしたの?」
蓮夜「着替えてるのでそれに時間がかかってるのだ思いますよ。」
天葉「着替え?制服じゃダメなの?」
蓮夜「俺と音羽なら関係ないのですが、あの二人は速度域が違うのでリリィ用の制服でも持たないんですよ。それに自動修復機能付いてませんし、」
依奈「服が勝手に直るのかしら?」
蓮夜「そうですよ、元々異能者や獣の戦闘は怪我を負うこと前提なので修復しないとただのボロ切れになりますし、」
彼は天葉達の質問に答えながらも黙々とディスプレイの操作を続ける。
蓮夜「それにこれには偽装の役割もあるため、身元を特定されないために基本的に皆1着は持ってます。こんな感じのをね。」
叶星「音羽ちゃん!?」
彼がそう呟くと彼の身体に霞だしその姿を曖昧にしていく。
彼が完全に見えなって数秒すると鮮明になるがその姿は先程とはまるで別物となっていた。
先程まで百合ケ丘の制服を男性用にしたものを着ていた彼だが今は黒いロングコートに、ズボンそしてコートに付いてるフードと全身が黒に染まっていた。
天葉達が彼の変化に戸惑っていると、叶星の声が響き渡りそちらを確認すると彼女は音羽を見て驚愕している。
彼女の視線の先には先程までと全く異なる服装をした音羽の姿があり、左腕だけ存在しない灰色のサーコートを着ていた。
頭には服と同色のトリコーンを首には白色のマフラーをしており目以外の顔の部位は見ることが出来ない。
高嶺「随分と雰囲気が違うわね。」
音羽「これを着ると気が引き締まるので、」
蓮夜「私達みたいに夢結達も戦闘服を持っているのです。・・・繋がりました。」
ディスプレイを操作し続けていた彼が手を止めると少女達の前にある画面から映像が流れ出す。
そこには無数のビルが立ち並んだ風景が映し出されておりその隙間からは陽光が差し込んでいた。
彼が席に座り画面に触れると画面の景色は変っていき、ビル同士の間にある通りを映し出した。
そこには身長の倍はある大剣と白色軍服とも修道服とも呼べる服装をした夢結と、紅いフード付きショートコートにショートパンツ、手甲、脚甲をつけた茜の姿があった。
こちらには聞こえて来ないが2人は何か会話をするとお互いに数歩離れ向き直る。
夢結「・・・。」
茜「・・・。」
お互いに見合い数瞬たったその時、2人の姿が掻き消える。
それと同時にお互いの背後のビルにヒビが入りそれはビル全体に広がり建物そのものが砕け散る。
瓦礫の山となった二棟のビル、砂埃により視界の悪くなる中、瓦礫が盛り上がると辺り一帯に散らばる用に吹き飛びその中から2人が現れる。
お互い傷らしきものはなく、散歩をするかのような軽快な歩みで近寄る2人、
夢結「・・・ッ!!。」
ゆっくりとしかし着実に近づく2人、お互いの距離が数m程になった時、夢結が新たな動きを見せる。
彼女は大剣を上段に構えると同時に後ろに飛んだのだ。
その行動を警戒した茜も後ろに下がろうとした時、2人の間に歪みが生まれそこに引き摺られる用にお互いの距離が近づいて行く。
この現象を予想していたであろう夢結は彼女に近づく瞬間大剣を振り下ろし、茜はすぐさま右手を頭上に上げることで防いだ。
茜は足を地面に埋めながら夢結の一撃を防ぐことに成功し、反撃に左手を彼女へと打ち込もうとするが、次の瞬間2人の間にある歪みが元に戻りそれと同時に2人は吹き飛ばされ距離が離れた。
お互い同時に着地する2人だが茜が夢結へと視線を向けると既に彼女の姿はなく完全に見失ってしまった。
茜「・・・。」
周囲を警戒する茜、様々な状況に対応出来るように構えたまま細かくステップで移動を繰り返しながら周囲を見渡す彼女の背後に白い影が姿を現した。
右手を振り下ろす影、それに気づくのが遅れた茜は身体を捻り回避しようとするが一瞬間に合わず背中から鮮血が舞う。
しかし怯むことなく茜は後ろ回し蹴りを繰り出すがそれは空を切りその先には何もいない。
茜「・・・ッ!?」
捕捉し逃した茜は再び周囲を警戒し始めるがやはり夢結を見つけることが出来ずただ時間だけが過ぎる中、再び彼女の背後に影が現れた。
影は先程の再現の用に右手を振り下ろそうとするが、今回は茜も対応が間に合い影の右手と茜の左足がぶつかり合う。
茜が攻撃の正体を確認するとそこには右手と両足を獣のように変えた夢結の姿があり彼女の左頬には黒い模様が浮かんでいた。
地面から離れていた分夢結の力が劣ったのか吹き飛ばされる彼女、しかし彼女は着地すると同時に体勢を低くし一気に茜へと詰め寄り左手に握られた大剣を振り下ろす。
だがそれは茜が右手の甲で簡単に弾いてしまった為不発に終わるが、失敗したとわかった途端夢結は彼女から距離をとり地面はもちろんビルの壁などを足場として茜へと同等の攻めを仕掛けた。
まるで獣のような敏捷性で襲い掛かる夢結、それを茜は冷静に捌くが攻撃の密度が高すぎて徐々にその身体に赤い線が浮き上がる。
攻撃する事に速度を上げる夢結、彼女の姿が画面では見えない程になったその時、
茜「・・・ッ!!」
茜は地面を踏みしめた。
地面は彼女足を中心にヒビ割れ、砕けた破片が宙に浮く、それにより生まれた振動で夢結が動きを止めると、すぐに走り出す茜、ビルを足場に上へと登る彼女はビルの屋上に辿り着くとすぐさま右手を振り下ろし足場にしたビルを砕いた。
それによって完全に足場を失った彼女が下を見るとそこには手足を人のものに戻した夢結の姿があり彼女の左手には彼女の数倍はある火球が存在していた。
夢結は茜を目視すると、左手を彼女へと向ける。すると火球もその動きに従い茜へと迫り炎が彼女を飲み込み爆発した。
飲み込まれたことを確認した夢結は直ぐに火球を生み出し先程茜がいた場所に放とうとした瞬間、
夢結「・・・ッ!?」
夢結の脇腹は抉られ、爆炎の中に黒い影が映し出されていた。