アサルトリリィ Abnormal Transition   作:0IN

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ラスバレ1章63

天葉「・・・ちょっと何よこれ!?」

 

蓮夜「模擬戦ですが?」

 

天葉「規模がおかしいでしょうが規模が!あんなのアルトラ級でもそうならないわよ!!」

 

蓮夜「そう言われましてもあれが現実です。・・・いいや、現実を捻じ曲げ自身の法則を映し出すと言った方が正しいでしょうか。」

 

 

画面内の状況に困惑したまま彼に問いただす天葉、しかし彼はそれを平然と返すと再び視線を画面へと向けた。

そこには脇腹を抉られたまま駆け回る夢結と爆炎の中に佇む大きな影が映し出されていた。

 

 

音羽「これでもまだ小規模。」

 

叶星「音羽ちゃん?・・・流石に冗談よね?」

 

音羽「冗談じゃないです。・・・茜もまだ火力出てないし、たぶん夢結様も広範囲に影響が出る行動を取ってない。・・・でしょう?」

 

蓮夜「やっぱりお前にはわかるか、」

 

音羽「・・・当たり前、だって戦闘スタイルは違うけど癖が似てる。・・・たぶん手札を切るタイプ。」

 

蓮夜「・・・正解。」

 

高嶺「手札・・・駆け引きでもするのかしら?」

 

音羽「はい、・・・元々戦い方とかを蓮夜さんに教えて貰ってるから私達はそっちによってる。・・・茜は微妙だけど、」

 

 

しばらく膠着状態だった戦場、お互いに相手の出方を伺う中今度は茜が動き出す。爆炎に包まれていた影が炎を纏って夢結へと襲いかかったのだ。

それを彼女は跳ぶことで躱すが、それを読んでいたのかすぐさま方向転換し再び彼女へと襲いかかる。

 

 

夢結『・・・ッ!!』

 

 

それを大剣を盾にして身体ごと逸らすことで回避に成功する夢結、しかし体制が悪かった影響で近くにあったビルに激突してしまう。

しかしそれで彼女の正確な位置を補足出来なくなった影は速度を緩め着地すると彼女が激突したビルへと視線を向けた。

しばらくビルを睨む中、影に纏わりついていた炎は次第に消えていきその中から現れたのは、

 

 

定森「ド、ド、ド、ドラゴン!?」

 

灯莉「わ〜!すっご〜い!どうなってるの?」

 

蓮夜「・・・。」

 

 

 

そこに現れたの10mはあろう巨体のドラゴンだった。

その身に纏う鱗は燃え上がるような赤でありまるで茜の髪を連想させる。

 

 

一葉「もしかして茜が言っていた大きな的って・・・。」

 

恋花「間違いなくこれでしょう。・・・確かに大きいわ!」

 

藍「茜大きい!」

 

音羽「・・・。」

 

 

茜であろうドラゴンは重々しく顎を開く。その中からは赤い光溢れ出しており、それは意思があるかな用に動き回り集まり、やがて先程夢結の放った火球の倍はある光球となっていた。彼女はそれを夢結のいると思われるビルへ撃ち込む。

 

目で追えない速度で放たれたソレはビルに着弾すると一気に広がり自身を含んだ辺り一面を飲み込んだ。

光により見えなくなる画面に皆唖然としていると光は納まっていきそこには灰だけが残されていた。

標的のビル以外のビルも瓦礫も全てが灰となって燃え尽きる。赤熱化し硝子状になった地面、その中でドラゴンは悠然と立っている。その身体には傷はなく何事もなかったかなようにただある一点・・・光球を打ち込んだビルのあった場所を見続ける彼女は再び顎を開き光球を作り出していた。

 

 

天葉「何よこれ・・・戦術兵器の方がマシじゃない。」

 

依奈「アレを向けられたら・・・どうしようもないわね。」

 

蓮夜「・・・まだまだだな。」

 

音羽「・・・詰めが甘い。」

 

天葉「詰めが甘いってあれで!?」

 

蓮夜「そうです。・・・あんな中途半端な攻撃じゃ傷1つつきません。だから彼女はもう一度攻撃の準備をしているのですよ。」

 

 

 

彼が天葉の疑問に答えていると茜は光球を打ち出した。

それは先程と同じルートを通り地面にぶつかる寸前、跡形もなく消えてしまう。

元々存在しないかのように消えた光球、その着弾地点に目を向けるとそこには右手を突き出した夢結の姿があった。

彼女の右手を黒く得体の知れない何かが覆っておりそれは爪の形状をしてその規則的に並んだ見た目からまるで牙を連想させる。

そんな得体の知れない何かを纏う夢結は先程とは違う姿をしていた。

 

透き通るような淡い金色をした翼、それが彼女から生えているのだ。軽く羽ばたく度に羽が舞い散る翼、それはその色も相まって幻想的であり現実ではないように感じさせる。

 

そんな彼女を見た茜は羽ばたくとその巨体を浮かし空から火の雨を降らせる。

触れた地面が溶ける程の圧倒的な熱量を秘めた炎は夢結へと襲いかかる。

しかし彼女は慌てることなく炎へと右手を翳すと吸い込まれるように何処かへ消えてしまったのだ。

 

 

夢結『・・・。』

 

 

焼けた大地を臆することなく進む夢結、それを見た茜は彼女へと襲いかかる。

空中から落下するように振るわれる爪、それを大剣をで受け流すと腹部目掛けて刃を振るう。

しかしそれは鱗に弾かれてしまい、体勢を崩した所に尻尾を打ち付けられ遠くへと弾き飛ばされてしまう。

 

 

そこに追撃の光球を撃ち込もうとする茜だが、その時には既に夢結が迫ってきており撃つ隙を与えない。

 

近づいては離され、離れては近づかれを繰り返す2人、お互いに決定打のない両者は同時に動き出す。

 

お互いに距離を離したのだ。

まるで相手に邪魔をされないために、

 

 

 

夢結『・・・。』

 

茜『・・・!!』

 

 

 

茜は顎を夢結は左手を天へと突き出す。

茜は顎内に光球を生み出し夢結は白い鎖を生み出す。

それまではその光景を見ている少女達も見たことのあるものだか、それは何もかもが違った。

お互いに自身を覆い尽くすほどの光球と鎖、それが時間が経つと共に光を強める。

 

その光が最高点まで達した時、2人はお互いにそれを解き放った。

 

光球と鎖が衝突する瞬間、再び辺りを光が包んだ。

 

 

蓮夜「終わりましたね。・・・迎えに行ってきますので少々お待ちを、」

 

 

彼はそれを見ると廊下へと出ていった。

彼が出ていきしばらくした時、光が収まりそこには、

 

 

全身を鎖に縛られるドラゴンの姿をした茜と左手足が灰になった夢結の姿があった。

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