アサルトリリィ Abnormal Transition 作:0IN
ある日一柳隊は海岸に異変が起きたためその調査に来ていた。
楓「まったく・・・派手にやらかしてくれたものね・・・。」
梨璃「昨日って戦闘ありましたっけ?」
二水「いえ、昨日は何も無かったはずです。」
ミリアム「共食いでもしたんじゃろうか?」
二水「ヒュージを形作るのは全てマギの力だから、ヒュージはものを食べたりしないはずです。」
梨璃「あっ・・・。」
梨璃は何かに気付きその場を離れる。
神琳「マギを失えば、ヒュージはその巨体を維持出来ずその場で崩壊するはずよ・・・。軟組織は一晩もあれば無機質にまで分解され、骨格も数日で・・・。」
鶴紗「それがまさにいま・・・。」
雨嘉「この匂いまだマシな方・・・。」
蓮夜「これでマシって・・・やばい時はどんだけだよ・・・。」
梨璃「・・・?」
その時梨璃は何かの繭のようなものを発見し、恐る恐るCHARMを向けて近づけると、
『バチッ』
CHARMが突如反応し、CHARMと繭の間に電流のようなものが走った。
梨璃「わっ!・・・え、何いまの?」
梨璃が自身のCHARMを不思議そうに見ていると、
二水「梨璃どうしたんですか?」
梨璃「あっ、二水ちゃん。今CHARMが・・・。」
二水「えっ?り、梨璃さん!」
二水は彼女の後ろを方を見て驚いていた。
梨璃「え?二水ちゃん、どうしたの?」
そこに梅と楓もやってくる。
梅「どうした?」
楓「なにか見つかりまして?」
梨璃「いえ、なんでもCHARMがちょっと。」
二水「り、梨璃さんう、後ろ。」
二水が顔を青くして梨璃の後ろを指さす。
梨璃が後ろを振り返ろうとすると、
梨璃「えっ?うわぁぁっ!!」
梨璃と似た髪色の少女が梨璃に抱きついていた。
その光景に周りも驚愕している。
夢結「梨璃、何をしているの?・・・!」
梨璃「お、お姉様・・・。」
梅「なんでこんなところに人がいるんだ?」
???「あっ・・・。」
梨璃「あっ・・・?」
???「ハックション!!」
梨璃「うわぁぁぁっ!?」
蓮夜「なにかあったのか?」
夢結「あなたは身のためにも見ない方がいいわ。」
蓮夜「・・・?なんかやな予感するし見ないでおく。」
こうして一柳隊は少女を保護し学院に向かった。
海岸で保護した少女は治療室で眠っていた。
楓「ふぁ〜。こんなところにいても私たちにできることなどありませんわ。」
夢結「出来ることはしたわ・・・梨璃、行きましょう。」
梨璃「あの・・・わたしもう少しここに居ていいですか?」
夢結「・・・わかったわ。」
梨璃「はい・・・。」
蓮夜「それなら俺も百由に呼ばれてるから・・・なんかあったら連絡してくれよ?できる限りの事はするか。」
梨璃「はい、ありがとうございます。」
百由「海岸で少女をね・・・。」
蓮夜「ちょっとおかしいと思ってな?」
百由「ヒュージの残骸の側ででしょう・・・普通に考えてありえないわ・・・。」
蓮夜「やっぱりか・・・船か何かに乗っててそこをヒュージに襲われたかと思ったんだが梨璃さんに聞いたら外傷はないみたいだし・・・普通何らかの痣や擦り傷程度はできていてもおかしくないんだが・・・。」
百由「ともかく目覚めて見たいと分からないわね?」
蓮夜「そうだな・・・とにかくそういうことだから。」
百由「ええ、わかったわ。それと蓮夜。」
蓮夜「なんだ?」
百由「アレ・・・2日後には完成しそうよ。」
蓮夜「まじか、それじゃそれまでに他のものを準備しておく。」
百由「それじゃ2日後にここに来て。」
蓮夜「わかった、それじゃな。」
百由「ええ、さようなら。」
彼は百由の部屋から出ていった。
楓「治療室はお喋り禁止なんですのよ。せっかく梨璃さんといたところで黙ったままどうしろと?」
鶴紗「見舞えよ。」
梅「意外だな。【黙っていても出来ることはありますわ。】とか何とか言うかと思ってたのに。」
梅が楓のマネをしてそう行ってみると、
楓「なるほど!その手がありましたわ!」
ミリアム「あるかー!!」
蓮夜「本当にブレないな・・・。」
夢結「蓮夜あなた来ていたの。」
蓮夜「ちょうど今な。それで梨璃さんの方はなんかあったか?」
夢結「いいえ、梨璃からは何も連絡はないわ。」
梨璃「お姉様!」
梨璃が教材を持って駆け寄ってきた。
夢結「梨璃、どうしたの?そんなに慌てて、あの子が目を覚ましたの?」
梨璃「いえ、まだ寝てます・・・ぐっすり。わたしお姉様に戦術理論で教えて欲しいところがあったんですけど。」
「キンコーン」
鐘の音が学院内に鳴り響く。
梨璃「うわー。間に合わなかった!これから講義なんです。ごきげんようお姉様。」
彼女は慌てて講義へと向かった。
梅「夢結は授業ないんだっけ?」
夢結「取れる単位は1年生の間に全部取ってしまったから。」
梅「あっそ。じゃあな。」
夢結「ごきげんよう。」
蓮夜「俺は1年の頃いなかったから追加だぞ・・・そうだ講師を論破しまくれば・・・。」
夢結「・・・やめなさい。」
彼も講義のためにもこの場を後にする。
みんなを見送りテーブルを見るとそこには梨璃の忘れていった教科書があった。
夢結「ふふっ・・・そそっかしいんだから。」
蓮夜「あの子・・・リリィだったのか。」
百由「ええ、それにスキラー値が50で梨璃ちゃんと同じみたいなの。」
蓮夜「そうか・・・。」
百由「何か思う事でもあるの?」
蓮夜「いや、なんだかやな予感がしてな・・・。」
百由「それって彼女が何かするかもって言うこと?」
蓮夜「いいや、そうじゃなくて彼女に何かやばい事が起きそうな予感がするんだよ・・・。」
百由「そう言われてもね・・・。」
蓮夜「専門じゃ無いかもしれないが彼女のDNAとかを調べてみてくれないか?そうすれば彼女本人のことや親の場所とが何かわかるかもしれないから。」
百由「これは・・・そういうことだったのね・・・やられたわ。」
彼女の目の前には食べかけのチーズケーキが乗ったお皿があった。
蓮夜「暇な時とかでいいから頼む。」
百由「わかったわ。私も気になってはいたし。・・・それでアレの調子はどう?」
蓮夜「最高だ。どれだけ無茶な使い方をしても壊れないし、これならノインヴェルトも問題なく出来る。本当にありがとうな。戦技競技会でお披露目するのが楽しみだ。」
百由「どういたしまして、こっちも新しい発見ができて面白かったわ。」
そして彼が部屋を出て行く。
百由「それにしてもよくあんなのが思いついたわね・・・。」
彼女が立ち上げた画面に映っていた設計図には、
『DC-00:Orthrus』と書かれていた。
梨璃に呼ばれて一柳隊のメンバーは控え室に集まっていた。
雨嘉「あの子リリィだったの・・・。」
梅「どこの誰だかわかったのか?」
梨璃「そ、それは、何も思い出せないみたいで・・・。」
神琳「差し出がましいですが梨璃さん、少々入れ込み過ぎではありませんか?」
梨璃「あの子にだって家族や大切な友達がどこかにいるんです。それを思い出せないって自分の全部が無くなっちゃったのと同じだと思うんです。だから・・・せめて一緒に居てあげたくて・・・。」
楓「だとしてもそれが梨璃さんの役割である必然性のないことはわかってらっしゃいます?」
梨璃「それは・・・そうなのかもしれないけど」
夢結「あなたは一柳隊のリーダーよ。その穴は誰にも埋め合わせる事は出来ません。埋められないものは埋まりません・・・が、それでも何とかするしかないでしょう・・・心配しないで梨璃。」
梨璃「は、はい!・・・ありがとうございます、私のわがままで・・・。」
夢結「わがままでは無いわ、それは思いやりよ。堂々となさい。」
神琳「こんな時代だもの、誰だって身近な誰かが傷ついているわ。」
雨嘉「手の届くところなら手を伸ばしたいのね。」
梅「そうだ、梅は羨ましいぞ!」
鶴紗「気持ちはわかる。」
楓「私だって異存ございませんわ。」
ミリアム「なんでも申してみい。」
二水「私もお手伝いします。」
蓮夜「そうだぞ、このメンバーは梨璃さんのそういうところに引かれて集まったんだ。だからもっとみんなのことを頼れ。」
梨璃「みんな・・・ありがとうございます。」
そう言うと彼女は、扉に向かい、
梨璃「じゃあ、行ってきます!」
彼女は少女の元へ向かった。
夢結「一度言い出したら聞かなくて、それでいて一度にいくつもの事をこなせる程器用ではないんだから。」
楓「本当に、退屈しないお方ですわ。」
ふとテーブルを見ると紅茶の入ったカップに波紋ができており、足元を見ると、
楓「どうかなさいまして、夢結様?」
夢結「何か?」
楓「夢結様、そうは言ったもののどこか落ち着かないのではありません?」
夢結「・・・多少・・・。」
楓「胸の内がザワザワと?」
夢結「・・・かも、知れないわね。」
楓「ささくれがチクチクと痛むような?」
夢結「何故それを・・・?。」
楓「夢結様、それはヤキモチです。」
夢結「ヤキモチ?・・・私が誰に?」
楓「もちろん梨璃さんの大事なあの子にですわ。」
夢結「・・・楽しそうね、楓さん。」
楓「ええ。それはもう。一匹狼として仲間からも恐れられた夢結様が、梨璃ロスで禁断症状とは。ぷぷーっですわ。」
夢結「梨璃ロッ・・・!?」
楓「ことこのことにかけては、私に一日の長がありましてよ!」
鶴紗「威張ることか・・・。」
その光景を彼は嬉しそうに見ており、
梅「蓮夜、どうしたんだ?」
蓮夜「ああ、夢結があんな表情するのはいつぶりかなと思ってな?」
梅「そうだな・・・。」
蓮夜「少しづつだけど前みたいに戻り初めて嬉しいんだよ。」
夢結「あなた達、何を話しているの?」
梅「いいや、特になんにもないぞ?」
蓮夜「そんなことよりも、梨璃ロスってなんだよ?・・・あっ、いつも楓さんがなってるやつか!」
楓「どういう意味ですか!」
このような感じでしばらく意味の無い雑談が続いた。
数日後、夢結が紅茶を飲んでいると、
梨璃「ごきげんよう、お姉様。」
声の方を向くとそのには梨璃がいた。
梨璃「お隣いいですか。」
夢結「ええ、どうぞ、梨璃。」
梨璃「ご無沙汰してました!お姉様!」
梨璃は夢結に抱きつく、
夢結「どうしたの?ちゃんとしなさい。」
梨璃がテーブルを見るとそこには自分が無くしたはずの教科書があった。
梨璃「あっ!それわたしの教本!お姉様が持っていてくれたんですか?」
夢結「さぁ、たまたまよ。」
梨璃「ありがとうございます。」
彼女達の後ろで、
楓「聞いてられませんわ!」
神琳が楓にハンカチを差し出し、
神琳「さぁ、これで涙を。」
楓「泣いてませんわ!」
夢結「・・・?」
夢結は肩への重みに気が付き隣を見ると、そこには1人の少女が頭を自身の肩に乗せていた。
夢結「あなた・・・この間の・・・。」
ミリアム「ほう、元気になったか?」
二水「で、その制服!」
梨璃「うん、正式に百合ケ丘の生徒にして貰ったって。」
雨嘉「編入されたってこと?」
神琳「まぁ、可愛い。」
梨璃「ほら、ご挨拶して、こちらは夢結様だよ。」
???「ゆゆ?」
梨璃「もう、ちゃんと練習したでしょう?自己紹介しようよ。」
???「なんで?」
ミリアム「なんじゃ、梨璃とこの娘?」
二水「姉と妹って感じです。」
楓「ちょっとあなた達狭いわよ。」
鶴紗「もっと詰めろ。」
梅「私も見たいぞ!」
少女はテーブルに置いてあるスコーンが気になるようで、
???「これなに?」
夢結「スコーンよ、食べたいの?食いしん坊さんね、誰かさんのようだわ。」
梨璃「わたしですか!」
梅「夢結にもう1人シルトができたみたいだ!」
???「食べていい?」
夢結「ちゃんと手を吹くのよ。」
雨嘉「妹と言うか・・・。」
ミリアム「・・・母と娘じゃな。」
???「ゆゆ、お母さん?」
夢結「産んでないわよ。」
???「じゃあお父さん?」
夢結「違いますから。」
楓「で、この子の名前はわかったのですの?」
梨璃「それが・・・まだ記憶が戻ってなくて・・・。」
梅「それじゃ、今までなんて呼んでいたんだ?」
梨璃「えっ!?」
二水「1週間近くありましたよね?」
梨璃「それは・・・。」
夢結「言ってご覧なさい、梨璃。」
???「結梨。」
夢結「!?」
夢結は少し紅茶を吹き出す。
楓「はぁ!?」
梨璃「うぁあ、それは・・・。」
結梨「わたし結梨!梨璃が言ってた。」
梨璃「そ、それは、本名を思い出すまでの世を忍ぶ仮の名で」
二水「それ、わたしが夢結様と梨璃さんにつけたカップネームじゃないですか!」
梨璃「い、いえ、あ、あのそれは・・・。」
神琳「あら、いいんじゃないでしょうか。」
雨嘉「似合っる・・・と、思う。」
梅「なんか、愛の結晶って感じだな。」
鶴紗「一緒に猫缶食うか?」
蓮夜「食わすな!」
梨璃「あ、黒鉄さん。」
蓮夜「騒がしいから何やってんのかと思ったが・・・ん?」
彼はようやく結梨に気づき、
蓮夜「あの時の・・・はじめましてかな?俺の名前は黒鉄 蓮夜、よろしくね・・・えっと・・・?」
結梨「結梨!」
蓮夜「ありがとう。もう一度、よろしくね、結梨さん。」
結梨「よろしく、蓮夜。」
蓮夜「ああ、よろしく。」
彼が結梨に挨拶をしていると、
二水「そこで何をしているんですか楓さんは?」
楓「い、いつの間にやら、既成事実が積み重ねられてますわ!」
ミリアム「じゃあ決まりじゃの。」
二水「その名前でレギオンにも登録しゃいますね。」
梨璃「二水ちゃん!?」
二水「苗字はひとまず一柳さんにしときますね?」
梨璃「ええ!?」
夢結「いいんじゃないかしら?梨璃。」
結梨「美味しい。」
ミリアム「あ、いいな、わしにもくれ。」
こうして少女の名前が『一柳 結梨』に決まり、正式に一柳隊の仲間になった。