アサルトリリィ Abnormal Transition 作:0IN
天葉「・・・依奈、」
依奈「・・・。」
天葉「貴方ならどうする?」
依奈「・・・。」
画面から目を離すことなく依奈へと問いかける天葉、それに対して反応することなく無言で画面を見続ける彼女の表情は険しいものだった。
叶星「音羽ちゃん。」
音羽「・・・まだましです。」
叶星「やっぱりそうなのね。」
音羽「今のも様子見しすぎて能力を生かしきれてなかったですから。」
定森「結構大暴れしてるように見たけど!?」
音羽「・・・あんなの序の口、最後の方でやっと調子が出てきていたけど、それに茜は殲滅力だけなら私達の中でも随一、街一つ消えてないだけでも・・・、」
叶星「もうわかったから大丈夫よ。・・・でもこれを見せられちゃうと彼の言葉の正当性が増すわね。」
普段口数の少ない音羽から漏れ出す言葉に微かな怒りを感じた叶星は彼女から目を逸らしながら悩ましい表情をし始めた。
高嶺「ならアレもこれほどの被害を出すのかしら?」
音羽「・・・分かりません。ただ物理的にはここまで出ないと思います。」
高嶺「物理的・・・なら他の被害は?」
音羽「情報、精神、人的被害は茜以上、だから早く眠らせてあげないと・・・これ以上赤く汚れてしまう前に、」
高嶺「・・・そう、」
その言葉を最後に黙ってしまう音羽、その表情はどこか悲しげでありそれを見た高嶺は画面へと視線を戻した。
すると画面内には人の姿に戻り背伸びをする茜と左半身が光の羽に覆われている夢結、そんな2人の様子を見ながら映像を逆再生させるようにビル群を生み出している彼の姿が映し出されていた。
ミリアム「・・・いつ見ても非常識な光景じゃのう。」
鶴紗「確かに翼なんて生えないからな。」
ミリアム「そっちじゃないわい!!ビルが生えてくるほうじゃ!!」
梨璃「・・・そうですか?」
楓「梨璃さん・・・。」
二水「常識が壊されてますよ!?」
神琳「可哀想に・・・。」
梨璃「皆さん酷くないですか!?!?」
当たり前と言わんばかりの梨璃の反応にレギオンメンバーは彼女を見ながら悲しげの表情を向ける。
その反応に梨璃は声を荒らげながら抗議の声をあげるが彼女達はそれを気にすることなく梨璃をからかい続ける。
そのおかげか少し暗くなっていた室内の雰囲気が緩和されたのか皆の雰囲気が明るい方へと向き始めた。
蓮夜「お待たせしました。」
茜「いや〜、強かったよ。」
音羽「・・・油断しすぎ、」
茜「うへぇ、いきなり辛辣、」
梨璃「お姉様、大丈夫でしたか!」
夢結「ええ、大丈夫よ。」
天葉「いや、あれ見て大丈夫だとは思えないわよ。」
いつの間にか画面から消えていた3人が戻って来ており音羽は茜に冷たい声で苦言を述べるとそれを痛そうな表情で頬をひくつかせ、梨璃は夢結へと抱きつくと先程まで無くなっていた左半身を触りだす。
そんな彼女に苦笑しながら頭を撫でる夢結、そんな姿を見た天葉は焦りの表情ながらツッコミを入れた。
夢結「・・・そうかしら?」
天葉「そうよ!?というよりなんで間が空いたの!?そんなに自覚なかったわけ!?」
夢結「そうね・・・手足が無くなるくらいならかすり傷じゃないかしら?」
天葉「普通に重症よ!!」
天葉の反応に首を傾げる夢結、そんな彼女の姿に頭を押えながらため息を吐くと蓮夜へ非難の目を向ける。
蓮夜「・・・確かに中途半端だったな。」
音羽「・・・待ちすぎ、」
茜「でも、相手を把握してから動かないとこっちg、」
蓮夜「音羽の言った通り待ちすぎだ。お前の能力は相手に合わせるものではなく自身から仕掛けていくものだからな。慢心もいいが足元を掬われるぞ。」
茜「・・・はい、」
その視線の先にある彼は音羽と茜と先程の戦闘のおさらいをしており、茜に対してそれぞれが苦言を述べていく。
それを受ける彼女の表情は引き攣り何か言い返そうとするがそれを正論でねじ伏せられるため口を閉ざしてしまう。
天葉「ちょっと蓮夜!!」
蓮夜「どうかしましたか?」
天葉「どうかしたもないわよ!夢結がおかしくなっちゃてるじゃない!?どうするのよ!!」
夢結「・・・何処がおかしいのかしら?」
天葉「貴方は黙ってなさい!!」
蓮夜「そう言われましてもこちらではあれが当たり前なので・・・。」
天葉「四肢が欠損するのが当たり前ってどんだけ頭いかれてるの!?」
蓮夜「・・・いかれてないと生き残れませんから、」
天葉「っ!?」
半ば八つ当たりのような天葉の言葉、それを聞いた彼は1度視線を落とすと静かに彼女へと視線を向ける。
その瞬間に彼女の身体を冷たい風が吹き抜けた。
身体の芯から冷めていき、まるで自身の内から食い破られるかのような錯覚に陥るほどの痛みすら感じる気配、それを感じて彼女は改めて理解した。
天葉「貴方達はそうやって生きてきたのね・・・。」
蓮夜「そうですね・・・異能者に
天葉「そう・・・、」
彼の答えを聞き話を切る天葉、そんな彼女を見つめる瞳は深く濁っていた。