アサルトリリィ Abnormal Transition   作:0IN

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ラスバレ1章71

音羽「これから先は夢結自身の決めてください。・・・茜、行くよ。」

 

茜「えっ!?アタシの出番はなしなの!?」

 

 

その一言を最後に部屋を出ていく音羽、それを追うように茜も外へと出ていくと室内は静寂に包まれた。

 

 

夢結「・・・。」

 

梨璃「お姉様・・・。」

 

夢結「少し席を外すわね。」

 

 

沈黙の中心配そうな梨璃の表情を見た夢結は、席を立つと外へと出ていってしまう。

それを追おうと梨璃も席を立つが、神琳が彼女の手を握ることで止めた。

 

 

神琳「梨璃さん、今は1人にさせてあげてください。」

 

梨璃「・・・でも、」

 

神琳「今追っても夢結様が余計に悩んでしまうだけです。・・・今のあの人には時間が必要なんですよ。」

 

梨璃「・・・わかりました。」

 

 

神琳の言葉を聞き表情を曇らせる梨璃、彼女が顔を俯かせること数秒、1度深呼吸をした梨璃は席に座り治すと自信の持つ端末を操作し始めた。

 

 

梨璃「お姉様が考えているあいだ私達もできることをしましょう!」

 

ミリアム「できることってなんじゃ?」

 

鶴紗「・・・そもそも今日は何をするんだ?」

 

梅「そういえば聞いてなかったな・・・。梨璃、何をするんだ?」

 

梨璃「それはですね・・・これです!!」

 

 

梅の質問に端末を操作していた梨璃は再び立ち上がると部屋の隅へと移動し端末を床に置いた。すると端末の周囲にノイズが発生すると同時に8つのアタッシュケースが姿を表した。

 

 

楓「これは・・・まさか!」

 

神琳「・・・完成したんですね。」

 

梨璃「はい!今朝預かりました!」

 

鶴紗「・・・そもそも、これ、どうやって持ってたんだ?」

 

梨璃「えっと・・・詳しくは分からないんですねど私の端末を改造?したらしくて・・・それで擬似拡張空間?を付与したらしいです。」

 

ミリアム「・・・前に魔が付いとらんか?」

 

雨嘉「・・・絶対についてる。」

 

梨璃「それは置いておいて皆さん開けてみてください!」

 

 

彼女の言葉に促せるようにアタッシュケースの前に集まる面々、アタッシュケースにはそれぞれの名前が書いてあり、その横にはこのCHARMの名称であろう名前が書いてあった。

 

 

鶴紗「・・・紅薊(べにあざみ)か、」

 

鶴紗の手には五枚の爪が重なったような等身を持つ大剣が、

 

 

二水「・・・残華(ざんか)、これが私の、」

 

 

神琳「双蕣(そうしゅん)・・・確か蕣は朝顔の別称でしたか、」

 

神琳の両腕には棺桶形のプレートが、

 

雨嘉「束華(そうか)?読み方あってるのかな?」

 

雨嘉の手には大振りの弓が、

 

梅「T・染四片(そめよひら)・・・コレ、変わりすぎじゃないか?」

 

梅の両手には新しくなった(異形となった)愛機が、

 

楓「SM(ジョワユーズ)I(アイリス)C(カスタム)・・・私のは大丈夫そうですわね。・・・確かアイリスの花言葉は、」

 

楓の手には変わらぬ愛機が、

 

結梨「ぉお!・・・何これ?」

 

結梨の背には大振りのバックパックと指に嵌められた10の指輪が、

 

 

それぞれの新たな力が脈動を打つかのようにクリスタルに輝きを宿した。

 

 

 

 

 

少女達が新たな道を歩もうとする時、蓮夜は1人佇んでいた。

その周りには何も存在しておらず彼は1度溜息をつくと地面に腰掛けると同時に地面から壁が生え彼の身体を支える。

 

 

蓮夜「あの人逃げたな・・・。確かに実戦では正解だけど流石に酷いでしょう。」

 

 

先程までいた美鈴は状況が悪くなったのかその場から離れたようでそれに気づいた彼は身体の力を抜き空を見上げる。

 

 

蓮夜「・・・でもあの感覚、悪くなかった・・・いいや、馴染み過ぎてたって言うべきかな?」

 

 

彼は何かを掴むように天へと右手を伸ばすと何回か開いては閉じを繰り返す。

 

 

蓮夜「まだ抵抗はあるけど、使えるものは使わないと・・・。」

 

 

そういうと下げていた左手を右手と同じ位置に上げ、両手のあいだに光を生み出す。

 

 

蓮夜「Apocalypsis(禁忌目録)か・・・この場合は赤き竜かな?黙示録に出てくる禁忌。世界で最も罪ない人を殺すことに向いている僕にはお似合いだ。」

 

 

それと同時に彼の背後の壁が崩れその中から7機の白剣が姿を表した。

7つの剣は1本の大剣と6本の十字剣に別れており、大剣は幅広で切先は存在せず俗に言うならエクスキューソナー(処刑人の剣)と呼ばれるものであり、十字剣も刀身が二又に別れており、ノコギリ状の刃はまるで牙の剥き出しとなった顎を連想させる。

 

 

蓮夜「・・・やっぱりお前もこっちに引っ張られて来たんだな。」

 

 

その刃は彼が手を動かすとそれに合わせるように滑らかに宙を舞う。

軽やかに時には荒々しく、しばらく彼はその動きを見るとそっと手を下ろしそれと同時に剣も彼の前に並んだ。

 

 

蓮夜「・・・こっちは少し慣れが必要だけど、表でも使えそうだね。」

 

 

彼が立ち上がると剣達はその後ろに控えるそうに移動する。

 

 

蓮夜「僕達は何があろうとも進み続けないとならない。僕の彼女のために、それには僕には()が足りない。だから彼女を守るための()になってくれ、どこまでも広がり届く(こわす)その刃で、」

 

 

彼は振り返るとそれに向かって手を差し伸べる。

 

 

蓮夜「そうだ、名前が必要だね。・・・初めて僕の意思で生み出された力、ならそれにふさわしい名前がいい。・・・広がり消えない僕の望んだ・・・そうだ!」

 

 

差し伸べた手に大剣が近づき刀身の腹を添えると、それを見た彼は笑うと付き物の落ちたように明るい表情になった。

 

 

蓮夜「これからよろしく頼むよ。『白夜』」

 

 

剣達は彼に名前を呼ばれるとそれに答えるように刃を淡く光らせた。

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