アサルトリリィ Abnormal Transition 作:0IN
百由「なんで・・・こうなるのかしらね・・・。」
日をまたいだ時間、彼女は自室の椅子に座り俯いていた。
親しかった2人が居なくなったことでその表情いつもの明るいものとは真逆で暗くなっていた。
『ピリリリ、ピリリリ』
端末が鳴る。
理事長代行からかと思いそのまま出ると、
百由「はい・・・理事長代行ですか・・・。」
???『ハァハァ・・・出てくれた・・・。』
百由「!?」
代行ではなくそれは彼女のよく知っている人物で、
百由「蓮夜!!」
蓮夜『・・・ああ。』
百由「あなた無事だったの!」
蓮夜『俺は一様命に別状はない・・・だけど・・・結梨さんが・・・。』
百由「結梨ちゃんもいるの!」
蓮夜『いるぞ。・・・だけど急がないと命に関わるかもしれない。』
百由「・・・!」
蓮夜『今は俺のスキルで治療しているがもうそろそろマギが尽きる。だから俺の端末の信号を頼りに救助読んでくれ・・・。』
百由「わかったわ!すぐに向かわせるから死ぬんじゃないわよ!」
蓮夜『ああ、頼む・・・。』
通信が切れると彼女はすぐに代行に連絡を入れた。
その後すぐに信号を元に2人を発見し2人は救助された。
2人が見つかったことはすぐに一柳隊の全員に伝わり、彼女達はすぐに治療室に向かった。
梅「2人とも無事なのか!」
蓮夜「俺は大丈夫だが・・・。」
毛布にくるまり椅子に座る彼がベットへと目を向けると、
そこには結梨が眠っていた。
蓮夜「脳にダメージがあるらしい・・・目を覚ます可能性はかなり低いらしい・・・。」
神琳「そんな・・・。」
ミリアム「嘘・・・じゃろ。」
夢結「・・・。」
楓「それでは・・・梨璃さんが・・・。」
楓の言葉に梨璃が居ないことに気づいた彼は、
蓮夜「・・・梨璃さんは?」
夢結「梨璃は謹慎処分を受けているわ・・・期間は1週間よ。」
蓮夜「そうか・・・。」
神琳「すいません。今は答えづらいかも知れませんが、どのようにしてあの爆発を凌いだのでしょうか?」
蓮夜「ああ、それは簡単に言うと結梨さんに近づいてそのまま持ってる防御系の全ギアをばらまいて防御したんだよ・・・それでも完全に防ぎ切れなくてな、そのまま吹き飛ばされて気を失って、気がついたら結梨さんが重症でだったからスキルで治療してたんだが、マギが底つきかけてな。そのまま救助されたわけだ。」
彼の横には彼のCHARMが立て掛けてあったが、その刀身と銃身は無惨な姿になっておりあの爆発がどれだけの威力だったかがわかった。
その後、彼もの検査が終わり身体に異常がないことが分かりそこで解散となった。
梨璃「・・・。」
梨璃が部屋の隅でうずくまっていると、突然ドアが開いた。
夢結「梨璃・・・。」
梨璃「夢結様・・・どうしてここに?誰とも合えないって・・・。」
夢結「シュッツエンゲルの特権ね・・・と、言ってもほんの10分程度だけど・・・。どうかしら?具合は。」
梨璃「分からないです・・・。」
夢結「そうね・・・馬鹿な質問だったわ・・・。」
梨璃「・・・いいえ。」
夢結は彼女の隣に座り。
夢結「梨璃・・・2人とも生きていたわよ。」
梨璃「・・・えっ!」
その言葉に梨璃は顔を上げ夢結の顔を見る。
梨璃「2人とも無事だったんですか!」
夢結は一瞬躊躇いながら、
夢結「蓮夜は異常なしだったのだけど・・・結梨が・・・。」
梨璃「結梨ちゃん・・・何かあったんですか・・・。」
夢結「脳にダメージを受けたらしく、意識を取り戻す可能性が低いそうよ・・・。」
梨璃「そんな・・・。」
夢結が彼女の頭を撫でようとすると、
夢結「梨璃、あなた髪飾りは?」
梨璃「えっ?ああ・・・そうですね。無くなっちゃったんですね・・・。」
面会時間が終わり夢結が外に出ると、
楓「私の部屋にもこんな自動ドアが欲しいですわ。」
夢結「施設科に上申なさい。」
楓「いちいち口にしなくたってリリィなどしていれば何かしら抱えているものですわ!おひとり様など気取っていなで少しは周りを頼ってはいかがと申し上げているのです。」
夢結「あっ・・・。」
楓「本当、めんどくさいお方ですわ!」
楓「髪飾り・・・あの四葉のクローバーのですか?」
二水「そういえば無くなってたかも・・・」
鶴紗「夢結様はそれを探すつもりか?」
夢結「ええ・・・。」
ミリアム「とはいえ、ひとりじゃ無理じゃろうな・・・。」
楓「まさか浜辺で無くした髪飾りを探す話とは、思いもよりませんでしたわ。」
夢結「頼れと言ったのは楓さんでしょう。」
蓮夜「楓さん、自分で言ったんだからその言い方はやめないか・・・それと夢結はいじけない。」
夢結「・・・いじけてないわよ・・・。今の梨璃は心に硬い殻を作ってしまっているわ。後悔や悲しみをその内側に押し込み続ければいつか自分を自分で呪うようになるでしょう・・・。」
蓮夜「・・・。」
楓「まるで誰かさんのようですわね。」
夢結「梨璃にはそんな風になって貰いたくないの・・・。」
神琳「髪飾りが見つかれば、梨璃さんが立ち直ると?」
夢結「・・・。」
全員無言になり、
楓「わかりましたわ!やりゃいいんでしょう!」
神琳「奇跡は自らの手で起こすものです。普通の人なら無理だとしても私達にはレアスキルがあります。」
鶴紗「捜し物に便利なレアスキルなんてあったか?」
神琳「レアスキルは組み合わせることで無限の可能性を引き出せます。特に私のテスタメントは増幅系のレアスキルですからそれで知覚系のレアスキルを強化して、」
二水「そっか!わたしの鷹の目を強化してもらえばいいんですね!」
楓「あら〜、私のレジスタだって知覚系ですわよ。」
ミリアム「ならばわしはフェイストランセンデンスでマギの供給か〜。雨嘉と鶴紗はなんじゃったっけ?」
雨嘉「わたしのは天の秤目、ナノレベルで対象の位置を把握できる。」
鶴紗「ファンタズム、未来予知みたいなもん」
神琳「知覚系が多いのは幸いね。え〜と、夢結様は・・・あっ!」
夢結「私のルナティックトランサーなんてどうせ馬鹿みたいに暴れるだけで・・・」
夢結は自身のレアスキルが全く役に立たないことに落ち込んでいた。
梅「気にすんな!私の縮地だってここじゃ役に立たないから。」
蓮夜「そうだぞ!俺のアルターエゴだってこういう場面だと役立たずだし、2年組は全滅だから気にするな!」
夢結を励ましていると、
二水「あれ?確か黒鉄さんのアルターエゴって周囲のリリィを強化する能力ありませんでしたっけ?」
神琳・雨嘉・蓮夜「「「あっ!」」」
夢結「やっぱり私は役立たずなんだわだって見つけたとしても梅なら縮地で見失う前に回収できるし、蓮夜は・・・。」
夢結はより落ち込み暗いオーラが部屋全体を覆っていた。
ミリアム「空気を読まんかい。」
神琳「今のはさすがに・・・。」
二水「ふぇぇぇっ!」
みなにジト目をされ二水は涙目になり、その後夢結を励ますのに1時間ほどかかった。
夢結が復活し、彼らは海岸まで来ていた。
神琳「テスタメント、参ります!」
二水「た、鷹の目!」
ミリアム「フェイストランセンデンス!受け取れわしのマギ!」
2人のレアスキルで彼女のレアスキルを強化する。
二水「ふぎゃあ!し、視界が広がって、色々見えます!見えすぎます〜〜!!」
強化しすぎたからか二水は目を回し、ミリアムはマギ切れで倒れる。
神琳「二水さんに負荷がかかりすぎましたね・・・。失敗ですがいいデータが取れましたので今日のところは良しとしましょう。」
ミリアム「よ、良かないわ。」
楓「前途多難ですわ・・・。」
その後も色々な組み合わせで試すが一向に成果はです、いよいよ7日目に突入してしまった。
彼が海岸へ行くとそこには大勢の生徒がいた。
蓮夜「こんなに人が集まって、どうしたんだ?」
二水「あっ、黒鉄さん!そういえば言っていませんでしたね!それが梨璃さんの髪飾りを探していると言ったらみんなが手伝ってくれると言ってくれたんです。」
蓮夜「そうなのか・・・。」
周囲を見渡すと天葉達もおり、
夢結「ありがとう、恩に着るわ。」
天葉「恩に着るっていつの人よ?」
夢結「ごめんなさい、こういう時どういえばいいか分からなくて・・・。」
蓮夜「本当にありがとうな。」
天葉「いいわよ、仲間を失ったのはみんな一緒よ。だったら落ち込んでいる梨璃のためにも何とかしてあげたいと思うのは自然なことでしょう?」
楓「へっぶしゅっっ!」
雨嘉「うわっ!・・・いないと思ったら先に来てたんだ・・・。」
神琳「大丈夫です?」
楓「いいえ、お構いなく・・・。」
天葉「レアスキルを合成させるなら、接触式の方が非接触式よりも効率はいいわ。とはいえ、こんなに大勢でやった事はないけど・・・。」
蓮夜「アルターエゴ・・・。」
彼が全員の能力を強化し、
天葉「今よ!」
ミリアム・亜羅椰「必殺!フェイストランセンデンス!」
2人がマギを供給する。
レアスキルの多重合成が成功し、みんなが髪飾りを探していると、それらしきものの影が見つかり、
全員『あった!』
楓は梅に飛び乗り、
楓「あそこです、梅様!」
梅「な、なんだ!?」
楓「レアスキル、縮地ですわ!はいよぉ!!」
梅「お、おう!」
いきなりのことに動揺しながら梅は縮地を発動そのまま海へと駆け出す。
鶴紗「・・・なんだ?」
蓮夜「・・・梅を馬かなんかと勘違いしてね?」
楓「もう少しですわぁぁぁ!」
梅「いっけぇぇぇ、楓!」
楓「ありましたわぁぁぁぁ!!」
梅が楓を投げ、その勢いで光っている場所まで飛びそれを掴み取る。
彼女が掲げた手の中には梨璃が付けていた髪飾りがあった。
楓・梅「へっぶしゅっっっ!」
蓮夜「・・・大丈夫か?」
楓「・・・ご心配なく。」
梅「大丈夫だぞ!」
二水「もうすぐ梨璃さんの謹慎が終わる時間です!」
楓「そうですわ!早く行かなくては!」
二水の言葉に楓は学院へと走って行く。
みんなが追いかけようとするが、
蓮夜「すまん、俺少し遅れるわ・・・。」
二水「えっ?・・・どうしたんですか?」
蓮夜「梨璃さんに渡そうと思って作っておいたクッキー持ってくんの忘れてた・・・。」
夢結「何やっているのよ・・・。」
蓮夜「すぐに俺も追いつくから!」
彼は自室のある工廠科棟へと走って行った。
謹慎室のドアが開き、
夢結「ごきげんよう?梨璃。」
梨璃「夢結様・・・皆さん・・・。」
楓「梨璃さん。さぁ、これを。」
梨璃「これ・・・。」
楓が梨璃に髪飾りを手渡す。
楓「さぁさぁ、いつまでもご覧になってないで、さっさとお付けになって。」
梨璃「これ・・・どこに売っていたんですか?」
楓「え!?」
梨璃「わたしの無くしたのとそっくり・・・。」
二水「そっくり!?」
雨嘉「同じものじゃ!?」
梨璃「わたしのは四葉の1枚にヒビが入っていたの。でもこれにはないし・・・。」
夢結「・・・。」
楓「オ、オホホホ・・・それはリサーチ不足・・・。」
夢結「どういうことかしら・・・楓さん・・・。」
楓が振り向くと夢結が彼女のことをジト目で見ていた。
楓「ひっ!い、嫌ですわ夢結様、そんな怖い顔をして・・・オホホホ・・・。」
そうすると楓がボロボロになったなにかを取り出し、それを夢結に渡すと頭を抱えていた。
梨璃はそれを見ると、
梨璃「これ、わたしのです!」
二水「梨璃さんの髪飾りが2つ!」
汐里「新しいのは楓さんが自分で作ったんです。」
二水「汐里さん!?」
梅「どういうことだ?」
楓「本物は2日目だか3日目だかに浜辺で見つけていましたの・・・だけどたとえ見つかってもこれでは梨璃さんを余計に悲しませるだけだと・・・。」
神琳「では、今日の昼間見つけたのは・・・。」
楓「あんな大掛かりに探されてはさすがに本物の在処がバレてしまいますから。早起きして本物を仕込んでおいたんですの。」
ミリアム「わしらまで謀っとったとは・・・。」
楓「それで私が最初にそれを手にして、昨夜できた偽物とすり替えたという寸法ですわ。」
雨嘉「楓が、そんな手の込んだことを!」
楓はその場には座り込み、
楓「えぇえぇえぇ、梨璃さんや皆さんを欺いたのは紛れもない事実ですわ!煮るなり焼くなり好きにしてくださいまし!バレたらバレたで私が全ての攻めを負えば済むことですもの!」
壱「思いっきり汐里を巻き込んでるし。」
汐里「いえ、私は工作室をお貸ししただけで、何をなさっていたかはここで知りました。」
梨璃「・・・。」
梅「楓・・・。」
楓「な、なんですの・・・。」
梅「お前良い奴だな!」
汐里「うんうん。」
楓「えっ!」
困惑している楓に梨璃は駆け寄りそのまま抱きしめた。
梨璃「ありがとう、楓さん。」
楓「ど、どういたしまして・・・。」
梨璃「それにみなさんも・・・楓さんの言う通りかも・・・この髪飾りだけだったら、わたし辛いことしか思い出せないかもしれない。だけど、こっちのがあればみんなの気持ちを感じて嬉しい気持ちになれるから。わたしにはどっちも本物です。」
楓「は、はぁ・・・それはあれですわね。狙い通りとい言うやつですわね。あ、あはは・・・。」
夢結「お立ちなさい、私からもお礼を言うわ。ありがとう、楓さん。」
楓「そんな、私は梨璃さんのためにしたんです。夢結様にまでお礼を言われる筋合はございませんわ。」
夢結「シュッツエンゲルとして、姉として言っているの。」
楓「ああっ、それはあれですわね。梨璃さんは私のものよ、渡さないわ。と言う私への牽制ですわね?」
夢結「ええ、その通りよ。」
楓「あぁぁっ!認めましたわね!」
鶴紗「もうやめておけ・・・お前はよく戦った。」
梨璃「あはは・・・えっ?・・・あれ?」
周りが笑い始め梨璃もそれにつられて笑い出すが、突如として涙が流れ出した。
梨璃「ど、どうしたんだろう?嬉しいはずなのにどなんで・・・?。」
止めようとするが、逆に涙の溢れ出し。
梨璃「うっ、うぅ・・・うあぁぁぁぁ。」
夢結「お泣きなさい、梨璃。今のあなたに必要なのは、何でもいい自分の気持ちを表に表すことよ。」
梨璃「わたし・・・、守れなかったんです・・・!結梨ちゃんを・・・わたしが・・・ちゃんとしなくちゃ行けなかったのに・・・!」
そんな梨璃を夢結は抱きしめ、
夢結「あなたは出来るだけのことをしたわ・・・あれは・・・誰にも防げなかった・・・。それに、まだ彼女が目覚めるかもしれないわ。」
ここにいる誰もが悲しみに打ちひしがれているその時、
???「梨璃ーーー!」
梨璃「えっ?」
彼女を呼ぶ声の方を向くとそこには、
結梨「梨璃ーー!」
こちらに駆け寄って来る結梨の姿があった。
梨璃「結梨ちゃん!」
彼女は駆け寄って来た結梨をだきしてめ、
梨璃「良かったよ〜!結梨ちゃんが目を覚まして・・・わたし、わたしもう結梨ちゃんが目を覚まさないと思ってて・・・う、うあぁぁぁ!!」
結梨「よしよし、泣くな梨璃!ちゃんと帰って来たぞ!」
梨璃「うん!おかえり結梨ちゃん!」
結梨「ただいま!梨璃、みんな!」
結梨が来た方向から彼もやってきて、
蓮夜「一件落着かな?」
二水「黒鉄さん遅いですよ!」
蓮夜「ごめんごめん。通り道だったから治療室によったら結梨さんが目を覚ましててな。梨璃に会いたいって言うから連れてきたんだよ。」
神琳「それって教員の方にご連絡は・・・。」
蓮夜「もちろんしてないから・・・俺は説教確定・・・。」
その後、彼は教員に連れて行かれ、しばらく梨璃は結梨に抱きついていた。