アサルトリリィ Abnormal Transition   作:0IN

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第21話

梨璃の目の前にいるヒュージは不気味なオーラを漂わせながら顔と思わしき場所を彼女に向けていた。

 

 

梨璃「すごい敵意と憎しみを感じる・・・まるで・・・。」

 

 

 

百由「ルナティックトランサー・・・。」

 

祀「百由今なんて?」

 

百由「結界の中心部にあるこの波形、ルナティックトランサーのによく似てる・・・避難が遅れていたら私たちも被害を受けていたでしょうね・・・。」

 

眞悠理「結界・・・?」

 

百由「先に落ちた4体のヒュージは地下で繋がっているらしくてそこから強力な力場・・・結界が展開されているの。とにかくマギの供給量が尋常じゃなくて・・・CHARMが起動しなくなったのもそれが影響でしょうね・・・。」

 

 

 

夢結「ッ・・・!」

 

夢結は工廠科の廊下で苦しそうに壁に寄りかかりながらある場所へと向かっていた。

その彼女の髪は先程よりも白くなってきており、徐々にその色を失っていた。

 

 

 

 

梨璃「ちょっと!じゃなくて・・・コラ!そこのヒュージ!あなたの相手はわたしよ!他の誰にも手出しさせないんだから!(今は少しでも時間を稼がなきゃ!)」

 

 

ヒュージに対して射撃をするが、その効果はなくただ彼女を見下ろしている。

攻撃が通らないことが分かり、どうするべきか梨璃が考えていると、

 

 

結梨「梨璃だけじゃないぞ!結梨もだぞ!」

 

梨璃「結梨ちゃん!?」

 

 

梨璃の後ろから結梨が駆け寄ってきた。

 

 

梨璃「結梨ちゃんどうしてここに!それにそのCHARMは!?」

 

結梨「結梨だってみんなを守りたいの!あとこれはわたしが作ったの!」

 

 

梨璃は自信満々に胸を張る結梨に思わず笑ってしまう。

 

 

梨璃「あはは、それなら2人でやろうか。」

 

結梨「うん、頑張るぞ!」

 

 

2人はヒュージに向かって行った。

 

 

 

 

夢結「ハァ・・・ハァ・・・。」

 

 

2人がヒュージと戦闘を開始した頃、夢結は目的の場所である百由の部屋に来ていた。

 

そこには数多くの起動していないCHARMが並んでいたがその中で一つだけコアが光っているものが存在した。

 

 

夢結「ハァ・・・ハァ・・・ッ!」

 

 

夢結はそのCHARM・・・ダインスレイフの前に来て掴み取ろうとするが、過去の情景が脳裏をよぎり腕が止まってしまう。

 

 

夢結(またあの時のように・・・大事な人を傷つけてしまうのではないか・・・。)

 

この考えが夢結の動きを止めてしまう。

 

???(お前は1人じゃないんだ・・・お前が何か間違いを起こしたら俺が止める。まあ、俺じゃ頼りないかもしれないがな。・・・だからお前は自分自身の思うがままに進んで行け。)

 

???(お姉様がルナティックトランサーを発動したらまたわたしが止めます!何度でも止めます!何しても止めます!例え刺してでも・・・。)

 

 

夢結「・・・!そうよね・・・何幻なんかに惑わされていたのかしら・・・お姉様の幻影に囚われていては、怒られてしまうわ。・・・本当に馬鹿よね、私は・・・シュッツエンゲルである私がシルトを・・・梨璃を信じなくてどうするのよ!それにいつまでもウジウジしていたら彼にも怒られてしまうわ・・・!」

 

 

その瞬間彼女の中にあった黒い何かが消え去りそのままダインスレイフを掴む。

 

するとダインスレイフが起動しコアには彼女のルーンが浮かび上がった。

 

夢結「あなたまだ私を覚えていてくれたのね・・・。」

 

 

真っ白に染まった髪と紅く染まった瞳が綺麗な黒に戻りルナティックトランサーの兆候が完全に消え去る。

 

それだけではなく彼女の右の手の甲と左頬に黒い模様のようなものが浮かび上がった。

それだけではなく今までルナティックトランサーを使っていた時に感じた力よりも強いものが体に湧き上がる。

 

夢結「これは・・・!?」

 

 

彼女が困惑しているその時、

 

 

???『ごめんね、夢結・・・僕はまた君を苦しませてしまった・・・。だけど、もう大丈夫だね・・・君は前へと進んでいける。』

 

 

夢結「!?・・・お姉様・・・?」

 

 

幻聴なのか彼女には今は亡き彼女の声が聞こえたような気がした。

その声は、今までの感情がかけているような声ではなく、優しさに溢れた声だった。

 

 

夢結「お姉様・・・見守っていて・・・きっとお姉様が誇れる私になってみせるから。」

 

 

彼女は梨璃が戦っているであろうヒュージの元へと走り出した。

 

 

 

 

梨璃「うわっ!」

 

結梨「おっと!」

 

 

ヒュージから打ち出される光弾により2人はなかなかヒュージに近づけないでいた。

そこにヒュージは4本あるうちの腕の1本を2人に向かって飛ばしてくる。

 

2人はどうにか躱すが、彼女達の後ろにあった校舎に当たった。

バリアのようなものがあり直接あたりはしなかったがその衝撃で窓ガラスなどが割れている。

 

 

梨璃「・・・校舎が!」

 

結梨「梨璃!」

 

梨璃「あっ・・・!」

 

 

梨璃が目を離しているとヒュージがもう一本梨璃に向かって飛ばしてくる。

 

結梨の叫び声で振り返るともうその刃は彼女の目の前にあり、体勢を崩した2人では対処できない状態だった。

 

梨璃に直撃するその瞬間、

 

 

夢結「ハァッ!!」

 

 

ものすごい速さで刃と梨璃の間に割り込んだ夢結がその攻撃を防いだ。

 

梨璃「お姉様?・・・どうやってこの攻撃を・・・それにCHARMは使えないはずじゃ・・・。」

 

 

この攻撃はいくら夢結であろうともルナティックトランサーを使っているなら別だが、素の状態で真正面から防ぐことが出来ない威力を秘めていることは梨璃でもわかった。

それなのに彼女はマギによる身体能力補助もなしにこの攻撃を防いでいた。

そして今は自分以外使えないはずのCHARMを使えていることが不思議に思い彼女が握っているCHARMを見ると、

 

 

梨璃「ダインスレイフ!?」

 

夢結「ハァッ!!」

 

 

そのまま彼女はヒュージの腕をはじき飛ばした。

そして彼女がこちらを振り向き、

 

 

夢結「遅くなってごめんなさい・・・。梨璃には色々と迷惑をかけたわね。」

 

 

梨璃に向かって微笑みかけていた。

その笑みは昔に見たあの表情にそっくりで、

 

 

梨璃「・・・!お、お姉様!大丈夫なんですか!」

 

夢結「ええ、もう平気よ。」

 

 

梨璃は彼女の頬に模様があることに気が付き、

 

梨璃「お姉様・・・その頬にある模様は?」

 

夢結「手だけではなかったのね・・・。私も詳しくは分からないわ。ただ、悪いものではないことは確かよ。」

 

 

結梨「結梨もいるんだぞ!」

 

 

夢結「あら・・・どうして結梨がここに?それにそのCHARMは・・・。」

 

 

夢結が声のする方を向くとそこには頬を膨らませた結梨がおりその手にはおかしな形のCHARMが握られていた。

 

 

梨璃「このCHARMは結梨ちゃんが自分で作ったそうでって!どうして結梨ちゃんもCHARMを使えるの!」

 

夢結「・・・気づいていなかったのね。」

 

 

夢結は梨璃の発言にため息を吐きつつ、

 

 

夢結「おしゃべりしている暇はなさそうね。」

 

 

ヒュージの方を見ると3本の腕をこちらに向けられており、今にもこちらへと放たれようとしていた。

 

飛んできた腕を夢結がどんどんと弾いていく、

その隙をついて2人がヒュージへと接近するが光弾によって進路を塞がれ2人はなかなか近づけない。

 

3本とも弾き終わった夢結がCHARMを射撃モードに切り替えて2人を援護する。

それにより2人はヒュージに接近することに成功し攻撃を加えるが、ヒュージは傷一つつかない。

 

 

夢結「・・・!」

 

梨璃「お姉様!」

 

結梨「夢結!」

 

 

ヒュージは夢結を挟み込みように2本の腕を薙払いながら3本目を振り下ろす。

 

2人はすぐに夢結の所へと向かおうとするが、光弾に阻まれてなかなか彼女の元へたどり着けない。

 

 

夢結はその攻撃CHARMを横にして刀身と持ち手で防ぐが、その攻撃の重さによって身動きが取れなくなってしまう。

 

そこにヒュージは残り1本を飛ばし、夢結を串刺しにしようとする。

 

 

夢結は自身の命を刈り取るであろう刃が迫ってくるのに恐怖し目を閉じてしまった。

 

数秒経っても痛みが来ないことに不思議に思い目を開けるとそこには、

 

 

黒いフード付きのロングコートを着た誰かが彼女の前に立っており、その前方には無数の大きな刃が地面から生えておりそれが4本目の攻撃を防いでいた。

腕がヒュージへと戻っていくと刃は崩れ出し目の前の人物の右手へと集まり形を変えた。

その手には大鎌が現れ、夢結にはその服装と大鎌に見覚えがあり、

 

 

夢結「・・・死神・・・。」

 

 

それは2年前の甲州撤退戦に現れた謎の人物である『死神』であった。

 

 

???「何とか間に合ったか・・・。」

 

夢結「!?」

 

 

夢結には死神の声に聞き覚えがあった、その声は彼女が昔から聞いている声で、

 

 

夢結「蓮夜・・・あなたなの?」

 

蓮夜「ああ・・・。」

 

 

死神が振り返るとフードの奥には彼の顔があり、その瞳には、太陽のような模様と秒針のような模様がそれぞれ右眼と左眼に浮かび上がっていた。

 

 

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