アサルトリリィ Abnormal Transition   作:0IN

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第26話

美鈴との再会した日の夜梨璃と夢結、そして蓮夜は理事長室に呼ばれていた。

 

 

百由「これが私たち百合ケ丘女学院が管轄する7号百合ケ丘ネストの現在の様子よ。」

 

 

百由がこちらにPCの画面を見せてくる。

 

 

百由「ここに映っているのがネストの主と目されるアルトラ級ヒュージね。」

 

梨璃「アルトラ級?・・・えっと、あのもしかしてこれ・・・海の底ですか?」

 

 

海の底に今日戦ったヒュージよりもはるかに巨大なヒュージが映っていた。

 

 

百由「そう、そう、そうそう!・・・ちなみにアルトラ級ヒュージの全長は400mとも1kmとも言われているのよ。」

 

梨璃「よく分からないけど・・・凄いですね・・・。」

 

百由「ここ最近のヒュージはこのアルトラ級から大量のマギ半ば奪う形で供給されていたわ。」

 

吏房「過剰な負荷をかけられたせいで今はネスト全体がその機能を事実上停止していると思われます。」

 

蓮夜「叩くには打って付けって訳ですね。」

 

吏房「ええ、殲滅するにはまたと無い機会よ。」

 

梨璃「殲滅?」

 

高松「そこで一柳君にその任務を頼みたいのだが。」

 

夢結「・・・。」

 

蓮夜「やっぱりか・・・。」

 

梨璃「はい・・・えっ?わたし!」

 

 

梨璃は一瞬理解できなかったがすぐに理解できその唐突な話に困惑してしまう。

 

 

梨璃「だけどどうやって・・・?」

 

 

すると梨璃目の前に1本のCHARMが置かれた。

それは先程夢結が使っていたダインスレイフだった。

 

 

眞悠理「これだ・・・。」

 

夢結「これは・・・!」

 

眞悠理「お前たちの方が馴染み深いだろうな・・・ダインスレイフ・・・言わばこの元凶となったCHARMだ・・・美鈴様が書き換えた術式が、巡り巡って百合ケ丘のヒュージを狂わせた・・・。」

 

百由「それをヒントにアルトラ級を倒すための言わばバグとしての術式を仕込んだの・・・まさかこんなすぐに使うことになるとは思わなかったから・・・間に合わせの急ごしらえだけど・・・。」

 

夢結「急ぐ必要があるという事ね・・・。」

 

蓮夜「多分ですがCHARMの数ですよね?」

 

吏房「ええ、今私たちにはこの一振しか残されていないの・・・。」

 

眞悠理「もし今ヒュージが現れても為す術がない。」

 

祀「これを使用できるのはカリスマ以上のレアスキルを持つリリィだけよ・・・そうでなければバクを送り込むどころか自信が汚染される恐れさえあるわ。」

 

蓮夜「一応俺のはありますけど1人だと限界がありますしね。」

 

祀「あなたのも壊れたのでは?」

 

 

彼が横に手を伸ばすと窓から粒子よようなものが入ってきて彼の手の中で姿を変えていく。

 

そこに現れたものは彼の身長程の大太刀だった。

 

 

祀・眞悠理・吏房「!?」

 

百由「なにそれ!」

 

高松「・・・ほう。」

 

 

蓮夜「これはナノマシンみたいなもので構成されているので形とかを変えたり壊れても自動的に修復されるんです。・・・ですけど俺1人でちゃんとした術式の完成まで持たせることはできませんかね?」

 

百由「無理ね・・・CHARMが大丈夫だとしても1人で常に戦い続けるのは不可能よ。」

 

蓮夜「そうか・・・。」

 

蓮夜(異能をのことを喋れればいいが・・・。)

 

美鈴(それはやめておいた方がいい。)

 

蓮夜(やっぱりそうですか、)

 

夢結(私では使えないの?)

 

蓮夜(元々CHARM自体が契約を必要なものだからな・・・それにこいつは契約変更出来ないからな。)

 

 

霊体化してこの場に来ていた美鈴の異能で意識を繋げた3人はどうにかならないか相談を始めた。

 

 

梨璃「ええっと・・・あの、結局カリスマってなんなんでしょう?」

 

梨璃が自身のレアスキルに疑問を持ち質問する。

 

 

百由「今日の梨璃さんの戦い方は通常のカリスマの域を超えているわ。全リリィのパフォーマンスが著し向上を示したの・・・私たちもつい参加しといてなんだけど、全校生徒でマギスフィアを繋ぐノインヴェルト戦術なんて常識じゃありえないもの。・・・仮説だけだより上位のスキルを発現した可能性すら・・・。」

 

夢結「それでも、危険な任務には変わりないわ。」

 

吏房「ええ、」

 

梨璃「あの、理事長代行・・・先生?」

 

高松「・・・?」

 

梨璃「ありがとうございました。」

 

高松「はて?・・・わしが?」

 

梨璃「結梨ちゃんのこと・・・結梨ちゃんを最後まで庇ってくれたって百由様から聞きました・・・。」

 

高松「じゃが、わしが出来たことはそこまでだった。・・・彼が居なければ結梨君は・・・。」

 

梨璃「いいえ、先生が居なければ結梨は連れて行かれていたかもしれないんです。・・・結梨ちゃんを守ることができたのは先生のおかけです。ありがとうございました。」

 

 

梨璃はそう言い切ると何かを決心したのか真剣な顔になり、

 

 

梨璃「やります!わたしお姉様みたいな仲間がいなくなって悲しい思いをするリリィがもう・・・いて欲しくないから・・・。」

 

夢結「・・・その作戦には私も同行します。」

 

梨璃「お姉様・・・。」

 

夢結「今の梨璃の言葉は私の願いでもあります。私が梨璃を思い、梨璃が私を思う限り私たちは必ず戻ります。梨璃は私が守ります。」

 

梨璃「じゃあ、お姉様はわたしが守りますね!」

 

祀「夢結・・・梨璃さん・・・。」

 

吏房「ごめんなさい・・・。あなた達には大変な思いばかりさせて・・・。」

 

夢結「いいえ、みんな自分のすべきことをしたのよ。」

 

蓮夜「・・・俺も同行します。」

 

百由「えっ!?」

 

吏房「なぜあなたまで?」

 

蓮夜「2人を放って置けませんし、それに支援役は必要でしょう・・・ちょうど俺のレアスキルはそういうことに向いていますし、それに・・・。」

 

 

彼が立ち上がりCHARMを回転させる。

すると大太刀の姿だったCHARMが姿を変えていき現れたのは、

 

 

吏房「えっ!」

 

眞悠理「それは・・・。」

 

 

彼の手には先程の大太刀よりもさらに長い大鎌が収まっていた。

 

 

蓮夜「俺はあなた達が言う『死神』です。実力的にも問題ないと思いますよ?」

 

梨璃「『死神』って確か・・・2年前の、」

 

祀「2年前の甲州撤退戦の時に現れたの謎の人物・・・まさかあなただったなんて・・・夢結、あなたは知っていたの?」

 

夢結「いいえ、私も知ったのは今日の戦いの時よ。」

 

蓮夜「俺も2人と同じ思いなんです・・・失って悲しむ人を減らしたい・・・だから俺も行きます!」

 

 

理事長代行が立ち上がりると、

 

高松「・・・どうか・・・頼む。」

 

 

そう言いながら頭を深く下げた。

 

 

 

 

次の日の朝、3人は輸送機に乗りネストの上空に来ていた。

 

夢結と梨璃はパラソルのようなものを使い、蓮夜はCHARMを分解し刃で足場を作り下へと降下して行った。

 

 

蓮夜「2人ともこっちに乗るか?足場なら大きくできるが。」

 

夢結「大丈夫よ、あなたは少しでも力を温存しておいて。」

 

 

 

3人がしばらく降下して行くと海に穴が空いたのかと思うほどの大きな渦があり、そこにはマギが充満しておりいくつもの光の輪を形成していた。

 

 

梨璃「静かです・・・。」

 

夢結「ここはもう海の中のはずよ。」

 

蓮夜「あともう少しで見えるはずだ・・・。」

 

 

彼が端末で位置を確認しながらそう言った。

 

 

蓮夜「いた!」

 

 

彼の言葉に反応し梨璃がダインスレイフを構える。

夢結がパラソルから手を離し梨璃のダインスレイフを持つ手に触れる。

 

 

梨璃「CHARMから美鈴様を感じます・・・。」

 

美鈴(まあ、僕はここにいるからね!)

 

蓮夜(今は黙ってて下さいよ・・・。)

 

夢結「・・・そう・・・(お姉様・・・空気を読んで下さい・・・。)」

 

 

美鈴の発言に2人が心の中でツッコミを入れながら気をつけ引き締めた。

 

すぐ側に迫ったヒュージにCHARMを向けて、

 

 

梨璃・夢結「「・・・ッ!」」

 

 

ヒュージに行き良いよく突き刺した、

 

 

するとダインスレイフのコアが光り輝きいく重にも重なった術式が展開される。

 

そこに彼が自身のレアスキルの元となった能力、相手の能力を下げて仲間の能力を上げる力・・・情読を発動。

 

これにより彼女達とダインスレイフの能力を向上させてヒュージの身体を脆くする。

 

するとダインスレイフから光が漏れだし、

 

梨璃「わっ!」

 

 

光の勢いが強まりVの字に広がりジェット噴射のように自らの刃をヒュージに押し込んでいく。

 

するとヒュージの中へとダインスレイフが入っていき、

 

ダインスレイフがあったところから一条の強い光・・・高濃度のマギの塊が吹き出した。

 

下からヒュージの苦しむような雄叫びが聞こえて壁のようになっていた渦が消えどんどんと海水が迫ってきた。

 

 

蓮夜「2人ともこっちに!」

 

夢結「ええ、梨璃行くわよ!」

 

梨璃「お姉様!」

 

 

彼の側に来ると彼がCHARMを分解し自分たちを包むような球場に形を変える。

 

 

するとすぐに大きな衝撃が3人を襲い、

 

 

梨璃「!!」

 

 

梨璃がその衝撃で気を失った。

 

 

 

 

しばらくすると揺れが収まり、

 

 

蓮夜「収まったか・・・。」

 

夢結「そのようね・・・。」

 

蓮夜「少し広くするから梨璃さんを横にしてあげてくれ。」

 

 

そう言うと壁が広がり梨璃を横にして彼らが座るのに十分なスペースができる。

 

 

蓮夜「あと10分くらいで海上に出るはずだ。」

 

夢結「・・・終わったわね・・・。」

 

蓮夜「ああ、これでしばらくは学院も安全なはずだ・・・その間に問題をどうにかしないとな。」

 

夢結「ええ・・・。」

 

 

彼が座るとその横に彼女が座り彼の肩に頭を乗せた。

彼が少し驚くがすぐに彼女の頭を撫で始める。

 

 

蓮夜「随分と甘えん坊になったな。」

 

夢結「・・・別にいいでしょう・・・。」

 

 

彼女は顔を赤くしてそっぽを向く。

 

 

美鈴「ここまで夢結を可愛くするとは・・・やるね!」

 

夢結「お姉様!」

 

蓮夜「落ち着け、梨璃さんが起きるぞ・・・それと姐さん、今は霊体になっておいてください。梨璃さんに今バレると大変なので。」

 

 

するとすぐに美鈴の姿が消えて、

 

 

美鈴(そうだね・・・これでいいかな?)

 

蓮夜(大丈夫です。)

 

美鈴(・・・どうするんだい?彼女達には異能のことを話すんだろ?)

 

蓮夜(そうですね・・・もちろんまず確認してからですね。)

 

夢結(確認?)

 

蓮夜(ああ、もし聞いたら後戻り出来なくなる。だからまず覚悟があるか聞いてからある人だけに話すつもりだ。)

 

美鈴(それが妥当かな?)

 

 

話を進めていると、

 

 

蓮夜「海上に出たみたいだな。」

 

 

彼が床に手を置くとせり上がり持ち手が現れる。

それを掴むとCHARMが姿を変えて小型の船のような形状になった。

 

 

蓮夜「それじゃ帰りますか。」

 

夢結「そうね。」

 

 

 

しばらく海上を進んでいると、

 

 

梨璃「・・・うぅ・・・。」

 

夢結「梨璃・・・梨璃。」

 

 

梨璃が目を覚ました。

 

 

梨璃「お姉様・・・ここは?」

 

夢結「私たちはアルトラ級ヒュージを倒したわ。これからみんなの元へ帰るところよ。」

 

蓮夜「お疲れ様、梨璃さん。」

 

梨璃「黒鉄さんもお疲れ様でした。」

 

蓮夜「ああ、あと少しで百合ケ丘に着くからそれまで休んでいてくれ。」

 

梨璃「はい。」

 

 

 

 

楓「梨璃さーん!!、夢結様ー!ご無事ですか!」

 

 

楓の声が聞こえその方向を見ると、

 

 

そこには一柳隊のみんなやアールヴヘイム・・・百合ケ丘の全生徒がいた。

 

 

梨璃「みんなー!ただいま!!」

 

 

梨璃の元気な声が空に響き渡った。

 

 

 

 

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