アサルトリリィ Abnormal Transition   作:0IN

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閑話②

蓮夜「話の腰折ってごめんな。」

 

夢結「もう大丈夫よ。続きにしましょう。」

 

美鈴「・・・。」

 

 

しばらくすると3人が戻ってきて白目を剥きながら夢結に引きずられた美鈴がいた。

 

この光景にみんなが絶句してする。

 

 

百由「夢結・・・あなたってこんな性格・・・だったわね。本当に昔に戻ったみたい・・・。」

 

 

百由が懐かしむような表情で夢結を見ていると、

 

 

ミリアム「百由様、わしの知る夢結様とはだいぶかけ離れているのじゃが・・・。」

 

百由「昔は結構やんちゃだったのよ、無茶無謀は当たり前だったし・・・そうね、梨璃とあなたの知っている夢結を足して2で割った感じかしらね。」

 

ミリアム「・・・ふむ。」

 

 

ミリアムが考えてみると、レギオン結成直後に梨璃にCHARMを向けて喝を入れていたりなど思い当たる節が多く苦笑してしまう。

 

 

神琳「かなり感情的でしたんですね。」

 

百由「そうよ〜、そりゃすごく可愛くてね。・・・あの頃に戻ったみたいで嬉しいのよ。」

 

夢結「・・・。」

 

蓮夜「おいおい、また話が逸れるぞ。」

 

 

百由の言葉によりまた夢結が顔を逸らし話が脱線しかけたところを彼が阻止する。

 

 

二水「それでは質問です!」

 

蓮夜「二水さんか・・・記事にするなよ。」

 

二水「どれだけ信用がないんですか!」

 

蓮夜「そりゃ・・・な?いつものを見ていると警戒するだろう?」

 

鶴紗「だな・・・。」

 

雨嘉「そう・・・だね。」

 

二水「お2人も!?」

 

蓮夜「それでなんなんだ?」

 

二水「えっとですね・・・先程の美鈴様のお話を詳しく・・・。」

 

蓮夜「だと思ったよ・・・二水さん・・・後ろ向かないことをおすすめするぞ。」

 

二水「えっ?・・・どういうこ、」

 

 

二水が振り向くと後ろには満面の笑みをした夢結がいた。

笑ってはいるが目が全く笑っておらずその頬には黒い模様があり額には角が生えていた。

 

 

夢結「少し向こうでお話しましょうか?」

 

二水「はわっ・・・はわわわ!」

 

 

先程の美鈴のように部屋から連れ出された二水を見送る一同は震えていた。

 

 

しばらくする床に2つの死体(美鈴と二水)が転がっており彼の隣に座った夢結は彼に頭を撫でられる。

 

 

蓮夜「・・・一回落ち着きな。」

 

夢結「・・・わかっているわよ・・・。」

 

 

顔を赤くして俯く夢結の姿に、

 

 

百由「蓮夜・・・。」

 

蓮夜「どうしたんだ?」

 

百由「あなた、夢結に何したの!こんなに可愛いくなっちゃってるじゃない!」

 

蓮夜「いや、それ今は関係なくないか?」

 

百由「関係あるわよ!てか、聞くまで絶対にやめないからね!」

 

蓮夜「はぁ〜。」

 

 

やっぱり連れてこない方が良かったか?・・・と思いながら彼は溜め息を吐く。

こうなってはテコでも彼女は動かないだろう。

 

 

蓮夜「夢結・・・諦めて言うしかなくないか?」

 

夢結「だけど・・・。」

 

蓮夜「みんなに他人に絶対に言わないようにしてもらって、最悪姐さんに記憶弄って貰えばいいじゃないか?」

 

夢結「・・・そうね・・・最悪の場合はお姉様に頼みましょう・・・。」

 

 

地味に物騒なことを口走った彼に彼女は同意する。

夢結も諦めたようでその時のことを話始めた。

 

 

梅「・・・理由はわかったけど・・・さすがにないんじゃないか?」

 

神琳「そうですね、もっと他の言い方があったかと・・・。」

 

蓮夜「・・・俺も悪い事をしたと思ってるが・・・あの時は俺もいっぱいいっぱいでな・・・考える余裕がなかったんだよ。」

 

楓「それは言い訳では?」

 

蓮夜「・・・ウッ!」

 

 

彼が彼女達のダメ出しを喰らって撃沈すると、

 

 

夢結「私は大丈夫だからそれくらいにしなさい。・・・彼も辛かったのよ・・・。」

 

夢結の顔が暗くなり悲しそうな表情で彼を見た。

 

 

結梨「不死ってなに?」

 

梨璃「えっと・・・その。」

 

夢結「生物の全てに死と言うものがあるでしょう?それがないことを不死というの・・・簡単に言うなら死なないことね。」

 

結梨「すごい!羨ましいな!」

 

夢結「・・・!」

 

ミリアム「・・・結梨、これはそんなに簡単なことではないんじゃぞ・・・。」

 

百由「そうよ・・・死なない言っていことは死ねないと同義なんだから・・・夢結、だから彼は苦しんでいたんでしょう?」

 

夢結「ええ、彼の能力に未来を見ることができるものがあるの・・・それで見てしまったのよ。」

 

 

 

夢結「・・・ただ1人暗い空間に佇む彼の姿が・・・とても悲惨だったわ・・・。」

 

 

夢結が今にも泣きそうな表情になる。

 

 

百由「夢結も見たみたいな言い方だが。」

 

夢結「見せて貰ったのよ・・・彼に。」

 

梨璃「悲惨だったとは?」

 

夢結「何も無いの・・・本当に何も・・・。」

 

雨嘉「何もない・・・ですか?」

 

夢結「ええ・・・周りはただ黒い空間が広がり光もなく・・・そして彼の感情も・・・。」

 

神琳「・・・感情?・・・どうして感情がないとわかったのですか?」

 

夢結「表情よ・・・本当に何も無いまるで人形のように光の無い瞳でただただ前だけを見ている・・・もしかしたら本当は何も見ていないかもしれない・・・。・・・不死の行き着く先は孤独よ・・・何度も何度も親しい人が先に行き自分だけが取り残される・・・そしていつかは何も考えられなくなる・・・それが不死を呪いという理由よ。」

 

結梨「みんなと会えなくなっちゃうの?」

 

夢結「ええ、いつかは人間は死ぬもの・・・だけど不死は永遠に存在し続けるのよ。だから生きる時間が違うの・・・どんどんみんなに置いていかれていつかは一人ぼっちになる・・・。」

 

結梨「結梨そんなの嫌だ!ずっとみんなといたいの!」

 

蓮夜「なら不死なんか望んじゃダメだぞ・・・その先は本当に地獄だからな・・・。」

 

 

彼が立ち直り結梨へ忠告する。

その後、彼女達に真剣な顔を向ける。

 

 

蓮夜「みんなに見て欲しいものがあるんだ。もしこれと似た者を見た時絶対に手を出さないでどうにか逃げて欲しい。」

 

 

彼がそういうと能力を発動させる。

すると彼女達の座っているソファーや椅子などはそのままだが壁や天井が消えて広い草原が現れた。

 

 

梨璃「これは!?」

 

蓮夜「これはただの映像だよ。これは2年前の甲州撤退戦後のものだ。」

 

 

彼が指を指したのでそちらを向くと、

そこには死神姿の彼と機械を身体中に付けた少女が15人彼を囲むように立っていた。

 

彼の手には大鎌ではなく2振りのナイフがあり彼の周りを11本のナイフが彼を守るように浮かんでいた。

 

 

梅「なんなんだこいつら?・・・あの時にこんな奴らいなかったぞ?」

 

蓮夜「あの子達はG.E.H.E.N.A.の被害者だよ・・・拉致されて実験に利用され・・・実験に失敗した子の身体を改造され意思のない兵隊にされた・・・。」

 

全員『!?』

 

蓮夜「目的は俺の捕獲だ。」

 

神琳「ヒュージに対抗出来る男性だからですか?」

 

蓮夜「違う・・・鶴紗さん、君のブーステッドスキルにアルケミートレースがあるよね。」

 

鶴紗「・・・ある。」

 

蓮夜「みんなは強化リリィがどういうものかは全員知ってるだろ?」

 

 

その言葉に全員頷く。

 

 

蓮夜「ヒュージ由来の特殊能力を人工的に付与される・・・アルケミートレースは血液を触媒にしてコアさえあれば擬似的なCHARMを作り出せるスキルだが、これに違和感ないか?」

 

梨璃「違和感?」

 

梅「そんなのあるか?」

 

雨嘉「その違和感はこのスキルだけなんですか?」

 

蓮夜「いいや、あとはエーテルボディやマギリフレクター、あとはリジェレーターとかにもあるな。鶴紗さんが持っているもので一番わかりやすいもので選んだけど多分マギリフレクターが一番違和感を感じると思うぞ。」

 

ミリアム「マギリフレクター・・・確かマギを使った防御じゃったな・・・。」

 

夢結・神琳・百由「「「!?」」」

 

 

みんな悩んでいたがミリアムの一言で3人がわかったようで、

 

 

蓮夜「夢結達はわかったみたいだな。」

 

梨璃「わかったんですか!」

 

神琳「ええ・・・ただなぜ彼を捕獲しようとしたのかの根拠には・・・。」

 

百由「そうなのよね・・・考えてみれば確かにおかしい部分があるのよ。だけどさっきの話との関係性がね?」

 

夢結「・・・強化リリィの能力はヒュージ由来のものでは無い・・・。」

 

楓「どういうことですか?」

 

夢結「ヒュージはマギを操ることはないことは知っているわよね。」

 

楓「ええ、当然ですし。」

 

夢結「だけどマギリフレクターの能力はマギを操作して防壁を作ることなのよ。」

 

ミリアム「そういう事か!マギを操作できないヒュージからマギを操作する能力を得るのは確かにおかしいのじゃ!」

 

夢結「蓮夜、もしかして異能者の能力なの?」

 

蓮夜「ああ、調べてみたが半覚醒の異能者を捕まったらしくその能力を使えないか実験した結果、異能者にヒュージの細胞を移植し人間を半ヒュージにしてからその細胞を他の人間に移植することで作られたのが強化リリィだ。・・・人工的に作られた劣化版異能者みたいなものだな。」

 

神琳「つまり狙われた理由は・・・。」

 

蓮夜「俺の能力目当てだな。G.E.H.E.N.A.は異能者自体を知らなかったが、そのような特異体質を持つ存在として認識していたみたいだ。」

 

夢結「それで捕まえた人達は?」

 

蓮夜「ヒュージの細胞を移植されたことによる拒絶反応で・・・。」

 

鶴紗「ふざけるな!」

 

 

 

鶴紗「G.E.H.E.N.A.は・・・アイツらは人をなんだと思ってやがる・・・。」

 

楓「お父様・・・なぜこのような事をする連中と共同研究なんて・・・。」

 

 

鶴紗は怒り、楓は自身の父が非道な実験に手を貸しているのかのでは無いかと不安にかられてた。

 

 

梨璃「もしかして結梨ちゃんも!?」

 

蓮夜「確実にな・・・強化リリィの性質上異能を持てないはずだが、異能に近い力を持っていると思う。」

 

 

彼女達が人を使った非道な実験の話に表情を暗くしていたその時、

 

 

全員『!?』

 

 

おぞましい感覚に襲われた。

その直後彼女達の身体が震え出す。

これが恐怖から来ているのかそれとも別の何かなのか判断できない。

 

 

蓮夜「来たか・・・。」

 

 

彼が見ている方を向くと、

 

先程まで彼を囲んでいた少女達が倒れておりそれを庇うように大太刀を構える彼と、

 

彼の前に佇む、異形の姿をした何かがいた。

 

 

梅「なんなんだ・・・アレは。」

 

夢結「あの表情は!?」

 

梨璃「黒鉄さん、あれはヒュージなんですか?」

 

蓮夜「違う・・・あれは異能を使い続けたものの末路・・・。」

 

 

彼の雰囲気が変わる。

まるでこの場所だけ重力が何倍も掛かっているかのような重圧に襲われる。

 

 

蓮夜「・・・獣だ。」

 

 

彼の声が周囲に響き、異形が彼へと襲いかかった。

 

 

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