アサルトリリィ Abnormal Transition   作:0IN

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ギリギリ間に合いました・・・。
残酷な描写を含みますのでご注意ください。


過去④

夢結「蓮夜!?」

 

 

彼の元へ駆け寄って確認する。

幸に大きな怪我はなかった。

その事にホッとするのと同時に先程の自身の行動を悔やむ。

なぜ、戦場で考えにふけていたのか?

「戦場では最後まで気を抜いては行けない。」

これが鉄則だ。

 

なのに彼女は考え込んでしまった。

例え彼に知らせることが出来なくてもこの場で周囲の警戒を怠ったことは鈍っている証拠だ。

ここにいるのは彼を助けるためなのだと気合いを入れ治していると、

 

 

蓮夜『可能性として考えてはいたが、ついてないな・・・よりにもよって大型・・・確かギガント級だったか・・・初めて見るがデカイな。』

 

 

彼を見下ろすヒュージの全長は20m程ありその体には分厚い装甲を纏っていた。

見た目は中世に存在した騎士甲冑をより禍々しくしたような形状で無数の棘が全身から伸びておりそれらに当たっただけで重症を負ってしまうだろう。

そして最大の特徴は両腕で、その腕はヒュージの胴よりも二回りほど大きく右手には指が無く巨大な剣状になっており左腕には指はあるが右腕の剣と変わらない長さの鉤爪になっていた。

 

 

蓮夜『あの右腕に当たるのだけは絶対に避けないといけないか・・・他にも隠し玉の一つや二つありそうだが・・・幸に人型だからどうにかなりそうだな。』

 

 

彼はそうつぶやくと一気にヒュージへと駆け出した。

ヒュージが左腕を叩きつけるように振り下ろす。

それを指の間に入り込む形で避けた彼はそのままヒュージの左腕に飛び乗りそのまま肩口に向かって駆け登る。

ヒュージはそれを阻止しようと振り落とそうとするが彼は彼は刀を再びばら蒔くとそれを足場にすることでヒュージの視覚を利用して上へと登る。

 

彼は肩口に到着すると肩関節に向かって太刀を振り下ろす。

だが太刀は関節部を覆う装甲に阻まれてしまい弾かれてしまう。

効かないとわかると彼はすぐに移動を開始し次は背中を駆け下りだした。

ほぼ落下と言ってもいいそれの速度は凄まじく地面へと急接近する。

ヒュージの腰部を通り過ぎ膝関節の辺りまで下った時身体を捻るように身体を回しその勢いを乗せて斬り付ける。

膝を通り過ぎると姿勢を整えて着地する。

その時に転がることで落下の衝撃を軽減し転がった勢いで体勢を低くしたままヒュージから距離を取った。

 

 

蓮夜『肩はダメだったが膝は大丈夫そうだな・・・だとすると肘も行けるか・・・とにかく膝狙って動きを制限してみるか!』

 

 

彼はまたヒュージへと接近する。

だがその速度は先程の半分ほどですぐにヒュージに補足されてしまう。

ヒュージはまた左腕を叩きつけるように振り下ろしてくる。

ヒュージが自身の腕で彼を目視できなくなったその瞬間、一気に加速し腕の攻撃範囲から逃れ一気にヒュージへと近づいた。ヒュージの股下を通り背後まで移動すると刀を足場に先程攻撃した左膝関節まで駆け上がり横薙ぎに太刀を振るう。

それにより青い液体がヒュージから吹き出す。

その傷口にいつも間にか持っていた大ぶりのナイフのようなものを指の間に挟むように持ちそれを投擲する。

飛んで行った4本のナイフはヒュージの傷口に入り込み見えなくなると彼はその場を離れた。

 

彼が離れた瞬間ヒュージの左膝が爆発する。その爆発は内部で発生していた。

その衝撃でヒュージの体が硬直した。そこに彼は刀を足場にして跳躍することで戻り再び左膝へと太刀を振るう。

するとヒュージの左膝が切断された。

それによりヒュージはその巨体を支えることが出来ずバランスを崩し倒れる。そこに畳み掛けるように右膝に攻撃を加える。

右手で太刀を振るい左手で持った散弾銃で傷を抉り散弾銃の反動でまた太刀を振るう。

それをしばらく繰り返すとヒュージが起き上がるが右足だけでたっている状態になっておりその右膝もボロボロになっていた。

ヒュージは不安定な体制で右腕で薙ぎ払った。

それを彼は大きく後退することで躱し即座に地面を蹴り急接近する。

そこを狙っていたのかヒュージがさらに左腕も振るうがそれを刀を足場に飛び上がることで躱す。刀の内の3本は砕けてしまうが残り3本をヒュージの頭部に向けて放つとヒュージは右腕でそれを振り払った。

それによってできた死角に彼が滑り込みそのままヒュージの右膝を狙い太刀を横薙ぎに振るう。

それによりヒュージの右膝も切断され再びヒュージが仰向けに倒れた。

彼はすぐにヒュージの首へと駆け出しそのまま太刀を振ろうとした時、

ヒュージの背部から触手のようなものが飛び出し彼に襲いかかった。

その触手の先端は返しの付いた銛のようになっており刺さったら最後そのまま捕らえられてしまうだろう。

それを彼はヒュージの頭部に向けて飛び出し頭部を壁にして身を隠した。

彼は触手が襲ってこないことを確認すると左手に数本のペン状の金属の筒を取り出しそれをヒュージの背部に向かって投げた。

それが背中に当たると爆発を起こし触手の大半を薙ぎ払う。

爆発で起きた煙を煙幕にして再び首へと接近し1度止まり首筋を確認する。

その後太刀を振り下ろすと首筋の装甲は抵抗もなく断ち切れた。

それによりヒュージの首は半分ほど切断されるがヒュージの動きは止まらない。

彼がもう一度太刀を振り下ろそうとするがヒュージが寝返りを打つように転がったため巻き込まれないように跳躍する。

そこにヒュージの左腕が迫るが彼の太刀で薙ぎ払うとその左腕の手首から先を切り飛ばした。

彼は身体を捻り体勢を整えると太刀を上段に構えて落下の勢いを乗せて首筋に太刀を振り下ろした。

首に太刀が当たるその瞬間、

 

手首から先がない左腕に殴られて上空へと打ち上げられその衝撃で太刀を手放してしまう。

彼が体勢を整え下を向くと足がないため倒れているヒュージが立ち上がっていた。無いはずの両足が再生しており立ち上がりながらこちらを狙って右腕を突き出している。

足場にできるものもなく空中にいるため躱すことができない。

ヒュージの右腕が彼に当たる寸前、

 

 

夢結「蓮夜!!」

 

 

夢結は彼を庇おうと飛び出していた。

だが現実は無情であり彼女の身体は彼をすり抜けて通り過ぎた。

その直後彼の胴体に剣が突き刺さる。

 

 

夢結「!!!」

 

 

彼女は腹部を襲う激痛により叫ぶこともできなくなるが痛みを堪えて彼のことを確認しようと顔を上に向けようとした時、

 

彼の足が彼女の前を通った。

その足は太腿から上が無く繋がっていたはずの場所からは赤い液体が吹き出していた。

 

 

夢結「嘘・・・よね?」

 

 

彼女が放心してしまう。

もしも考えていることが現実になってしまったらと、

それが怖く上を向きたくないという気持ちを抑え恐る恐る上を向くと、

 

 

胸から下がない彼の上半身があった。

まるで抉られたような傷があり先程のヒュージの右腕に貫かれたのだろう。

 

 

夢結「あっ・・・ぁぁ・・・。」

 

 

彼女の瞳から涙がこぼれ落ちる。

今も襲っているはずの痛みも忘れて彼を見る。

死んではいないのだろうが彼があんなにも傷ついている。

守りたいと思っても守れない。

あまりにも無力な自身を呪う。

 

 

夢結「・・・ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。

 

 

何に対して誤っているかも分からないが彼女はその言葉を口にしてしまう。

彼女は両手で顔を覆い震え出す。

彼女の髪色が薄くなり始める。

 

その髪色が真っ白に染まる直前、

 

 

『ビキビキビギ!!パキーン!!』

 

 

上空から結晶が割れる音が聞こえた。

彼女は慌てて上を向くと、

 

 

未だに胸から下がない彼が両手に結晶でできた全長10m程の大太刀を構えていた。

 

 

 

蓮夜『ァァアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛

 

 

それを力任せに横薙ぎに振るう。

それはヒュージの首筋に命中しそのままヒュージの首を切断した。

 

それによりヒュージの巨体は再び倒れたしばらくは痙攣していたがすぐにその動かなくなりそのまま完全に沈黙した。

 

彼は地面に強く打ち付けられるように着地する。

その衝撃で左腕は砕け変な方向に曲がるが息はあった。

その直後『パリーン』という音と共に大太刀は砕け散り彼の身体を結晶が覆う。

その光景を見た彼女は再生が始まったことを察し胸を撫で下ろす。

白くなった髪は黒く戻り思考がクリアになった。

そして彼の元へと駆け寄ろうとした時、

 

 

夢結「!?!?」

 

 

身体を激痛が襲ったその痛みは全身を駆け巡り身体が熱くなったように感じる。

その中でも腹部と左目の痛みが強くその場に崩れ落ちるが、

 

 

夢結『・・・!!』

 

 

呼吸もまともに出来ず身体が痺れるがどうにか這いずるように彼の元へと近づく。

 

彼の元にたどり着くと彼を覆っている結晶が割れて中から傷一つない彼が出てきた。

それを一目見ると彼女は安心したような表情になり、

そのまま視界を暗転させた。

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