アサルトリリィ Abnormal Transition 作:0IN
これからリアルが忙しくなってしまい投稿感覚が開いてしまいます。ですが週一投稿を目指していくため、これからも本作をよろしくお願い致します。
蓮夜『同類?・・・まさか!?』
彼は警戒するように彼女に拳銃を向けたまま話しかける。
美鈴『そう、僕も異能者だよ『そうか・・・それで何の用だ?』
美鈴『簡単だよ・・・そうだ、君の周りに異能者はいるかい?』
蓮夜『いいや。』
美鈴『なら君にもわかるはずだ。』
蓮夜『・・・繋がりか・・・。』
美鈴『その通り、1人では限界があるからね・・・。』
蓮夜『目的は情報交換と能力使用の実験と言ったところか・・・。』
美鈴『それもあるけど・・・。』
蓮夜『他に何かあると・・・?』
彼女の表情は真剣なものになり彼にも緊張が走る。
そして1泊置いて彼女が口を開き、
美鈴『ストレートに言うと愚痴を言いたいんだよね!』
蓮夜『・・・はぁ?』
彼はその言葉を一瞬理解出来ず固まってしまう。
がすぐに頭を振り思考を再開する。
蓮夜『・・・愚痴?』
美鈴『そう!能力がバレないようにするのは大変なんだよ・・・君もそうでしょう?』
蓮夜『・・・。』
彼は警戒を薄めてはいないがその目は遠い目をしている。
美鈴『どうやら当たりみたいだね。』
蓮夜『・・・当たりだったらなんだ・・・。』
美鈴『だから異能者同士でコネクションを持って置くのもいいと思うんだ。だから誰か異能者いないか探してたら。』
蓮夜『・・・俺を見つけたと。』
美鈴『そういうこと!・・・だからどうかな?』
彼女の言葉に彼は銃口を向けたまま警戒を続ける。
蓮夜『無理だ。』
美鈴『・・・どうしてかな?』
蓮夜『・・・
夢結「・・・?」
夢結は理解出来ず首を傾げる。
目の前にいる彼女は間違えなく夢結のシュッツエンゲルである川添 美鈴本人のはずだ。
彼女が知る彼女よりも少し幼いが雰囲気などに違和感もなく偽物ではないことは明らかなはずだ。
だが、
美鈴?『・・・どうしてわかったんだい?』
蓮夜『あんたが実体がないからだ。』
美鈴?『なるほど・・・そういうことでもバレるのか。』
夢結「実体がない・・・まさか!」
彼の言葉に彼女はひとつの結論に辿り着く。
蓮夜『それがあんたの異能者としての能力か?』
美鈴?『正解・・・今君の目の前に居るのは私の異能・・・「虚実霊域」の能力で魂そのものをコピーして形作った分身・・・影みたいなものさ。』
そう異能だ。
彼女の能力「虚実霊域」は自身の魂を複製して分身を作り出す能力を持つ。
それを使って自身との違いがない分身を作りここへと送ったのだろう。
彼女がそう考えている間にも会話は続き、
蓮夜『俺が言ってなんだが・・・能力の情報をそんなに簡単に喋っていいのか?』
美鈴(影)『先にこんなことをしたんだからこれくらいしないと信用してくれないだろう?』
蓮夜『この分身は本人が直接操作しているタイプであっているか?』
美鈴(影)『厳密に言うと違うが大体はその考えで間違えないはずだ。』
蓮夜『自分の能力なのに分からないのか?』
美鈴(影)『分かるんだけど説明がしずらいんだよ。』
蓮夜『・・・まぁいい、とにかく本人が来てもらわないと信用することも出来ないな。』
美鈴(影)『だろうね。・・・どうするか。』
蓮夜『会いずらいのか?』
美鈴(影)『僕の服装を見ればわかると思うが百合ケ丘女学院の生徒でね。夜間の外出は厳しいんだ。寮も2人部屋だから。・・・本当は僕自身自ら来たかったんだけど。』
蓮夜『それが厳しいと。』
美鈴(影)『そういうことだよ、結構厳しくてね。分身ならどうにか姿を消したりして何とかなるんだけど。』
蓮夜『本人は気配を消せないと・・・。』
美鈴(影)『そう、まだ能力を扱いきれてなくてね。どうにかしたいんだがあと数ヶ月後にはどうにか出来そうなんだけど。』
蓮夜『さすがに時間がかかるな・・・そうだ、その分身は物理的な接触は可能か?』
美鈴(影)『触れるし持ち運びも可能だ。』
蓮夜『それなら・・・。』
彼は左手を顔の前に出し目を瞑った。
それでも拳銃を向けたままではあるが殺気がないことから警戒はかなり緩くなったのだろう。
彼が目を開くと瞳には生成と幻覚の紋章が浮かび上がった。
すると彼の掌に結晶が現れその姿を変えていく。
しばらく肥大化と変形を続けると結晶が砕け散り中からひとつの腕輪が姿を表した。
その腕輪はシンプルな黒色のものであり裏側に何やら模様のようなものが刻まれていた。
彼はそれを彼女へと投げ渡す。
蓮夜『認識阻害と存在希薄を付与した腕輪だ。それを使えば肉眼やカメラなどでは認識されないはずだ。』
美鈴(影)『これを使えばここまでバレずに来れそうだ。わかった明日ここに来るからその時にもう1回話すことはできるかい?』
蓮夜『・・・大丈夫だ。なら明日の午前1時にここで会うというのはどうだ?』
美鈴(影)『それで大丈夫だよ。僕はこれを持って帰らないと行けないから今日は帰らせて貰うね。』
蓮夜「わかった。」
美鈴(影)『また明日!』
彼女は足早にこの場を後にして行った。
蓮夜『ふぅ・・・。』
彼女が離れたことを確認すると彼は大きく息を吐く。
蓮夜『さすがにいきなり信用は無理だししょうがないんだがちょっとキツすぎたか?』
彼は先程まで彼女がいた場所を見ながらそう呟いた。
蓮夜『とにかく明日だな。・・・今日は特にヒュージもいないから撤退するか。』
そうして彼は家へと帰って行った。
そして翌日の夜、
彼は森へと向かった。
蓮夜『待ち合わせ時間まであと30分か・・・一応装備はしっかりとしておくか。』
そう言いながら彼はいつも身に付けている武装を装着し始めた。
武装の確認も終わり近くの木に寄りかかって待っていると、
美鈴?『待たせたかな?』
蓮夜『いいや、時間通りだ。』
彼女が木の影から姿を現したので彼は腕時計を見ると針は12:59を指しており彼が言う通り時間通りだった。
蓮夜『今回は本人みたいだな。』
美鈴『もし今日も分身で来たら君は信用してくれないだろう?・・・あんな物を無償で渡してくれたんだからこれくらいの期待に答えないと相手に失礼だ。・・・君もそう思うだろう?』
蓮夜『そうだな・・・同意する。』
美鈴『それでどうかな?・・・僕は信用に値するかい?』
彼は1度黙り込み周りを見渡した。
すると彼女に向き直り、
蓮夜『わかった、信用する。』
彼は彼女へ手を差し出す。
それに見ると彼女は微笑みその手を握り、
美鈴『良かったよ。・・・それじゃあよろしく頼ね!・・・えっと。』
蓮夜『蓮夜です。黒鉄 蓮夜、どちらでも構いません。』
美鈴『なら蓮夜って呼ばせて貰おうかな?』
蓮夜『構いませんよ。よろしくお願いします川添さん。』
美鈴『うん、よろしく。・・・そっちが君の素かい?』
蓮夜『そうですね。昨日はすいません色々と怪しかったもので・・・。』
美鈴『いいよ、分身だとわかる人なら警戒するのも当然さ。』
蓮夜『川添さんが異能のことを話したのに言わないのは失礼ですから俺も説明しますね。俺の異能は「紋章眼」知覚型の刻印系で自身の眼球の位置に紋章という形の刻印を発動させて視覚範囲内に干渉する能力です。』
美鈴『やはり目に関する能力だったか。それで刻印系ってなんだい?』
蓮夜『あれ?覚醒した時に情報を得られるはずなんですけど・・・。』
美鈴『そうなのかい?僕は基本的な異能の知識と自身の能力とそれが感応型って言う分類に入るぐらいしかわからなかったけど。』
蓮夜『・・・知覚型は情報取得が得意だからですかね?それに俺の能力は解析に特化してますし。』
美鈴『情報の解析力で取得量も決まるのかもしれないね。』
蓮夜『それかそもそも分類によって手に入る情報が違うとかも考えられますね。』
美鈴『その可能性もあるか・・・それにしても解析特化ってことは何かを見ることに能力の全てを割いているって考えであっているかな?』
蓮夜『そうですね・・・どちらかと言うと解析してそれで得た情報に干渉する感じです。』
美鈴『直接ではなく間接的な干渉ってことかな?』
蓮夜『その考えで合っていますよ。・・・そうだ川添さんの分身が直接操作するものとは違うって言ってましたけどどういうことなんですか?』
美鈴『簡単に言うと私の能力は魂への干渉なんだ。他人には感情や記憶の軽い改竄程度だけど自身に干渉した場合は魂の複製が可能なんだよ。それで複製した自身の魂を変質させて物質的な干渉を可能にしたものがあの分身なんだ。』
蓮夜『支配系の能力ですかね?・・・つまり変質させたと言っても大元は川添さん自身であるため同一人物として存在する・・・だからこそ同一人物は存在しないという世界の法則が作用してその情報同士を共有するということで合っていますか?』
美鈴『合っているよ・・・本当に理解力が高いね。』
蓮夜『これくらい理解出来ないと俺の能力は使いこなせないので苦労しましたよ。』
美鈴『そこまで大変なのかい?』
蓮夜『感応型だと関係ありませんが知覚型と強化型・・・その中でも刻印系と憑依系は特性が発展性に優れますから特に・・・。』
美鈴『・・・特性?』
美鈴は聞いたことの無い単語に首を傾げる。
蓮夜『タイプ・・・分類と系統にそれぞれ特性というものがあるんですよ・・・。』
そこから彼は異能のタイプや系統について説明する。
すると彼女は何か納得したかのように頷き、
美鈴『なるほど・・・僕のおかしな視界もその特性が原因だったのか。』
蓮夜『多分人の感情や思考が可視化されていたんじゃないですかね?』
美鈴『これはどうにか出来ないのかい?』
蓮夜『多分無理ですね。俺もずっと数キロ先まで全方位見えてる状態ですし・・・。』
美鈴『それじゃあ能力による常時発生している認識の変化は?』
蓮夜『能力が常時発生しているんですか?』
美鈴『そうだけど・・・何かまずいことでもあるのかい?』
彼が慌てながら質問を返してくるので彼女も少し不安になっているのか表情が歪む。
彼はすぐに獣のことについても説明を始めた。
美鈴『これってかなり不味くないかな?』
蓮夜『ですね・・・かなり不味いです。』
美鈴『どうにかする方法は・・・。』
蓮夜『今はありません・・・。』
美鈴『そうなるとその超越者になるしかないってことかな?』
蓮夜『今のところはそうですね・・・俺の方でも方法を探してみます。』
美鈴『ありがとう。僕の方も考えてみるよ。』
2人の表情が暗い中彼の腕時計からアラームが鳴った。
蓮夜『もうそろそろ帰らないと不味いですね・・・。』
彼は腕時計を彼女に見せながら呟いた。
美鈴『そうだね・・・また明日もここで合わないかい?』
蓮夜『大丈夫ですよ。・・・それではまた。』
美鈴『うん、じゃあ明日ね。』
2人は別れ彼は家に彼女は学院へと戻って行った。
その2人の表情は優れておらずその顔には影が掛かっていた。