アサルトリリィ Abnormal Transition   作:0IN

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過去⑨

ゆゆ『ねぇ蓮夜、私お姉様ができたの!』

 

蓮夜『いきなりどうしたんだ!?お前一人っ子だよな!・・・俺にも分かるように言ってくれ。』

 

 

興奮したような様子のゆゆの言葉に彼は困惑したまま彼女に問いかける。

 

 

ゆゆ『ごめんなさい、嬉しくってつい・・・。』

 

蓮夜『大丈夫だよ。・・・それでどうしたんだい?』

 

 

恥ずかしいのか顔を赤らめる彼女に彼は苦笑しながら会話を促した。

 

 

ゆゆ『私が通っている百合ケ丘にはシュッツエンゲルの誓いというものがあるのは知っているかしら?』

 

蓮夜『・・・知らないね。』

 

 

彼は一瞬考え込んでからそう言った。

本当は前日に美鈴から聞かされているのだが彼女との関係がバレる可能性があるためここは嘘をつく。

 

 

ゆゆ『知らなくたって当然よ?・・・シュッツエンゲルの誓いは上級生が守護天使として下級生を導く制度なの。』

 

蓮夜『小学校とかでよくある上級生が下級生とペアを組んで面倒を見るあれと同じか?』

 

ゆゆ『その考えで問題ないわ。・・・違うとすれば高等部からしか結べないことかしら?』

 

蓮夜『高等部?・・・そのお姉様?は高等部なのか?』

 

ゆゆ『いいえ、私の1つ上よ。』

 

蓮夜『2年か・・・それって大丈夫なのか?・・・どっちも高等部じゃないが?』

 

ゆゆ『普通はダメなのだけど中等部でも生徒会所属なら例外になるの。』

 

蓮夜『なるほどね。・・・それでそのお姉様?ってどんな人なんだ?』

 

 

彼は内心「姐さんだろうけど」と思いながら彼女に問いかける。

 

 

ゆゆ『そうだったわね。お姉様の名前は川添 美鈴様・・・知的で強くて、そして優しい人よ。』

 

蓮夜『確かゆゆって初等部の時はトップだったんだろ?そんな君が強いって言うってどれだけなんだ?』

 

ゆゆ『今の私では手が出せないほどよ。この前模擬戦をしたのだけどまるで相手にならなかったな。』

 

蓮夜『やっぱり中等部になるとレベルが違うんだな。』

 

ゆゆ『それもあるだろうけれど、お姉様は中等部でもトップクラスの実力者なの!』

 

 

その後も彼女はまるで自分のことを言うかのように彼女の事を自慢してくる。

その目は輝いておりその表情は生き生きとしていた。

それを見て「姐さんとは上手くいってるんだな」と思いながら微笑んでいると、

 

 

ゆゆ『・・・何を笑っているのかしら?』

 

 

彼女が自慢をやめてジト目で彼を見る。

 

 

蓮夜『いやぁ、ゆゆにそういう人ができて良かったなってな。・・・これで俺の心配事が1つなくなったよ。』

 

ゆゆ『心配事って・・・心配していたの?』

 

 

彼女は一瞬頬を赤らめるがすぐに元に戻り彼に問いかける。

 

 

蓮夜『もちろん、君に親しい間柄の人ができるか心配だったんだよ。』

 

ゆゆ『どういう心配よ!』

 

蓮夜『だって君は俺と同じで友達作るの下手でしょ?それにすぐに暴走するじゃん・・・そうなると親しい間柄の人じゃないと止められないし・・・それで1人になるんじゃないかって心配になるでしょう。』

 

ゆゆ『失礼ね!私はあなたほど下手じゃないわ!それに暴走するって・・・そう思っていたの?』

 

蓮夜『もちろん!』

 

 

『ガクッ』という擬音がつきそうな勢いで落ち込む彼女の肩に手を置き、

 

 

蓮夜『まぁ、自覚したまえ。』

 

 

彼がふざけたような言葉を口にすると彼女の肩が小刻みに震え出した。

その直後彼女は生きよう行く顔を上げて、

 

 

ゆゆ『あなたにだけは言われたくないわよ!このボッチ!』

 

蓮夜『ボッチ!?』

 

ゆゆ『そうよどうせあなたの事だから中学でも友人はいないでしょう!』

 

蓮夜『少しはいるに決まってるだろ!そういう君はどうなんだ?』

 

ゆゆ『私だっているわよ!』

 

 

その後しばらく言い合いが続く、

しばらく続けていると疲れたのかお互いに肩で息をし始まる。

 

 

ゆゆ『・・・もうやめましょう。』

 

蓮夜『・・・だな、ただ虚しくなるだけだし、』

 

 

これが不毛な争いだと自覚した2人はこの会話を終わらせて別のことを話し始めた。

 

そこからはいつもの2人の会話となり穏やかな時間が始まった。

 

 

 

 

蓮夜『ってことがあったんですよ。』

 

美鈴『夢結にそんな一面がね・・・。』

 

 

彼が今日のことを美鈴に話すと彼女はゆゆの行動が意外だったらしく思わず笑ってしまっう。

 

 

蓮夜『そうだった、なんで言ってくれなかったんですか!おかげで結構焦りましたよ!』

 

美鈴『ごめんごめんサプライズのつもりだったんだ。』

 

蓮夜『本当に姐さんは・・・。なんでいつもは頼もしいのにこういうところでははっちゃけて来るのか。』

 

 

彼が大きなため息を吐くと彼女は苦笑する。

 

 

美鈴『そういえば蓮夜。』

 

 

彼女が先程までの表情と打って変わって真剣な表情になる。

 

 

蓮夜『・・・どうしたんですか?』

 

美鈴『夢結ってさ・・・もしかして異能者なのかい?』

 

蓮夜『・・・え?』

 

 

彼女の言葉が理解出来ず固まる。

固まった彼も数秒して動き出し彼女に問いただす。

 

 

蓮夜『・・・どういうことですか?』

 

美鈴『だから、夢結が異能者かもしれないことを知っているのかって聞いたんだよ。』

 

蓮夜『なんでそう思ったんですか・・・。』

 

美鈴『君も知っていると思うけど直接相手に干渉する能力は異能者相手だと効きにくいのは知っているだろう?』

 

蓮夜『ええ、俺も姉さんもお互いに効きにくいですし。』

 

美鈴『1回気になって彼女の魂を覗こうとしたんだ。そうしたら能力が弾かれちゃってね・・・確かに僕の能力は見ることに向いてはいないが普通だったら弾かれるはずがないんだ。』

 

蓮夜『・・・偶然なのでは?』

 

美鈴『・・・それはないね。その後も何回も繰り返したんだけど全て弾かれたからそこは間違いない。』

 

蓮夜『体質とか精神性によっての効き方の変化はどうなんですか?』

 

美鈴『それもない。・・・蓮夜・・・認めたくない気持ちはわかるけど・・・。』

 

蓮夜『・・・会う度に必ず確認していたのに・・・どうしてだ?』

 

美鈴『確かに解析特化の君が分からなかったことに違和感があるけど僕は嘘をついてないよ。』

 

蓮夜『もしかして最後にあった日の後に?・・・だけどそれだと兆候があってもおかしくないから・・・。』

 

美鈴『おーい、蓮夜?・・・聞いているのかい?』

 

蓮夜『そうすると隠蔽しているのか?・・・もしかして俺が異能者なのに気がついてる可能性も、』

 

美鈴『聞こえては・・・ないようだね。・・・どしたものか。』

 

 

完全に自分の世界に入ってしまった彼に彼女はため息をつく。

 

 

美鈴『いつになったら戻るのかな?』

 

 

それから数分後未だに彼は現実に戻ってくる気配はなく、独り言を呟き続けていた。

 

 

蓮夜『もしもわかっているならなんで言わないんだ?・・・もしかして信用されてない?・・・これは打ち明けるべきなのか?』

 

 

彼の思考が明後日の方向に行ってしまい始める。

 

 

美鈴『ちょっと!何をしようとしているんだ!?』

 

 

それを聞いた彼女が慌てて彼の方を揺さぶり正気を取り戻させようとする。

しばらく揺さぶると彼が彼女の肩を叩く、

彼女が彼から手を離すと彼は頭を振り手を額に置いた。

 

 

蓮夜『すいません・・・ちょっとおかしくなってました。』

 

美鈴『あれはちょっとどころじゃないと思うんだけど・・・落ち着いたかい?』

 

蓮夜『はい、ありがとうございます。危うく凶行に出るところでした。』

 

美鈴『本当に焦ったよ。・・・なんであんな考えになったんだい?』

 

蓮夜『もしも異能者なら分かるはずなのに分からなかったということは隠蔽しているはずなんですよ。だとするとどうして相談してくれないのか、それでそこから発展して信用されてないんじゃないかって・・・。』

 

美鈴『普通そこまで発展するかな?・・・それにしてもそんなに夢結に信用されてないのは嫌なのかい?』

 

蓮夜『自分でも分からないんですよ。なんでか夢結だけはなんというか・・・過保護というかそんな感じになるんですよ。』

 

美鈴『過保護?・・・なのかな?』

 

蓮夜『それで夢結だけは絶対に守らないとって思うんですよね。』

 

美鈴『過保護超えてるよ。それ・・・。』

 

蓮夜『これが姐さんの言う恋心?なんですかね?』

 

美鈴『恋心とは違うと思うな?・・・なんというか比護欲というか義務みたいになってる・・・かな?』

 

蓮夜『・・・姐さんも自信ないんですね。』

 

美鈴『仕方がないさ。・・・それより夢結のはあくまで可能性だから君も確認を頼むよ。』

 

蓮夜『分かっています。今度夢結と会う時より詳しく調べてみます。』

 

美鈴『お願いね・・・!!蓮夜!』

 

蓮夜『・・・。』

 

 

彼女が叫ぶと彼は真剣な表情に変わる。

すぐさま2人は目を合わせその後森の奥へと視線を向ける。

じっと観察すると美鈴はCHARMを蓮夜は太刀を手に取った。

 

美鈴『急いだ方が良さそうだ。』

 

蓮夜『・・・。』

 

 

2人はすぐさま森の奥へと駆け出した。

 

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