アサルトリリィ Abnormal Transition 作:0IN
闘技場を後にし彼らは工廠科へと向かった。
ミリアム「ここが工廠科じゃ。」
梨璃「地下にこんな施設があるんですね。」
ミリアム「おい百由様おるか!?」
ミリアムが百由の部屋の扉を開けると、部屋の中から強い光が漏れ出す。
梨璃「わっまぶしい!」
百由「ごきげんよう。ちょっと待って・・・これからCHARMの硬化処理するところなの。」
百由はアームを操作し熱せられたCHARMのパーツを取りだし別の機械に入れて冷却をしていた。
百由「いらっしゃい。梨璃さんと楓さんね。えーとあなたは・・・。」
二水「二水です。二川 二水!」
百由「よろしく二水さん。今いいところなの。さあ、上手くいってよ〜。」
そう言うとまたアームを操作し始めパーツを機械から取り出した。
『パキン』
という音がパーツから鳴り、その瞬間百由は膝から崩れ落ちる。
百由「あ・・・。あーーーー。」
顔がどんどんと絶望をしたような表情になっていき、頭を抱えて、
百由「このひと月の努力の結晶が〜。」
悲痛な叫びが部屋の中に響いた。
梨璃「なんですか、これ・・・?」
モニターに写っているパーツの表面を見て梨璃は首を傾げる。
百由「CHARMの刃にはマギを制御する術式が刻み込まれているの。」
ミリアム「リリィの身体から流れ込むマギがこの術式によって活性化し、ヒュージを支えるマギをまた断ち切るのじゃ。」
梨璃「ヒュージの、マギ・・・。」
ミリアム「リリィに力を与えるのもマギなら、ヒュージに力を与えるのもまたマギじゃ。ま、道理じゃの。おぬしも知っておろう?」
梨璃「はい・・・習いました。」
そのような話をしている時に百由から、
百由「あ、そうだ!蓮夜、あなたこれどうにかできない?」
蓮夜「このヒビのことか?」
百由「そうよ、あなたならあのペン見たいのでどうにかできない?」
蓮夜「ギアなら方法があるけど・・・CHARMに使えるか?」
百由「失敗しても大丈夫だからやってみてくれない?」
蓮夜「わかった・・・ちょっと待ってろ道具持って来るから。」
そう言いながら彼は部屋から出ていった。
梨璃「あ、あの黒鉄さんはどちらに?」
百由「蓮夜?自分の部屋よ。」
楓「彼ならこれを直せるかもとはどうしてなのでしょうか?」
百由「それね。彼の武器・・・ギアって言うらしいんだけどCHARMとは原理は似てはいるんだけど造り自体が全くの別物でね。どうにかできる手段があるかもしれないから聞いてみたのよ。」
扉が開き彼が戻ってきた。
蓮夜「戻ってきたぞ。百由 やっては見るがダメでも文句は言うなよ。」
百由「わかっているわよ。」
彼はパーツが置いてある台へと向かい道具を取り出す。
ペン先端を取り外し針のような物に付け替え、マギ溶液生成機のカバーを開き小さな板状の物を中に入れる。
そうして新たに極細の注射針のようなものが付いたスプレーガンのようなものを取り出した。
生成した溶液をスプレーガンに入れると
蓮夜「これから集中しなくちゃいけないからしばらく話しかけないでくれるか?後で説明するから。」
彼は望遠鏡を覗きながら作業を開始した。
梨璃「あ、あの・・・なにをしているのでしょうか?」
百由「私もよく分からないわ。だけど繊細な作業をするみたいだからアッチへ行って話をしましょう。」
彼女達は彼が作業しているところから少し離れ会話の続きを始めた。
ミリアムが置いてあったCHARMの銃身を手に取り梨璃に中を覗くように促す。
ミリアム「こんなのもあるぞ。ほいっ。」
梨璃「はい?」
中を覗き込むとライフリングにルーン文字が浮かび上がっている。
ミリアム「CHARMの銃身じゃ。よく見い、ライフリングにも術式が刻まれておる。弾がここを通る時にマギと共に術式が刻まれるというわけじゃ。」
百由「ヒュージと違って、リリィはCHARMを依代とすることでマギを制御する・・・んだけど。」
百由そう言いながら彼の方を向き彼の手が止まっていることを確認すると、
百由「蓮夜、それどうにかなりそう?」
蓮夜「ヒビ埋めるのは終わったからあとは書き足すだけだすぐ終わるから少し待っててくれ。」
しばらく待っていると彼が立ち上がり、
蓮夜「終わったぞ。どうにかなったと思うが1回確認頼む。」
百由「わかったわ。」
百由がパーツに触れマギを流す。
そうすると刃の部分が淡く光り。
百由「問題なく動くわね。ありがとう助かったわ〜。」
蓮夜「どういたしまして。」
百由「もう時間出しお昼にしましょうか?私は食堂に行くけどあなた達も一緒にどう?」
その言葉に全員同意し彼らは食堂へと向かった。
食堂に着き食事をする中梨璃は百由に自信が夢結とシュッツエンゲルを結びたいことと彼女の雰囲気がなぜ変わってしまったのかを調べていることを話す。
百由「しっかし、よりによって夢結とシュッツエンゲルだなんてねー。」
梨璃「はい・・・でも全然相手してもらえなくて。あの、夢結様が今使っているCHARMは・・・。」
楓「ブリューナクですわ。」
梨璃「2年前に使っていたのは・・・?」
百由「ダインスレイフね。」
梨璃「なぜ夢結様はCHARMを持ち替えたんですか?」
百由「・・・なるほどね。それは本人に聞くしかないでしょうね。」
梨璃「百由様は何かご存じなんですか?」
百由「知っているわ。けど教えない。」
梨璃「なぜですか・・・?」
百由「本人が望んでいないことを私がベラベラ喋るわけにはいかないでしょう?」
梨璃「あ・・・。」
百由「リリィは税金も投入される公の存在であるけど、その個人情報は本人がそれを望まなければ、一定期間非公開されるの。
個人の心理状態が戦力に直結する上に、感じやすい10代の女子ともなれば、まあ仕方ないかもね。」
楓「あのお方、感度高そうには見えませんけど。」
百由「感じすぎるのよ。感じすぎて、振り切ってしまった。」
俯きながらそう言葉にしたが、すぐに表情を変えて。
百由「おっと言い過ぎた。あとは本人に聞いて。話してくれるならね。」
梨璃「あ、黒鉄さん。楓さんから聞いたんですけど夢結様とは幼馴染なんですよね?何か知っていることはありませんか?」
蓮夜「知ってるけど俺からも言えないな。理由はさっき百由も言っていたが本人が望んでいないということと、この件について俺が入ってはいけないからだな。」
梨璃「入っては行けないとは、どうしてですか?」
その言葉に彼は顔を顰めながら。
蓮夜「色々と複雑な事情があるんだよ・・・これ以上は言えないかな。」
梨璃「はい・・・わかりました。」
梨璃が俯いていると楓が。
楓「梨璃さん、どうしてそこまで夢結様にこだわるのですの?」
梨璃「はじめて出会ったときの夢結様と、今の夢結様がまるで別人みたいで・・・。私、それが不思議で・・・知りたいんです。」
楓「夢結様がそれを望んでいなくてもですか?それともご自分なら夢結様を変えられる?そんなのは梨璃さんのエゴではなくて?」
梨璃「それは・・・そうかもしれないけど・・・。
夢結様が胸の内に何をしまっているのか・・・。
わたし、知りたいんです。」
楓「はあ。これは当たって砕けるよりほかはなさそうですね。夢結様にケチョンケチョンにされてボロ雑巾のようになった梨璃さんに私が手を差し伸べれば、一丁上がりという寸法ですわ!」
二水「楓さん妄想がダダ漏れです・・・。」
蓮夜「本人の目の前で言うか?・・・普通・・・」
その後しばらく会話した後彼女達と別れた。
席を立とうとした時、隣にいた百由が、
百由「本当に良かったの?」
蓮夜「何がだ・・・。」
百由「夢結のことよ・・・あなたからも少しぐらい言っても良かったんじゃない?」
蓮夜「当事者じゃない俺が言えるわけないだろ・・・それに俺からは言う訳には行かないからな。」
百由「えっ、今何か言った?」
蓮夜「いいやなんにも。それよりもお前結構食べたな。」
百由「いや〜、最近ろくに食べてなくてね。かなりお腹空いてたのよ。」
蓮夜「体に悪いから気をつけろよ。」
百由「わかってはいるんだけどね?つい物事に夢中になっちゃうと悪れちゃうのよ。」
蓮夜「はぁ・・・この話はもういいや。それよりもこれから時間あるか?CHARMについてのしたくてな。」
百由「時間なら大丈夫よ。それならあなたの部屋でやりましょうか。」
蓮夜「そうだな。それじゃ行きますか。」
彼は百由と自身のCHARMのことを相談するため彼女と自分の部屋へと向かった。
彼らは部屋に着き。
百由「そういえばどうやってあのヒビを直したの?後で説明をすると言っていたし聞かせて貰うわよ。」
蓮夜「マギ溶液生成機のことは少し説明しだろ?アレには液体状に帰る以外に他のルーンを刻んだ銀盤を入れることで他の性質を追加できるんだよ。」
百由「そうなの・・・色々と便利ね。」
蓮夜「だけど追加できる性質は1個までだけどな。まぁ、それを利用して溶液に金属の性質を加えたんだよ。それをヒビに流し込んで馴染ませることでヒビ埋めをして固まったところにルーンを書き足した感じだな。」
百由「それだけでできるものなの?」
蓮夜「あぁ、今回のは文字の間にヒビが入っていただけで少しルーンがかけていただけだったから埋めて書き足すだけ済んだが、これがルーンにまでガッツリと入ってたら無理だったな。」
百由「結構危なかったのね・・・。」
蓮夜「そういうことだ。」
百由「あの道具って余ってない?使ってみたいんだけど。」
蓮夜「前に使ってたのを予備として持ってるからそれならあるぞ。」
百由「それ借りていい?」
蓮夜「いいぞ?てかあげようか?」
百由「本当に!」
蓮夜「あぁ、成形機あるから新しく作り直そうと思ってたし、今使っているのを予備にするから。」
そう言って彼が使っていたものと少し形が違うものとUSBメモリーを取りだし百由に渡す。
蓮夜「USBメモリーに使い方入れてあるから後で見てみてくれ。」
百由「それは助かるわ。おっと話が逸れていたわね、それでバインドルーンを組み合わせても大丈夫そうだし本格的にCHARM制作に取り入れて行きましょう。」
蓮夜「あ、そうだあのデータに目を通したか?」
百由「えぇ、よくあそこまでのパターンを調べたわね。四重まであったわよ?」
蓮夜「五重も作ってみたんだが上手くいかなくってな。だから四重までのパターンをあらかた調べたんだよ。」
百由「そういえばあなたのルーンは何だったの?」
蓮夜「1回見た事はあるが多分〈
百由「結構やばいやつね・・・2つとも。」
蓮夜「聞いた話だとあれってそんなに関係ないんだろ?」
百由「そうね、レアスキルの傾向ぐらいにしか関係ないはずよ。」
蓮夜「俺のレアスキルがやばいやつだからああなったんだろ?」
百由「そうでしょうね。」
蓮夜「このことは今はいいとして、とにかく次はどこを弄るか話さないか?」
百由「それもそうね。耐久性はあれでいいとして次はどうする?」
蓮夜「それならマギの制御系統がいいかな?これが改善出来れば完成系にかなり近づくはずだし。」
百由「マギの制御系統だとこの部分かしら?」
蓮夜「ルーンは〈
百由「それが1番じゃない。そうするとこことここがいらないわね。」
改良の案はどんどんと出来上がっていく。
百由「案は纏まったしあとはパーツの準備が出来たら試してみましょう。」
蓮夜「だな、それじゃ今日はここまでとしていつ頃できそう?」
百由「大体5日ぐらいかしら?」
蓮夜「それならそれまでは一旦お預けだな。何か思いついたら話し合うということで。」
百由「私も今日は帰るはね。おやすみなさい。」
蓮夜「ああ、おやすみ。」
そうして百由は部屋から出て行く。
その後、彼も休むことにした。