アサルトリリィ Abnormal Transition 作:0IN
そこにいる全てのものが消えていく。
あるものはないも無いはずの場所で切り刻まれ、
またあるものは突然現れた杭のようなものに串刺しにされ、
またあるものは黒い球体が現れて呑み込まれ、
またあるものは突然発火し、
他にも凍りつくもの、
押しつぶされるもの、
ねじ曲げられるもの、
砂になるもの、
破裂するもの、
結晶に覆われるもの、
同士討ちをするもの、
このよう自体があたり全体で瞬きの間の一瞬とも言える僅かな時間に数十・・・数百回と繰り返されている。
その光景はまさに地獄がこの世界に顕現したかのようでありこの場にあるもの全てを壊し続けた。
その中でその猛威の中を平然と佇む一つの影があった。
???『・・・』
その人影は少年の姿をしており宙に浮いていた。
その人影はただただ正面を見るだけで微動だにせず、ただそこに佇み続ける。
しばらく達人影の佇み続ける場所を中心に辺り一帯の全てが消え去った時、
人影が手を前へと突き出した。
すると何もない場所から結晶が現れてその大きさを肥大化させていく。
そして結晶達は人影の身長の数倍・・・数十倍まで成長すると一斉に砕け始めた。
その砕けた結晶の中から顔を出したものは、
先程壊された建築物であった。
一斉に姿を現す建築物・・・それにより街は元の姿を取り戻すが先程までいたもの・・・ヒュージだけはその存在自体がそもそもなかったかのように姿を消していた。
人影は手を下ろすと街には目もくれず森の中へと姿を消した。
人影は森の奥へと進んで行く、
その間にもヒュージに出会うがその全てが先程と同じ末路を追った。
それからも人影は森を進んで行くと唐突に歩みを止めた。
そこは小さな丘の上でありそこからは森全体を見渡すことが出来その森の先には海が見える。
夢結「ッ!?・・・なんなの・・・これは・・・。」
彼女を突如頭痛が襲う。
今まで彼の経験を追体験し痛みに慣れきったその身体には気にならない小さな痛みのはずだが、
その痛みは彼女の頭の中で強く響き渡り彼女を思考できないほどに追い詰める。
その痛みに嫌悪感はなくまるで忘れていた大切な何かを思い出したかのような幸福感を覚えるものであった。
だが、それと同時にこの先に進んでは行けないと身体が悲鳴をあげてる以下のようにも感じ取れる。
???『・・・ッ!?!?』
彼女が痛みに耐えようとうずくまっていると突如人影が苦しみ出した。
人影は頭を抑えて膝を着く。
しばらく経ち痛みが収まり出したことで彼女が立ち上がった。
そして周りを確認すると人影も同じくうずくまっているのを発見しすぐに駆け寄る。
夢結「蓮夜!どうしたの!?」
蓮夜?『・・・。』
人影・・・彼は彼女の言葉に反応せずその場にうずくまり続けた。
その様子を心配に思った彼女は彼に向かって手を伸ばす。
触れられないことなど分かっているが彼女にはそのことなど気にせずに彼の肩へと手を伸ばし、
彼の肩へと触れた。
夢結「・・・えっ?」
彼女は困惑する。
今まで触れることの出来なかった彼に触れることが出来ているのだ。
彼女がこの突然起こった変化に止まっどっていると、
世界にノイズが駆け巡った。
そのノイズは次第に大きくなり辺り一面を覆い尽くす。
彼女も必死に抵抗しようとするが、
その抵抗も虚しく彼女の意識は落ちた。
夢結『・・・うっ。』
再び襲う頭痛の痛みにより彼女は目を覚ました。
夢結『・・・ここは?』
彼女の目の前には木々が広がっておりそこが森であることがわかる。
このままでは詳細が分からないため周りを見渡そうとすると、
夢結『・・・首が動かない!?・・・それだけじゃないわね。』
いくら動かそうとしても首が動くことがなく、それどころか身体そのものが動かなくなっていた。
夢結『・・・周りの景色が大きく感じるわね・・・視線が低いのかしら?』
この異常事態に彼女はすぐに冷静さを取り戻し自身の状況を確認する。
すると自身の周りのものが大きいように感じた。
???「置いてかないでよ!」
夢結『えっ?』
背後から懐かしい声が聞こえた。
それは自身のよく聞く声よりも幼さを感じたが、その声は彼女の記憶上にあるものであった。
彼女がすぐさま振り返ろうとするがやはり身動ぎすらすることができない。
それでも彼女がどうにか振り返ろうとしていると、
唐突に彼女の身体が動き始めて視点が背後へと向いた。
そこに写っていたものは、
???「待って〜!」
幼い時と彼は、黒鉄 蓮夜の幼少期の姿だった。
彼は必死にこちらへと向かってくる。
???「蓮夜!遅いわよ!」
夢結『・・・この声・・・誰のかしら?』
彼女は自身の口元から発された声に違和感を感じた。
この声・・・確かに自身の知っている声のはずなのだが誰の声なのか分からない。
この声の正体を考えていると、
蓮夜「ゆーゆー!やっと追いついた。」
彼の一言により彼女の疑問が解決した。
夢結『・・・私の声なのね。』
この声は幼い頃の彼女自身の声であった。
夢結『つまり私は
この特殊な状況に困惑をするがすぐに冷静さを取り戻す。
ゆゆ「蓮夜・・・大丈夫かしら?」
蓮夜「うん!大丈夫だよ。」
ゆゆ「それなら行きましょうか!」
蓮夜「まっ、待ってよ!」
彼女が駆け出した彼が追う。
やはりリリィになるために訓練している彼女と一般人の彼との間では体力差があり2人の距離が離れていく。
少し離れると彼女が止まり近づくとまた走り出す。
それを繰り返し続けると光が差し込み。
森が晴れた。
夢結『ここは!』
そこには森を見渡すことのできる丘だった。
森の先には海があり太陽の光で宝石のように輝いていた。
そこは先程まで彼女のいた場所・・・彼が佇んでいた場所だった。
蓮夜「はぁ・・・はぁ・・・やっと着いた!」
ゆゆ「どうかしら!学院での授業の時に見つけたの。」
夢結『・・・私が見つけた?』
ここで彼女は違和感を感じる。
私はこのような場所を見つけたか?
見つけたとしても彼と一緒に来たか?
彼女には、その覚えがなかった。
まるでその記憶だけ消えたかのように、
夢結『記憶にないはずの情景・・・これは彼の見た
彼女がある予測にたどり着くその瞬間、
彼の身体が空に舞った。
彼の表情は驚愕に染まっており、
彼女が確認するとそこには、
彼を押すように前に突き出された自身の腕と、
・・・胸の中央から生える刃があった。