アサルトリリィ Abnormal Transition 作:0IN
雨の降る森の中、一つの影が駆け抜ける。
二水「こちら一柳隊所属、二川 二水です。ただいま現場に到着しました。」
彼女は雨の音だけが響く森の開けた場所まで走ると足を止め周囲を確認する。
二水「これより、要請のあったエレンスゲ女学院に所属するリリィの救助捜索活動を開始します。」
彼女はインカムを通じて連絡を取ると自身のレアスキル『鷹の目』を発動される。
二水「作戦地域は雨でよく見えない・・・じゃなくて雨天により視界不良。ケイブ反応もあり、一刻も早い救助が必要だと思いますっ。」
辺りの状況を方向していると遠くから大きな音が鳴り響いた。
二水「っ!?戦闘音あり!あちらは・・・梨璃さんも夢結様の索敵範囲です!」
自身の記憶上にある地図と現在地を照らし合わせて音の発生源を探る。
するとそこは梨璃と夢結の索敵範囲であることがわかった。
二水「二川 二水、これより戦闘地点に向かいます!以上、通信終わりっ!」
彼女は手早く報告を終えると足早に音の地点へと向かった。
???「やああああー!!」
雨により視界の霞む森の中、金属特有の甲高い音が鳴り響く。
???「こちらのヒュージは倒しました!お姉様の方はーー」
そこにはCHARMを持った少女の姿があり、目の前には活動を停止したヒュージが倒れている。
彼女はヒュージの活動停止を確認すると後ろを向いた。そこには黒髪の少女がおり彼女の方を見ている。
???「私は大丈夫よ。」
黒髪の少女の後ろにもヒュージの死骸が何体も倒れていた。
???「それより、梨璃、焦りは禁物よ。今も、かなり無理しているように見えたわ。」
梨璃「ごめんなさいお姉様。」
梨璃は自身のシュッツエンゲルである夢結に注意されると少し顔を伏せる。
梨璃「エレンスゲ女学院のリリィがこの森で今も救助を待っていると思うと、いてもたってもいられなくて!」
夢結「そうね・・・でも、貴方が怪我をしては元も子もないわ。この隊のリーダーは梨璃なのだから。」
梨璃「はい・・・!ありがとうございます、お姉様!」
???「そうだぞ!」
梨璃・夢結「「!?」」
2人は突如聞こえた声に驚きながら声の方向を確認する。
そこには2人よりも少し幼げな少女がおり自身のCHARMを地面に突き立てながら胸を張っていた。
梨璃「結梨ちゃん!?」
夢結「結梨!?・・・どうしてここに?楓さんは?」
???「ちょぉぉっと、お待ちになってー!」
結梨を確認した2人は彼女と共にいるはずの楓がいないことに気づき辺りを見回した。
すると、木々の隙間から人影が姿を表した。
梨璃「か、楓さん!?」
楓「私に隠れて何をイチャイチャしてますの?いくら夢結様とて、抜け駆けは許しませんわよ!あと、結梨さんは早すぎます!」
結梨「・・・?」
彼女達が会話をしていると森の奥から二水が現れこちらへと向かってきた。
夢結「3人とも追いついたようね。」
楓「無視ですのっ!?」
夢結にスルーされた楓が彼女に抗議していると二水が突如声を上げる。
二水「あっ、待ってください!梅様より通信です!」
梨璃「えっ、本当!?」
二水からの連絡に梨璃はインカムで梅へと通信を入れた。
梨璃「もしもし、梅様ですかっ?そちらの様子はどうですかーー?」
梅『おう、梨璃か。うんうん、通信は良好だゾ。』
ミリアム『エレンスゲ女学院のリリィはまだ見つかっとらんがの。』
鶴紗『一応、争った形跡とヒュージの残骸は見つかった。近くにいると思う。』
インカムから3人の声が聞こえた。
梅『外征に来たエレンスゲのレギオンが消息を絶って5時間が経過。そろそろ救助してやらないと危ないな。』
ミリアム『こう視界が悪くては捜索もままならん。手分けをして探したいところじゃが・・・。』
梅『これ以上、隊を分けるのは避けるべきだろう。』
ミリアムは辺りを確認しているらしくその視界の悪さから捜索が困難であるとつぶやく。
捜索方法を悩んでいるとインカムから新たな声が聞こえた。
神琳『皆さん!雨嘉さんがヒュージを発見したようです!』
雨嘉『2時の方向、茂みの向こう。まだこちらには気づいてない・・・!』
声の主は神琳であり、彼女達は近くにヒュージがいること報告した。
梅『梨璃、いったん通信を切る!そっちは頼んだゾ、夢結っ。』
神琳『奇襲を仕掛けましょう。梅様、鶴紗さんお願い致します。』
梅『おう、任せておけ!』
鶴紗『速攻でいく。』
ミリアム『・・・ワシは?』
神琳『私と雨嘉さんで援護射撃を行います。射線には気をつけてください。』
雨嘉『うん、わかった。』
ミリアム『・・・おーい。』
神琳『ヒュージの規模は不明です。要救助者もいることを念頭に、各員臨機応変に対応お願いします。』
神琳は梅達に手早く作戦を知らせると自身も準備に取り掛かる。
そして全員が準備を整えるとヒュージへと向かって飛び出した。
神琳『戦闘開始です!』
ミリアム『ワシを無視するな!』
そんな中で1人の少女の声が森の中に悲しく響いた。