アサルトリリィ Abnormal Transition   作:0IN

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ラスバレ1章⑥

CHARMを飛んできた方向から声が聞こえそちらをむくと、小さな少女がこちらへと走ってきておりヒュージへと一直線に近づいていく。

 

 

神琳「いえ、リリィです!さっきのCHARMを投擲してきたようです。」

 

楓「なんて無茶な戦い方・・・。」

 

 

 

???「藍、待ちなさい!!」

 

 

少女が駆け出してきた奥から数人の人影が飛び出してきた。

 

その人影達は雨によりよく見えず誰か分からないがヒュージの方へと接近する。

ヒュージに近づくにつれ霞んでいた姿がわかるようになりその人影の中にヘルヴォルのリーダーである一葉がいることがわかった。

 

 

???「うわー、遮蔽物なんて関係ないね。藍ってば、相変わらずワイルドな戦い方するねー。」

 

???「今はとにかく藍ちゃんを追いましょう。敵の規模はまだ分からないんだし、孤立させるのは危険よ。」

 

???「そうだね・・・一葉。」

 

一葉「はい!恋花様と瑤様は前衛を頼みます。」

 

恋花「お任せー!」

 

瑤「うん、わかった。」

 

 

恋花と瑤と呼ばれた2人は一葉の言葉を聞いて藍を足を早めヒュージへと急接近する。

 

 

一葉「千香瑠様は死角からの奇襲に備えてください。特に藍は防御が手薄なので巻き込まれない程度にアシストを。」

 

 

千香瑠と呼ばれた少女は自身のCHARMを射撃形態へと変形させて周囲を警戒し始める。

 

 

一葉「私はヒュージを牽制しつつ誘導します。各員、CHARM構えーー」

 

 

一葉も己のCHARMを構え直し重心を前に傾けると、

 

 

一葉「ヘルヴォル、状況開始!」

 

 

その言葉と共に先にヒュージへと向かった3人を追いかけて走り出した。

 

 

 

藍は小柄な身体をヒュージの体に中に滑り込ませるように接近するとCHARMを振り上げる。

 

 

藍「やああぁぁぁぁっ!」

 

 

藍のCHARMはヒュージへと吸い込まれるように叩き込まれヒュージの巨体を宙へと浮かせる。

足場を失い姿勢を崩したヒュージは自身の触腕を最大限動かし体制を整えようとするが、その隙を狙うかのように恋花と瑤が空中へと飛び出しヒュージを撃ち落とした。

 

 

恋花「自分ばっかり目立ってずるいんだー。あたしたちの分まで残しておいてよ・・・ねっ!」

 

藍「っ・・・!」

 

瑤「わたしは別に目立ちたくない・・・。」

 

 

恋花が気の抜けるような言葉を言いながら藍の横に降りると、3人は地面に叩きつけられたヒュージが硬直している隙を狙い追い打ちをかけた。

 

3人の猛攻により動けないでいるヒュージだが、その触腕がかすかに揺れる。

 

 

一葉「3人とも気をつけて!そのヒュージ、まだ力を残してます。」

 

 

 

一葉なヒュージの様子にいち早く気づき3人に警告を出すと、その瞬間ヒュージがいきなり動き出し瑤へと向かって突進をする。

 

 

瑤「く・・・っ!」

 

恋花「獣と一緒だね。手負いの方が厄介なんだから、まじで。」

 

 

瑤はCHARMを盾にしてどうにか防ぐことに成功するが強い衝撃に体制を崩す。

ヒュージはその隙を狙い再度瑤へと攻撃を仕掛けるがそれは恋花が間に入ることで防ぎヒュージを押し返すと、瑤を庇うように前に立ちヒュージを牽制した。

 

 

藍「たおす・・・らんが、ヒュージ・・・やっつける!」

 

 

2人に意識を向けているヒュージに藍が急接近した。

集中しすぎたことで藍に気づくのが遅れたヒュージは彼女の攻撃をまともに受け大きく吹き飛ばされる。

 

 

藍「っ!」

 

 

藍は攻撃の勢いをそのままにヒュージへと接近するが、ヒュージが触腕を伸ばして彼女の進行ルートに乗せる形で置くと彼女は止まることができず刃へと吸い込まれて行った。

 

彼女に刃が触れる寸前、触腕へと数発の銃弾が打ち込まれる。

 

 

千香瑠「藍ちゃんに・・・私の仲間たちに手出しするのは許しませんよ?」

 

藍「・・・千香瑠。」

 

 

射撃音の方向には、CHARMをこちら側へと向ける千香瑠がおり、その表情は静かではあるが確かに強い意志を感じた。

 

 

一葉「いい感じです、千香瑠様!そのままプレッシャーをかけて押しつぶしましょう。」

 

 

ヒュージが再び態勢を崩していると一葉が3人に追いつき、そこからは4人で圧をかけるように怒涛の連撃を繰り出し始めた。

 

 

二水「すごい・・・すごいです!あんな高度なハイプレス戦術、久々に見ました!」

 

楓「そうですわね・・・あのちびっこの無秩序な動き。それすらも計算に入れて連携を撮っているように見受けられますわ。」

 

梨璃「あれは・・・あのリリィはーー」

 

夢結「エレンスゲのトップレギオン、ヘルヴォルのリーダー・・・。相澤、一葉ーー」

 

蓮夜「・・・。」

 

 

 

梨璃達が各々で驚愕していると、一葉達が一気に畳み掛ける。

激しな猛攻に防御の暇すら与えられないヒュージはその身を丸めることでどうにか身を守ることに成功していたが、さらに勢いをました攻撃の嵐に、ヒュージは触腕を弾かれ好きだらけの胴体をさらけ出してしまう。

その隙を狙って一葉達は全面に残っている触腕を弾き飛ばすながら後退、

それとすれ違うように藍がCHARMを大きく振りかぶりながらヒュージへと飛びかかり、そのまま渾身の一撃を頭部へと打ち下ろした。

 

そのとてつもない衝撃にヒュージは頭部を陥没かせながら地面に叩きつけられるとヒュージを中心にヒビが地面に広がる。

 

藍がCHARMを持ち上げると、

 

そこには、物言わぬ塊となりその生命活動を停止させた。


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