アサルトリリィ Abnormal Transition 作:0IN
天葉「・・・れンヤ、コれはドうイウじョウキョうヨ。」
蓮夜「天葉・・・お前、意識があるのか?」
天葉「そんナことヨリアンた、クスミになにシヨウトしてタノ、」
蓮夜「・・・。」
彼は天葉の言葉に驚愕の表情を浮かべながら彼女を見つめる。
天葉「ソレにシャべりニクいワね。・・・ワタし、たシカあのコたちニ、」
樟美「天葉姉様!!」
天葉の意識が戻ったことにより樟美は涙を流しながら彼女へと飛びつく。
天葉「く、クスミ・・・どうシタの・・・うまクうゴカナイわね、」
天葉は自身の状態に困惑しながら唯一自身の意思で動かすことができる右腕で樟美を抱き締める。
天葉「ナカないノ、ほラ、わたシはココにいるワよ。」
樟美「天葉姉様!天葉姉様!天葉姉様!!」
樟美は彼女の声を聞く度にその涙の勢いを増していきそれをどうにかしようと天葉は彼女を撫でる。
しばらく撫で続けると樟美も泣き止み、それを確認した天葉は彼へと視線を向け直した。
天葉「ハナしがトギレタケれど、どうイうじょうキョウなのかしら、」
蓮夜「天葉は今自身の現状を理解しているのか?」
天葉「どうイウことよ、ミギていがいウマクうごカナイけど・・・どういウことよ、」
彼女は彼の言葉に反応し自身の体を見渡す。
すると彼女の足があるはずの場所には青白い霞が存在するのみであった。
それを見て彼女の口が開いたまま塞がらず、その視線は霞へと向けられていた。
天葉「コレって、」
蓮夜「単刀直入に言うと、今の天葉はあの子達と同じ存在になりかけている。」
彼の言葉を聞いた彼女は視線を樟美へと向け直した。
彼女は微かに嗚咽を零しながら自身のことを見つめていた。
そんな彼女の首には痣があり、それは手の形をしていた。その手は細い女性の指のようで、
天葉「もしかシテ、ワタしが、」
樟美「天葉姉様のせいじゃないです。・・・良かった、本当に良かった、」
蓮夜「・・・いいや、まだ終わってない。」
樟美「えっ?」
天葉「そうヨネ、」
彼の言葉を聞いた樟美の顔がくもる。
その表情からは不安が滲み出ており、視線は彼と天葉を行き来する。
蓮夜「・・・今は意識があるけど多分長くは、」
樟美「そんな・・・。」
天葉「そんなコトだろウトオモったワよ、」
樟美の身体から力が抜け崩れ落ちる。
そして彼女は俯くとその瞳から光が消えた。
それを見ている彼は1度、眼を強く閉じる。
そして1度深呼吸をするとその瞳を開いた。
彼の瞳は光を発しており、そこには何かの模様なようなものが描かれており、その瞳には決意が宿っているように見える。
樟美「黒鉄さん!?」
蓮夜「天葉・・・樟美さん、貴方達に覚悟はあるか?」
樟美「・・・覚悟?」
天葉「どういウこトヨ、」
蓮夜「天葉と依奈を直せる可能性ができた。・・・だけど成功するかは分からないし、始めてしまえば後戻り出来なくなる。・・・4人とも命を狙われる可能性すら有り得る。・・・それでも実行する覚悟はあるか?」
天葉「・・・。」
彼の言葉に天葉は口を閉じてしまう。
樟美の命に関わるかもしれない。
彼女自身、樟美が危険に晒されるならやめた方がいいと考えるが、それと同時にとある欲望が生まれた。
しかし、自身の命のためにシルトを危険な目に合わせてしまえばシュッツエンゲル失格だ。
そんな葛藤に彼女が襲われていると、
樟美「やります。」
天葉「クすみ・・・、」
樟美の真剣な表情で放ったその言葉に、隣にいる天葉は不安そうな声をあげる。
天葉はどうにか止めようと考えるが、しかし彼女のその瞳には確固たる意思が宿っており決して曲がらないことが感じ取れた。
壱「助かるのですか?」
彼女がそう思い悩んでいると横から壱の声が聞こえる。
壱「依奈様は・・・助かるのですか?」
蓮夜「・・・確実ではないが、可能性は十分にある。」
壱「それならやります。・・・これは私達が招いた結果ですから、」
天葉「いチまで・・・、」
樟美に続くように告げられた壱の言葉に天葉天を仰ぐ、
天葉「ほんトウニばカよ、ふたリとモ、」
彼女はそう呟くと彼へと視線を向け直す。
天葉「わかッタワ、やりまショウ、・・・だケド、これダケハやくソくシテ、・・・ゼッたいにむりだけハ、しなイデ、」
樟美「分かっていますよ。天葉姉・・・だって、何かあったら一緒にいられませんから、」
壱「私もです。・・・私が帰らなかったら悲しむ人もいますから。」
そう言うと壱は依奈へと視線を向ける。
依奈はまだ暴れているが先程に比べ落ち着いておりその動きは緩慢なものとなっていた。
蓮夜「本当にいいんだな?」
樟美・壱「「はい!」」
天葉「このコたちガがんバルのだから、ワタしがやらなクテどうスルノヨ、」
彼は彼女達へと再び問い掛けるも、彼女達の意思は固くその瞳には強い信念がこもっていた。
蓮夜「・・・わかった。」
彼は眼を瞑る。
蓮夜「ならここだと危険だから、」
眼を閉じた彼は深く深呼吸をすると再び眼を開く。
蓮夜「君達には
彼がそう呟くと辺りが白い光に包まれる。
樟美と壱はそのあまりの眩しさに目を閉じてしまう。
そして数秒経ち光が落ち着いたことを確認すると2人は目を開けた。
壱「・・・えっ?」
樟美「ここは・・・?」
2人の目にした光景それは何処までも真っ白な白紙の世界だった。