アサルトリリィ Abnormal Transition   作:0IN

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ラスバレ1章㉔

蓮夜「・・・俺1人で?」

 

夢結「ええ、そうよ。」

 

蓮夜「確かに連絡入れなかったのは悪いと思ってるが・・・さすがに酷くないか・・・。」

 

夢結「違うわよ・・・貴方の戦闘方法はリリィとしても特殊だから訓練になると思ったからよ。・・・そもそも貴方、一対多が1番得意でしょう?」

 

蓮夜「確かにそうだが・・・、」

 

 

そう言うと彼はグラン・エプレのメンバーへと目を向ける。

彼は彼女達のCHARMなどを確認するとすぐに辺りを見渡し夢結へと視線を向け直した。

 

 

蓮夜「この場所であの構成はきついんだが、」

 

夢結「全力でやれば行けると思うのだけど、やはり無理かしら?」

 

蓮夜「だからこれを持ってくるように言ったのか。」

 

 

そう言うと彼は自身の方にかかっている大型のアタッシュケースを下ろした。

それは思い音を立てながら地面に立てられると彼が取手に着くダイヤルをそうさしアタッシュケースを開ける。

 

 

蓮夜「確かにこれなら善戦できるか・・・わかった、やるよ。」

 

夢結「ありがとう。」

 

 

彼は夢結との会話を終えると叶星へと視線を向ける。

 

 

蓮夜「と言うことでそちらがよろしければ1戦お願いします。」

 

叶星「えっと・・・蓮夜君が言っているのって模擬戦のことよね?・・・さっきみたいな条件付きじゃないみたいだし、さすがに1人じゃ、」

 

蓮夜「それなら大丈夫だぞ。・・・確かにきついけど俺の戦い方は一対多で1番強みを発揮するから、」

 

叶星「でも射撃があると打ち所によっては大怪我してしまうかも・・・。」

 

蓮夜「そっか・・・その可能性もあるか・・・。」

 

 

彼は叶星の言葉を聞き何かを考え始める。

 

 

蓮夜「いつも天葉とやってるから忘れてたな・・・なら。」

 

 

しばらく考えていると彼は何かを思い出したかのように先程開いたアタッシュケースの中へと手を入れた。

何かを探るように手を動かしていると彼は目的のものを見つけたのかその手を引き抜いた。

その手にはT字の小さな箱状の物が7つ握られておりその中の6つを叶星へと渡した。

 

 

叶星「・・・これは?」

 

蓮夜「これは前に試作で作った訓練用のバレットでそれを装填口に付けると弾丸がマギ反応を発生させるペイント弾の役割を果たすんだ。これがあれば安全なはずだが、」

 

叶星「こういうものもあるのね。・・・すごいわね。」

 

蓮夜「まぁこれは百由・・・俺の知り合いのアーセナルとノリと勢いで作った感じだから実用化はされてないけど・・・1度あいつと話してみるか、」

 

 

何故か空を見て遠い目をしたので叶星は首を傾げるが、何故か触れては行けない気がしたので彼女はその疑問を留める。

 

 

蓮夜「それにCHARMの強化も1部カットすれば安全性も十分だと思うからどうかな?」

 

叶星「え、ええ・・・それなら、みんなはどうかな?」

 

 

彼の提案に叶星は1度自身のレギオンメンバーへと向き直り彼女達の意見を聞こうとする。

みんな何かを考えるようにしばらく悩むような仕草をすると高嶺が口を開いた。

 

 

高嶺「私は構わないわ。」

 

灯莉「ぼくの大丈夫!」

 

紅巴「わっ!私も・・・大丈夫です。」

 

定盛「私も大丈夫です。」

 

音羽「・・・問題ない・・・です。」

 

叶星「そう・・・ならお願いできるかしら?」

 

蓮夜「こちらこそよろしく。・・・そもそもこっちから提案したことだから断るとかはないんだけどね。」

 

 

そう言うと彼は再びアタッシュケースを弄り始める。

その中には複数のアタッシュケースや機器が入っており所狭しと並んでいた。

彼はアタッシュケースを取り出すと開き中にあるものを装備していく。

 

 

叶星「・・・いくつあるのかしら?」

 

高嶺「少なくとも7つはあるわね。」

 

定盛「あんなに持って大丈夫なのかしら?」

 

灯莉「わからな〜い!」

 

音羽「・・・。」

 

 

準備を整える彼を見た彼女達は不安な表情になる。

 

 

紅巴「あ、あの。」

 

蓮夜「どうかしたのかな?」

 

紅巴「えっと・・・そんなにたくさん持って重くないのですか?」

 

蓮夜「ああ・・・これ?」

 

 

そう言うと彼は背負った2つよアタッシュケースを見る。

それはそれぞれCHARMと同等の大きさを持っておりそれを見る紅巴は心配そうな表情で彼へと尋ねる。

 

 

蓮夜「これは既に重量軽減系の術式を起動させているから重さは感じないんだ。」

 

紅巴「・・・起動していないのに?・・・ですか?」

 

 

彼は彼女が、それだけのものを背負っては動けないのではと考えてると感じたようで苦笑しながら彼女の疑問に答えた。

しかしその発言に違和感を感じた紅巴が首を傾げる。

それを見た彼は彼女に自身の手に嵌められている手甲を彼女の前に出す。

 

 

蓮夜「このガントレットが制御装置の役割を担っているんだ。だからこれを会して俺の持つ装備は全て触れていなくても起動出来るんだよ。」

紅巴「そうなのですか?」

 

蓮夜「そう・・・これはCHARMを使用時の補助装備として開発しているものの試作品なんだけど、こっちは実用化する予定だからね。・・・結構力を入れて開発してるんだよ。・・・だから色々とデータが欲しくてね。」

 

叶星「百合ケ丘のアーセナルはすごいわね。」

 

蓮夜「・・・百合ケ丘と言うよりも、・・・百由がすごいだけのような気が・・・。」

 

叶星「それでこれの名前は何なのかしら?」

 

蓮夜「一応今は『アガートラムP:TC(プロト:テスト・カスタム)』ていう型番だけど最終的にはアガートラムで落ち着くことになるかな。・・・まぁ、あとは模擬戦を楽しみにしてくれるかな?」

 

叶星「ええ、そうね。」

 

 

彼は言葉を切ると立ち上がる。

その背には交差させる形で2つのアタッシュケースを背負い腰後には大型の鞘、左右の腰には銃剣用のアタッチメントが取り付けられておりその側面には拳銃がホルスターが付けられていた。

見るからに重装備を身に付けているはずなのに軽々とした足取りに彼にグラン・エプレは己のCHARMを握りしめる。

 

そして彼が腰後にある柄を握った時戦いの火蓋が切って落とされた。


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