3話くらいまでは考えてますが、面白かった感想下さい!
ここは…どこだ…
俺は…さっきまで…
「おはよう、そして…ハッピーバースデーだな…ハーティ…。」
意識が覚醒してすぐに声が聞こえた。
その音を頼りに視界を動かす。
「母さん?」
何故か俺はそう言った。
何故そう思ったのか俺にはわからない。
だが、目の前にいる女性を俺は母だと思った。
そしてその女性の腹辺りから大量の出血が見えた事で俺はさらに焦りを感じていた。
だが俺の呟くようなそのセリフに彼女は微笑む。
「母さ…ん…か、なかなか…どう…し…て……。
目頭が熱くな…てし…ま………。」
そうして目の前で女性は倒れた。
俺は…この小さな女性が硬そうな床に倒れてしまわないように手を伸ばそうとして、自分の異様な姿に気づいた。
獣の爪を重ねて作ったかのような恐ろしい指を持つ巨大な手。
それが倒れそうになる彼女へと伸ばされていた。
俺はそれを見て反射的に硬直した。
そして彼女が床に倒れる音がした。
俺は倒れ伏した母を見て、次に自分の手をもう一度見た後顔を上げた。
ガラス張りの、ラボ?だろうか…、そのガラスの向こうは赤黒い雲に覆われていたが、それは然程気にならなかった。
そのガラスには巨大な影が映っていた。人形だが、それにしては刺々しく角ばっている。
頭部のシルエットもどこか刺々しく、一対の角が生え、黄色く輝く恐ろしい目がコチラを見ていた。
だがそんな事はどうでも良かった。
俺は…、その時、胸にある悲しみを吐き出す様に咆哮し、暴れ回った。
まるで大切な何かを失ったかの様な喪失感が胸を締め付け、俺を破壊へと誘う。
沢山の人間達が叫んでいる。
目の前にわらわらといる髑髏の様な顔に目だけが赤く光る悪魔の様な顔をした化け物どもがこちらに手に持つ剣や戦鎚を構え、突貫してくる。
何故かはわからない。
だが俺は、コイツらを許さない!!
咆哮を上げて拳を振り抜く。
髑髏が砕ける。
破壊衝動をぶつける様に相手にショルダータックルを行い吹き飛ばす。
そして、また叫ぶ。
胸にある深い悲しみとどうにも出来ない喪失感がを目の前の髑髏どもにぶつける。
殴り壊し、叩き潰す。
咆哮と共に敵を引き裂く。
だが、奴らは一向に減らない。
憎しみだけが俺を動かし、怒りだけがドロドロと溜まっていく。
何度も何度も引きちぎり、抉り切り、引き裂く。
それでも憎しみは消えず心は黒く黒く塗りつぶされ、俺は…轟音と共に爆ぜた。
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「大地よ、マシンナーαに乗るのだ!」
「で、でも爺ちゃんが!」
ここは?…俺は一体どうしたんだ?
「よく聞けぇ…大地よ!!このマシンナーαを使えば…お前はこ…この世界を支配する独裁者にも…、人類を…守護する救世主にもなれる!」
「な、何言ってんだよ爺ちゃん!今はそんな事言ってる場合じゃ無いだろ!!!大体こんなのどうやって操縦すれば!」
目の前には瓦礫と、砕かれたのか、歪に吹き抜けた天井から覗く巨大影が暴れ回るのが見える。
「心配…するな…、コレに乗り込め…。ワシは、この時が来た時…家族を……、お前自身を守る為に…こ…魔王を作った。」
「爺ちゃんの作っていたロボットが魔王?」
こちらを見る少年と、会話からその祖父と思われる男の上に瓦礫が落ちた。
「ああ…このマシンナーはな…、魔王を名乗り、天から降りて人を…護り…、導いた偉大な…英雄を模して作ったのだ。」
大きな衝撃が大地を揺らし、天井がさらに崩れる。
そして、少年と祖父の上に瓦礫が落ちそうになり、俺は助けようとして手を伸ばす。
「ま、魔王が!!」
少年にとって俺は恐ろしく見えたのだろうか。
目を瞑り俺の手から祖父を庇おうと少年は祖父に覆い被さった。
家族は…大切だよな。
俺の巨大な手は危なげなく瓦礫と少年達の間に入り込み彼らを守った。
何故だか救われた気がする。
少年は瓦礫が俺の手によって遮られる時の衝撃音が止むと恐る恐るこちらを向き直る。
必死だったのだろうか…、手だけ伸ばしたつもりが俺の体はこの少年達に覆い被さるような形ちに倒れ込んでしまっていた…、そして彼らを見ていたのだ。
少年と目が合う。
その時俺は強く少年に願った。
俺を使え!そして…護るんだ!
俺は今もこの時が夢であって欲しいと思っていた。
もしかしたらコレは悪夢で瓦礫から庇う為に覆い被さった腕の中の爺ちゃんも実は抱き枕何じゃ無いかって。
でもあちこちから漂う焦げた匂いや瓦礫の崩れる轟音。そしてズシンズシンと響く大地を踏み締める音が俺を現実に引き戻す。
そしていつまで経っても自分に落ちてこない瓦礫を不思議に思い俺は目をあける。
「お前が…助けてくれたのか?」
今起きている事が俺にはとても信じられなかった。
俺と爺ちゃんにかかる巨大な影…、それはさっき爺ちゃんが俺に乗れと言ったマシンナーαと言うロボットだった。
爺ちゃんは俺の為にコレを作ったと言っていたが正直俺はコイツが怖かった。
コイツの黒い西洋鎧のようなボディと頭部についたヤギの悪魔の様な巻角に見える装備…そして何よりマスクの上に覗く黄色く輝く吊り目がどうしても怖かった。
何故かこいつは怒っている様に見えたから。
でも今コイツが俺たちを守る様に倒れ込んで来たのは偶然なのだろうか?
きっと、格納庫が崩れて偶々コイツは俺たちに覆い被さる様に倒れてきただけなのかも知れない。
だけどこの時俺は、コイツに頼んでた。
「力を、力を貸してくれ!マシンナー!!!」
そういうと、コイツの胸のコクピットが開き、黒く大きな手のひらが俺の前にそっと差し出された。
いつの間にか気絶した爺ちゃんを乗せてから俺もその手に乗る。
もう一度俺はマシンナーの顔を見上げる。
すると無機質で何処か怒っている様に思えたその目に光がともり…目が合った気がした。
まかせろ…、そう言われた気がした。
変わらず周囲に轟音が響くなか俺はコイツのコクピットへ運ばれた。
さっきまでは不安でいっぱいだった。
今だって足は震えてる。
でも!今は!戦う!
コイツと、マシンナーαと一緒に!爺ちゃんを!
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黒金の鎧を纏った巨人が立ち上がる。
ゆっくりと、体に積もった瓦礫を落としながら巨人が大地に立つ!
首をゆっくりと回して赤黒く、雷が鳴り響く空と火の手が回った森を見る。
必死に抵抗を試みたのだろうか、戦闘車両や戦闘機の残骸があちらこちらに散らばっている。
火の手が回った森の中で背を向けて地面に向かい何度もストンピングする巨大な人影を視界に収めると同時に奴が此方を見る。
灰色の体には所々ヒビの様な物が入り、体の至る所から樹木が飛び出ている。
まるで彫刻の様に無機質で不気味な顔には人間と同じように目玉があり、その口はニヤニヤと口角を吊り上げていた。
『それが貴様らの隠し球か!成る程確かにサイズだけなら私達ジャイアンテストと同程度だ。しかしなぁ、それだけだ。
所詮矮小な貴様らでは何も出来ぬ!ここにはあの堕天使も、神どももいないのだからなぁ!!!!
我々の様に岩のように堅牢なか体には貴様らの"兵器"では傷一つつける事など!出来る物かぁ!』
この巨人はなんと人語を解し(古代ギリシア語)、敵を挑発する言葉を放った。そして拳を構えて勢いよく黒き魔王に突貫してくる。
木々を踏みつけ大地を陥没させながら走り込んでくる相手に対して魔王ただ構える。
段々と距離が近づき、巨人が腕を振りかぶり、勢いよく魔王に打ちつけようと振りかぶる!
しかしそれを魔王は右腕で跳ね上げて左のフックを巨人の鼻っ柱に叩き込む。
そして跳ね上げた腕を捕まえ、さらに魔王は巨人を引き寄せ膝蹴りを溝落ちにお見舞いする。
「喧嘩なら!やり慣れてらぁ!!!!」
魔王の頭部スピーカーから巨人に向けて怒りと共に言葉を飛ばす。
尚も巨人に打撃を加えようと掴んだ腕を引っ張る魔王。
そして巨人を引き寄せ首を抱える様に持ち上げるとそのままプロレスで言うブレーンバスターを決める。
即座に魔王は起き上がり巨人の体を蹴り飛ばす。
巨人は痛みに呻き声を漏らし、顔や体には魔王の拳が刻み込まれていた。
『き、貴様は何だ!我らジャイアンテストの体は堅牢だ!かつて神が我らを不死身と称した程にぃ!』
巨人は恐怖と怒りと困惑を込めた瞳で魔王へと再度突貫した。
蹴り飛ばされた先にあった大きな岩を握り取りそれを魔王に叩きつける様にぶつける。
衝撃で魔王が体制を崩した。その隙を逃すまいと巨人は魔王にタックルを仕掛け、押し倒す。
馬乗りになりそのままこの自分を傷つけ得る人間の作った機械を壊れるまで殴りつけようとした。
2度3度と殴りつけたが腕をかざしてガードされ、それならガード毎と両手を組んで振り下ろそうとした時!
「コメットパァァァァァァァアアアアンチ!」
魔王が拳を打ち出し巨人の顎を跳ね上げる。
たまらず巨人は後ろに倒れ込み、打ち出された拳は再度魔王の腕へと戻る。
痛みに悶える巨人の顔はついにボコボコになり、もはや前が見えねえ状態だ。
魔王は巨人の顔を左手でギシリと掴み地面に固定するように押さえつける。
右手拳は開き、そのボディに金色のラインが走るとそれは右手へと収束されついに右手の平の中で光の球を作り出す。
「お前のせいで沢山の人が犠牲になった!御伽博士死んでしまった!三千院さんは意識不明だし爺ちゃんだって大怪我を負ったぁ!」
『ま、まて!そ、その光は!ま、まさかぁ!き、貴様は奴とおなじだとでも言うのか!まさか貴様は奴そのものなのか!』
そしてその瞳が一際輝く。
光の球をはやがて形を保てない程に不安定になり、その中心には混沌を体現した様な黒い塊が出来る
「ケイオス!ブリング!!!!」
無理矢理巨人の胴体にねじ込むようにその光の球を押しつける。
『ま、まさか人間どもが奴を、サタンを模した機械を作るとは!!
この、このグゾジャゴが人間如きに敗れるとはぁ!ティターン様ぁ!お、お……!!!!』
混沌と衝撃が巨人の体を内側から壊す!
瞬く間に全身にヒビがはいり粉々に崩れる。
やがて巨人だったものは全身を粉々に砕かれ塵となった。
そしてその衝撃はいつのまにか空を覆う暗雲を吹き飛ばしていた。
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だ、だんだん自分が何だったか思い出して来たぞ…、確か俺は、あの日…大雨の中でスリップしたトラックに…。
でも今は俺、ロボットになってんのか?しかもスーパー系?
何気なくパイロットに指示出したり武装教えたりしたけど…何だよケイオスブリングって!やべえよ!50メートルくらいある巨人が塵になっちまった!
ん?何故か名前が思い出せない?俺は?俺はなんて名前だった?前世の名前じゃ無い!今の名前だ!確かに俺に前世という物があった。
そっちは思い出せるけど、違う、俺はもう前世の俺ではなくて新しく転生した筈なんだ…、今の俺の名前は…なんだ?
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この時、戦場から遥か遠く…とある遺跡の地下でこの戦いを眺めている何者かがいた。
「グゾジャゴがやられたか…。」
威厳と尊大なプライドを感じさせる低い声が暗闇に響く。
「そのようですな。しかしティターン様、やはりこの体の持ち主の記憶にある轟剛三とか言う男は我々に抗いうる力を生み出したようですな。」
金縁の片眼鏡とワインレッドのスーツの上から白衣を着た、老人が興味深そうに魔王の姿を見る。
因みにこの場でただ1人通常の人間と同じサイズである。
「ふん、我々ジャイアンテストに人間如きが抗うとはな、私達が眠っている間に人間どもは随分と力を蓄えた様だな。」
次に話したのは二対の腕と単眼という特徴を持つ巨人だ。
「ふむ、どうやら人間どもは我々が封印された後、人間同士で今この瞬間まで争いを続けている様ですぞ。」
自らが傀儡とした肉体の記憶から老人は言う。
「ほぉ、神や天使どもに縋るしか無かった脆弱で臆病な物どもがか?まさか今この瞬間に至るまで己らを研鑽し続けていたとはなぁ。」
まるでこの状況を楽しむかのように野獣のような男は獰猛な笑みをその顔に浮かび上がらせる。
「少々違う様ですな…。このマドネス、Dr.メシアなるこの体の持ち主の記憶や思考を見るになんとも研鑽と言うよりは…殺し合いをしているようです。
もしや、それ故に神や天使どもから見放されたのでは?
封印が解かれて数年が経過しましたが今なお奴らの気配を感じる事がありませぬ。」
その老人は名をマドネスと言い、かつてジャイアンテストと神の軍団との戦で指揮をとった軍師でありながら、恐ろしい妖術をも操る参謀役でもあった男の言葉に、ほお、と暗闇の奥にいる男は相槌を打つ。
「確かにな、余も気にはなっていた。もし奴らが不在ならば好機である。直ちに軍勢を率いて一気に人間どもを蹴散らし、この星を再び我らの理想郷を取り戻すとするか。」
その言葉に獰猛な笑みを浮かべる男と単眼の巨人は無言で肯定を示すが、
「ふむ、しかし、このマドネスあえて進言致しましょうもう少し様子を見ては?」
「何故だ?」
参謀の進言に思わず眉を顰める野獣のような男。
「あのマシンナーαとか言うマシーン…、アレはまだ底が見えませぬ。
グゾジャゴは我らティターンの立派な戦士であり、その力は人間どもの作ったおもちゃを歯牙にも掛けておりません。
しかしあのマシンナー、何度かグゾジャゴの剛腕に打ち据えられたと言うのに表面に傷一つついておりませぬ。アレはもしや天界の物どもが我らの復活を見越して地上に残していった宝具か何かは無いのでしょうか。
いささか臆病な判断な気もしますが…、ご一考をお願いします。」
恭しくマドネスは闇の奥へと自らの進言を伝えた。
その進言に野獣の巨人と単眼の巨人は全く持って馬鹿馬鹿しいと各々難色を示すが、
「良い、貴様はその臆病さを持って我々を復活させたのだ。今宵はお主のその功績をふまえ、その進言を素直に受け、まだ大人しくしていよう。
貴様の納得が行くまで我らは進軍を待つとする。」
暗闇から了承の声が届く。
その声にマドネスは大仰に頷き難色を示していた2人に視線を向け、ほれみた事かと言わんばかりに馬鹿にした様な目を一瞬向けてから向き直り、
「あり難き幸せ。ではあの黒いマシーンを破壊する為に何人か戦士を送り込みます。どうにもあのマシンナーとか言うのに私は胸騒ぎを覚えるのです。」
うむ、と主君は頷き、
「貴様のそう言った感は信用している。貴様に任せれば上手く事は運ぶであろう。」
「ハハァッ!あり難きお言葉…、既にあれを破壊する方法には幾つか当てがあります。つきましては…」
こうしてジャイアンテストとの熾烈な戦いはここに幕を開けた。
それと同時に、本来この世界にはいなかった1人の異物の物語も幕を開けたのであった。
感想乞食となる事でモチベを保ちたいので感想下さい。