社長と話している時だった
社長「そう言えば、1つ聞きたいことがあったのじゃ。お二人さん、お主らは…」
社長が俺達に問う
社長「『ロケット団』という存在を知っておるか?」
レン「!?」
その名称には驚いた
ロケット団
かつて世界でも問題行動を起こして有名になったマフィア団、今は解散し存在はしないが、社長からその言葉を聞くとは…
社長「この会社も昔はロケット団の手駒にされていたのじゃがな、ある日突然リーダーであるサカキという男が姿をくらましロケット団は解散したようなのじゃが、なにか知っておるか?」
ライト「???」
レン「……」
ロケット団、俺にはそいつらとの関わりが深くある
だが…
レン「知らないな、聞いたことも無い」
俺は答えを疎かにした
黒いサトシ『さぁ、復讐の時間だ』
あのドライバーにも見覚えがあった
俺が旅を始めたきっかけとなった日
そして仮面ライダーに初めてなった日
そして、俺が初めて
人を殺した日でもある
仮面ライダーバーサ エピソードZERO
ジョウト地方へ向かう道中、休憩中にレンは考えていた
レン「ロケット団……」
その名称には、見覚えしかない
メグ「お兄ちゃん?どうかしたの?」
レン「いや、なんでもない」
メグは知らないあの時は、まだ小さかったからな
そう、全てはあの日から始まった
5年前──
レン「道場?」
カズマ「そう!どうだ?強くなりたいなら、道場に通うのも、ありだと思うんだが?」
レン「いや、別に俺強くなろうなんて思ってないから」
カズマ「そうか?でも強さは男の象徴、男の全てだ!」
俺は最近しつこくこういった迷惑な勧誘を受けている
最初はピアノだのギターだの、次は水泳だのテニスだの
なんだかんだ俺に何かを勧めてくる
で、今度は道場
なんなんだ?一体
レン「あの、正直言って迷惑なんだけど…」
カズマ「まぁ、そう言わずに!僕の知人が道場の師範をやっててな、その人からの誘いだ」
レン「師範?」
カズマ「そうそう、この人なんだが…」
親父が見せてくれた写真には、何人かの道着を着ている男の人達がピースサインをしている
親父は付け加えて指を刺した
黒帯の厳つそうな男の人
髪型はオールバックでいかにも強そうだった
カズマ「この人が師範だ」
レン「え、絶対やだ」
カズマ「なんでだよぉ!いいじゃん!道場!」
親父がガミガミうるさいので、俺は少し外の空気を吸ってくることにした
メグ「お兄ちゃん、どこ行くの〜?」
レン「メグ、散歩だよ」
メグ「じゃじゃ、私も行く〜」
まだ8歳の妹のメグ、
俺が道場に通うようになったら、この子はひとりぼっちになっちまう
仕事で忙しいお袋、研究に没頭する親父
そんな中で俺が道場
そうゆう考えもあって、俺は道場に行くのを渋っていた
俺とメグは近くの公園まで足を運んだ
大きな噴水では、噴水から出る水と日光で虹ができていた
メグはそれを見て喜んでいた
手を繋いで歩く俺達、この小さな手を手放すには、まだ早い
そんな時だった
少し遠くの方で悲鳴が聞こえた
メグ「何〜?」
レン「メグ、行こう」
気になった俺は、メグの手を引連れて、その方向に走っていった
なんで向かったかなんて分からない
でも、何かが俺を呼んだ気がした
しばらく走ると、人が密集していた
俺はその人たちをかき分けて中央に向かった
その真ん中には、2人の男女がいた
男は全身を黒でかため、覆面を被っていた
片手にはナイフ、もう片手で女性を捕らえていた
女性は20代半ば位で恐れおののいていた
男「近づくな!近づいたら…」
男は女性にナイフを向けた
男「この女がどうなるか!」
状況はすぐに理解出来た
女性は人質になっている
10歳の俺でも、流石にそれ位はわかる
周りの大人達はただの見ているだけだった
何人かは警察に連絡していたが
それ以外はただの野次馬だった
何してんだよ!誰か助けろよ!誰か!
その時だった
男「おい!近づくな!」
犯人の男が声を荒らげた
男の視線の先、そこには男性が立っていた
あの顔、どこかで…
男性「やめないか、こんな事してどうなる?」
男「うるさい!俺にはこの道しかないんだ!とっとと下がれ!」
男はそう言いつつも、自分が後退りしている
男性「もうすぐ警察が来る、君に未来は無いぞ」
男「う、うるせぇぇ!」
男は女性を乱暴に払い、男性に襲いかかってきた
ナイフを振りかざしたその時
男性はその腕を掴み、180度回転
男性「…ふんっ!」
男性はそのまま男を背負い投げした
素早い
あっという間に男は地面に叩き落とされた
男「ぐはぁ!」
戦意喪失した男はその場に取り残された
男性「……チェックメイトだ」
周りでは拍手が飛び交っていた
レン「…す、すげぇ」
この人は、自分から危険を顧みず
犯人を退治した
俺はどうだ?
あの時俺は、他人任せにしていた
誰かが女性を助けると
そう、俺は腰抜けだ
というか、この人…
カズマ「レンー!メグー!」
遠くから親父が走ってきた
レン「親父……」
カズマ「いや〜、連絡を受けてな、2人がここにいるって」
レン「連絡?」
すると、俺の後ろにさっきの男性が立っていた
近くで見てわかった、さっき親父が見せてけた写真にいた、親父が指さした男性
この人は、親父が言ってた師範の人だ
男性「本当、無事で良かったよ」
レン「…え?」
カズマ「いや〜どうも、連絡ありがとうございます!」
男性はベージュ色のスーツを着ていた
カズマ「サカキさん!」
厳つくて、オールバック風の髪型
上下ベージュ色のスーツ
この人が……
サカキ「君がレン君だよね?はじめまして、私はサカキ」
カズマ「サカキさんはな?会社を経営しつつ、道場で師範をなさっているんだぞ?凄いだろ!」
サカキ「ははは、それ程でもないよ」
レン「あ、あの!」
サカキ「?」
レン「あの、急で申し訳ないんですが、俺を!」
この人の、あのスゴ技
俺はあの時思った
俺も、あんな風になりたい
レン「で、弟子に!してください!」
俺は、メグの手を振り払っていた
レン「や!は!や!は!」
サカキ「もっと気合いだ!レン!」
レン「はい!」
メグ「……」
タマムシシティのサカキ道場に入団した俺は、早速師範の稽古を受けていた
メグは流石に留守番させることは出来ないので師匠の元でお守りしてもらうことになった
サカキ「うん、筋がいいな。私の見立て道理だ」
レン「はい!ありがとうございます!」
その日の稽古はすぐに終わった
でも時間はすごく経っていた
今日も褒められた
嬉しかった
俺は、どんどん強くなっている
そう考えただけで…
レン「…へへっ」
メグ「……お兄ちゃん」
レン「ん?どうした?メグ」
メグ「明日、一緒に遊ぼ?」
レン「悪いなメグ、明日も稽古なんだ、また今度な」
メグ「……」
少し寂しそうなメグ
でも構ってはいられない、俺は強くなる
師範よりも強くなって、もっと褒めて貰うんだ
俺は、どんどん強さにのめり込んで行った
レン「師匠ー!」
道場に到着した俺は、道場の扉を勢いよく開けた
しかし、そこには誰もいなかった
おかしい、今日は稽古の日のはずだったけど…
もしかして、このどこかにいるのか?
俺はそう思って、道場を縫って歩いた
トイレや洗面所
倉庫に床下
色々見たが、やはり師範はいなかった
あと残っている部屋は…
道場の脇にある扉、しかしここは…
「いいか?レン、この扉の先には絶対入るなよ?約束だ」
レン「入るなって言われたら、入りたくなるよな〜」
俺は躊躇わず、その扉を開けた
その扉の向こうは、別世界だった
畳の部屋があったとは思えない、全く別の場所
見たことも無い機械が沢山あり、チロチロとLEDが光っている
真ん中にある大きなモニター
そこには、変な球体が映っていた
内側に模様が入っていて、薄い紫色だった
そのモニターの前の机の上、そこにはそれらしい石が置いてあった
ただし、この石は本当に石みたいだ、表面が凸凹している
レン「なんだ?これ」
ピンポン球みたいな大きさ
石のようにゴツゴツした表面
俺は初めて見るそれに、夢中になっていた
だからこそ、気づかなかった
師範が後ろにいた事に
レン「し、師匠!」
サカキ「…ダメだろ?約束は守らないと」
一瞬、師匠の目が赤く見えた
レン「あはは、ごめんなさい、師匠を探してて」
サカキ「…はぁ」
師範は怒っている様子はなかった
ただの子供のイタズラ、そんなふうに思ったのだろう
サカキ「まぁいい、さぁ、稽古を始めるぞ!」
レン「は、はい!」
だからこそ、師範も気が付かなかった
俺が、その石を盗った事に
カズマ「これは…、メガストーンだな」
レン「メガストーン?」
カズマ「ポケモン達の魂のような物だ、だが、こんな状態なのは初めてだな」
レン「……はぁ」
カズマ「メガストーンは本来、美しい模様が見えるはずなんだが…、本当にこれがサカキさんの部屋にあったのか?」
レン「うん、しかも、絶対に入っちゃ行けない部屋に」
カズマ「うーん、これは何か裏があるみたいだな」
レン「え?」
カズマ「サカキさんはポケモン研究には、携わってはいないんだ、なのに、なんでこんなものを持っている?謎だろ?」
レン「…確かに」
カズマ「…そうだ、念の為、これを持って行くといい」
レン「え?」
親父が手渡したのは、不思議な形のものだった
黄色い線が入っている
カズマ「俺が発明した《レジェンドライバー》だ、まだ性能は確かめてないが、持っていないよりマシだろう」
レン「息子を人体実験にしようと?」
カズマ「そ、そんなつもりは〜…」
下手くそな口笛を吹く親父
ったく、仕方ない
俺はそのレジェンドライバーとやらを受け取り、自室に向かった
2階の突き当たりの部屋、それが俺の部屋なのだが、俺は廊下の中央で止まった
廊下の中央にメグが立っていた
レン「メグ…」
メグ「お兄ちゃん、明日は、遊べる?」
レン「わ、悪い、明日も用事があるんだ」
メグ「そっか、うん」
そう言うと、メグは自室に戻って行った
薄々気づいていた
メグが寂しがっている
俺が道場に通うようになってから
レン「…ごめんな、メグ」
でも、後ちょっとだからな
俺には、謎の確信があった
ヒガナ「メガストーンを1つ無くした?」
サカキ「あぁ、私の部屋に置いてあったはずなのだが、気づいたら無くなっていた」
ヒガナ「もぉ、頼むよ〜、君をタダで生き返らせた訳じゃないんだよ〜?」
サカキ「わかっている、ところで、例のものは完成したのか?」
ヒガナ「あぁ、《あれ》ね、はい」
ヒガナはサカキにとあるものを手渡したの
ヒガナ「《マスタードライバー》、君の闇の力を最大限に発揮出来る。今度こそ頼むよ〜」
サカキ「あぁ、わかっている。それに、メガストーンはまだあるからな」
ヒガナ「ふーん、ならいいけど。あ、そう言えば、マスタードライバーの被験者は君が初めてだから」
サカキ「要するに、俺は人体実験の一貫ということか?」
ヒガナ「うーん、まぁ、そんなとこ」
サカキ「ふんっ、なめやがって」
サカキはヒガナに背を向け言った
サトシ「いまいちど、このサカキ様の腕前を見よ」
ヒガナ「…ははっ、楽しみにしているよ!」
そう言うと、サカキは闇の空間から消えた
ヒガナ「彼の活躍によって、僕の復活も早まるわけだ…。ふふっ、楽しくなってきた!」
レン「………」
俺は道場に向かう道中考えていた
師範の机の上にあったメガストーン、モニターに映っていたメガストーン
そして、もう1つのモニターに映っていた
『R』の文字
あれはなんなんだ?
俺は昨日盗ったメガストーンを見た
レン「…お前は、誰なんだ?」
そんな言葉も届かず、俺は再び歩き出した
そんな時だった
いきなり俺の目の前の道路に亀裂が入った
レン「!なんだ!」
俺は目の前を見た
すると、そこには2人の男女の人影と、猫の影が見えた
男の方は青髪のちょいロン毛
女の方は赤髪で超長いストレート
猫は白色で何故かおでこに小判を付けている
そして、男女のどちらも黒のインナーに白い隊服
胸には赤く『R』の文字
???「なんだかんだと言われたら」
???「答えてあげるが世の情け」
???「世界の破壊を防ぐため」
???「世界の平和を守るため」
???「愛と真実の悪を貫く!」
???「ラブリーチャーミーな敵役!」
ムサシ「ムサシ!」
コジロウ「コジロウ!」
ムサシ「銀河を駆けるロケット団の2人には!」
コジロウ「ホワイトホール白い明日が待ってるぜ!」
猫「にゃ〜んてにゃ!」
………
レン「………」
ムサシ「…ちょっと!もう少しは驚きなさいよ!」
コジロウ「かのロケット団だぞ!」
レン「…いや、知らないんだけど…」
ムサシ「…ムキィィ!何よこのジャリボーイ!」
コジロウ「ムサシ落ち着けって、おい!そこのジャリボーイ!」
レン「…?」
コジロウ「お前、メガストーンを持ってるな?」
レン「!?どうしてその事を!」
コジロウ「やっぱりな、俺の見立て道理だぜ!」
ムサシ「あんたのそれは元は私達の物よ!返しなさい!」
レン「…元は?」
俺は1つ疑問に思った
が、ここでは何も言わなかった
レン「…嫌だね」
ムサシ「そう、なら、力ずくで奪うまでよ!」
するとムサシの背後から巨大な蛇のようなものが飛んできた
ムサシ「行け!『アーボック・ヤミー』!」
『シャー!!』
すると『アーボック・ヤミー』と呼ばれたそいつは俺に襲いかかってきた
レン「うおっ!」
俺はそれを間一髪で避けた
ムサシ「へ〜、意外とすばしっこいわね、でも、私達の最強の兵器、『ポケヤミー』の敵じゃない」
レン「ポケヤミー?」
コジロウ「そう!闇の力で蘇ったポケヤミーを使って悪事をして、大儲けする!それが我らロケット団のやり方だ!」
『シャー!!』
レン「くっ!」
俺は思わずレジェンドライバーを取り出した
これをつけたらどうなるんだ?
俺が最初の使用者
何が起こるかは分からない
でも、俺は
レン「強くなるんだ!」
俺はレジェンドライバーを腰に装着した
レジェンドライバー
レン「なんだ?」
すると、さっきのメガストーンが急に光りだし、俺の目の前に浮いた
パリーンという音がすると、そのメガストーンはあのモニターに映っていた姿になった
レン「これは…」
ムサシ「ん?何よそれ?」
コジロウ「『アーボック・ヤミー』!とっととやっつけろ!」
『シーー!!』
奴が再び俺に襲いかかって来る
俺はそれをまだ避けると
メガストーンをレジェンドライバーのレジェンスロットに入れ込んだ
ドロップ!
何故だろう、全然知らないのに、身体が勝手に動く
リード!
レジェンド!ヘンシーン!
レン「…変身!」
俺は側面のボタンを押した
ミュウツー!
ミュウ!ツー!ミュウ!ツー!ミュウ!ツー!ツー!
俺は初めて、仮面ライダーに変身した
身体の色は紫がかった白で、腹から尻、尻尾まで紫色だった
後頭部から背中に繋がる臍の緒のようなものもあった
そして、全身に装着されたアーマー
ヘルメットのような物に、鉄の板が胸や、腕にもくっ付いている
レン「伝説の戦士!仮面ライダーレジェン!」
ムサシ「え!?」
コジロウ「す、姿が変わった!?」
レン「はっ、これは…!」
『シャー!』
レン「…!はっ!」
俺は奴にパンチを食らわせた
レン「はどうだん!」
俺は手の内側に力を込め、はどうだんを放った
奴は相当なダメージを受けていた
ムサシ「こ、こんなの聞いてないわよ!」
コジロウ「ポケヤミーは最強の存在じゃなかったのかよ!」
レン「サイコカッター!」
『シャ、シシシシ』
これが俺
俺の、力
ははっ、最高だ…
レン「サイコキネシス!」
『シャー!シャー!』
俺はどんどん強さに、いや、力にのめり込んで行った
サカキ「…なるほど」
ロケット団本部
サカキは椅子に座りながら、レンと部下達の戦いを見ていた
サカキ「…もう1つのメガストーンはあいつが持っていったのか」
サカキは笑った
1人でありながら、くすくすと嘲笑うかのように
まぁいい、切り札はこっちにもある
サカキはマスタードライバー、そして、もう1つのミュウツーストーンを見た
サカキ「レンよ、次お前に会った時が楽しみだ」
レン「はぁぁ!」
俺は『アーボック・ヤミー』を圧倒していた
ムサシ「ちょっと!もっとちゃんとやりなさいよ!」
コジロウ「このままだと負けちまうよ〜!」
猫「にゃーん」
『シャー!』
奴は俺の背後に回り込んで攻撃を仕掛けた
ムサシ「よし!これは決まったわ!」
コジロウ「やっちまえ!」
ロケット団達は勝利を確信した
レン「みらいよち」
俺はそれを予知し、攻撃を避けて
更に奴にキックを決めた
ムサシ「なっ!……」
ロケット団達は唖然としている
レン「トドメだ!」
俺はレジェンスロットをスライドさせた
リード!
レジェンド!ヒッサーツッ!
そして側面のボタンを押した
ミュウツー!
ジーン ディストラクション
俺は『アーボック・ヤミー』に念波を放つ
奴は混乱状態になった
俺は高く飛び上がった
レン「ジーンディストラクション!」
紫のオーラを放ちながら俺は奴にキックを決めた
『アーボック・ヤミー』は俺のキックを受けると、ロケット団の2人のところに吹き飛ばされた
ムサシ「げっ!」
コジロウ「や、やばっ!」
猫「にゃ〜ん?」
ロケット団の2人に直撃した奴は激しく爆発した
その影響か、ロケット団の2人は吹っ飛んで行った
ロケット団「「やな感じ〜!」」
猫「にゃ〜〜〜ん!」
レン「はぁ、はぁ、」
戦いを終えた俺、空を見上げる
俺が、倒した
俺が…
俺は、強い
レン「ふふふっ、ははははは!」
俺は笑っていた
その時だった
ドライバーからいきなり火花が散った
レン「ぐっ、くっ!」
ドライバーを乱暴に取り外した俺は、変身が解け、地面に跪いた
ミュウツーストーンが転がっている
レン「はぁ、はぁ」
親父の発明品…、もう使わねぇ…
俺は結局道場に向かったが、師匠はいなかった
だろうな、と俺は思った
それは1つの結論を得たからだ
簡単な話だ
俺は、次の目的地に向かった
そんな時、携帯が震えた
着信元は親父だった
レン「……もしもし」
カズマ「レン!今、何処にいる!」
レン「なんだよ、藪から棒に…」
カズマ「…メグが拐われた!」
レン「……」
カズマ「犯人は『ロケット団』と名乗っていた!」
レン「……」
俺は黙って携帯を閉じた
レン「……ふぅ」
俺は深呼吸して、ゆっくりと歩き始めた
メグ「……」
ムサシ「サカキ様!御命令道理、ジャリボーイの妹を拐って来ました!」
サカキ「…ご苦労」
サカキは壁にかかった絵を眺めながら言った
高級そうな椅子に座っている
コジロウ「…して、何故この子なんですか?」
サカキ「…ふふふ、知りたいか?」
振り返ったサカキ
サカキの表情はいつも読めなかった
コジロウ「え?いや…」
サカキ「…私の野望の為だ」
ムサシ「そ、それは昔から仰っている…?」
サカキ「…もういい、下がっていいぞ」
急に不機嫌になったサカキ
コジロウ「え?で、では…」
ムサシ「失礼しました…」
部下たちは社長室の扉を静かに閉めた
メグ「……」
メグはサカキの顔をじっと見つめた
サカキ「安心しろ、お前に危害を加えるつもりはない」
メグ「……」
サカキ「それに、もう少しで来るさ」
メグ「……」
サカキ「…あいつがな」
すると、さっきの閉じたはずの扉が勢いよく開いた
レン「…やっぱり、あなただったんですね…」
メグ「……お兄ちゃん…」
サカキ「よく来たな、レン。そして、よく分かったな」
立ち上がるサカキ
扉は反動で閉じていた
レン「簡単な話です、パソコンに映っていたあのマーク、そしてロケット団のあの2人の胸のマーク、完全に一致している」
サカキ「……」
レン「それに、あの二人はこのメガストーンは「元は」我々の物だと言っていた。それを取り戻しに来た日は俺がこのメガストーンを盗った翌日」
サカキ「……」
レン「…あの部屋の持ち主が探さしたに違いない」
サカキ「…見事だ」
レン「メグを返してもらう…」
レンの目が変わった
サカキ「だが!その前に…」
レン「…?」
片手を前に出してサカキは言った
サカキ「お前に提案だ、あの仮面ライダーの力、あれは素晴らしい物だ!そこで…」
レン「……」
サカキ「…お前もロケット団に入らないか?」
レン「……」
レンは悟っていた
サカキは自分をロケット団に誘うつもりだと
サカキ「ロケット団に入り、その力を世に知らしめるのだ!お前なら、それが出来る」
レン「……」
サカキ「その力があれば、世界征服なんぞ夢ではない!」
レン「…世界征服?」
サカキ「その通り、この世界を我がものにし、世界を悪人で満たしてやる!それが私の野望だ!」
レン「……野望だと?」
俺はサカキに近づいていく
レン「そんなつまらん物に、一体どの位の人間が犠牲になる?」
サカキ「…さぁな」
レン「…メグも、その犠牲のうちの1人になるのか?」
サカキ「…かもな」
レン「ふざけるな!そんな事は!俺がさせない!」
俺はレジェンドライバーを取り出した
レン「俺の家族は!俺が守る!」
レジェンドライバー
ドロップ!
レジェンド!ヘンシーン!
レン「変身!!」
ミュウツー!
ミュウ!ツー!ミュウ!ツー!ミュウ!ツー!ツー!
レン「伝説の戦士!仮面ライダーレジェン!」
サカキ「どうやら、私の見立て道理ではなかったようだな」
サカキは懐からマスタードライバーを取り出し、それを腰に装着した
マスタードライバー
そしてサカキはもう1つのミュウツーストーンを取り出し
マスタードライバーの中央にセットした
セット
マスターヘンシーン!
サカキ「…変…身!」
サカキはマスタードライバーの2つの突起部を同時に押した
ミュウツー!
悪を貫け!
In the Darkness!
サカキは闇に包まれ、姿を変えた
全身はレジェンに似ていたが、圧倒的に違うのは、アーマーを装着していた
全身を覆うようにアーマーが装着され、頭部は完全に隠れている
背中からは刀のようなものが八本はみ出ていた
サカキ「悪の戦士、仮面ライダーアール!」
レン「あなたも変身出来るのか!」
サカキ「ふふふ…さぁ、チェックメイトだ」
仮面ライダーアールに変身した師匠
レン「ミュウツーストーンが、2つ…?」
サカキ「この世に存在する2つのミュウツーストーン、まさかその2つがぶつかり合う日がするとはなぁ!」
真っ赤の複眼を光らせてサカキはレンに攻撃を仕掛けた
レン「くっ!」
お互いのアーマーがが干渉する
だが
サカキ「はぁ!」
レン「ぐっ!」
あっちの方が多少力は上のようだ
レン「くっ!はどうだん!」
少し距離をとった俺は師匠に攻撃を仕掛けた
サカキ「はどうだん!」
だが師匠も同じ攻撃をし、俺の攻撃を相殺した
レン「くそっ!サイコカッター!」
サカキ「サイコカッター」
またもや相殺された
レン「サイコキネシス!」
俺は念力を使って辺りのガラクタを投げつけた
サカキ「みらいよち」
だが師匠はそれを全て避けた
レン「なっ!」
サカキ「無駄だ、お前は私には勝てない…」
レン「なんで分かる!」
サカキ「…その姿、完全では無いな。本来の力を出し切れていない」
レン「なんの事だ!」
俺は荒れていた
さっきまでの冷静さはもう無くなっていた
当然である
俺は師匠を尊敬していた
そんな尊敬していた男が
裏切ったのだから
レン「うわぁぁぁ!」
俺は師匠に殴りかかった
サカキ「力任せにやっても無駄だ!」
レン「ぐわっ!」
俺は吹き飛ばされた
レン「…くっ!」
俺は、強い
そうだ、俺はあの怪物を倒した
1人で
そんな俺が、師匠に負けるわけが無い
この!俺が!
レン「はぁ!」
そんな時だった
全身からまた火花が散った
レン「ぐはっ!」
俺はそこに倒れ込んだ
サカキ「ミュウツーストーンがお前と適合していない。このままだと、確実にお前は死ぬな」
レン「…黙れ!」
俺はレジェンスロットをスライドした
リード!
レジェンド!ヒッサーツッ!
そして側面のボタンを押す
ミュウツー!
サイコブレイク!
俺は右手に力を込めた
だが力が出ない
更に左手を添えてパワーを込める
レン「…はぁぁぁ!」
力を込めた念波を放とうとした瞬間だった
レン「…!!」
サカキ「……」
俺は攻撃を止めた
理由は簡単
メグ「……」
メグが師匠を庇うように手を広げて俺の前に立ち塞がっていた
レン「メグ!何してる!そこから離れろ!」
メグ「…お兄ちゃん!…やめて!」
レン「…え?」
メグ「…この人は…、お兄ちゃんを……」
レン「…何を、言っている?」
メグ「………っ」
メグはそれきり口を閉じてしまった
サカキ「…レンよ、お前はなんの為に戦う?」
レン「…は?なんだよ、急に」
サカキ「私は、世界征服をする。その為に戦う」
レン「……」
サカキ「お前はどうだ?何故また私の前に現れた?」
レン「…俺は…」
俺は、強くなりたかった
昔から、謎に強さに憧れていた
でも、なんでだ?
理由は分からなかった
俺は、強くなってどうなる?
どうなりたい?
何をしたい?
考えたこともなかった
俺は無意識に、メグの顔を見た
メグは泣いていた
目から涙を流し、こっちを見ていた
でも、その涙は、どんな感情だ?
悲しいのか?
嬉しいのか?
怖いのか?
怒っているのか?
俺は、分からない
分からないが、俺は
俺は、メグに手を差し伸べた
届かないその腕
俺は、その命を
レン「……守りたい…」
サカキ「…ん?」
レン「…守りたいんだ、あの笑顔を、あの楽しい時間を、あの平和な環境を…」
サカキ「……」
お袋と笑い合いながらやった料理
親父と裸の付き合いをした銭湯
メグと遊んだ、あの公園
レン「…全部、守りたい…」
その為に、俺は…
レン「その為に俺は戦う!」
俺はサカキを睨んだ、その時だった
全身に絡み付いていたアーマーのロックが外れ、ボトボトと落ちていった
ヘルメットのような物が、真っ二つに別れると
俺は全貌を露にした
その紫眼をサカキに向けて、俺は言った
レン「さぁ、伝説の始まりだ!」
俺は、本物の仮面ライダーになった気がした
レン「さぁ、伝説の始まりだ!」
サカキ「いよいよ本気を出したな、レンよ」
サカキはメグを前に立った
メグに何かを言うと、メグはこくりと頷き、遠くに離れていった
サカキ「…はぁ!」
攻撃を仕掛けたサカキ
だが俺はそれを先読み、サカキの胸にパンチを食らわした
サカキ「ぐふっ!…ははは」
サカキは嬉しそうだった
レン「……」
俺は構わずサカキに攻撃をする
さっきとは裏腹に、今度は俺が優勢のようだ
さっきのアーマーが外れたことによって、力が格段にアップしたのだろう
レン「はっ!」
サカキ「ぐはっ!」
サカキを圧倒する俺
サカキ「…はぁ、…ははは、はははははははは!」
レン「なんだ、何がおかしい!」
サカキ「…なに、昔のことを思い出しただけだ、構うな」
レン「…っ!」
俺はサカキに思いっきりパンチした
サカキ「ぐはっ!…かはっ」
吹き飛ばされたサカキ
地面に横たわっている
レン「…トドメだ」
俺はレジェンスロットをスライドした
リード!
レジェンド!ヒッサーツッ!
サカキ「…はぁ…いまいちど、このサカキ様の腕前を見よ」
サカキはマスタードライバーの右の突起部を押し込んだ
マスターヒッサーツ!
そして左の突起部を押し込む
同時に俺は側面のボタンを押した
ミュウツー!
ジーンディストラクション!
ミュウツー!
装甲逆襲劇!
俺とサカキは同時に飛び上がった
レン「はぁぁぁぁ!」
サカキ「はぁぁぁぁ!」
お互いがキックを決めた
お互いの足が擦れ合い、衝撃が伝わってきた
レン「はぁぁぁぁ!」
サカキ「ぬわぁぁぁ!」
レン「俺は、負けられない!この世界は!俺が守る!」
サカキ「私は!世界を征服する!この手で!誰にも邪魔はさせん!」
レン「はぁぁぁぁ!」
サカキ「はぁぁぁぁ!」
激闘の末、最後に押し切ったのは
俺だった
俺の足がサカキの体を貫き、俺は着地した
サカキは地面に転落し、横たわった
レン「はぁ…はぁ…」
サカキ「……」
変身を解除した俺は、サカキの元に駆けつけた
サカキの変身も解けていた
レン「…どうして俺に近づいた?」
サカキ「…知りたいか?」
レン「…あぁ」
サカキ「…それはな、私の野望の為だ」
レン「…世界征服の為に?でも、なんで?」
サカキ「…君達を見ていると、心が和んだ。君達兄妹は、平和の象徴のような表情をしていた」
レン「……」
サカキ「…私の創造する世界は、平和な世界だ」
レン「…え?」
サカキ「世界を征服して、平和な世界を創る。それが私の野望だった」
レン「…でも、なんでマフィア団なんて…」
サカキ「闇の力で蘇った私は、いつの間にか本来の目的を忘れていた。でも、君達を見て思い出した。だから私は、君達に近づいた」
俺は気づいた
サカキの身体が、少しづつ消えていっている
サカキは俺に何かを渡してきた
それを受け取ると、それはミュウツーストーンだった
サカキ「受け取れ、きっと彼も、君を受け入れてくれるだろう」
レン「…師匠」
サカキ「…レンよ、強く、正しい人間に、なるんだぞ…」
そう言うと、師匠は消えてしまった
残ったのは、もう1つのミュウツーストーンだけだった
涙は出なかった
でも、そこには罪悪感が残り、駆けつけたメグの顔も、まともに見れなかった
この人は、本気で俺を強くしようとした
自分を倒させる為に
自分を、犠牲にして
俺も、そんな人間に、なれるかな?
いや、なりたい
そんな人間に
俺は顔を上げ、メグを見る
メグはもう泣いていなかった
俺はメグの手を握った
レン「…メグ、行くぞ」
メグ「…うん」
この手を離す日も、そう遠くないことを、俺は知っていた
カズマ「…そうか、サカキさんが…」
レン「師匠とは、どの位の付き合いだったんだ?」
カズマ「ん〜、大体2年間位か?でも最初は確かに、この時代に馴染んでない感じが拭いきれてなかったな」
レン「…なるほど、じゃあ師匠は蘇った後、この2年間でロケット団を組織し、世界征服を計画。でも俺達を見ている間に本来の夢を思い出し、俺に近づいた」
カズマ「しかし、まさか蘇った人間がいるとはな…」
レン「師匠は、闇の力で蘇ったって言ってた」
カズマ「ん〜、まだまだ謎は多そうだな」
レン「あぁ、そこで…」
レンはカズマの目をじっと見た
レン「旅に出ようと思う」
カズマ「…は、は?た、旅!?」
レン「…あぁ、この事件の真相を、探そうと思う」
カズマ「だ、だが!子供1人では危険だ!」
メグ「だったら!」
と、メグが突然現れた
レン「?メグ?」
メグ「私も!一緒に旅に出る!」
レン・カズマ「「…は!?」」
カズマ「な!何を言ってる!余りにも危険すぎる!」
レン「そ、そうだ!俺はともかく!お前は…」
メグ「でもでも!お兄ちゃん1人にするのも私ヤダよ!」
レン「そ、それは…」
話がまとまらない中、口を挟んだ者がいた
ユイ「待った!」
レンの母である朝堂ユイだった
エプロンを着てお玉を持っている
ユイ「…2人とも、行ってきなさい」
カズマ「え!?」
レン「…!?」
カズマ「な、なんでだ!この子達が心配じゃないのか!?」
ユイ「それは心配だけど、こうなったら止められないのを、貴方が1番わかっているでしょう?」
カズマ「…うっ」
ユイ「それに、私は嬉しいわ、2人がそういうことを話してくれて」
今まで厳しい事しか言ってこなかったユイ
そんなユイの最後の親としての務めを果たそうとしていた
レン「…分かった、メグ、一緒に行こう」
メグ「え!?ホント!?」
レン「…あぁ」
カズマ「…はぁ、でもなぁ…やはり子供達だけでは…」
ユイ「それより、今晩は何がいい?やっぱり子供達が大人になったという事で赤飯にしようと…」
カズマ「ちょ!勝手に話を進めないでくれます!?」
家族で団欒するこの時間
俺の守りたいもの
俺は、改めて旅に出る決意をした
ヒガナ「…は〜あ〜、失敗か〜」
闇の空間にて、ヒガナは全てを見ていた
僕は闇の力であらゆるものを蘇させることが出来る
でもそれには限りがある
それは生前に強い未練を持った者に限る
強い未練、すなわち、野望
その野望と闇の力はよくリンクする
ポケモンや、人間
野望を持つものは沢山いる
でも今回は失敗
多分僕の力が完全に戻っていないからだろうね
僕もまた蘇った存在
僕の野望を叶える為に
ヒガナ「…ふふっ、楽しくなってきた!」
誰か!もっと!もっと僕を満たしてよっ!
カズマ「はい」
メグ「これは?」
カズマ「メグ用に作ったレジェンドライバーだ、これでお前も変身出来ないこともないが…」
メグ「…ありがと!大事に扱うよ」
カズマ「…あぁ」
レン「それじゃ、行くよ」
メグ「行ってきます」
ユイ「えぇ、無事に帰ってくるのよ」
俺達は朝堂家を出発した
でも、気持ちよく見送ってくれないのが、うちの親だ
カズマ「何かあったらすぐに連絡しろよ!何処にいても必ず迎えに行くからな!絶対だぞ!世界の果てにいても!必ずだ!」
レン「…うるせぇぇ!!」
遠くから叫んでくる親父に俺は愚痴を言った
メグは笑っていた
こうして、俺たちの旅は始まった
ユイ「あら、貴方も出かけるの?」
カズマ「あぁ、1週間程、マサラタウンで調査を行うことにしたんだ」
ユイ「あらそう、じゃあ姉によろしくね」
カズマ「あぁ」
確か、あいつらに会うのも、久しぶりだな
何か悪いことでも起きないといいのだが…
なんて、そんなこと起こりっこないか!
この時の俺は、まだ知らなかった
マサラタウンであんなことが起きようとは…
現在──
レン「だから!なぜピーマンばっかり避けて食べる!」
ライト「嫌いな物は嫌いだ!それ以上でもそれ以下でもない!」
カズマ「そうだ!こんな苦い物食べれるか!」
レン「あんたは黙ってろ!」
威嚇し合う3人
お兄ちゃんは、乗り越えたんだね
でも、私は覚えてるよ
コジロウ「え?で、では…」
ムサシ「失礼しました…」
メグ「……」
サカキ「メグよ、お前に言っておくことがある」
メグ「……なに?」
サカキ「これから私とレンは戦うことになるだろう。そして、私は負ける」
メグ「……?」
サカキ「その後、レンは何をするか分からん、もし危険なことをしようとしていたら…」
サカキはメグを優しく見詰めた
サカキ「お前がレンを守れ」
*
うん、守ったよ、私
でも、お兄ちゃんも守った
色んな物を
色んな命を
平和な世界を創る
私の夢
メグ「…いつか、叶えるよ、師匠」
メガミ「ん?今何か言いました?メグ?」
メグ「…ううん、何も!」
メグはレンの所に向かった
メグ「お兄ちゃん、私もピーマン食べれない…」
レン「あぁ、お前は好きなだけ残せ。残りは俺が食べる」
ライト「……テメェェエ!」
今日も、楽しい一日が始まった
To be continued
いかがでしたか?
思いつきで書いた本編のスピンオフ作品です
いつもより行数が多くてびびった方も多いでしょう
まぁ文字数的には2話分位しか無いんですけどねw
レンの旅を始めたきっかけ
仮面ライダーになったきっかけ
メグの夢
仮面ライダーバーサの前日談として書かせていただきましたが、また設定があやふやになる所も多々あるかもです!
↑それについてはゴメンなさい!
今後もちょくちょくこういった長編スピンオフを出す予定です
もし良かったら見ていってください
今後ともよろしくお願いします
次回からはジョウト地方偏です! byキャメル16世