仮面ライダーバーサ   作:キャメル16世

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前回のあらすじ

仮面ライダーリワードへと変身したミツル
ライトと共に『ギャラドス・ヤミー』を撃破!
そして、決闘を挑むミツル
仮面ライダーとして生きる事を決めたミツルは旅立って行った…

そして、レンと問答になるライト

「もううんざりなんだよ!!」

レンはライト達と決別になり、離れ離れになってしまった…

2人に入った心の亀裂は、治す事が出来るのか!?



第三十二話「ホウエンの歴史!閉ざされる未来!」

アオギリ「俺はアオギリ!このホウエンを裏で支配する『アクア団』のリーダーだ!」

レン「…『アクア団』?」

アオギリ「…あぁ?あんちゃんもしかしてよそ者か?なら教えてやろう!『アクア団』ってのは、表では海底火山の調査をしている組織。だが裏では、この世界の海を拡大させる事を望んでいる組織だ!」

レン「…何を言ってやがる?」

アオギリ「あぁ!信じてないな?なら教えてやる、俺達『アクア団』をな!」

俺はアオギリと名乗った男に促され、アクア団のアジトに案内された

入口は海に続いており、船がないと入れない造りになっている

ボートに乗り、海に繋がるトンネルの中を進む

中には下っ端のような男女がいて、運転をしていた

そこには大きな門があった

扉には特殊なデザインの「A」の文字

 

重厚感のある扉が開き、俺達が通ると再び閉まった

 

奥には陸地があり、ボートから降り、アオギリについて行く

中は洞窟のようになっていて、「A」の文字が書かれた海賊旗のようなものが上に貼ってある

 

湿っぽい

 

アオギリ「この奥がアクア団のアジトだ」

レン「……」

アオギリ「…あ?どうした、立ち止まって」

レン「…なぜ俺をここに連れて来た」

アオギリ「…あぁ?」

レン「…俺なら、今すぐお前を殺す事が出来る。何人束になろうとも、俺を止めることは出来ない。この世界の海を拡大させる?ふざけるな。そんなことをすれば、陸地の生態系は崩れ、世界は壊滅する。人間はそのうち死に絶えるぞ」

アオギリ「…わかんねぇもんかなぁー」

アオギリは俺の方を向き、語り始めた

 

アオギリ「お前はこの海に、どれだけの生物がいると思う?俺達人間が発見した海洋生物の割合を知ってるか?」

レン「…さぁな」

アオギリ「たったの9%だ。残りの91%は新種と言われている。俺が何を言いたいか分かるか?この海には、ロマンが詰まってる!人類には測り知れない生態系がここには眠っている。この地球を支配しているのは人間じゃぁない!海洋生物だ!だったら俺は、海の王になる。海の王、すなわち!世界の王だ!」

レン「……」

アオギリ「それが俺の野望だ。だからどうだ?お前も俺達と一緒に、世界を渡る海賊にならねぇか?」

レン「……俺が、海賊…」

アオギリ「俺には分かる!お前、力を求めているな?」

レン「…!?」

アオギリ「ハハッ!その反応だと、やはりそのようだな。俺の直感は常に正しいから当然だな!」

レン「……」

アオギリ「…お前が世界を怪物から守ってる「仮面ライダー」ってヤツだろ?」

レン「…やはり気付いていたか」

アオギリ「あたりめぇだ!そうだ、いいもんをくれてやる」

アオギリは部下に何かを指示すると、部下がひとつの小さな宝箱を持ってきた

簡単に開くタイプだ

アオギリはその宝箱を開くと、ひとつのメガストーンを取り出し、俺に投げつけた

 

アオギリ「お前にとってなにか大切なものだろう?」

封印は解かれていない

 

レン「…これをやる代わりに、仲間になれと?」

アオギリ「…まぁ、そういう事になるな」

レン「……分かった」

俺は俯きながら呟いた

 

アオギリ「…ほぉぅ…ほんとにいいのか?」

レン「…俺は俺の道を行く。俺がいいと言ったらいいんだ」

アオギリ「…それじゃ…」

アオギリは右手を差し出した

 

俺はその手を握り返す

 

アオギリ「…契約成立、だな」

レン「……」

 

             *

 

ライト「……はぁ…」

大きなため息だ

あの日から2日間、レンは帰ってこなかった

当然と言えば当然である

しかし、俺は少しの期待と大きな不安を胸に、毎朝のようにテントの外で座りながらあいつの帰りを待っていた

 

はっきり言って、今回の事に関しては、俺に問題がありすぎた

レンがそんな事を思っていたなんて…

 

俺は気付いているようで、気付かないふりをしていたのかもしれない

 

これじゃ、俺はヒーローなんてものには程遠い

 

「もううんざりなんだよ!!」

 

ライト「……」

俺はレンに殴られた左頬をさする

いつもはどんな傷でも、意外と直ぐに治るのに

あいつに殴られたここだけは、一向に治る気配がない

 

あんなに取り乱したレン、初めて見た

それは叔父さんやメグもそうだと言う

 

それに…

 

 

メグ「あそこまで本気なお兄ちゃん、初めて見たの。だから多分、ほんとに戻ってくる気はないんだと思う」

カズマ「あいつは芯が強い男だからな。自分の気持ちに嘘をつくことをやめたんだろう」

 

 

ライト「……はぁ…」

俺は再び大きなため息をついた

 

メガミ「…不安、ですか?」

後ろからメガミの声がする

おそらく結構近い

 

ライト「…あぁ」

メガミ「……私もです…」

するとメガミは俺の隣に座って来た

 

メガミ「…不安、と言うより、怖いんですよね」

ライト「…え?」

メガミ「…今まで一緒に旅して来た仲間が、急にいなくなるなんて…。私には怖いです…」

ライト「…あぁ、そうだな」

メガミ「…ライトさんは、怖くないんですか?」

ライト「……怖いよ…」

俺は俯き、涙を堪えていた

 

ライト「…あいつは、確かに俺の事を嫌ってた。でも俺は……」

俺は今までのレンとの旅を思い出した

 

毎朝、当たり前のように食事を作ってくれた

俺が戦いでピンチになれば、駆けつけて来てくれた

そして誰よりも、メグや叔父さんを気にかけていた

俺には決して優しくはなかったけれど、それでも俺は…

 

ライト「…あいつとの旅が、楽しかった…」

メガミ「……」

俺の背中を摩るメガミ

 

ライト「…このままじゃダメだ…」

俺は立ち上がった

昇る朝日を前に、俺は決意した

 

ライト「…レンを連れ戻す。なんとしてでも…」

自然と拳に力が入る

 

メガミ「…そうですね、このままでは終われませんもんね!」

メガミも立ち上がり、風に靡かれていた

 

カズマ「…おーい!2人ともー!」

遠くから叔父さんの声がする

振り返ると、新聞を持った叔父さんが走って来ていた

 

ライト「何?叔父さん」

カズマ「これを見てくれ!」

叔父さんが新聞を広げ、指を指していた

 

指の先には、大きな文字でこう書かれていた

 

『火山で不思議な石を発見!マツブサ氏が会見にて発表』

 

ライト「…これは!」

その記事には何枚かの写真が乗っていた

1枚はローブを羽織り、七三分けで黒縁の眼鏡をかけた男がたくさんの記者に囲まれながら記者会見を開いている写真

もう1枚の写真には、雫のような形の石が映っていた

石の真ん中には、不思議な紋章が浮かんでいた

多分、「Ω」の文字

メガストーンなのか?

 

ライト「これを発見したのは!?」

叔父さんがすかさず指を指す

 

カズマ「火山の研究をしている『マグマ団』のリーダー、マツブサだとさ」

ライト「…マグマ団…?」

もう一枚の写真には、特殊なデザインの「M」の字がペイントされていた

 

             *

 

アオギリ「海は生命の宝庫だ。もっと大切にされるべきだと思わねぇか?」

レン「…そうだな。最近では、人間による環境破壊が進み、海も汚れてきている」

アオギリ「そうだろ!つまり、陸に住む人間は海にとっては敵だ!俺の言いたいことが分かるか?」

レン「…つまり、海の敵である人間は滅ぶべきだと?」

アオギリ「…まぁその通りだな。だが人間が滅んだら困ることもあるだろう。俺がしたいのは、海を広げて、もっと生命が生まれる環境を作る事だ。そうすれば、残り少なくなった人間も俺に従うだろう」

レン「……どうやって海を広げるつもりだ?」

アオギリ「お!よくぞ聞いてくれた!」

アオギリはデスクの引き出しから古い絵巻のようなものを取り出し、机に広げた

その絵巻には、丸い石が描かれていた

真ん中には、「α」の文字

メガストーンなのか?

 

アオギリ「これは、「あいいろのたま」」

レン「あいいろのたま?」

アオギリ「この海を統べる力がある。この海の中心にあるこれは、俺達にとっちゃとんでもない宝だろう?」

アオギリはニヤリと俺を見た

 

アオギリ「これがあれば、俺は海を支配できる!海は俺達のもんだ!」

レン「……」

「あいいろのたま」、そんなものが存在していたのか

 

アオギリ「お前はこの海を手に入れたら、何がしたい?」

レン「…え?」

アオギリ「悪いが海の王の座は既に埋まってる。それ以外には何がしたい?」

レン「……そうだな…」

俺は考えた

もし海が手に入ったら、何がしたいか…

 

レン「…見守っていたいな」

アオギリ「…あ?」

レン「…海がどんな物語を繰り広げるのか、見てみたい」

アオギリ「…ふっ、悪くねぇな」

アオギリは鼻で笑った

 

アオギリ「じゃあ俺が海を手に入れた暁には、お前に海の私有権を半分やろう」

レン「…ふっ、まるで魔王が勇者に放つ言葉みたいだな」

アオギリ「何言ってる?俺達は勇者だ。俺達が正義だ」

レン「……」

団員「リーダー!」

アオギリ「あ!どうした!?」

1人の下っ端であろう男が、新聞を持ってアオギリの元に駆けつけた

 

団員「マグマ団の連中が、「べにいろのたま」を見つけたようです!」

レン「……?」

アオギリ「何!?マグマ団が!?」

レン「…なんだ?」

アオギリ「…マグマ団ってのは、俺達アクア団の敵だ!あいつらは俺達の目的とは逆に、陸地を広げようとしている」

レン「……」

アオギリ「マツブサめ……俺達も一刻も早く「あいいろのたま」を見つけねぇと…」

レン「……」

「あいいろのたま」、「べにいろのたま」

初めて聞くワードだが、俺は困惑しなかった

なぜなら、次なるトラブルが待っているとわかっているからだ

 

このニュースを、あいつらが見逃す筈がない

 

レン「…待ってろよ…」

 

             *

 

「べにいろのたま」の事を追求すべく、俺達はマグマ団のアジトに向かって、アポをとっていた

 

ライト「……?」

と、とある女性と目が合う

大人っぽいというか、子供っぽいというか

腕を組み、全身真っ赤で、短いスカートに黄色い角の生えたフードを被り、紫髪で、冷たい視線をこちらに向けていた

 

しばらく俺を見ると、その女性は去っていってしまった

 

ライト「……」

なんだったんだ?

 

団員「アポが取れました。ご案内致します」

礼儀正しい女性の受付人が、俺達4人を案内した

 

団員「リーダーマツブサ、お客様です」

マツブサ「…入れ」

ドアをノックし、女性が中に話しかけた

中からは渋い男の人の声がした

 

ライト「…し、失礼します…」

マツブサ「…君達が「べにいろのたま」について聞きたいと言う人達かい?」

デスクに座る赤髪の男

新聞で見た通りの見た目で、この人も赤一色で身を固めていた

 

ライト「…はい、波山ライトって言います」

メガミ「私は、メガミ・アリス・クラットと申します」

メグ「朝堂メグです!」

カズマ「保護者の、朝堂カズマと申します」

一通り挨拶が済んだ俺達

 

マツブサ「私がマグマ団のリーダー、マツブサです。どうぞよろしく」

作り笑いかのような笑顔

正直怖い

 

マツブサ「…これが、「べにいろのたま」です」

マツブサが持ち出したのは、新聞でも映っていた石だ

真っ赤に輝き、まるで宝石のようだった

 

でも……

 

やはり、メガストーンとは似ても似つかなかった

 

カズマ「…ハズレか」

叔父さんがそう呟いた

 

すると、マツブサさんが言葉を発した

 

マツブサ「皆さんは、仮面ライダー、なんですか?」

ライト「…え?」

マツブサ「…あぁいやいや。なんせ世間では大きく騒がれていますから…」

ライト「…だったら、なんですか?」

何故か強く当たってしまった

俺なりの防衛本能が働いてしまったのだろう

 

マツブサ「…我々マグマ団と、手を組まないか?」

マツブサの表情が変わった

さっきとは裏腹に、挑戦的な眼差しだった

 

ライト「…手を、組む?」

マツブサ「あぁ、我々マグマ団の目的は、海を枯らし、大地を広げる事だ」

ライト「海を、枯らす?」

とんでもない発言に、俺達は驚きを隠せなかった

 

マツブサ「そうだ。我々人間はどこで進化してきた?それは大地だ。人間だけではない。陸地に住み始めた生き物の大半は、海から這い上がり、陸地で進化をしてきた。つまり、大陸は生物が進化をする上でなくてはならないものだ!そんな大陸を拡大させれば、生物は更なる進化をするだろう!何年、何十年、何千年かかろうが、私は大地を広げ、生物の進化に貢献する!」

ライト「…そんな事したら、海の生き物はどうなる!?水はどうなる!?そんな世界、誰が望む!」

マツブサ「海の生き物は陸地に上がり進化する。水は飲料水があれば十分だ。それに、もしかしたら水を必要としない生物が現れるかもしれん!地球を約3割しか占めていない陸地だ、もう少しあっても誰も文句は言わないだろう!」

ライト「…そんなの、間違ってる…」

マツブサ「…いいや、間違ってなどいない。おかしいのは…」

マツブサは俺の顔をじっと睨んだ

 

ライト「……っ」

マツブサ「貴様の倫理観だ」

顔面が近い

すごい圧だ

 

と、突然俺の体が床に付いた

と同時に、腕を後ろに回され、身動きを取れないようにされていた

 

ライト「…痛っ!」

???「……」

ライト「…!」

俺の体に身を載せているのは、さっき目が合った女の人だ

またしても冷たい視線を向けている

 

???「…あなた…リーダーマツブサに近付きすぎ…」

マツブサ「まぁ待てカガリ、腕を離してやれ」

カガリ「……リーダーが言うなら……」

カガリと呼ばれた女性は、俺の拘束を解き、マツブサの傍に駆け寄った

 

ライト「くくっ…」

メガミ「ライトさん!」

ライト「…大丈夫…」

カガリ「……」

マツブサ「カガリが迷惑をかけたな。さぁ、話を戻そう」

マツブサは自分のデスクに座った

カガリも横に立っていた

 

マツブサ「我々が君達に協力を求める理由は2つ。1つは、我々と対の関係にある組織、アクア団の事」

ライト「…アクア団?」

マツブサ「アクア団は海を広げる事を目的に活動している連中だ。我々とは思想が合わない。そんなアクア団の連中を懲らしめて欲しい。もう1つは、我々の研究で、「べにいろのたま」を扱うには、色々と条件が必要なようでな、それが、超古代生物の力が必要、という事だ」

カズマ「…超古代生物…まさか、ポケモンか!?」

マツブサ「その通りだ、そのポケモンの名は『グラードン』。かつて地球ができた際に、陸地を作り上げたと言う伝説のポケモンだ」

カズマ「伝説のポケモン…」

マツブサ「その『グラードン』と、「べにいろのたま」が何らかの作用を引き起こし、海を枯らすほどの猛暑を作るらしい」

ライト「……」

まさか、この事件にもポケモンが絡んでいたなんて…

 

マツブサ「どうだ?我々と一緒に世界を変えないか?」

ライト「……」

協力は出来ない…

でも、ここで断ったら何をされるか分からない

それに、内部からの方が、何か

掴めるかもしれない…

 

ライト「…くっ…」

苦渋の決断だ

 

ライト「…わかった、協力しよう…」

マツブサ「…いい返事だ、それじゃあ…」

マツブサは自分のデスクに入っていたカプセルを開けると、中に入っていたメガストーンを渡してきた

封印は解かれていない

 

マツブサ「調査中に出てきた代物だ、受け取れ」

ライト「……賄賂ですか?」

マツブサ「…イヤな言い方をするな、交換条件と言ってもらいたい」

ライト「……っ!」

すると、またしても俺は床に地面が付き、さっきと同じ痛みを感じた

 

ライト「痛だだだだ!」

カガリ「だからあなた……リーダーに近付きすぎ…」

メガミ「ライトさん!」

マツブサ「…カガリ…」

カガリ「……ごめん…なさい…」

すぐに拘束を解くカガリ

マツブサには従順らしい

 

メガミ「もう!なんなんですかあの人!」

マツブサの元を離れた俺達

咄嗟にメガミが文句を言った

 

ライト「…確かに、とんでもない考えを持った人だな…」

メガミ「どうしてあんなにライトさんを痛い目に遭わせたいのですかね!」

ライト「…あ、そっち?」

メガミが文句を言っていたのはカガリに対してだった

 

カズマ「…しかし、どうするんだ?ほんとに協力するつもりか?」

ライト「…まさか。協力はできないけど、止めることは出来る。俺達で、マグマ団の陰謀を止めよう」

メグ「だけど、アクア団って人達もいるんだよね?」

ライト「うん、そいつらも止める」

カズマ「本当に出来るのか?レンもいないのに…」

ライト「…出来るか出来ないかじゃない、やるかやらないかだ。なんとしてでも、やるしかないんだ」

マグマ団も、アクア団も止める!

そして、レンも連れ戻す!

 

             *

 

ホムラ「いや〜、それにしてもリーダーマツブサ、「おくりびやま」では大収穫でしたね!」

マツブサ「…そうだな」

カガリ「…これも…世界を変えるリーダーマツブサの…才能…」

マツブサ「……」

マツブサの手元には、紅色に輝く「べにいろのたま」、そして、藍色に輝く「あいいろのたま」が置かれていた

 

マツブサ「大陸を広げる『グラードン』、海を広げる『カイオーガ』、どちらが世界を変えるか、見届けようじゃないか…」

 

3人は不敵な笑みを浮かべていた…

 

To be continued




次回予告

マグマ団のアジトに乗り込むアクア団
争いが勃発!

困惑するライト達の目の前には、レンの姿が…

第三十三話「戦争勃発!アクア団VSマグマ団!」
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