仮面ライダーバーサ   作:キャメル16世

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前回のあらすじ

ライト達と疎遠となったレンはアオギリと言う男と出会う
アオギリはアクア団のリーダーとして、新たな生物の誕生促進の為に海を広げようとしていた
一方、ライト達はニュースを見てマグマ団のアジトに行き、マツブサと言う男と出会う
マツブサはマグマ団のリーダーであり、人間の進化の為に、陸を広げようとしていた

それぞれが抱える野望
2人はどんな選択をするのか!?



第三十三話「戦争勃発!アクア団VSマグマ団!」

マツブサ「……」

おくりびやまの頂上

マグマ団一行は、ホウエン地方に伝わる伝説の秘宝があると耳にし、おくりびやままで足を運んだ

 

マツブサ「……ついに見つけた…」

祭壇の上にあったのは2つの石

1つは、紅色に輝き、もう1つは藍色に輝いていた

 

これが「べにいろのたま」…

私が探し求めていた物

きっとアクア団もこの「あいいろのたま」を狙っているに違いない

 

私は部下に命令し、先に「あいいろのたま」を回収する事にした

 

カガリ「……リーダーマツブサ…そろそろ…」

マツブサ「あぁ、わかっている」

ここからはエントツ山が良く見える

 

私は視線をエントツ山から「べにいろのたま」に移した

 

美しい…

 

私は「べにいろのたま」を力強く握った

 

マツブサ「…っ!」

と、突然頭痛がした

 

マツブサ「…がっ!」

膝から崩れ落ちる私

 

カガリ「リーダー!」

カガリが駆け寄ってくる

 

マツブサ「…あぁっ!がっ!」

 

…これは、単なる頭痛では無い

 

そう確信したのは、彼の姿を見てからだった

 

私の目に映っていたのは、エントツ山の頂上

火口から巨大な赤い怪物がマグマのようなビームをホウエン中に放っている

腹部は黒く、全身をマグマのようなものが伝っていた

 

マツブサ「……あ…あぁ」

私は自然と手を伸ばした

 

マツブサ「……ゲンシ…グラー…ドン…」

何故だ

私は今何故、知らない言葉を発した?

 

ゲンシグラードン

聞いた事もない

だが、あいつに惹かれる何かが分からない

ただ単純に、あの力が欲しかった…

 

すると、怪物がこっちを向いた

そして口を大きく開けると、こちらにビームを放った

 

マツブサ「ぬぁぁ!」

カガリ「リーダーマツブサ!落ち着いて!」

ホムラ「リーダーマツブサ!しっかりして下さい!」

部下達が私を呼んだ

 

マツブサ「…あ…あぁ、すまない…」

私は立ち上がり、エントツ山の頂上を見た

 

怪物はいなかったし、ホウエンの街も元通り

 

いや、元に戻った訳では無い

 

カガリ「リーダーマツブサ、何があったの?」

ホムラ「大丈夫ですかい!?いきなり喚き出すんです!」

部下達は怪物の姿を見ていなかったようだ

つまり、幻覚

 

マツブサ「……」

私は「べにいろのたま」を見る

 

これは、多分幻覚では無い

記憶だ

「べにいろのたま」が持つ、記憶

 

ゲンシグラードン…

 

あいつが、この世界を変える事になるのか…?

 

             *

 

マツブサ「……」

あの日、私は初めて、グラードンの存在を知った

あの後、「あいいろのたま」にも触れてみたが、何も起こらなかった

ただ、古い資料から

『グラードン』と共に、『カイオーガ』という名前を見た

2匹は地球が誕生した際争い、陸地と海を作り上げた

そんな2匹は、共にこのホウエン地方に封印されているらしい

 

マツブサ「……」

カガリ「……リーダーマツブサ…体調は?」

マツブサ「…あぁ、問題ない」

カガリ「……そう…」

マツブサ「……なぁカガリ」

カガリ「……はい…?」

マツブサ「……もしも、私がお前達を裏切ってたった1人で地球に生きる事を決意したら、どうする?」

カガリ「……」

マツブサ「……」

カガリは私の右腕だ

カガリが幼い時から、私の直属の部下として働いてもらっていた

 

カガリ「……その時は…リーダーマツブサの…意向に従うよ……だってボクは…貴方に一生仕えると…誓ったから…」

その結果、カガリは私に懐くようになり、今では私第一に行動してくれる

カガリは私の服の袖を握った

口ではこう言っているが、本当は…

 

マツブサ「……悪かった…」

私はカガリを抱きしめた

 

カガリ「……リーダーは…何も悪くない……悪いのは…この世界…」

マツブサ「……」

 

             *

 

アオギリ「……」

俺は焦っている

マグマ団…いや、マツブサに先を越されてしまった

 

イズミ「アオギリ、新しい情報が来たわ」

ゴーグルに青いメッシュの入った長い黒髪の女、イズミがパソコンを持って俺の元に来た

 

イズミ「…これを…」

パソコンの画面には、マグマ団が「あいいろのたま」らしき石を運び込んでいる映像が流れていた

 

アオギリ「こ!これは!」

レン「……」

イズミ「どうする?アオギリ」

アオギリ「何がだ?」

イズミ「何って、乗り込むの?それともこのまま見て見ぬふりなの?」

アオギリ「…何を言ってやがる!俺がそんな簡単に物事を諦める男に見えるか!」

イズミ「だってあなた、この間挙げたパズル、3時間で飽きてたじゃない」

アオギリ「それはそれだ!とにかく!アクア団の全員に伝えろ!」

俺は身を乗り出し大きな言葉で放った

 

アオギリ「これよりアクア団は!マグマ団に乗り込み!「あいいろのたま」を取り返す!」

 

 

レン「……」

どうやら、始まるようだな

 

アオギリ「……お前も来るか?」

すると、アオギリが俺に煽るよう問いかけた

 

レン「……」

 

 

アクア団のアジトが騒がしくなった

青と白のシマシマの服を着た下っ端団員達が、せっせと荷物を戦艦に運んでいる

戦艦は青い鮫のような形で、戦闘にはいかついドリルが付いている

 

やっと、この時が来た

「あいいろのたま」…

待ってろよ…

 

団員「リーダー!全戦艦の準備、整いました!」

アオギリ「おう!それじゃぁお前ら!」

俺は整列する団員に言葉を放つ

 

アオギリ「今一度お前達に問う!この地球は誰のものだ!この世界は正しいと思うか!…いいや違うよなぁ!この地球は人間のものじゃねえ!この世界はこの間違っている!だったら俺達が!この世界を!地球を!変えようじゃぁねぇか!…俺に賛同するものは!ここに誓え!そして!命を燃やせ!死ぬ気で行くぞぉ!!」

団員「「「「……うぉぉぉぉ!」」」」

百数名いる団員達が一斉に叫ぶ

 

ウシオ「オウホウ!!」

イズミ「…ふっ」

アオギリ「アッハッハッハッハッ!!」

 

アクア団のアジトから何隻もの戦艦が出港した

 

アオギリ「目指すはマグマ団アジト!待ってろよォ!マツブサァ!」

 

             *

 

ライト「……」

深夜、俺は考え事をしながらマグマ団のアジトを巡っていた

中は常に団員が警備をしていて、一際重厚感のある扉があり、そこには何人も団員がいて、動く様子がない

 

そろそろ寝よう

 

そう思い、用意されていた部屋に戻ると、叔父さんがデスクにいた

 

カズマ「……」

ライト「…叔父さん、何してるの?」

カズマ「あぁ、ライトか…ちょっとな…」

叔父さんが持っていたのは、見た事ないデバイスだった

 

ライト「…それは?」

黒い六角形の土台に、側面にはボタン、一部に凸が出来ていた

何かに差し込むのだろうか

 

カズマ「…あぁ、これはな…」

叔父さんがそのデバイスをひっくり返した

 

ライト「…キーストーン?」

そのデバイスの中央にはキーストーンがハマっていた

 

カズマ「これは、《メガストーンコネクター》。メガリングと同じ機能を持ってる」

ライト「何それ。もしかして、俺に?」

カズマ「…いや、レンに」

ライト「え?」

カズマ「…本来ならな。元々メガストーンとは、そのメガストーンが本人の本質を見極める事で、封印が解ける。レンの話によると、《ミュウツーストーン》も元々は封印されていたらしい」

ライト「…って事は、《ミュウツーストーン》は、レンの事を認めてるって事?」

カズマ「その通りだ。しかし、伝説のポケモンの力はそんな程度では扱えない。だからこそ、《レジェンドライバー》を使えば、使いこなす事が出来る。半強制的にな」

ライト「……」

カズマ「…だがもし、もし仮にレンとミュウツーの中に絆が生まれるのであれば、レンも更なる進化をするんじゃないかと思ってな」

ライト「…更なる進化…メガシンカの事?」

カズマ「あぁ。だが、今のレンでは…」

叔父さんは《メガストーンコネクター》をまじまじと見ていた

 

ライト「…きっとレンなら、大丈夫だよ」

カズマ「…なぜそう言いきれる?」

ライト「…わかんない。ただ、信じたいだけなのかも」

カズマ「…信じたい?」

ライト「…うん、つまりは俺の願望。ただの願いなんだよ。でも、それでいいんじゃない?信じてればさ。いつかきっと、戻っていてくれる…、そんな気がする」

カズマ「…ライト…」

 

気づいたら、夜が明けていた

 

机に突っ伏して寝ていた俺は、外が騒がしいことに気付き目を覚ました

 

俺は寝ぼけナマコでマグマ団アジトを昨夜のように散策した

ただ気付いたことがある

昨日はあんなに沢山いたマグマ団の団員達が一人もいない

警備もしていない

外が騒がしいことに関連しているのだろうか

 

すると、また昨日のように重厚感のある扉が目に入った

扉の前には誰もいなかった

 

すると、廊下の向こう側から、誰かが歩いてきた

俺はもの陰に隠れ、首をのぞかせた

扉の前に、マツブサが立っていた

 

何してるんだ?

 

そう思うと、マツブサは扉の横にある3×3のキーボードに手を伸ばす

番号を入力し、扉が開いた

 

中に入るマツブサ

 

俺はバレないように着いて行った

 

扉の向こうは入り組んだ廊下になっていた

途中、マツブサを見失ってしまった

 

俺は構わずに先を進んだ

 

足音はしない

本当に誰もいないのだろう

 

そう思った瞬間だった

 

カガリ「…こんな所で……何してるの……?」

後ろにカガリが立っていた

 

ライト「…カガリさん…!」

足音はしなかった筈だ

気付かなかった

 

カガリ「……何してるのって……聞いてるんだけど…」

鋭い眼光で俺を睨む

今にも襲ってきそうだ

 

ライト「…ご、ごめんなさい!道に迷っちゃって…」

カガリ「……道?」

ライト「……」

カガリ「……嘘……だよね?」

ライト「……え?」

カガリ「……キミ……リーダーマツブサを止めようとしたんじゃないの?」

ライト「……」

どうやらお見通しのようだ

 

カガリ「……キミの目的は何?…どうしてボク達の邪魔をしようとするの?」

ライト「……マツブサは、こう言った…」

 

「おかしいのは、貴様の倫理観だ」

 

ライト「…確かに、俺は間違っているのかもしれない。人間の進化、それは確かに必要な事だ」

カガリ「……だったら……どうして…」

ライト「でもそれ以上に!他の命だって大切だ!この地球にいるどんな生物も、命は一つなんだ!それを大切に思うのは!おかしいのか!?」

カガリ「……っ!」

ライト「……カガリさん…貴方はマツブサ一人の為に、自分の大切な命を無くすつもりですか?」

カガリ「……リーダーマツブサは…間違ってない…」

ライト「…確かに、マツブサの言っている事も一理ある、でも!もし本当に海を減らそうとしているなら、『グラードン』の力は危険すぎる!」

カガリ「……」

カガリは少しだけ震えていた

 

カガリ「……なんなの…キミ…」

ライト「……」

カガリ「……どうして……」

ライト「……マツブサに合わせてください」

カガリ「……」

俺は頭を抱えるカガリを横目に、先を急いだ

外は騒がしいままだ

 

 

カガリ「……」

なんなの……あいつ…

 

どうして…リーダーマツブサよりも…輝いて見えるの…

 

どうして…ボクの想像を遥かに超える行動をするの?

 

知りたい…

 

もっと…

 

カレのコト…………

 

 

マツブサ「……」

ライト「マツブサ!」

一番奥の部屋にいたマツブサに俺は声をかけた

 

マツブサ「…貴様か…何の用だ」

マツブサは振り向かずに話す

 

ライト「…貴方の事を、止めに来た」

マツブサ「…ふっ、無駄な事を…」

ライト「無駄なんかじゃない!俺のこの行動は、世界を正しい道へ導くと信じてる!」

マツブサ「……それは…私も一緒だ」

振り向いたマツブサの両手には、「べにいろのたま」と、藍色に輝く珠を持っていた

 

ライト「…それは?」

マツブサ「……先程、アクア団が我々マグマ団に攻めて来た」

ライト「……アクア団?それって…」

マツブサ「私達とは相反する組織だ。そして、我々はお互いにいがみ合っている」

ライト「…どうしてアクア団が…?」

マツブサ「彼らの目的はこの「あいいろのたま」、海を統べる伝説のポケモン、『カイオーガ』と関連がある珠だ」

ライト「…あいいろのたま…」

マツブサ「ただいま部下達が交戦中だ、仮面ライダーよ、もし私を止めた所で、アクア団が野望を叶えるぞ、それが嫌だったら、我々に協力しろ」

マツブサの目が、俺は嫌いだ

威圧感がすごい

見られているだけなのに倒れそうだ

 

ライト「…だったら、あんたを止めて、アクア団も止める!」

マツブサ「…無理だな。世界はある一定の方向にしか進まない。そう決まっているのだ」

ライト「…そんなの、やってみなきゃわかんねぇだろうが!」

俺は振り向き、その部屋を後にした

 

カガリの姿はもうなかった

 

 

マツブサ「……」

残されたマツブサは、「あいいろのたま」と「べにいろのたま」を交互に見詰めた

 

マツブサ「……っ!」

またもや始まった頭痛

しかし、やはりただの頭痛では無い

マツブサの頭の中に、「べにいろのたま」が持つ記憶が流れ込んできた

一瞬でフラッシュバックしてきたそれを見終わると、マツブサは足を進めた

 

この世界を変える為に

 

             *

 

出口をやっと見つけて外に出ると、外は地獄絵図だった

 

無数の人々が、殺し合っていた

 

赤い団服を来ているのはマグマ団の団員達だ

その相手は、青と白のシマシマの服を着た海賊のような見た目の人達

もしかして、あれがアクア団か?

 

カズマ「ライト!」

ライト「叔父さん!」

カズマ「一体、どうなってるんだ?こりゃ」

ライト「多分、アクア団が攻めてきたんだ。「あいいろのたま」を奪う為に」

カズマ「あいいろのたま?」

ライト「…急がないと」

俺は叔父さんを置いて、その軍勢の中に割り込んで行った

 

ライト「やめろォ!」

俺は殴り合っている2人の団員の仲に入った

 

2人は後ろに倒れると、そのまま動かなくなってしまった

 

ライト「…くそっ!」

俺は走り続けた

 

どうしてだ!

どうしてこうなった!

どうして人が倒れなきゃならない!

 

ライト「…っ!」

俺は前方から飛んできた何かを避けた

 

大きな等身大の何か

 

振り向くと、マグマ団員の男だった

 

力尽きている

 

ライト「おい!」

俺は男に近づいた

 

マグマ団員「…リーダー…マツブサ…どうか……世界を……っ!」

男は目を閉じ、満足そうに息を引き取った

 

ライト「……っ」

助けられなかった…

 

ライト「……くっ!」

誰だ!誰がこんな事を!

 

俺は男が飛んできた方向に目を向けた

 

ライト「…っ!」

俺は驚いた

 

唖然と立ち尽くすマグマ団員

道が開いたような場所の奥には、一人の男がマグマ団員をパーカーを引っ張り、引きずっていた

 

レン「……」

ライト「……レン…」

男の正体はレンだった

以前の格好とは違く、青色のトレンチコートのようなものを羽織ったレンが、真っ直ぐ俺を見詰めていた

レンは男を離した

 

レン「……」

ライト「……レン…なんで…?」

なんでレンがここに?

 

…そうか、レンもこの戦いを止めに来たのか

俺は自然と口角が上がる

 

マグマ団員「…よくも!」

レン「…ふっ!」

と、マグマ団員がレンに殴り掛かるが、レンは問答無用で殴った

それは女性団員でも関係なかった

しかも、マグマ団員のみを…

 

ライト「……」

俺は口角が上がったままだった

何がどうなっているのか、分からなかった

 

レン「……」

レンはレジェンドライバーを構え、腰に装着した

 

レン「…ミュウツー、俺に従え」

 

ドロップ!

リード!レジェンド!ヘンシーン!

 

レン「……変身」

 

ミュウツー!

ミュウ!ツー!ミュウ!ツー!ミュウ!ツー!ツー!

 

レンは姿を変え、仮面ライダーレジェンへと変身した

 

レン「…伝説の戦士、仮面ライダーレジェン…」

レンは冷たい視線を俺に向ける

 

この目は、完全に好意的なものでは無い

どちらかと言えば、いや、明確にわかる

この目は、敵意丸出しだ

 

俺を、倒そうとしている

 

レン「……お前も変身しろ、波山ライト…」

 

レンは、別人に思える程、物凄いオーラを放っていた

 

To be continued




次回予告

アクア団としてマグマ団を襲撃したレン
ライトとの戦いで、新たな力を見せる

レン「海の神の力を見せてやる」
ライト「俺は絶対に!お前を諦めない!」

そして、「ゲンシ」の力が開放される瞬間が近付く…

第三十四話「裂かれた友情、本当の正義」
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