仮面ライダーバーサ   作:キャメル16世

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???「……はぁ…はぁ…」
どのくらい走っただろう
後ろに結んだ薄紫の髪がなびく

真っ暗な空の下、雨が強く降っていてよく前が見えない
建物の物陰に身を隠す
ここまで来たら大丈夫だろう

???「…はぁ…はぁ……はっ!」
甘かった
やっぱり「あいつ」から逃げ切ることは出来ない

???「……」
逆光でシルエットしか見えないが、顔面はシマシマの模様に大きな緑色の複眼
胸には白と黒の十字の模様
体の側面はマゼンタ色のアーマーに身を包んでいる超人がそこに立っていた
腰にはマゼンタカラーのカメラのような見た目のドライバー

???「…………ディケイド…」
奴の名は仮面ライダーディケイド
世界の破壊者と呼ばれ、数々の世界から恐れられている
今回の標的は私

ディケイド「無駄な抵抗はよせ、大人しく俺に着いてこい」
???「…誰があんたみたいな悪魔に着いてくか!」
ディケイド「…またそれか…いい加減に…っ!」
すると、私の背後に銀色のカーテンのようなオーロラが現れた
これは世界を移動できる不思議なオーロラ
私はこの存在を知っていた

???「…っ!」
私は咄嗟にその中に入って行った
オーロラは私が入った瞬間に消えた
これで私がどの世界に行ったのか分からない
ざまぁみろ


ディケイド「……」
逃がしたか
俺がたった今逃がした女
彼女を逃がす訳には行かない

ディケイド「……逃がさないぞ……シオン…」



スピンオフ 第3弾
仮面ライダーバーサ エピソード オブ レジェン×ディケイド


『破壊の繭と世界の破壊者』編

 

 

ここは、カロス地方

カントー地方やジョウト地方とはかなり遠い場所に位置する地方だ

地方全体が星のような形をし、大きく3つに別れているのが特徴だ

長い飛行機旅の末、俺達はミアレシティに辿り着いた

ミアレシティはカロス地方屈指の大都市

円形にビルや大きな建物が連なり、真ん中には大きなタワーが立っている

 

メグ「おぉー!見て見て!お兄ちゃん!でっかいタワー!」

レン「あれがプリズムタワーか、想像よりデカイな」

メグ「はぁ〜!ずっと来たかったんだ〜!カロス地方!」

レン「…そうか、それは良かった」

 

カントー地方のオレンジ諸島の事件の後、俺達はカロス地方へ行く計画を始めた

メグがずっと来たがっていたのは俺も知っている

俺は勘でこの地方に来たが、ここに着くまでに、色々なことを調べた、そして気になるの記事を見つけた

 

レン「……」

メグ「…お兄ちゃんどうしたの?」

レン「……いや、何でもない。さてと、カロス観光でもするか」

メグ「うん!」

 

新聞に載っていた記事

そこには

『プロジェクトYの真相 フラダリ氏は黙秘』

そこには大きく書かれた文字

そして沢山の記者に囲まれながら車に乗り込む男

髪型はオレンジ色でライオンのたてがみのような感じだった

ファー付きの黒と赤を基調としたスーツを着ていた

どうやら彼はカロス地方で知らない人は居ない程の有名人で、この新聞でも大々的に載っていた

 

レン「……プロジェクトY」

このカロス地方にも、魔の手が?

真相は分からない

もしかしたらただの商品計画かもしれない

でもただ、俺はこの「フラダリ」という男に興味を持った

 

それにしても、海外だけあって

周りは鼻の高い奴らばかりだ

なんか調子狂うな

 

メグ「……」

レン「…どうした?」

メグが何かを見つめている

目線の先には、男女がベンチでパフェの食べさせ合いをしているところだった

 

メグ「…ムグッ!」

俺はメグの目を手で隠した

あれはメグには早すぎる

 

メグ「……お兄ちゃんってさ、彼女作らないの?」

レン「…は?いきなりなんだ?」

いきなりなんだ?

咄嗟に心の声が漏れる

 

メグ「いや〜、お兄ちゃんってさ、全然女っ気ないよな〜と思って〜」

レン「俺はまだ13だぞ?彼女なんか作るわけないだろ」

メグ「そぉ〜?丁度思春期に入った頃じゃないの〜?」

レン「余計なお世話だ。それに、仮面ライダーの活動で忙しいからな、そんな暇はないんだよ」

メグ「…ふーん」

俺はバッサリ言った

メグは腑に落ちない表情をしていた

 

そんな時だった

 

遠くの方で爆発音、そして沢山の悲鳴が聞こえた

奴らが現れた

 

 

『ガルルルル!』

レン「ライオンのポケヤミーか、この地方はライオンが好みみたいだな!」

街で暴れていたのは、たてがみが炎のように燃え盛るライオンのポケヤミーだった

 

『ガルゥ!俺様は『カエンジシ』!ここは俺様の縄張りだァ!失せろ!』

レン「悪いがここは人間が住む街なんだよ…ご退場願いたいな」

俺はレジェンドライバーを構え、腰に装着した

 

レジェンドライバー

 

???「……」

 

ドロップ!

リード!レジェンド!ヘンシーン!

 

レン「変身」

 

レジェンドライバーの側面のボタンを押す

 

ミュウツー!

ミュウ!ツー!ミュウ!ツー!ミュウ!ツー!ツー!

 

俺の体は薄紫色のアーマーに包まれ、紫の尻尾が出現する

俺は目を見開き力を解放する

 

レン「伝説の戦士!仮面ライダー!レジェン!」

 

???「……」

 

『ガルゥ!』

レン「…さぁ、伝説の始まりだ…はぁ!」

俺は炎を吐く『カエンジシ・ヤミー』に突っ込む

 

レン「はどうだん!」

紫のエネルギー弾を発射すると、炎を相殺した

 

『ガルゥ!?』

レン「サイコキネシス!」

サイコキネシスで『カエンジシ・ヤミー』を持ち上げる

手に力を入れると、サイコキネシスが強まり『カエンジシ・ヤミー』が苦しみ出す

 

レン「…はぁ!」

地面に叩きつける

どうやらこの勝負、俺の勝ちのようだ

 

レジェンド!ヒッサーツッ!

ジーンディストラクション

 

レン「ジーンディストラクション!」

俺は高く飛び上がり、紫のオーラを放ちながら『カエンジシ・ヤミー』にキックを放った

 

『ガルゥ!!』

ポケヤミーは爆発し消え去った

 

レン「……ふぅ」

俺は変身解除すると、気が付いた

周りに人が集まっていた

 

中には俺を蔑むように

中には俺に興味を持つように

その何人かは手持ちの小型機器で俺の事を撮影していた

 

はぁ、この地方の民度はこんなものか

俺はメグの手を引いて去ろうとしたその瞬間

どこからともなく1つの拍手の音が聞こえてきた

 

???「……」

振り返ると、先程新聞に載っていた男

フラダリが俺達に向けて拍手をしていた

 

フラダリ「…素晴らしい…今のは、どんな技術ですか?」

レン「……あんたは…」

この男の笑顔

まるで作り笑いだ

本当に俺達に興味があるなら、こんな目はしない筈だ

 

フラダリ「いや、そんな事はどうでもいい…この街を救ってくれてありがとう…君がいなければ今頃この街は……皆さんも、この方に大きな拍手を!」

すると、驚く事に周りのほとんどの人間が拍手し始めた

この男の影響力は半端じゃない

 

レン「…あんたがフラダリか…」

フラダリ「私の事をご存知で?これは光栄だ!」

レン「……」

フラダリ「ご紹介が遅れました。私、このカロス地方で皆様のこの美しい街を守る為に活動しています…フラダリと申します」

フラダリは丁寧に頭を下げる

 

レン「…レンだ」

メグ「メグでーす!」

フラダリ「レン様にメグ様…これはこの街を守ってくださったほんのお礼です…お納めください…」

フラダリが俺達に渡してきたのは周りの人達も持っていた小型機器だった

 

フラダリ「最新の技術で作り上げた《ホロキャスター》です。役に立つことを祈っています」

すると、フラダリの後ろからSPらしき人が耳打ちした

 

フラダリ「…失礼、私は予定が入っているのでここで失礼します」

フラダリは再度頭を下げると、SPと一緒に車に乗り込み去ってしまった

 

聞きたいことは山ほどあった

でもまぁ、あちらも俺達のことを認識しているからそんなに苦ではないかもな

 

そんな事を思いながら、俺はフラダリから貰った《ホロキャスター》をいじっていた

一度解体し、怪しくないかも調べた

結果、これはただのホログラムメールを受信出来る装置らしい

まぁ十分凄い技術だが

 

メグが「使ってみてよ」と言うので、俺は仕方なく、ホロキャスターのボタンを押す

でも何も起こらなかった

解体した時に壊したみたいだ

 

俺は何度か色んな方向に向かってホロキャスターのボタンを押した

道路に向かって押した時だ

押した瞬間

突然目の前に銀色のカーテンみたいなオーロラが現れた

 

なんだ、ちゃんと動くのか

俺は内心ほっとした

 

すると、その中から薄紫の髪をした女が出てきた

特徴的な服装で、とてもこの世界観に合っていなかった

これは何かの映画のワンシーンか?と俺は思った

これがホログラムか、と感心もしていた

しかし、その女は前を見ることも無く、俺に向かって一直線で走ってきた

猪突猛進とは、この事を言うのか

 

シオン「きゃっ!」

レン「うおっ!」

その女には実体があり、俺はその女に押し倒された

 

レン「……だ…誰だお前…」

シオン「ご…ごめん!」

レン「……」

逆光で上手く見えないが、とても整った顔をしている

髪を後ろで結び、うなじが丸見えだった

歳は俺より少し上のようだった

 

シオン「…はっ…まずい!」

レン「なっ…なんだ!?」

女は俺の背後に隠れた

 

レン「なっ…」

シオン「私の名前はシオン!突然だけど私を庇って!」

レン「はっ!?何を言って…」

シオン「『悪魔』に追われてるの!」

レン「…悪魔?……ん?」

すると、またもやオーロラが歪みだし、中から誰かが出てきた

人間とはまるでかけ離れた姿、胸は黒を基調に白の二重線で出来た十字

股は白く、体の側面はマゼンタ色だ

顔はマゼンタと黒いシマシマ

大きな緑色の複眼

腰にはマゼンタのベルト

これが…悪魔か?

 

レン「……」

ディケイド「…ほぉう…ここが新しい世界か…」

レン「…誰だお前…」

ディケイド「…俺は世界の破壊者…ディケイド…」

レン「…ディケイド?」

ディケイド「…シオン…いつまで逃げるつもりだ?」

シオン「ずっとよ!」

ディケイド「……そうか…ならばここで…」

男は白黒の四角い銃を構え、銃口を向けてきた

 

ディケイド「…くたばれ」

トリガーを引く

 

レン「変身!」

俺は咄嗟に変身し、銃弾を受け止めた

 

ディケイド「……お前がこの世界の仮面ライダーか…?」

レン「…いきなり打ちやがって…危ないだろ!」

俺はディケイドに向かって突っ込んだ

 

シオン「……彼は?」

メグ「…仮面ライダーレジェン…伝説の戦士だよ!」

 

レン「お前があいつが言ってた『悪魔』か!?」

ディケイド「…またそれか…もう悪魔はうんざりだ!」

レン「ぐわっ!」

ディケイド「…ふっ!」

ディケイドが銃、《ライドブッカー》のトリガーを引く

 

レン「…くっ」

何発も打たれ、火花が散る

 

レン「お返しだ!はどうだん!」

ディケイド「…っ!」

俺の攻撃は命中した

 

ディケイド「…面白い戦い方をするんだな…」

レン「…ふっ」

ディケイド「……だったらこれでどうだ?」

ディケイドはライドブッカーから1枚のカードを出し、ひっくり返して、マゼンタ色のドライバーに差し込んだ

カードにはディケイドが銃を乱射する姿が描かれていた

 

アタックライド!

ブラスト!

 

ライドブッカーから大量かつ強力な弾丸が発射される

 

レン「ぐわっ!」

流石にダメージがデカい

 

レン「…だったら…」

 

ディケイドは更に剣を振りかざす姿が描かれているカードを差し込んだ

 

アタックライド!

スラッシュ!

 

ライドブッカーを展開し、剣状態にしたあと、俺にライドブッカーを振りかざした

剣の残像が残り、とても早く見える

しかし

 

レン「…みらいよち」

俺は寸前でその攻撃を避けた

 

ディケイド「……ほぉう」

ディケイドも俺の動きに感心したようだ

 

ディケイド「…超能力を使えるのか…だったらこいつだ」

ディケイドは黄金の角に紅い複眼をした顔のカードを差し込んだ

 

カメンライド!

アギト!

 

すると、ディケイドの身体は黒を基調としたアンダースーツに、黄金色のアーマーに包まれた仮面ライダーへと変化した

ただし、ドライバー以外

 

レン「フォルムチェンジした!?」

ディケイドアギト「…フォルムチェンジ?なんだそれは」

レン「くっ…サイコカッター!」

俺は遠距離から攻撃した

 

ディケイドアギト「はっ!」

ディケイドはサイコカッターを軽々飛び越え、俺の目の前に来た

突然のパンチ

俺は避ける事が出来なかった

 

ディケイドアギト「…ふっ」

レン「……くっ…」

ディケイドアギト「…こんなのはどうだ?」

今度はオレンジ色の頭に黒い複眼、脳天から角がはみ出す仮面ライダーのカードを差し込んだ

 

カメンライド!

ゴースト!

レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ!ゴースト!

 

黒い身体に、黒とオレンジの線が入ったパーカーが被さる

まるで憑依するかのように

フードを脱ぎ、カードと同じ仮面ライダーに変化した

 

ディケイドゴースト「…ふっ」

レン「…なっ…何だこの感じは…」

俺は何故か攻撃を躊躇った

この不思議な動き

脱力したようなフワッとした動き

 

まるで幽霊だ

 

ディケイドゴースト「…ふっ!」

レン「だぁっ!」

俺が躊躇っていると、すかさず攻撃してきた

 

ディケイドゴースト「……はぁっ!」

レン「ぬわっ!」

ディケイドゴースト「…終わりだ」

今度は金色の縁に、特殊なクレストが描かれたカードを差し込んだ

 

ファイナルアタックライド!

ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!

 

すると、ディケイドの背後にオレンジ色の紋章が現れる

その紋章が右足に吸い寄せられる

そして飛び上がるディケイド

 

これまた凄い技が出ると思い、俺はレジェンスロットを押し引いた

 

レジェンド!ヒッサーツッ!

ミュウツー!

サイコブレイク

 

レン「サイコブレイク!」

俺は紫の大きなエネルギー段をディケイドに向かって放った

 

ディケイド「……でやぁぁ!」

それに構わずディケイドは俺に向かってキックを放った

 

レン「…うわぁ!」

ディケイド「……ふっ」

俺の攻撃はすぐに否され、俺はディケイドの攻撃を受け倒れ、変身解除まで追い込まれた

 

レン「……くっ…」

ディケイド「……」

ディケイドはマゼンタのドライバー

《ネオディケイドライバー》からカードを抜き出した

変身が解除され、そこには茶髪の高身長な男が立っていた

首にはマゼンタ色のトイカメラをぶら下げている

 

レン「……」

士「…俺の名は門矢(かどや) (つかさ)、仮面ライダーディケイドだ」

レン「…門矢…士…?」

聞いたことも無い…なのに何だこの強さは…

 

士「…大人しく彼女を渡してもらおうか?」

レン「…突然襲ってきて…彼女に何の用だ…」

士「……っ」

レン「…?」

士が俺から視線を外した

視線の先にはメグの首に腕をまわし、メグの(こめかみ)に銃口を当てるシオンだった

 

レン「…なっ…メグ!」

メグ「お兄ちゃん落ち着いて!」

レン「…え?」

シオン「……」

士「…どういうつもりだ?シオン」

シオン「…どうしたもこうしたも…あんたのせいで全部めちゃくちゃよ!」

レン「……」

シオン「……せっかく…」

メグ「……っ」

シオン「……せっかく化粧したのに…何よこの写真!」

レン「……は?」

シオンは懐から1枚の写真を取り出した

その写真は酷いほどにピンボケや歪みを生じてて、とてもじゃないが写真とは言えなかった

 

シオン「あんたが写真撮ってあげるって言ったから、私はモデルになったのよ!?」

士「お前の世界が俺を嫌ってるだけだ。俺は悪くない」

シオン「はい出た!お得意の!自意識過剰発言!」

レン「…ちょ…ちょっと待て!」

シオン「……どうしたの?」

レン「…状況が上手く飲み込めない…今なんの話ししてるんだ?」

シオン「……だから、士が私を撮ったけど、こんな酷い写真だと思わなくて…」

士「撮影代を貰おうとしたら、逃げたんだ。写真泥棒だ」

レン「……」

ダメだ…全然分からない…

 

レン「…つまり俺は、たかが写真1枚でこんな怪我をしたのか?」

シオン「……あ…それはごめん…」

レン「……はぁ〜」

俺は倒れ込んだ

安堵と呆れ

そして…

 

レン「……」

シオン「……てへっ」

謎の感情

 

 

レン「……世界を、旅行?」

士「あぁ、俺には世界を渡る力がある。この力で、今までいくつもの世界を渡って、その全てを破壊してきた」

そう言うと、士は俺のスープに人参を入れてきた

 

レン「…破壊…やっぱりお前、悪いヤツなのか?」

好き嫌いをする奴は好きじゃない

俺は人参を倍にして返してやった

 

シオン「士が言ってる破壊ってのは、世界の壁を破壊してるの。だから正確には、世界の壁を壊して、世界どうしを繋げてきたの。全てを破壊し、全てを繋ぐ、そんな奴。だから悪いヤツじゃないよ?」

士「その通りだ…痛っ」

シオン「好き嫌いする所は!悪い所だけどねぇ〜」

シオンは俺のスープに人参を入れる士の頭をどついた

 

レン「その通りだな」

メグ「お兄ちゃんもだよ!」

レン「ま、待てメグ!俺は…」

シオン「まぁまぁ、こうして仮面ライダーが2人揃っ事だし、お祝いでもしよう!」

そう言って俺と士のスープに人参を大量に追加するシオン

 

レン「……はぁい」

士「……はぁい」

メグ「……あの…失礼ですけど…2人の関係って?」

それは俺も気になっていた

恋人、兄妹、親子、色んな説が出てくる

見たところ士は20代だ

 

士「俺が旅をしている最中、こいつに会ったんだ」

シオン「…実は私、家出中で…士と出会って、色んな世界を旅したんだ」

士「…ふっ」

レン「……シオンは、どこの世界の人間なんだ?」

シオン「……言えない…というか、言いたくない…」

シオンの服装といい、さっきの拳銃はなんだ?

でもシオンの目はとても悲しそうだった

これは悪い事をした

 

レン「……ていうか、ここは?」

俺は話を無理やり切り替えるように話しかける

俺達はシオンと士に連れ込まれ、一軒の家の中で喋っていた

まるでスタジオのようだ

 

シオン「光写真館!ここで士はカメラマン兼仮面ライダーとして活動してるの」

レン「…でも、お前は世界を渡るんだろ?なんでこの世界にお前達の世界の物があるんだ?」

士「それに関しては知らん。いつの間にか光写真館の外装や俺の服装が変わるんだ。こっちとしてもお手上げだ」

レン「……そうなのか」

士「ただ分かっているのは、その世界に渡る度、俺にはやるべき事があるという事だ」

メグ「やるべき事?」

士「今まで旅して来た世界、その世界には必ず仮面ライダーがいた。そしてその仮面ライダーと関わり、大きな困難を乗り越える事で、世界の壁を破壊出来る」

レン「…じゃあ、お前がこの世界でやるべき事って?」

士「…知らん。俺はそこまで万能じゃないんだよ」

士は俺の皿に人参を全部入れると、スープだけ飲みほして外に行ってしまった

 

シオン「あちょっ!士!」

シオンも後を追う

 

世界を繋げるために旅をする士

旅人同士、何となく既視感があった

俺は士に興味を持った

 

レン「…俺達も追うか…メグ…」

メグ「……お兄ちゃん…逃げる気でしょ」

レン「……さぁ、なんの事だか…」

メグ「……」

ジーッと見つめるメグ

 

レン「……帰ったら…ちゃんと食べます…」

メグ「……はぁ、まぁさっきの戦いで疲れてるだろうし、今回は見逃すよ」

レン「……あぁ…ありがとう…」

まぁ好き嫌いのジャンルで言ったらメグの方が多いけどな

 

メグ「…何?」

レン「…いや、何でもない」

怖い

11歳とは思えない眼光をしている

 

 

  カシャ

 

俺は写真が撮るのが好きだ

デジカメなどは嫌いだ

カメラはフィルムで撮るからロマンがある

 

  カシャ

 

今まで色んな世界を点々としてきた

ジリジリと、側面のヒンジをひねる

 

士「……」

シオン「……ん?」

士「……」

 

  カシャ

 

たとえ世界が俺を拒絶しても

俺は写真を撮り続ける

 

レン「……なんだ」

メグ「…?ピース!」

 

今あるこの世界を

記憶に刻み込むために

 

 

レン「…記憶喪失?」

シオン「…だったの、彼」

メグ「だった?」

シオン「…彼は…記憶をなくしてしばらくした時、ディケイドの力を手に入れた。そして、世界を渡って、探し続けた…」

レン「…何を?」

シオン「…士の世界よ」

レン「……士の世界」

シオン「…彼はいつもこう言ってる、人は誰でも、自分がいるべき場所(せかい)を探している。そこは偽りのない、陽のあたる場所。そこに行く為に人は旅を続ける。その旅を汚したり、利用したりする権利は誰にもないってね」

メグ「……」

シオン「……でも、彼の世界は…」

すると、ホロキャスターに通知が入った

 

どうやらフウジョタウン付近にて、怪人達が暴れているらしい

 

士「おしゃべりは後だ!行くぞ!」

レン「……あぁ」

 

 

フウジョタウンに着くと、辺りは混乱の渦になっていた

町の人達が逃げ惑う中、フウジョタウンの奥の方

謎の軍団が行進していた

 

全身黒タイツで、骸骨のような模様が入っている者達や、青と赤のトカゲのような怪人や、イカのような怪人

そしてその中央には、白のタキシードに黒い革手袋をした男が立っていた

 

士「……お前は…」

レン「……」

黒タイツの男達が「イー!」と言いながら歩を止めない

 

すると、男が立ち止まり、最前列へ移動し、俺達に姿を表した

士は驚いてはいなかった

 

士「……ガイ…生きてたのか…」

ガイ「……久しぶりだな…仮面ライダーディケイド…言ったはずだ…私は宇宙で最も迷惑な奴として蘇ると」

レン「…誰だお前…」

ガイ「……私の名はガイ…大ショッカー大幹部……又の名を…アポロチェンジ!」

ガイと名乗った男はワインレッドの仮面がかぶさり、白いマントが被さる

盾や剣を構える

怪人のような、英雄のような、そんな見た目

 

ガイ「…アポロガイスト!」

士「ガイ…どうしてお前がここに…」

ガイ「……言っただろう…我々は闇の力で蘇ったのだ…ある者の手によってな…」

レン「…闇の力…蘇った?…サカキと同じだ…」

ガイ「貴様に復讐するため、幾多もの怪物を集めて来た!」

士「…どうでもいい…ツケを払わせてやる…」

士は《ネオディケイドライバー》を腰に装着し、取っ手を開閉する

ディケイドの顔が描かれたカードを見せつける

 

士「変身!」

 

カメンライド!

ディケイド!

 

士の目の前に20体の灰色の分身が現れ、それが全て士に重なる。顔面にカードが刺さり、シマシマ模様を作り出す

身体の側面がマゼンタカラーになり、緑の複眼が光る

士は仮面ライダーディケイドへと変身した

 

レン「変身」

俺も仮面ライダーレジェンへと変身し、士と並ぶ

 

ガイ「……ふっ…殺れ」

ガイはショッカー戦闘員や怪人達に指示した

 

『イーッ!』

士「はぁっ!」

『イーッ!』

レン「はっ!」

『ガンガラッ!』

士「ふっ…はあぁ!」

『ゲソーッ!』

レン「たァっ!」

大量の怪人達を相手にする俺達

 

士「……こいつで行くか…」

士はロケットのような見た目の顔面をした仮面ライダーのカードを差し込んだ

 

カメンライド!

フォーゼ!

 

士はまるで白い煙に包まれ、宇宙服のようなアーマーに身を包んだ仮面ライダーに変身した

 

士「さらにこうだ」

士は更にカードを差し込んだ

 

アタックライド!

ロケット!

 

士の右腕にオレンジ色のロケットが装着される

 

士「でゃぁ!」

ロケットから出る炎で勢いの増したパンチを『ガラガランダ』にお見舞する

 

『ガラッ!』

 

士はまたもやカードを差し込んだ

今度は武将の兜のような見た目の仮面ライダー

 

カメンライド!

ガイム!

オレンジアームズ!花道 オン ステージ!

 

今度は、ミカンのようなものが頭にハマると、それが展開

オレンジ色のアーマーと紺色を基調とした武将のような仮面ライダーへと変身する

 

アタックライド!

大橙丸!

 

ライドブッカーとは別にオレンジ色の刀が現れる

二刀流となった士はショッカー戦闘員を無双した

 

俺も負けていられない

 

ドロップ!

リード!レジェンド!ヘンシーン!

 

レン「フォルムチェンジ」

俺は側面のボタンを押す

 

レジギガス!

レ・ジ!レ・ジ!レ・ジ・ギ・ガ・ス!

 

レン「大地の戦士、仮面ライダーレジェン、レジギガスフォルム!」

『ゲソッ?』

レン「ベビーボンバー!」

俺は足を振りかざし、思いっきり地面を蹴った

地震が起こったような地響きが生じ、『イカデビル』はコミカルに飛び上がった

 

『ゲソーッ!』

レン「ギガインパクト!」

空中で無防備になっている『イカデビル』に渾身の一撃を喰らわす

 

『ゲーソー!』

『イカデビル』は断末魔を吐きながら爆発した

 

レン「…よし」

 

粗方の敵は倒し、残るはアポロガイストだけとなった

 

士「あとはお前だ…ガイ」

ガイ「…それはどうかな?」

アポロガイストはギザギザの盾を投げ飛ばしてきた

 

士「くっ…」

レン「…なっ…」

ガイ「ふふふ…てやっ!」

鋭い剣で突かれる

まるでフェンシングのように

 

レン「…くっ…強いな」

士「……前よりも強くなってる…」

ガイ「当たり前だ、私は闇の力で蘇ったのだ…そして、これがその力の真骨頂…」

ガイはアポロチェンジを解除すると、懐から真っ黒で青色の窓があるディケイドライバーそっくりなものを取り出した

 

士「…それは…」

ガイ「私を蘇られせた者が授けたのだ…その名も、《ダークディケイドライバー》」

レン「《ダークディケイドライバー》?」

ガイはそう言うと、《ダークディケイドライバー》を腰に装着し、真っ黒で複眼が青色のディケイドが描かれたカードを差し込んだ

 

カメンライド!

ディケイド!

 

ガイ「……変身…」

ガイの周りに20体の真っ黒な影が現れ、それがガイに重なり、カードが顔面に入りシマシマ模様を作り出す

複眼は青く、白だった胸の十字の模様は金色に

 

正しく、闇のディケイドだった

 

ガイ「…仮面ライダー…ダークディケイド…」

士「…ダークディケイド…」

レン「…なんなんだあれ…なんでディケイドが…」

 

アタックライド!

スラッシュ!

 

ガイ「ふんっ!」

レン「がぁっ!」

士「だぁっ!」

ダークディケイドの攻撃に圧倒される俺達

 

レン「…くっ…」

士「……くっ…」

ガイ「…素晴らしい…これが闇の力を兼ね備えたダークディケイドの力!」

士「…なるほどな…大体分かった…」

レン「…何がだ?」

士「……ダークディケイドは、元々存在しては行けない物だ…だがこうしてガイと共に蘇ってしまった…」

レン「……すると、どうなるんだ…」

士「…世界が本当に破壊されてしまう」

レン「え!?」

士「…俺は世界の壁を破壊する存在として生まれた。だがダークディケイドは、世界そのものを破壊するために生まれた殺戮兵器だ」

レン「…そんな…」

士「……俺はかつて、あいつと戦った事がある」

レン「…え?」

士「…でも、勝つ代わりに、その世界を犠牲にするしか無かった…」

レン「……その世界って?」

士「……俺の世界だ」

レン「え!?」

士「…やっと見つけた俺の世界…でもそこは、俺だけの世界じゃなかった…言うなれば、ディケイドの世界」

レン「…ディケイドの世界」

士「…ダークディケイドは本物だ…俺達が適う相手じゃない…」

レン「…だったらどうするんだ!」

士「……この世界を…犠牲にするしか…」

レン「ふざけるな!そんな事俺がさせない!」

士「…じゃあどうしろって言うんだ!」

レン「……戦うんだ。それしかないだろ…」

俺は立ち上がった

 

レン「……はぁぁあ!」

ダークディケイドに向かって走っていく

 

アタックライド!

ブラスト!

 

レン「だぁぁぁあ!」

攻撃を受ける俺

 

レン「……くっ…くくっ」

立ち膝で何とか耐える

 

ガイ「……愚かな…」

レン「……あぁ…確かに俺は愚かだ…だがな…」

士「……っ」

レン「…最後の最後まで、俺はこの世界を見捨てない!」

士「……っ!」

ガイ「…くだらん。死ねぇ!」

 

ファイナルアタックライド!

ディ・ディ・ディ・ディケイド!

 

ダークディケイドはダークライドブッカーの銃口を向ける

同時に俺に向かって何枚もの巨大なカードが現れる

トリガーを引くと、ダークライドブッカーからは金色のビームが発射され、カードをすり抜けながら俺に向かって来た

 

ここが俺の死に場所か

そう思った時だ

 

ファイナルアタックライド!

ディ・ディ・ディ・ディケイド!

 

士が同じ攻撃で相殺し、ダメージを軽減してくれた

 

レン「……士っ!」

ガイ「……無駄な抵抗を…」

士「…こいつは死なせる訳には行かない…こいつには俺が持っていないものを持ってる……それは、決して諦めない心だ!」

レン「……」

士「俺はかつて世界を諦めた…だがこいつは、世界を守る為に、自分を犠牲にしようとした…たとえ自分が死んでも、大切なものを守る為に…」

ガイ「それも全て私が破壊する!世界は私のモノだ!」

士「それは違う!人には、必ず居場所がある…こいつにも、きっとある…」

レン「……っ」

士「そんなこいつの居場所を…お前みたいなただの死に損ないに渡すもんか…この世界は…こいつの居場所は俺が守る!」

ガイ「……なんなんだ…何者なんだ貴様は!」

士「…忘れたのか?…通りすがりの仮面ライダーだ!覚えておけ!」

士は懐からディケイドっぽい見た目をしたタッチパネル、『ケータッチ』を取り出した

 

クウガ!アギト!リュウキ!ファイズ!

ブレイド!ヒビキ!カブト!デンオウ!キバ!

ファイナル カメン ライド!

ディケイド!

 

クレストを順番にスライドしていき、ディケイドは姿を変化させた

両肩、そして胸には9枚の仮面ライダーが描かれたカードを、そして額には『ディケイド コンプリートフォーム』のカードが取り付けられている

全体的に銀色が増え、複眼がマゼンタカラーになる

仮面ライダーディケイド コンプリートフォームが完成した

 

ガイ「どんな姿になろうと…私には適わない!」

士「それはこっちのセリフだ!レン!行くぞ!」

レン「…あぁ!」

俺はミュウツーフォルムにフォルムチェンジした

 

レン「サイコキネシス!」

ガイ「ふっ!」

簡単に去なすダークディケイド

 

士「はぁっ!」

ガイ「くっ…」

士が斬撃を加える

 

ガイ「…無駄だ!」

士「…っ」

士はドライバーからケータッチを取り出し、ドラゴンのようなクレストを押し、Fのボタンを押す

 

リュウキ!

カメン!ライド!

サバイブ!

 

士の横に、赤龍の騎士のような仮面ライダーが現れる

同時に胸のカードも全てそいつの顔に変わる

 

ファイナルアタックライド!

リュ・リュ・リュ・リュウキ!

 

ライドブッカーに炎を纏う士と、龍騎サバイブ

 

ガイ「はぁっ!」

ダークディケイドの攻撃とぶつかり合い、衝撃波が生じる

 

レン「はどうだん!」

俺は隙をつき、ダークディケイドにダメージを与える

攻撃終了後、龍騎サバイブは消えた

 

カブト!

カメン!ライド!

ハイパー!

 

士は続いてメカメカしいカブトムシのような仮面ライダーを召喚させた

 

レン「…よし!行くぞ!」

 

ファイナルアタックライド!

カ・カ・カ・カブト!

 

レジェンド!ヒッサーツッ!

サイコブレイク!

 

士はライドブッカーを、カブトハイパーフォームはパーフェクトゼクターを構え、力を貯える

俺はエネルギー弾を生成する

 

士「はぁぁあ!」

レン「サイコブレイク!」

ガイ「がぁぁあ!」

ダークディケイドにはかなりのダメージが入ったようだ

 

ガイ「な…何故だ!私は…今度こそ世界を私のモノに…」

士「お前は見逃してたんだ」

ガイ「…なにっ?」

レン「……」

士「…こいつの存在をな!」

 

続いて士は古代文字のようなクレストを押した

 

クウガ!

カメン!ライド!

アルティメット!フォーム

 

士の横に、漆黒の体に金ラインが入った赤眼の仮面ライダーが召喚させた

 

ファイナルアタックライド!

ク・ク・ク・クウガ!

 

レジェンド!ヒッサーツッ!

ジーン!ディストラクション!

 

士とアルティメットクウガ、そして俺は高く飛び上がり、士はマゼンタのオーラを、アルティメットクウガは黄金のオーラを、俺は紫のオーラを、脚に纏わせながらダークディケイドに向かってキックを放った

 

士「はぁぁぁあ!」

レン「はぁぁぁあ!」

ガイ「がぁぁぁぁあ!」

トリプルライダーキックを受けたダークディケイドは叫んだ

全身から火花が飛び散っている

 

ガイ「……お…」

士「……」

ガイ「……おのれディケイドォォォ!」

大爆発を起こし、ダークディケイドは消え去った

そこに残ったのはダークディケイドのカードだけだった

 

士「……」

レン「……」

変身を解除し、お互いに支え合う

 

士「……ふっ」

レン「…ふっ」

やはり俺達は似たもの同士かもしれない

 

シオン「やったね!2人とも!」

メグ「すごいすごい!」

レン「…ふっ…あぁ」

士「……当然だ」

 

戦いの傷を癒す為、俺達は光写真館に戻った

その時、俺達は士達に今までの俺達の旅について少しだけ話をした

 

士との絆を、少しだけ感じた日だった

 

 

フラダリ「……」

カロス地方では知る人ぞ知る有名人

各地の病院や支援学校等に多額の寄付金を送るなど、善良な人柄で有名だ

 

フラダリ「……プロジェクトYの進行状況は?」

フレア団員「問題ありません、順調です」

その正体は、カロス全土で暗躍する謎の赤スーツの集団

『フレア団』のボス

 

フラダリ「…後はあいつの帰還を待つだけだな」

フラダリのデスクの上

ホロキャスターから映し出されているのは、破壊を司る伝説のポケモン、『イベルタル』のメガストーン

通称『破壊の繭』

フラダリはこれを探していた

そして…もうひとつ…

 

フレア団員「代表…『例の物』の回収に成功したそうです」

フラダリ「……そうか」

さぁ、プロジェクトYは最終局面を迎えている

 

後はどうやって《イベルタルストーン》を回収するか…

 

フラダリ「……フッ」

ここに丁度いいのがいるではないか…

 

 

レン「……」

シオン「……」

気まずい

よくあるやつだ、多人数で話をすれば盛り上がるのに

2人っきりになった途端、無言になる瞬間

そこ組み合わせがまさかの俺達とは…

 

レン「……ゔんっ」

シオン「……?」

言っておくが俺は…

 

レン「…あー…シオン」

シオン「何?」

レン「……好きな食べ物ってなんだ?」

シオン「……は?」

人とのコミュニケーションが大の苦手だ

 

レン「……」

シオン「…好きな食べ物か〜…そうだな〜…」

レン「……」

シオン「…お父さんが作ってくれるハンバーグ…かな」

レン「…は…ハンバーグ…」

シオン「…それがどうかしたの?」

レン「……いや…そうだ、台所を借りれるか?」

シオン「…うん…いいと思うけど」

レン「……」

俺は自前のエプロンを身に付け、料理を始めた

 

ちなみに、どうして今光写真館(ここ)に俺達しかいないかと言うと…

 

 

レン「……ピンクのダイヤ?」

メグ「うん!カロス地方の山の洞窟には、いくつものダイヤがあって、とても珍しいピンクのダイヤがあるんだって!」

レン「……それを摂りに行きたいと…」

メグ「うん!」

休養中、そんなことをメグから言われた俺

 

ポケヤミーがいつ現れるか分からない

俺はなるべく行かせたくなかった

 

士「だったら俺がついて行ってやろう」

レン「え?」

メグ「ほんと!?士さん!」

士「あぁ」

レン「大丈夫か?」

士「安心しろ、妹の扱いはもう慣れた」

妹、というのはメグのことではないだろう

さっきシオンから士にも妹がいる事を教えてもらった

またしても共通点が増えた

士にメグを任せ、俺はここにシオンと残る事にした

士は自前のバイク、《マシンディケイダー》に2人乗りをして光写真館を離れた

 

その結果こうなった

 

シオン「…何してるの?」

レン「見て分からないか?料理してるんだよ」

シオン「…なんで?」

レン「…そろそろ夕飯の時間だからな」

シオン「まだ昼の3時だけど…」

レン「……」

俺はそのまま料理をした

 

レン「……いっ…」

シオン「…痛むの?」

レン「……少しな」

シオン「無理しないで?」

レン「…いや…」

シオン「…貸して?私も手伝うから…これをこねればいいの?」

レン「……あぁ」

シオンは具材が入ったボオルに手を突っ込む

時々手が当たる

そして近い

シオンは俺より少しだけ身長が高く、胸元が空いた服装に目のやり場を奪われた

 

シオン「…もしかしてこれって…」

レン「…あぁ、ハンバーグだ」

完成した料理

それはハンバーグだ

 

シオン「…いただきます…」

シオンは箸をとり、ハンバーグを一口だけ食べた

 

シオン「……これは…」

レン「どうだ?俺なりの作り方だが…」

シオン「…お父さんの味だ…」

レン「……」

俺はここでひとつ疑問に思った

 

レン「…なんで家出なんてしたんだ?」

シオン「……」

シオンの箸が止まる

 

レン「……」

シオン「…君には関係ないよ」

レン「…いや、関係ある」

シオン「……」

レン「……」

人には人それぞれの事情がある

だが、こいつの事情は…

なにか裏がありそうだ

 

シオン「……私のお父さんはね、凄い人なの…色んな物を開発して、それを売って…まぁ、簡単に言えばお金持ち」

レン「……」

シオン「…でもそんな生活を送る前のお父さんは、いつも人の為になる事をして来た…皆この星に生きる命、正しく家族だって言って」

レン「……」

シオン「…でも現実は甘くなかった…この広い世界には、様々な人間がいる…横暴で強欲で身勝手な人間達ばっか…そんな現実を目の辺りにしたお父さんは…」

そこで話は途絶えた

理由は光写真館に客が来たからだ

 

フラダリ「失礼します」

その客とはフラダリだった

 

レン「…フラダリ…どうしてお前がここに…」

フラダリ「レン様、お久しぶりです…突然ですが、貴方にどうしても頼みたいことがございまして…」

レン「…なんだ?」

フラダリ「…とある物の、回収を…」

 

 

オルアースの森

かつて「大破壊」という災害を起こした場所らしい

 

フラダリ曰く、「大破壊」の根源である《イベルタル》がこのオルアースの森に眠っているらしい

 

レン「…よし…行くか…」

シオン「……」

レン「…どうした?」

シオン「…え?ううん…何でもない…」

何でもないと首を振るシオン

俺は特に気にせず森の奥に進んで行った

 

途中、シオンが木の根に躓いた

 

シオン「…きゃっ」

レン「…おっと…大丈夫か?」

シオン「…あ、ありがとう…」

レン「…気をつけろよ」

シオン「…うん」

レン「…どうした?さっきから変だぞ?」

シオン「……いや…その…」

 

すると、奥の茂みからポケヤミーが飛び出してきた

上半身を覆うように大きな鎧のような殻を有しており、そこから大きくトゲが突き出ている

トゲが甲羅や腕にあり、丸い頭をしている

どことなくアルマジロに似ている

 

『こんなところに人間が来るとはな…この『ブリガロン』様が相手してやる!』

レン「…そう易々と行かないか…変身」

俺は仮面ライダーレジェンへと変身し、『ブリガロン・ヤミー』の相手をした

 

 

シオン「……っ?」

レンが怪物と対峙している中、私は不思議なものを発見した

 

シオン「……大きな木…」

それは一際大きな木だった

とてつもない生命力を感じる…

 

私はその気を手を当てた

 

シオン「……?」

回り込むと、その木には一部だけ穴があった

私は恐る恐る手を突っ込み

手に感触を覚えた

 

シオン「……これって…」

 

 

レン「はぁぁぁあ!」

『ぐわぁぁあ!』

『ブリガロン•ヤミー』を倒し、俺はシオンを探した

 

シオンは木の影に潜んでいた

俺は変身を解き、シオンが来るのを待った

 

レン「……さて、《イベルタルストーン》を探すぞ」

シオン「……待って!」

レン「……?」

シオン「…実は私…っ!」

すると、突然近くの崖が崩れ始めた

さっきポケヤミーと戦っていた所だ

 

シオン「…危ない!」

崖から崩れた岩が、俺に向かって降っていく

 

レン「…っ!」

シオン「…っ!」

シオンは俺に飛びかかり、俺の上に重なった

 

しかし、銃撃音がすると思ったら、その岩石は砕け散り、俺達に被害は加わらなかった

 

士「…まったく…世話が焼ける…」

ライドブッカーを持った士が助けてくれたみたいだ

 

メグ「シオンさん大丈夫?」

シオン「…うん私は大丈夫…レンは?」

レン「…あぁ、大丈夫だ…ありがとな…」

シオン「良いの良いの!」

レン「……」

シオン「……」

士「……なんだあれは…」

士が崩れた崖の方を見た

崖の中には、黒と灰色で、白い模様が入った、歪な形をしたものが見えた

それは突然ひび割れ、灰色と黒、そして赤い模様が入ったメガストーンが現れる

 

レン「……まさか、あれが…」

《イベルタルストーン》

そんな気がする

 

すると、空からヘリコプターの音が聞こえた

同時に強い風

どうやら真上にいるようだ

 

逆光に照らされたヘリコプターの側面には、オレンジ色の模様が印字されていた

 

フラダリ「よくやった!仮面ライダー!」

レン「…その声…フラダリか!?」

フラダリはヘリコプターから飛び降りた

フラダリは着地し、俺に拍手する

 

フラダリ「やはり君に頼んで正解だったよ!」

レン「…どういう事だ…」

フラダリ「…これが欲しかったのだよ…世界を破壊するこの力を…!」

レン「……っ!」

フラダリは崖から《イベルタルストーン》を取り出した

 

フラダリ「……私は元々、人々が平和に、幸せに暮らす世の中を作りたくて…様々な援助や支援をして来た」

士「……」

フラダリ「……しかし、世界は醜く、残酷だった…」

メグ「……」

フラダリ「…限りある資源を浪費し、奪い合い…明日という日を食い潰している」

レン「……」

フラダリ「……これ以上…世界が醜く変わって行くのは耐えられない…だから私は、イベルタルの力を使い、この世界を破壊し、この世界の美しさを永遠の物とするのだ!」

レン「……っ!」

フラダリ「……私はフレア団のボス、フラダリ。これで…プロジェクトYが完成する…」

プロジェクトY…やはりとてつもない計画だったか

 

そういえば、どうしてフラダリ達は俺達の居場所を正確に見つけたんだ?

 

フラダリ「お前達に渡したホロキャスター…それには発信器とマイクが付いている」

レン「……くっ…」

俺とした事が…迂闊だった

フラダリは最初っから俺達を利用していたのか…

 

フラダリ「…遂に私達の計画が実を結ぶのだ…」

ん?私()

 

士「どうでもいい!やっとこの世界で俺がやるべき事がわかった…お前を破壊してやる…」

シオン「…滅びるのは貴方の方よ、士」

士「…シオン…どういうつもりだ?」

レン「…っ!」

シオンは士の背中に拳銃を当てていた

 

本当にどういうつもりだ?

どうして士を脅す?

まさか…!

 

フラダリ「……シオン…例の物は?」

シオン「…えぇ、お父さん…」

レン「…なっ…」

俺は全てを理解した

同時に全てに絶望した

 

シオンが話していた父親の話、フラダリの過去と一致する

更に、フラダリが光写真館に来た時から、シオンの様子が変だった

そうか…シオンの父親とは、フラダリの事だったのか…

 

シオンはフラダリのそばまで行き、とあるものを渡した

シオンは俺にとても冷たい視線を送ってくる

 

士「…それは!」

フラダリ「…ふふふ…よくやった…シオン…」

シオン「……」

それはダークディケイドのカードだった

 

フラダリ「…ふふふ…ははははは!」

士「…まさか…ダークディケイドの力も使う気か!?」

フラダリ「…その通り…破壊を司る伝説のポケモン《イベルタル》…そして数多の世界を破壊した《ダークディケイド》…この二つが組み合わさることで、私は破壊の神となるのだ!」

メグ「…っ」

フラダリはダークディケイドライバーに似たドライバーを腰に装着した

しかし真ん中に窓はなく、代わりにくぼみがあった

丁度メガストーンがハマりそうな

 

フラダリ「フレア団が総出で開発した《フレアドライバー》…その力…とくとご覧あれ」

 

フラダリはフレアドライバーのくぼみに《イベルタルストーン》をセットした

 

セット!

 

更にダークディケイドカードを差し込む

 

カメンライド!

ディケイド!

 

フラダリ「……変身!」

 

フラダリの前方にダークディケイド、そしてイベルタルと思われるポケモンの影が現れ、それがフラダリに重なる

 

胸の十字の模様は両胸にでき、首周りには羽毛が生える

両肩からも爪が生える

マントが腰から生え、先端は爪のような鋭いものが生えている

フラダリはイベルタルとダークディケイド、二つの要素が備わった仮面ライダーへと変化した

 

フラダリ「…仮面ライダー…イベルタルディケイド…」

仮面ライダーイベルタルディケイドが誕生した

 

士「変身!」

士は仮面ライダーディケイドへと変身し、フラダリに立ち向かった

 

かと言って、俺はまだ絶望していた

地面に膝をつき、現実逃避してしまった

 

レン「……」

メグ「…お兄ちゃん…」

レン「……うわぁぁぁぁぁあ!!」

俺は叫んだ

柄でもない

でも、叫ばずにはいられなかった

 

レン「…変身っ!」

仮面ライダーレジェンへと変身し、士と共にフラダリに立ち向かう

 

フラダリ「ふははは…」

士「でやぁ!」

レン「はぁ!」

俺達の攻撃には動じず、フラダリはずっと笑っていた

 

フラダリ「……」

士「…くそっ…ならばこいつだ」

 

カメンライド!

オーズ!

タ・ト・バ!タトバ!タ・ト・バ!

 

士は頭、胴、下半身が3色で分けられた仮面ライダーに変化した

 

フォームライド!

オーズ! サゴーゾ!

サゴーゾ…サゴーゾ!

 

すると、士の周辺にメダルのサークルが現れ、これが上から3枚白と黒のメダルになる

士は白、灰、黒の3色の姿になった

腕がゴリラのように発達している

 

アタックライド!

ゴリバゴーン!

 

士は両腕をフラダリに向けた

 

士「…せいやぁ!」

発達した両腕がフラダリに向かって飛んで行った

まるでロケットパンチ

 

フラダリ「……ふふふ」

士の猛攻撃を受けてもなお、フラダリは平気のようだ

 

レン「俺の番だ!はどうだん!」

フラダリ「……」

レン「…くっ…サイコカッター!」

フラダリ「……効かないな…はっ!」

レン「うわっ!」

フラダリが発した衝撃波だけで、数十メートル飛ばされた

 

メグ「お兄ちゃん!」

レン「…くっ…」

俺は地面に倒れる

 

フラダリ「……カロス地方は美しい…人々が笑いで満ち、まさに完璧な世界…」

士「だったらどうしてこの世界を破壊する!?」

士はライドブッカーで攻撃しながら問いかける

フラダリには全く効いてる気がしなかった

 

フラダリ「美しいからこそ、その美しさを、その若さを、永遠のものとするのだ……それでこそこの世界は完成する…この世界は美しくあるべきなのだ!」

士「ぐわぁ!」

フラダリは士の攻撃を薙ぎ払い、士の胸を殴った

士は数メートル吹き飛ばされ、変身が解かれ、俺の近くまで来た

 

レン「…最初から…ホントに最初から…俺達のことを騙してたのか…?…シオン…」

シオン「……」

レン「……答えろぉ!!」

俺の声が森に響く

 

シオン「……」

フラダリ「…私がプロジェクトYを計画したのは約二年前…その時にイベルタルの存在を知り、そして同時期に、ダークディケイドの存在も知った…」

シオン「…その時、私はディケイドである門矢士を探すために旅に出た」

フラダリ「シオンにはダークディケイドの力の源の回収をさせ、私はこの世界でイベルタルを探し求めた」

シオン「奇跡的に士と私はこの世界にたどり着き、ダークディケイドもこの世界で蘇った…」

フラダリ「計画は至って順調…お前達のような邪魔者がいるのは少し不安だったが…」

フラダリは俺達を見下した

 

レン「……くっ…」

フラダリ「…その必要も無さそうだ」

シオン「あなた達のおかげで、お父さんは計画を進める事が出来る…良くやったわね、士…レン…」

レン「…黙れ…黙れェ!」

士「…俺達のせいで…」

俺達は絶望した

風が止んだ

 

レン「……お前は…俺達を何だと思ってたんだ…」

シオン「……」

レン「…仲間じゃなかったのか!?」

士「……レン…」

俺はシオンとの短い時間を思い出すが、思い浮かぶのはシオンの悲しい表情ばっかりだった

 

レン「……あの目は本当に嘘だったのか…?本当は何処かで苦しんでたんじゃ無いのか!?」

シオン「……利用出来るものはとことん利用する…私はそうやって育ってきた…」

レン「じゃあ!どうしてあの時俺を助けた!?」

シオン「…っ」

レン「……俺達は仲間じゃなかったのか…」

シオン「……私はあなた達を裏切った…もうこれで終わりなのよ!」

レン「そんな事ない…この世界は破壊させない…お前達が生きるこの世界を!」

俺はシオンを睨む

 

レン「…はぁぁあ!」

俺はフラダリに突っ込んだ

 

フラダリ「…フッ!」

レン「ぐわっ…はぁぁ!」

フラダリ「くっ…しつこい…」

レン「…俺は諦めない…この世界を!」

シオン「…っ!」

フラダリは俺を薙ぎ倒す

 

フラダリ「私は世界の様々な人間と関わってきた…醜い人間の為に…私が尽くす必要は無い…貴様も次期にわかる事だ…この世界の心理を…」

レン「人間は確かに愚かで醜い…争いは耐えないし…無駄な事をする…」

士「……」

レン「…でも人間は、争いを繰り返し、それを乗り越えで来た…世界をより良くする為に……皆思いは一緒だ…」

フラダリ「……」

レン「…一見無駄な事でも、意味はある…人はそれを信じてるんだ…」

シオン「……」

レン「…俺はフラダリ、お前とは違う…俺は人の醜さを…世界の醜さを受け入れて…戦い続ける」

フラダリ「……貴様に何が分かる…私の気持ちがァ!」

レン「ぐっ!」

俺はフラダリのパンチを受け止める

 

レン「……くっ…」

フラダリ「なにっ…」

レン「……あんたは闇に落ちるべき人間じゃない…必ず俺が救い出してみせる…」

フラダリ「…うるさぁい!」

フラダリは反対の手で俺を殴った

 

レン「ぐわぁぁ!」

俺は吹き飛ばされ、変身が解けてしまった

 

フラダリ「……っ」

フラダリは黒いライドブッカーを構え、俺に銃口を向ける

 

レン「…っ」

トリガーが引かれ、俺は死を覚悟した

 

しかし、俺に攻撃が当たる事はなかった

 

シオン「……うっ…」

俺を庇ったシオンの胸からは血が垂れる

 

レン「…はっ…」

後ろに倒れるシオンを、俺は受け止めた

シオンはゆっくりと俺を見た

 

レン「……シオン…」

シオン「……ごめんね…レン…」

レン「……」

シオン「…私は…お父さんの力になりたくて…こんな事をしてしまった…」

シオンは息が切れるように話す

 

レン「……」

シオン「…私は…あなたが思うより強い人間じゃないから…貴方に釣り合う人間にはなれなかったけど…」

レン「……」

シオンは俺の頬に手を添える

 

シオン「…レン…貴方をずっと見ているわ…」

レン「……おい…」

シオン「……ありがとう…レン…」

シオンは笑みを浮かべていた

 

レン「……どうして…」

シオン「……」

レン「……どうして…俺を…」

シオン「……だって私達は…」

レン「……」

シオン「……仲間…なんでしょ?」

レン「…っ!」

俺の眼から涙が流れるのがわかった

涙はシオンの腕をつたる

 

シオンは俺に何かを手渡した

シオンの手には、メガストーンが握られていた

 

シオン「……これ…森の中で見つけたの…」

レン「……俺に?」

シオン「……きっとこれが…貴方を助けてくれる…そんな気がするの…」

レン「……」

シオン「……お願い…お父さんを止めて…」

レン「……」

シオン「…貴方ならきっと……」

レン「……もちろんだ…俺は必ず……」

俺はシオンに話しかけるのを止めた

シオンは静かに目を閉じ、身体が冷たくなってきたのが分かった

 

レン「……」

俺はシオンを静かに地面に置いた

閉じた眼は開くことは無かった

 

レン「……っ!」

そしてフラダリを睨む

 

フラダリ「……」

レン「……娘が死んで…平気なのか…?」

フラダリ「…どの内死ぬ運命なのだ…それが少しだけ早くなっただけ…そこに感情は無用だ」

レン「……くっ…」

俺は拳に力を入れる

 

レン「……感情が必要ないだと…」

フラダリ「…そうだ…いずれ無くなる物に…必要価値などない…」

レン「……いいや…必要のないものなんてない…全てのものに意味がある…」

士「……」

レン「……いずれ無くなるからそこ…人間は大切にしたいと思うんだ…人の命だって一緒だ…いずれ無くなる命だからそこ…大切にしたいんだ!」

フラダリ「……」

レン「…俺は守ってみせる…例え必要の無いものだとしても…人間の中にあるそれを、守ってみせる…」

士「……レン…」

レン「……大丈夫か?士」

士「…あぁ」

レン「……それが世界そのものなんだ…だからこそ守る!それが…俺の使命だ!」

フラダリ「…なんなんだ…なんなんだ貴様は!」

レン「……俺は…俺達は…」

俺は士を見る

そして再びフラダリを睨む

 

士「……」

レン「通りすがりの仮面ライダーだ!覚えておけ!」

シオンが託したメガストーンが眩く光る

 

フラダリ「…それは…《ゼルネアス》の力!」

レン「士…行けるか?」

士「…あぁ、勿論だ」

俺と士は横に並んだ

 

ドロップ!

リード!レジェンド!ヘンシーン!

 

俺は右手を前に出す

士はカードをフラダリに見せつける

 

レン・士「「変身っ!」」

 

カメンライド!

ディケイド!

 

ミュウツー!

ミュウ!ツー!ミュウ!ツー!ミュウ!ツー!ツー!

 

レン「伝説の戦士!仮面ライダーレジェン!」

士「…仮面ライダーディケイド!」

レン「…さぁ、伝説の始まりだ!」

俺と士はフラダリに向かって行く

 

フラダリ「…貴様らなど…これで十分だ」

 

アタックライド!

デスウイング!

 

フラダリ「ふぅあぁぁあ!」

フラダリは飛び上がり、どす黒い鈍い色のビームを俺達に放つ

 

フラダリ「…フッ…ん?」

レン「…はぁぁあ!」

士「…はぁぁあ!」

レン・士「はぁぁ!」

俺達はそのビームを避け、フラダリに向かってパンチを喰らわした

 

フラダリ「ぬわっ!なっ…なぜだ!」

士「…俺達を強くしてるのは理屈じゃない…心だ…」

レン「…心があるから…思いがあるから…強くなれる」

士「…それが…」

レン・士「「…仮面ライダーだ!」」

士はケータッチの黒かった部分が灰色で、「21」とマゼンタの文字が書かれている、《ケータッチ21》を取り出し、俺はシオンが託した《ゼルネアスストーン》を取り出す

 

ダブル!オーズ!フォーゼ!ウィザード!

ガイム!ドライブ!ゴースト!エグゼイド!

ビルド!ジオウ!ゼロワン!

ファイナル カメン ライド!

ディケイド!Complete!21!

 

ネオディケイドライバーから無数のカードが飛び出し、士を囲んでいく

胸部装甲は分厚く、左肩、胸部、右肩に19枚のカードがあり

額に2枚のカードが上下にある

マゼンタのマントには70枚ものカードがあり、様々な仮面ライダーの顔が見える

 

仮面ライダーディケイド コンプリートフォーム21が登場した

 

ドロップ!

レジェンド!ヘンシーン!

 

レン「フォルムチェンジ!」

 

ゼルネアス!

ゼル!ゼル!ゼルネアス〜!

 

俺の体は上半身が青く、下半身が黒くなり、頭の上から何本もの角が生えてくる

まるで鹿のような見た目だ

 

レン「生命の戦士!仮面ライダーレジェン!ゼルネアスフォルム!」

俺はフラダリを見る

 

レン「…一緒に戦ってくれ…シオン…」

士「…行くぞ!」

レン「あぁ!」

 

アタックライド!

スラッシュ!

 

レン「…ムーンフォース!」

士はフラダリに斬撃を加える

続けて俺はフラダリにムーンフォースを放つ

 

フラダリ「ぐっ…まだだ!」

フラダリは闇のオーラを放つ

 

士「…闇には…光だ!」

 

エグゼイド!

カメン!ライド!

ムテキ!ゲーマー!

 

士の横に、黄金に輝く長髪の仮面ライダーが現れる

 

ファイナルアタックライド!

エ・エ・エ・エグゼイド!

 

士のライドブッカーが光り輝き、ムテキエグゼイドも剣を構える

 

士「…はぁぁ!」

フラダリ「ぐわぁぁ!」

闇のオーラを放つフラダリを刻む

 

レン「…ジオコントロール!」

俺は生のエネルギーを放つ

 

フラダリ「…ぐっ…ぐぐっ…」

フラダリはその攻撃を拒んだ

 

フラダリ「…ゼルネアスの力が…私を…!」

 

ゼロワン!

カメン!ライド!

ゼロツー

 

士はネオンイエローや銀色、首元に赤で「02」と書いてある仮面ライダーを召喚した

 

ファイナルアタックライド!

ゼ・ゼ・ゼ・ゼロワン!

 

士「…はぁぁあ!」

士とゼロツーは飛び上がり、フラダリにキックを放つ

 

フラダリ「ぐわぁぁあ!」

レン「……っ」

フラダリ「…破壊の力が…上手く出ない…」

レン「……創造は破壊からしか生まれない…でも」

フラダリ「…っ!」

レン「…破壊を止められるのは、創造の力だけだ!」

俺はレジェンスロットを移動させる

 

リード!レジェンド!ヒッサーツッ!

 

ファイナルアタックライド!

 

レン「…っ」

士「…っ」

俺と士は向き合い、頷き合う

 

ゼルネアス!

バイタリティーオーラ!

 

ディ•ディ•ディ•ディケイド!

 

俺は全身から虹色のオーラを放つ

 

俺と士は飛び上がる

 

ファイナルアタックライド!

ディ・ディ・ディ・ディケイド!

 

フラダリ「…ふぅぁあ!」

フラダリも飛び上がり俺達にキックを放つ

 

士「…はぁぁあ!」

レン「はぁぁあ!」

士の周りには21枚のカードが7枚が円形に並び、それが3層に現れる

その真ん中を貫くようにキックを放つ

俺は虹色のオーラを放ちながらキックを放つ

 

フラダリ「…はぁぁあ!」

士「はぁぁあ!」

レン「はぁぁあ!はぁ!」

フラダリ「…ぐっ…ぐわぁぁあ!」

俺達は押し切り、フラダリを倒した

変身が解けたフラダリは地を這っていた

 

士「…はぁ…はぁ…」

レン「…はぁ…はぁ…」

士「……ふっ」

レン「……やったな」

士「…あぁ」

俺達は基本フォームに戻った

これで終わると思っていた

 

しかし、敵は想像以上にしぶとかった

 

フラダリ「…ぐふっ…ぐぅ…うぅ…」

フラダリは《イベルタルストーン》とダークディケイドのカードに手を伸ばす

 

フラダリ「…私は…全てを破壊する…それが…」

レン「……っ!」

士「……っ」

フラダリ「……私の…夢だァ!」

フラダリは《イベルタルストーン》とダークディケイドカードを上に掲げる

そのまま手を放し、その二つはフラダリの口に入る

フラダリはそのまま飲み込んだ

 

レン「なっ!」

士「飲み込んだ…だと!」

フラダリ「……ぐっ…がァ!…ああぁあぁあああぁああぁああぁあぁあぁああぁぁああぁあぁあ!」

レン「なんだ!?」

フラダリの体は内側から膨張するように巨大化する

フラダリは苦しみもがいていた

 

巨大な赤い翼に尾

身体中にディケイドのようなシマシマ模様

胸にある十字の模様

目は青く大きくなり、歪んだ形になる

 

イベルタルディケイド(激情態)が誕生した

 

『ギャァァア!』

レン「…あれは…」

士「…力が暴走してるな」

 

イベルタルディケイドは森にデスウイングを放ちまくって森を枯らして行った

奴の攻撃は俺達のことも襲う

 

レン「うわっ!」

士「…くっ…」

レン「…どうすれば…」

続けて攻撃してくる

 

レン「…くっ…このままじゃ森が…」

士「…今の奴には自我がない…だが、俺はああいう奴には慣れてる」

レン「…え?」

士はレジェンとメガストーンが描かれたカードを取り出した

 

士「…これが、俺とお前の力だ」

 

ファイナルフォームライド!

レ・レ・レ・レジェン!

 

士「…ちょっとくすぐったいぞ」

レン「…な、なんだ!」

士は俺の背中に手を当てる

俺の体はみるみる変化して行って、薄紫と紫の巨大なメガストーン、『レジェンストーン』へと変化して行った

宙に浮いたまま、俺は戸惑う

 

レン「…俺が…メガストーンに…」

士「…行くぞ…あいつを倒す」

 

ファイナルアタックライド!

レ・レ・レ・レジェン!

 

士「ふっ!」

士は高く飛び上がる

俺は士について行く

 

士「はぁぁあ!」

士は空中で俺を奴に向かって蹴り飛ばす

物凄い速さで奴に向かって行く

 

レン「はぁぁ!」

俺は通常の姿に戻ると、士に蹴られた速度を保ちながら

奴に向かってキックを放つ

 

『ギャァァア!』

イベルタルディケイドは大爆発を起こし、消えて行った

フラダリの姿は無かった

きっと奴自体があいつだったのだろう

助けられなかった

 

着地した俺の元に《イベルタルストーン》が降ってくる

 

士の元にはダークディケイドカードが降って来た

士は何も言わずにカードを握りつぶした

 

これでダークディケイドの力が利用される事は無いだろう

 

これで全て終わった

ただ、俺の気は晴れなかった

シオンの身体は、完全に冷たくなっていた

 

 

レン「……」

メグ「……お兄ちゃん?」

レン「……夢を持つと、人はあんな風になるのか?」

メグ「……」

士「…場合によるが…まぁ、珍しくは無いんじゃないか?」

シオンの墓を作った俺達

手を合わせたあと、俺は切り出した

 

レン「……だったら俺は…」

夢を持つと、人はあんなに惨めになるのか…

だったら俺は…

 

「レン…夢を持て…」

 

レン「……夢などいらない…」

俺はシオンの墓を離れる

 

士「……」

メグ「……」

その日から俺は、夢物語が嫌いになった

いや、拒絶するようになった

 

 

レン「……行くのか?」

士「あぁ、俺がこの世界でやるべき事は済んだ…だが…」

レン「……ん?」

士「…こいつの存在は今でも謎だな」

士は灰色のモヤがかかった仮面ライダーのカードを見詰める

まるで鳥のようなシルエットだ

 

士「…もしかしたら、いずれこの世界で誕生する仮面ライダーのものかもな」

レン「……」

士「……レン…お前がいれば、この世界は大丈夫だ…俺はそう確信している…」

レン「……あぁ」

士「…この世界を頼んだぞ?」

レン「…お前こそ、これからも世界を繋いで行ってくれ」

士「…あぁ、それが俺の使命だからな…俺達はいつまでも旅の途中だ…これからも世界を繋いで見せる…」

レン「……」

士「……また何処かの世界で逢おう」

士は手を差し出す

 

レン「……あぁ、お前の事は忘れない…」

俺はその手を握り、握手をした

数秒間、その時間は続いた

 

 

士は銀色のオーロラを出現させ、旅立った

 

レン「……」

メグ「…行っちゃったね」

レン「…あぁ…さて、俺達も行くか」

メグ「…うん!」

レン「…そういえば、ピンクのダイヤってやつは見つけたのか?」

メグ「うん!これ!」

メグはカバンから本当にピンク色のダイヤを取り出す

この輝き…本物だな

 

レン「……」

メグ「これを摂るのも意外と大変だったんだよ?」

レン「……そうか、大切にしろよ」

メグ「うん!」

メグの笑顔を見ると、シオンの事を思い出す

 

レン「……」

 

「貴方をずっと見ているわ…」

 

レン「……」

あぁ、いつまでも見守っていてくれ…

シオン…

 

 

光写真館の現像室

 

赤いライトに照らされながら、俺は撮った写真を現像していた

 

士「……ふっ」

現像し終わった俺は、スタジオまで来て、机に写真を置く

 

窓を開け、深呼吸をする

 

夏海「…何してるんですか?士君」

士「…ナツミカン…夢って、なんだと思う?」

夏海「…なんですか急に?…それは…」

俺は俺のカメラを持った光夏海を見る

 

夏海「……人生を掛けて…追うもの…ですかね」

士「……そうだな」

笑うナツミカン

俺も自然と口角が上がる

 

栄次郎「…おや、士君…帰ってたのか?…ん?これは…」

ナツミカンの祖父である光栄次郎は、さっき現像した写真を見た

 

栄次郎「…これはまた…いい写真だねぇ…」

士「…上手く撮れてないがな」

栄次郎「いやぁ?ほら…この2人…いい感じじゃないか」

士「……」

写真は毎度の如くピンぼけや、歪みがあるが

その写真には、レンとメグ…そして、レンと背中合わせに立っている半透明のシオン

空を見上げ、まるでレンに背中を任せているように見える

 

夏海「いつの間に世界を渡ったんですか?」

士「…まぁな」

栄次郎「いや〜これは額縁に飾って…あぁ!」

窓から風が吹き、写真が風に流される

栄次郎は柱にぶつかり、鎖がジャラジャラと動き、スタジオの絵が変化する

 

士「…人生を掛けて追うもの…か」

夏海「…?」

士「…俺は悪くないと思うな」

夏海「……??」

絵が完全に入れ替わり、絵が淡く光る

世界を渡った証拠だ

 

士「……夢を持つ事と、旅をする事は、似てる事なのかもな」

夏海「…そうですね」

士「……俺達の旅は終わらない…」

俺はその絵を見ながら言う

 

士「…これからも…いつまでも…」

俺は世界の破壊者、ディケイド

そして、通りすがりの仮面ライダー

数々の世界を旅し、全てを破壊し、全てを繋ぐ

 

ナツミカンの言葉…あいつにも伝えたかったな

 

士「……」

夏海「士君、次は何処に向かうんですか?」

士「……未来…だな」

ディケイドの旅は…門矢士の旅は…ここから始まる

 


 

メガミ「へぇ〜、そんな事があったんですね!」

レン「…あぁ、それが俺が夢を嫌ってた理由だ」

ライト「なるほどなぁ〜…納得だわ〜」

レン「…ちゃんと聞いてたか?」

ライト「え?あぁ、ちゃんと聞いてたよ…?」

ライトはまたもや能天気な顔を見せる

 

レン「…まぁいい…飯を作るぞ」

ライト「お!待ってました!」

レン「…お前…最初からその事しか考えてなかっただろ…」

俺は料理を始めた

ライトはウキウキしながら待っている

 

メガミ「手伝いますよ、レンさん」

レン「…あぁ、助かる」

メガミ「……ふふっ」

レン「…何がおかしい?」

メガミ「…いや、昔はレンさんにも、ちゃんと仲間がいた事を考えると、少し安心して…」

レン「……」

メガミ「…それに、今は夢を見つけると言ってたじゃないですか…やっぱりライトさんが貴方を変えてくれたんですね…」

レン「……」

メガミ「…私…前のレンさんよりも、今のレンさんの方が…好きですよ?」

レン「…っ」

メガミ「……ふふっ」

メガミは、ライトと同じような表情をする事がたまにある

 

似た者同士で、お似合いのふたりじゃないか…

 

レン「……」

メガミ「ふ〜んふ〜ん♪」

 

シオン…

今俺は、恋をしている

それは、絶対叶うことの無い恋

でも、見守っていて欲しい…

 

お前達親子が望んだ、その世界が実現出来る日が来る…

その時まで…

 

レン「……」

俺はふと、ヨシノシティで出会ったあの女の子の言葉を思い出した

 

紫苑(しおん)って花もあるんだけどねぇ!その花言葉は…」

 

レン「……」

 

「君を忘れない」

 

お わ り




あとがき

いかがでしたでしょうか?
スピンオフ第3弾です
前々から自分のオリジナルキャラであるレンには何処か既視感がありました
犯人は門矢士でした…
おのれディケイドォォォ!

やりたかった事を詰め込んだ結果、こんな長さになってしまいました…

ちなみにこの世界線の士は、ディケイド館のデスゲームより少し前の世界線の士です(未視聴)
ところでゼロワンの力ってどうやって手に入れたんでしょうね?

『破壊の繭』の別名を持つイベルタルと『世界の破壊者』の別名を持つディケイド
クロスオーバーせずにはいられませんでした(クオリティ低かったらごめんなさい)

今回の作品は《イベルタルストーン》の入手経路、夢を嫌う理由の説明
サマエル戦で言っていたあの人とはシオンの事でした

さて、まだまだ続く仮面ライダーバーサの物語
これからも何卒よろしくお願いいたしますm(_ _)m

感想や不満な点があったらもし良かったらお願いします

これからもよろしくお願いいたします byキャメル16世
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