花騎士二次創作 小さくなったお姉ちゃん   作:ykkz

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第一話 事件の始まり

 私の名前はコナギ。

 ロータスレイクの司聖官見習いにしてフラワーナイト。

 そして、ミズアオイお姉ちゃんの妹です。

 

 そう、私にはお姉ちゃんがいます。私よりも5つも年上なのに、とっても可愛いお姉ちゃん。

 お姉ちゃんは優しくて、スタイル抜群で、頑張り屋で……そんなお姉ちゃんが、私は大好きなんです♪

 お姉ちゃんはほんとに凄くて、いっつも明るく元気だし、私を見ると満面の笑顔を向けてくれるし、いいことがあるとピョンピョン飛んで喜ぶし、落ち込んだ時は世界の終わりみたいな顔をして雲隠れしちゃうし、毎日1回は私に泣きついてくるし、でもそんな泣き顔も可愛くて、それでそれでっ……。

…………

……

 

えっと、そうでした。話を戻しましょう。

 私たちは現在、ロータスレイクの騎士団に所属し、司聖官としての修行をしながら、有事の際にはフラワーナイトとして世界の敵……害虫と戦う毎日を送っています。

 事件の日、その日は非番でした。

 私がお姉ちゃんと一緒に朝のお祈りにいこうと、お姉ちゃんの部屋を訪ねたときには、すでに事件が始まっていたのでした……。

 

 

 

 

 

「お姉ちゃん、今朝はきっと起きられないよね」

 私は騎士団宿舎の廊下を、姉の部屋に向かって歩きながらそう呟いた。

 昨日のお姉ちゃんはロータスレイク王室での儀式を手伝いに行っていた。

 お姉ちゃんのことだ、張り切り過ぎてしまって疲れが今日に残ってしまっているだろう。

 そんな時は朝のお祈りに遅刻してしまうので、私はお姉ちゃんを起こすために部屋を訪れることにしていた。

 

コンコン

 

「お姉ちゃん? 入るよー?」

 ノックの後に声をかけ、反応がないのを確認して合鍵を使い入る。

 ベッドが膨らんでいる……やはりお姉ちゃんは起きられなかったのだ。

 私に起こされたお姉ちゃんは少し落ち込んでしまうだろう。でもすぐ立ち直って昨日の話を聞かせてくれるに違いない。そんなことを思いながらベッドへと近づいた。

 

「お姉ちゃん、朝だよ? 眠り姫様へのお祈りの時間だよ」

 声をかけながらお姉ちゃんの寝顔を覗き込む。

 しかし想像に反して、そこにいたのはお姉ちゃんではなかった。

 

 年は10歳に満たないだろう。女の子だ。

 髪は薄い紫。お姉ちゃんと同じ名前の花、ミズアオイの花弁の色。

 色白な肌、少女らしく柔らかそうな頬。

 何か楽しい夢でも見ているのか、口元は緩み、よだれが渇いたあとがある。

 ???

 一瞬混乱して周りを見渡す。ベッドの周りや机の上をみてお姉ちゃんの部屋で間違いないことを確認する。

 そもそも、合鍵を使って入ってきた時点で部屋を間違えたわけはないのだ。

 

「では……この子は誰でしょう?」

 姉の部屋を訪れたら当人はおらず、騎士団にいるのは不思議なほど幼い子。

「私達姉妹に似ているし、親戚の子なのかな。お姉ちゃんが預かったとか」

 

 しばらく寝顔を見ながら考え込んでいたものの、こんなにも気持ちよさそうに寝てる子を起こすのも気が引けて、私は部屋を離れて姉を探すことにした。

 

 そのとき

「んん、んーーー」

 ベッドの子が目を覚ましたのか、目をこすりつつ起き上がろうとしているではないか。 

 いけない。寝起きで突然知らない人がいたら驚かせてしまうことだろう。

 そう思い、ベッドから離れようとしたのだが。

 

「だれ……? コナギちゃん……?」

 ベッドの子が私に気付いたのか話しかけてきた。

 私の名前を知っている?

 こうなっては離れるわけにもいかない。

「はい、私はコナギです。あなたは誰ですか?」

 そういったとたん、寝ぼけていたようなその子の表情が見る見るうちに曇ってしまった。

 まずい。

「ごめんなさい。以前お会いしましたか? 覚えていないんです」

 何が悪かったのか、目の前の子はもう今にも泣きそうだ。

「びぇ……コナギちゃん、ほんとにお姉ちゃんのこと忘れちゃったの?」

 全く記憶がな……お姉ちゃん?

 確かに容姿はお姉ちゃんに似ている。似ているのだが。

「お姉ちゃん……なの?」

「当たり前だよ~! お姉ちゃんのこと忘れちゃやーだー!」

 

 ……あまりのことに私は呆然となってしまった。

 

 ベッドで身を起こした『お姉ちゃん?』はそんな私を見て

「どうしたの? コナギちゃん。お腹痛いの?」

 心底心配そうな顔でそんなことを言ってきた。

 さっきまでの泣き顔が嘘のように引っ込んでいる。

 それでようやく私は冷静さを取り戻す。

 あ、この子は『お姉ちゃん』だ。

 どんな時でも自分より私を優先してくれる。お姉ちゃん。

 お腹痛いのかを心配してくるのは見当違いもいいところだけど、そんなことは些細なことだ。

 私の中に暖かい気持ちが沸き上がってくる。やっぱりお姉ちゃんはすごい。 

「ありがとう、お姉ちゃん。もう大丈夫だよ」

 落ち着いた私は、まずお姉ちゃんに現状を知ってもらうことにしたのだった。

 

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