「どうして? どうして私、縮んじゃってるのー!? 私のほうがお姉ちゃんなのに、コナギちゃんよりちっちゃくなってるよう。びええええん!」
「お姉ちゃん、落ち着いて。大丈夫だよ。まずはどうしてこうなっちゃったのか考えよ?」
あれからお姉ちゃんに鏡を見てもらったら案の定、泣き出してしまった。
無理もないと思う。お姉ちゃんはお姉ちゃんであることに全身全霊をかけている人だから、妹の私より小さくなったのはショックだったことだろう。
私もショックを受けていたが、お姉ちゃんの中身が変わっていなかったことに加えて、お姉ちゃんが動揺してくれたことで冷静になれた。
お姉ちゃんが小さいのは私にとってそれほど問題ではないと考えることもできるのだ。なにせ、元々かわいいお姉ちゃんは小さくなってもかわいいのだから。
閑話休題。
「お姉ちゃん、原因に心当たりはないんだよね?」
「うん……。昨日パジャマに着替えたときにはいつも通りだったよ?」
「じゃあまず考えられるのはお姉ちゃんが寝ている間に何かされちゃったことだけど……。」
物事を筋道立てて考えるのは私の得意分野だ。
お姉ちゃんが不得意な分野は意図的に伸ばしたのだ。お姉ちゃんを助けられるように。
だから私は次にこう助言する。
「お姉ちゃん、私が部屋に入ってきたときには鍵がかかってたよ」
「えーっと、鍵は私が持ってる本鍵と、コナギちゃんが持ってる合鍵だけ。内からなら鍵無しで施錠できるけど、外から鍵をかける手段はそれだけなんだから、この部屋には誰も入ってない!」
正解!
「お姉ちゃんが寝ている間に何かされちゃったっていう線は消せたね。すごいよ、一歩前進だよ!」
さっきまで泣きっ面だったお姉ちゃんは得意げだ。
小っちゃいお姉ちゃんが腰に手を当てて踏ん反り返っている。かわいい。
「んっと、私が持ってる本鍵はここに……。あれ? あれれ? 無いよ、どうじようーコナギちゃーん!」
えーーーっ!?
それは予想外だよ、お姉ちゃん。
「だ、だいじょうぶだよお姉ちゃん。まずは落ち着いて鍵をさがそ?」
涙目になったお姉ちゃんをなだめて部屋の鍵を探し始めたが、幸いなことにすぐ見つかった。
「とにかく、部屋の中に鍵はあったんだし、やっぱり原因があるとすればお姉ちゃんの昨日の行動だね」
お姉ちゃんってばほんとうに予想がつかない。そんなところも好きなんだけど。
「昨日は水上都市の女王様……ヒツジグサ様が参加される儀式の手伝いだったよ?」
その儀式のことは私も知っている。
お姉ちゃんはある出来事(※)で関わりがあってからヒツジグサ様の覚えがいい。それで声がかかったのだろう。
「それじゃあ昨日のお姉ちゃんの行動を洗い直してみよう?」
私がそう言うと、お姉ちゃんは昨日のことを話してくれるのだった。
(※)原作イベントストーリー『女王様は忙しい!』参照